もしもガラス蓋を割ったなら
水槽のふた、なんとなく置きっぱなしにしていませんか?
うっかり足をぶつけたり、物を落としたりするだけで、ガラスは簡単に割れてしまうもの。
そして、割れてから気づくことになります。
「あ、これって案外大事だったんだな……」と。
今回は、そんな“もしも”のときに慌てないための、ストーリーで対処法をご紹介します。
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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
バギッ!!!
まるで地雷を踏んだかのような鈍い音。
踏み出した足をそろりと引っ込めた。
あるはずのない、木の床に走る大きなひび。
わたしは、何が起きたのか理解するまでに、幾ばくかの時間を要した。
粉々に砕けたそれは、水槽の脇の床に置いていたガラスのフタ。
わたしのだらしなさを糾弾するように、音を立てて崩れ落ちたのだった。
わたしの後悔を嘲笑うかのように、秋の夕陽を受けたガラスが床に点々と広がり、天井までも煌びやかに彩っていた。