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2017年12月12日火曜日

流木の上でウィローモスの水上栽培~湿っていれば元気に生長~

半分水に浸した流木にモスを活着させてみる

(2026/5/4 修正)

今回は、過去に流木へ巻きつけたウィローモスについてです。
これは室内の睡蓮鉢に設置したものなのですが、思いがけず半水没状態での栽培となり、なんと「水上」部分でも無事に生長し始めました。そこで、これを話のネタにしていきたいと思います。


**********************************


意外と水上でも生長できる!?


作成した流木付きウィローモスのその後

さて、この流木付きウィローモスをブログで取り扱ったのは、1週間前のことです。
どうにも流木が大きすぎ、設置時に先端が睡蓮鉢から飛び出すことが発覚しましたが、10年以上の付き合いのある流木なので、やすやすと切るわけにもいきません。

そこで、本来の縦置きではなく斜め置きにすることで、全体の3/4を水没させることにしました。



残念ながら、水面から出ている部分が1/4あり、ウィローモスが枯死してしまう懸念がありましたが、これ以上の手立てはなかったため、その部分の枯死はやむを得ないという気持ちで栽培を続けることにしました。乾燥や低温に注意しつつ、被害が大きくなることが予見されれば、いつでも本水槽に移動できる準備をしておりました。

しかし、水上にあるウィローモスたちは予想外の生長を見せることになるのです。



偶然?水上で生長するウィローモス

水上ウィローモスのその後はどうなったのか?
そんなことを文章で書くよりも、写真で見たほうが早いので、早速ご登場願いましょう。

ウィローモスの水上栽培(栽培開始から2週間後)
まだまだ釣り糸が見ますね!

どうでしょう? 水上にはみ出てしまったウィローモスの、2週間後の写真です。もちろん、乾燥によって枯れてしまっている部分もありますが、水上部分が思いのほか生長していますよね?

しかし、全体的にはおおむね成功と言えるのではないでしょうか。

実際、水分が多くある半陸上のような場所で自生していることもあります。わたしが見たのは、とある家の朽ち果てた伊万里焼の睡蓮鉢の中です。黒く汚れ、何年も前に放棄されたと思われるその中で、ウォーターマッシュルームに絡みつくように、健気に生きていました。おそらく、日陰に無造作に置かれたあの中で、雨水を頼りにサバイバルをしていたのでしょう。

育成に十分な光と水分さえあれば、どこでも栽培できるのではないかと考えるようになりました。



ウィローモス水上栽培環境


栽培環境について

あらためて、ウィローモスが水上で生長できている理由を考えてみます。まずは栽培環境についてです。

光 → 弱めの日光 + 植物育成用ライト
CO2 → なし
肥料 → 適宜(20倍液肥0.5ml/月)
加温 → なし
水温 → 最高水温18℃~最低水温10℃
場所 → 室内窓側半日陰


なんとか陰性植物が育つ環境にはなっています。しかし、テラリウムのように積極的に揚水する器具は一切ないため、水面から出ている部分が、いの一番に乾燥していくわけです。

しかし、どうにも枯死せず、写真のように生長できています。
なぜでしょうか?

その答えは、おそらく流木にあります。



水上でウィローモスが生長できた理由

その肝となる、水を供給するメカニズムについて。
すでに気が付いている人も多いと思いますが、流木が水分を吸収し、ウィローモスへと供給しているのです。
プラスチックではなく有機物である流木は、まるで濡れた紙のように……とは言い過ぎかもしれません。しかし、苔が生える水滴る渓流の岩石のように、流木が睡蓮鉢の水を吸い上げ、活着している水上部まで供給してくれています。
つまり、

水 → 流木から
光 → 太陽とライトから
CO2 → 大気から
温度 → 室温
養分 → 流木を通して水分から


光、CO2、温度といえば光合成の限定要因で有名であり、さらに流木から供給される水もあるとなれば、一応、植物が生長できる環境が整っていると言えるようです。
とはいえ、偶然に成功した一事例ですから、すべての条件下でうまくいくとは限らないということを付け加えておきます。なにせ、作った張本人も驚いていますので。



