コスパのパは何を指すのか?
水槽の中で揺れる水草を見て、「もっと元気に育てられたら…」と思ったことはありませんか?そんなときに耳にするのが「ミドボン」です。でも、その大きさや扱い方に不安を感じる方も多いでしょう。
今回は、一度は検討し、現実に直面して諦める一部始終を、ストーリー形式でご紹介したいと思います。
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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
夏の気配が水槽の水面にもじわりと近づいていた。
照明の熱がガラス蓋をチリチリと焼き付けると、わたしはあの出来事を思い出して、小さくため息をつく。
CO₂ボンベの交換は、これで2回目だ。初回は不用意に電磁弁を触ってしまい、驚くほど熱く不本意ながら「あっち」と情けない声を上げてしまったのだ。あの痛みを思い出し、わたしは慎重に手を動かしていく。
水槽内では、細い気泡がキラキラと揺れながら昇る。
ガラスの中の世界は一足先に常夏だ。いや、常に真夏の世界なのかもしれない。しかし、すっかり伸び切った淡い緑のマツモが静かに揺れると、人工的な水の中ですら、季節の移り変わりがあるように知らせているような気がする。
シュ♪
レギュレーターのバルブが開く音を聴いたあと、手元でボンベを外しながらカレンダーを見る。まだ2か月しかたっていない。こんなにも早く交換することになるなんて、胸の奥でじりじりした焦りを覚える。
だが、この感覚は本当だろうか。
実は、悠々2か月も使えたということはないだろうか。
考えるほどに釈然とせず、お師匠に相談することにした。
わたしに手取り足取り教えてくれる水槽の先生とも言うべき存在だ。