活着系水草+岩石の特徴
ミクロソリウムを活着させたい。でも、小さな水槽では大きな流木を置くスペースが少なく、さらに、もし流木を用意しても、すぐに使えるとは限りません。
そんなとき、ふと目に入ったのが小さな溶岩石でした。果たして、これがミクロソリウムの土台として使えるのでしょうか?
**********************************
困ったことがある。新入りのミクロソリウムだ。使い古した小さい流木にアクセントが欲しいと1ポット購入したものの、なんと1ポットに2株で押し込められていたのだ。
これでは、活着させる土台が足らない。とは言え、すぐに流木なんて都合のいいものはもうない。アク抜きが必要だからだ。それに根本的な問題もある。
「うーん、なにか手っ取り早く活着させるものがあれば……」
となれば、わたしの水槽のお師匠様に相談するしかない。
溶岩石の良し悪し
流木を入れたくても入れられない理由
そして、翌日。
真夏。すでに時刻は19時を過ぎているというのに、外は28℃もあるらしい。らしいと付けたのは、この高層ビルの中にいると、外の天気がいかようなものなのか、全く分からないからだ。
今日の夕方にはゲリラ豪雨もあったようだ。叩くような雨と激しい稲光に見舞われたとTVでは盛んに訴えていたが、そうは言っても頭上には分厚いコンクリート。雨音など絶対に聞こえるはずもない。
ドンとした雷鳴でガラスが大きく響き、初めて外を気にする始末。ここは考えようによってはディストピアだ。
そんなことを心の中でぼやいても、時間は刻々と過ぎていく。ふと目をやれば、もうお師匠様との待ち合わせの時刻。残業もほとほどにして、下の世界でお楽しみのアクア談義が待っているのだ。
目指すは、交差点の脇にある赤い看板の喫茶店。要人が多いこの地域は、道を歩けばすぐに警察官の鋭い眼光が目に入る。一般人にすぎないわたしには、あらぬ疑いを掛けられぬよう視線をわずかにずらしながら、必死に打ち合わせ時間に遅れるサラリーマンのふりをして小走りで店へ飛び込むのだ。
すると、後ろからすぐさま声が掛かった。
師:「よぉ!」
私:「い゛!? あ……、お師匠様!」
ギクリとしながら振り返り、よく顔を見てみればお師匠様だ。
師:「奇遇だね。二人で同時に着くだなんて。それで、流木はどうなったんだい?」
私:「あ、いえ……、それを今から話そうかと……」
師:「じゃあ、ここで喋るのはやめて、すぐにでも見に行こうよ?」
私:「え? しかし、時間が時間ですし?」
師:「でも、飛び込めばまだ間に合うかもしれないじゃない?」
私:「それが、別の問題もあって……」
師:「?」
私:「実は、流木を丸っと一本入れるスペース的な余裕なんて、もうないのです」
師:「ふんふん」
私:「流木を入れたいのは山々なんですが、30cmキューブのハイタイプなので、底面がすごく狭いくて……」
師:「なるほどぉ」
私:「何かいい活着させる素材はないかと思って」
師:「うーん、どうやら話をよく聞いた方がいいみたいだね」
最近の流木事情
と、いうわけで、二人そろって注文の列に並び、テーブルに付きなおしてから、いつものアクアな話が始まった。
私:「なにか、こう、ミクロソリウムの活着で、小さくてすぐに使えるものはないでしょうか?」
師:「なら、ミニサイズの流木どうだい?」
私:「え? そんなものが売ってるんですか?」
師:「これが、最近通販なら売ってるんだなぁ。SサイズとかSSサイズとかね」
私:「えぇ……いい時代になったものですね」
師:「でしょでしょ? まぁ実はネットショップばかりでなくても、郊外型のちょっと大き目の店舗に行けば、目にすることもあるかもね」
私:「流木と言えば、プレコが張り付くサイズの物ばかりだと思ってましたから、こんなに小さいサイズが売ってるだなんて意外でした。」
師:「キミはそういう目線で見てたからね。実際、シェルターとして利用するなら、大きいサイズの方が使いやすいはずさ。しかし水草を活着させるとなると……」
私:「小さいサイズの流木にも需要があるというわけですね?」
師:「そういうこと。しかし、もちろん欠点もあるんだ」
私:「アク抜きですか?」
師:「その通り♪」
私:「それは、面倒ですよね」
師:「そうだよね。煮沸でアクを抜いても時間も掛かるし、活性炭を使えばお金もかかる」
私:「むーん……。すぐに使えるような物はないのでしょうか?」
師:「まぁ、煮沸済みやアク抜き済み流木という、至れり尽くせりなものもあるのだけれどね?」
私:「えぇ? ほんとですか!?」