水上と水中での伸び方の違い

さて、この記事を作成してから4ヵ月が経過した時点の話ですが、現在も、はからずとも水上栽培になってしまったウィローモスは元気です。
さすがに水上は乾燥するようで、水上部分は水中部分と比べて伸び方が遅いようです。その先端は流木に含まれる水分が少なく、さらに茎葉の中で重力に逆らう方向への水分補給は難しいので、一定の草丈に達すると自然と生長は止まりました。

しかし、まったく伸びないというわけではありません。新芽は水中と同じように出て、横方向に広がり、密に生い茂り、トリミングもしないのに青々とした絨毯のような状態となりました。

どうやら、活着させたもの(流木)が多少湿っていれば、生長と生存は可能なようです。

ウィローモスの水上栽培(栽培開始から4か月後)
(4か月後のウィローモス)

偶然にも成功した、揚水ポンプいらずで便利なこの栽培方法ですが、いろいろと気になる点があります。次の章から、ウィローモスの水上栽培の弱点について述べていきたいと思います。



水上ウィローモスの弱点


その1:カビが生えやすい

まず大きな弱点、それは、虫やカビといったジメジメした環境を好む生物の住処となることです。
冬は乾燥にさえ注意すれば大きな問題にはなりません。しかし、初夏から秋にかけては対策を施さないと、大きなトラブルとなるかもしれません。

とはいえ、実は虫もカビも対処は簡単です。
流木ごと水に沈めてしまえばよいのです。

実際、作成後の真夏に、水上部分が白色のカビに見舞われたこともあります。しかし、軽く洗い流したうえで、睡蓮鉢内で流木全体が水に浸るように設置したところ、無事に駆除することができました。

その1年後、再びカビの季節を迎えましたが、そのときは早めに水上部を水に浸け込んだことが功を奏したのか、ゴールデンウィークからは大きなトラブルもなく秋まで過ごせました。

どうやら、カビ対策は初動が大切なようです。



その2:低温と乾燥

散々、文中で触れていますが、水上ウィローモスの弱点はカビだけではありません。乾燥もその一つです。上側が乾燥しがちになるのはもちろんのこと、空気と触れる面積が広いため、低温でダメージを受けることもあります。

わたしの環境では、冬場の生長はほぼゼロです。
枯れはしないが伸びもしない、休眠中ともいえるような状態となっています。

ヒーターを入れて、なおかつ揚水ポンプで流木の上端まで水を汲み上げるのがベストかもしれません。しかし、これではもはや器具が増えすぎて、わざわざ流木で水上栽培する意味がありません。
枯死もしくは生長ゼロを甘んじて受け入れるか、それとも冬だけヒーターと揚水ポンプを取り付けるか、人によって大きく判断が分かれるかもしれません。

とにもかくにも、カビや乾燥・低温に注意さえすれば、機械に頼っていないため故障などのトラブルはなく、水に浸かっていないのでコケとは無縁です。よく言えば、一度条件が決まれば安定感のある栽培方法となっています。

睡蓮鉢全景。
現在の睡蓮鉢。浮草の生長が遅くなってきています。



まとめ

水槽から少し顔を出してしまったウィローモス――本来なら枯れてしまいそうなこの状態が、思いがけず面白い結果を見せてくれました。流木に巻きつけたモスが、半水没という中途半端な環境でもしっかりと生長し、なんと水上部分でも青々とした姿を保っていたのです。

その理由は、流木の性質にあるようです。流木は水を吸い上げる性質を持ち、水中から吸収した水分を上部へとじわじわ運んでくれます。これにより、水・光・CO2といった基本的な条件が揃い、水上でも生長が可能になっていたのです。完全な水中ほどの勢いはないものの、横に広がるように密に育ち、独特の表情を見せてくれました。

ただし、いいことばかりではありません。水上部分は乾燥しやすく、冬場は生長がほぼ止まるなど、環境の影響を強く受けます。また、湿度が高い時期にはカビが発生しやすい点にも注意が必要です。とはいえ、対処は意外とシンプルで、水に沈めるだけで改善できるケースも多くあります。

少し不安定で気まぐれな一面はあるものの、条件さえ合えば機材に頼らず維持できるのがこの方法の魅力です。水中とはまた違った姿を楽しめる、水上ウィローモス。

ちょっとした失敗が、時に新しい発見につながるのかもしれません。



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