増えに増える水槽たち。どこがやめ時なのか
その水槽を増やしたい気持ち、ちょっと待ってください。
一度アクアリウムの世界に触れると、雑誌やショップで見た美しい水景が心に残り、つい「自分の部屋でも再現したい」と思ってしまうものです。
しかし、その衝動を実行に移すとなれば、責任を伴う覚悟が必要です。
今回は、そんなお話をストーリーとして紹介したいと思います。
**********************************
これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
気になっている水槽がある。
30cmキューブのハイタイプだ。
最近買い始めたアクア雑誌に、その水槽の広告が掲載されていた。
煌めく光が数本のラインとなって深い水底へ注ぎ込み、水草を照らす写真。
一目惚れしてしまったようで、何度もページを開いては広告の水景に食い入るように見てしまう。
たしかに規格水槽は美しい。
では、なぜこの水槽にここまで惹かれるのだろう。
気が付いたのは水深だ。
不自然な形から生まれる強いアピールと、高低差による遠近感が、淡水の風景をそのままカット&ペーストしたかのような説得力を持っている。
水量は45cm規格水槽とほとんど変わらないし、形状もその水槽を縦にしただけだ。
だから、これは魔法。
そう、わたしは魔法に掛かってしまったのだ。