疑心暗鬼のライト選び
水草水槽をはじめたいけれど、ライト選びで立ち止まっていませんか?
  「育成に向いてるってどういう意味?」
  「明るさはどれくらい?」
「でも、口コミって信じされない!」
――そんな人のために、パッケージからでも分かる選び方をストーリーで紹介します。
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(これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語)
  モノレールの終点から降りて、排気ガスまみれの国道を歩く。
  わたしの隣を歩くのは、お師匠様――ロゼッタ。
  いつもより無口なのは、煤けた煙のせいだろうか。
  交差点を一歩踏み出すと、一気に農園が広がった。
  清らかな風のシャワーを浴びると、ガソリン臭さに気負けして、忘れていた決意を思い出した。
「今日は新しいライトを買うのだ」
  そう宣言して家を出たのだが。
  実のところ、わたしはまだ何も決められていない。
スペクトル、演色性(Ra)、色温度(ケルビン:K)、光量(ルーメン:lm)……。さっきまで意味不明な言葉の羅列だったが、お師匠様の熱心な説明で理解はできた。
だが……