分かってても焦るソイルの濁り、肥料分
水槽にソイルを入れたとき、あの茶色く濁る瞬間にドキッとしたことはありませんか?
初心者から経験者まで、多くのアクアリストが直面するソイルの濁りや肥料分。
焦って放置してしまうと水草に負担がかかることもあります。
この記事では、濁りや肥料分の原因と、簡単に安全に対処する方法をストーリーでやさしく解説したいと思います。
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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
30cmキューブハイタイプ水槽。
30×30の幅と奥行に、高さだけが40cm。一見いびつに思えるサイズだが、裸眼でとらえれば誰もが納得する魅力を携えている。高い水面からストンと落ちる水底まで、落差ある水景に惹かれ、わたしはこの水槽を買ってしまったのだ。
今はまだ空の水槽だが、外部フィルターはすでにセット済み。今日はソイルを投入して水を張り、電源を入れようと思っている。
本来なら一気に水草を植えるところまで進めたかったのだが、
「初めてなら、きっと驚くと思うから!」
とお師匠様の忠告があり、段階を踏んで作業を進めることになった。
では、まずはパッケージに書いてある通り、軽くすすいで……
「んん?」
すすいでも軽く汚れが取れるどころか、茶色く濁った水が出てくる。
だが、濁るくらいなら、他の底砂やろ材でも経験がある。
「そんな物なんだろうな……」
ひとり呟いて、風呂場の天井をしばらく見上げたのち、すすぎもそこそこにして水槽へソイルを投入。そのまま、ひたひたに注水すると、見るも無残に水槽いっぱいの泥水となる。
「いやいや、『そんな物』では済まされないだろっ!?」
大量のコーヒー牛乳に、ここにきて初めて異常だと認識し、わたしは頭を抱えた。
そうだ、お師匠様に聞いてみるしかない!
※
この話は20年前のソイルをもとに綴ったものです。
現在のソイルは微粒子が発生しづらく、濁り具合も異なるため、すべてが当てはまるわけではありません。