なぜプレコ水槽とソイルは相性が悪いのか?~それを補う管理方針~
どうもこんにちは。ごん太です。
前々回、前回と瞬間接着剤で、ウィローモスを活着させるネタを書いてみました。
前々回は、そのメリット・デメリットと道具について
前回は、写真入りで実際の方法と1か月後について
それぞれ紹介しました。
そんなウィローモスについては、今後の生長次第・活着次第ではありますが、思ったより葉が密に生えていかない……そんな活着方法ではないのか? と思っております。
さて、今回は全く別の話を、述べていきたいと思います。今回扱うテーマは……
プレコ水槽にソイルを利用して3か月経過しましたので、そのレビューを記してみたいと思います。
なお……
は上記リンクからご覧ください。
話の構成としては、いきさつ、プレコ水槽とソイルの相性問題、ソイルの現状とその管理方法、そしてメリットとデメリットについて述べていきたいと思います。
それでは、目次に続きまして、本文に入っていきます。
続きをどうぞ!
なお、当記事は大変長い文章となっております。お忙しい人は目次リンクより、お目当てのパートへジャンプしてください。時は金なりなのです。
なぜプレコ水槽にソイルを入れることになったのか?
そもそも、なぜプレコ水槽の底床をソイルにしたのか?
これを話さなくてはなりません。
桜大磯砂の劣化
事の発端は、10年以上利用してきた桜大磯砂が劣化し、細かい粒子状の砂が出始めたことです。
10年も利用して崩壊し始めたわけですから、十分な耐久性ですし、素晴らしいコストパフォーマンスです。
しかし、桜大磯砂より生れ出た粒子は固く、このまま放置すれば外部フィルターのインペラ部を傷つけるおそれが考えられましたので、底砂を桜大磯砂からの交換となりました。
(我が家で利用していた桜大磯砂) |
硬度に影響しない底砂はあれど……
底砂を交換するにあたって、候補は複数ありました。
ガーネットサンド、酸処理した大磯砂など、一般的にプレコ水槽に向いている物を、今回利用する予定でした。
事実、クエン酸で処理した大磯砂を、当サイトで写真入りの記事にするところまで、話が進んでいます。
しかし、とある理由でそれは取りやめとなったのでした。
軟水化計画を画策するも、そもそも硬度高すぎなことに気が付く
ごん太の水槽はプレコ水槽です。ですが、水草も多く、なんとか水草の調子が上がる軟水にしようと、日々画策しておりました。
その中で実際に、ブラックウォーターの素や、ゼオライトなど、ソイル以外の方法での軟水化を検討してみました。いくつかは、試験紙を利用して硬度を測定する、記事にもなったりしました。
しかし……、様々な水質調整剤を利用しているうちに、そもそも我が家の水道水の水質はどちらかといえば硬度が高めであり……
それらのアイテムで硬度を下げるのは、焼け石に水だと、だんだんとわかってきたのです。
では、がっつりと硬度が下げられるものは何か?と改めて考えたときに……
やっぱりソイルでしょ!?
そんなことになったわけです。
ソイルを入れるのを躊躇する
そんな風に、非常に遠回りしながらも、軟水化にはソイル。ごく当たり前の話に行き着いたわけです。
では、なぜ最初からソイルを利用しなかったのか? といいますと……
プレコ水槽にソイル。この組み合わせが、相性が悪いとよく言われているからです。
それが理由で、ソイルを避けていたのです。
しかし、現状では高価な浄水器をのぞき、残念ながらソイル以外のいわゆる「軟水化グッズ」では、ソイルのような強烈な効果がなかなか出ません。
ごん太自身ソイルを利用するべきか? しないべきか? 大いに迷っていました。
ソイルをプレコ水槽の底砂にした理由
迷っているごん太。ソイルへの交換を決めかねてネット上で右往左往していると、こんな言葉を見つけました。
必要以上にソイル嫌いになっていないか?
グサッと来ました。
あれやこれやと、ネット状で得た知識のみで、一から十まで判断するのもどうなのか? と。
現実的に、プレコ水槽で底砂をソイルに交換してから、そのメリットとデメリットを確認してみないと、本当のことはわかりません。
また、仮に極端なデメリットがあるとするならば……
それを補ってあげるような管理をしてあげたら、良いのではないか?
そのような思いが沸いたわけです。
そんなことがありまして、ごん太は底砂にはソイルを利用してみることにしました。
もちろん、失敗した時はいつでもソイルを取り出せるように、酸処理済みの大磯砂を常にスタンバイさせて。
以上が、プレコ水槽の底砂にソイルを利用するまでのいきさつです。
一般的な水槽においてのソイルの問題点とそれを補う対策方法
さてこのパートでは、ソイルがプレコ水槽に向いていない理由を説明する前段階として、ソイルの弱点について述べていきたいと思います。
過去水草水槽に手を出した経験を、もとにここでは記していきます。
ソイルの弱点
ソイルの弱点とは何か?