師:「ただ、ボクとしては、溶岩石に着けるのがお勧めだね」
私:「どうして?」
師:「だって、安いのが好きでしょ?」
溶岩石の気になる点
「溶岩石」という話の方向性が1つ見えたので、スキを見て注文の行列へと並ぶ。香ばしいコーヒーの香りに当てられ、急に腹が空いてキュルキュルとなり始めたからだ。
鮮やかなフルーツに彩られたケーキが、ショーケースにいくつも並んでいる。その脇にちょこんと置かれたサンドイッチを2つ手に取りテーブルに戻ると、案の定お師匠様のお腹もクーっと鳴ったようだ。
師:「なはな、聞かれちゃった♪ それで溶岩石の話だっけ?」
私:「ですです。溶岩石の何がいいんですか?」
師:「そりゃあ、石だからアクが出ないことだね」
私:「なかなか、良さげですね」
師:「安いし、アク抜きいらずだし、何より有機物ではないので朽ちることはない」
私:「それは、便利ですね。でも、欠点もあるんですよね」
師:「あぁ、そうなんだ。まず石だから硬度が上がるよ?」
私:「硬度って……軟水が好きな陽性植物にはあまり好ましくありませんね」
師:「一応溶岩石はほとんど硬度は上げないと言われているけどね」
私:「ほぉ……、それはなかなか」
師:「とは言え、影響がゼロではないからね。その点は十分注意してね。例えば難しい水草を栽培するときには利用しないほうがいいかもしれない」
私:「ソイルや浄水器でわざわざ軟水化しているのに、硬度を上げる元を入れたてたら、どうしようもありませんからね」
師:「そういうこと♪」
私:「と言え、我が家はいまは大磯砂なので、大きな問題にはならなさそうです」
師:「あぁそうだ、言い忘れるところだった。なるべく水槽用を買ってね。」
私:「どうして?」
師:「ガーデニング用の溶岩石には、除草剤や防腐剤が入っている可能性があるんだ」
私:「そういった物が水槽に入ったら大変なことになりますね?」
師:「その通り。とにもかくにも、小さな土台にミクロソリウムを活着させれば、見た目はまるで、底床に植えこまれた有茎草」
私:「それなら、前景草もできるかもしれませんね?」
師:「小さい株なら可能かもね。活着系の水草は土台次第で雰囲気が大きく変わるということだね」
そして……
久々の店舗にて物色。たしかに溶岩石はあった。木箱の中に山ほど入っており、1粒個150円なり。もちろん、社会人になる前にはなかったものなので、わたしが水槽を休んでいるうちに生み出された商品なのだろう。
その後に寄ったホームセンターでは、たしかにガーデニング用溶岩石がキロ単位で安価に販売されていた。そちらに比べれば遥かに高いが、薬剤が入っていた時のリスクを考えれば、たかだか百数十円。安全性を優先するべきだろう。というか……キロ単位で買っても箪笥の肥やし間違いなしかもしれない。
さぁミクロソリウムを取り付けるぞ!
まとめ
ミクロソリウムを流木に活着させようと思ったものの、水槽が小さいと大きな流木を入れるスペースがない時もあります。しかも流木は、購入したらすぐに使えるとは限らず、アク抜きの手間もあります。
そんなときに候補になるのが、手のひらサイズの小さな流木や溶岩石です。
最近では、SサイズやSSサイズといった小さな流木も販売されています。ミクロソリウムのような活着系水草なら、大きな流木がなくても、小さな土台があれば十分楽しめます。煮沸済みやアク抜き済みの流木を選べば、購入後すぐに使いやすいのも嬉しいところですね。
一方、もっと手軽に使える素材として注目したいのが溶岩石です。石なのでアクが出る心配がなく、有機物ではないため朽ちにくいのが大きなメリットです。
小さなものなら水槽内でも場所を取りにくく、ミクロソリウムを活着させる土台としても使いやすいでしょう。
ただし、溶岩石にも注意点があります。種類によっては水質へ影響を与える可能性があるため、軟水を好む水草を育てる場合は慎重に選びたいところです。
また、ガーデニング用の溶岩石には、薬剤などが使用されている可能性もあります。水槽に入れるのであれば、できるだけアクアリウム用として販売されているものを選んだほうが安心です。
小さな溶岩石にミクロソリウムを活着させれば、ソイルに植えたような雰囲気を作ることもできます。水槽が小さくて流木を置きにくいときでも、土台を小さくするだけでレイアウトの幅は大きく広がります。
活着系水草は、何に活着させるかによって見た目の印象も大きく変わるもの。大きな流木を置くスペースがないときは、こうした小さな素材を使ってみるのも面白いでしょう。


0 件のコメント:
コメントを投稿