それは摩耗や劣化により、崩れやすいことです。
崩れる原因は様々ですが、おおむね以下のような原因が考えられえます。
なんらかの物理的な力がかかると、ソイルは崩れる
赤太文字にしてみましたが、ごく当たり前のことを書いています。
具体的にはソイル同士がプロホースなどの清掃中で擦れたり、器具の移動や設置で重さがかかったりなど、そんなときにソイルは崩れてしまいます。
試しに指で押しつぶしたり、足で踏みつけてみてください。簡単に潰れるはずです。
そしてソイルが崩れると、多くの微粒子が出て水が濁ります。
ソイルに絡んだ問題点の多くは、このソイルの崩壊と微粒子に起因します
次のパートではソイルが崩れるとどのようなことが起きるのか?
これについて記していきます。
(補足)
なお、ソイル崩れ以外にも、軟水にする能力が失われるような、ソイルの崩壊に起因しない、「ソイルの吸着力低下問題」もあったりします。
これは、イオン交換による吸着作用が、限界を迎えてしまうことで起きる問題であり、ソイルの弱点の一つでもあります。
(水草水槽では、こちらの方が重要な問題だったりするんですが……、プレコ水槽では、やはり崩れる方が問題です。)
ソイル崩れで引き起こされる問題
水草水槽において、ソイル崩れが引き起こす問題点は、大きく2つあります。
それは……
・ソイルの微粒子が生まれること
・底床の高さが減ってしまうこと
(1) ソイルの微粒子が生まれることについて
まずはソイルの微粒子が発生してしまう点について。
ソイルの微粒子についての「実際」は、詳しくは後述で説明しますが、
ソイルの微粒子はウールマットを詰まらせ、フィルターの流量を減少させます。
結果として、ろ過能力を低下させることになります。
少しばかり……いえ、かなり厄介な問題を引き起こすことになります。
とりわけ、設置初期は微粒子が大量に出ますから、あっという間にウールマットがドロドロに! ……そのようなこともあります。
ですから、ソイル設置初期の水量低下はソイルの利用する上での要注意事項です。
(2) 底床の高さが減ってしまうことについて
次に底床の高さが減ってしまう点についてです。
読んで字のごとくな問題ですが……
潰れたり摩耗するわけですから当然体積が減ります。
その際に発生した多くの微粒子は、底床清掃時に水と一緒に排出されたり、フィルター清掃時にウールマットと一緒に排出されます。
結果として水槽外に少しずつ失われ、水槽内のソイルの量は絶えず減少していくこととなります。
そのため、レイアウトが大なり小なり崩れます。
レイアウトを長期間保つためには、定期的にソイルを補充しないとならない場合も多々あります。
その減り具合は比較的緩やかで、ソイル投入直後と交換直前を写真で比較するならいざ知らず、常にメンテをしている管理者には、ジワジワ減り続けるので気が付きにくくなっています。
そのため、いつの間にかレイアウトがおかしくなっていた、ということもあり得ます。こちらも、厄介な問題です。
ただし、定期的にリセットしている水槽ならば、大事になることは少ないかと思います。
ソイルとうまく付き合う管理法
ここでは、一般的なソイルを利用している水槽において、いままで上げた問題点が大きくならないような方法を、紹介していきたいと思います。
一般的にソイルを必要とする水槽……とりわけ水草水槽においては、いままで述べてきたソイルのデメリットよりも、ソイルを利用した時に生まれる軟水のメリットの方が、圧倒的に有用です。
そのためソイルは、多少の欠点を無視してでも、多くの水草アクアリストに好まれ、利用されています。
そうは言っても、ソイルの損耗が大きく続けば、やがては水槽リセット→水草植え直し。おそろしく面倒なことが待っているわけで、やはり厄介なことには間違いありません。
そのため、損耗による微粒子の発生を抑えるような、以下の管理法が先人より考え出され、アクアリストの間では行われています。
つまり……
- なるべくソイルに強い力がかからないように、軽い力で底床掃除を済ませる
- 底床掃除を頻繁にしないために、そもそも生体数や餌を少なめにする
- スカベンジャーたる、淡水エビを多めに導入する
- 底床を掘り起こす魚を導入しない
などなど……それ以外にも多くのソイルと付き合う技があるとは思いますが、以上のようなテクニックを駆使して水草水槽を維持していくことになります。
と、ここまでは、ごくごく一般的な水草水槽のはなし。
大食漢で「底物」たるプレコのいる水槽では、そうも言ってられません。
以上を踏まえて、プレコ水槽でソイルを利用するにあたっての管理方針を考えて行きたいと思います。
……が、まずはその前に、プレコ水槽でソイルがお勧めされていない理由を紹介してみたいと思います。
お勧めされない理由を飼育者の手でフォローできれば、、プレコ水槽でもソイルを使える……そんな気がしたのです。
プレコ水槽とソイルの相性を考える~なぜプレコ水槽とソイルは相性が悪いのか?~
このパートでは、プレコ水槽でソイルがお勧めされていない、一般的な理由について述べたいと思います。
なお、実際に管理してみてわかった、メリット・デメリットについては後述します。
ここではあくまで、そのごくごく一般的な理屈について。
「そーゆーことになっている」という話です。
相性が悪い理由その1:プレコの飼育方法とソイルの管理方法が相反している
1つの理由ですが、まずはソイルの管理方法について改めてまとめますと、上のパートで記した通り……
ソイルを潰さないために……
そして余計な粒子を出さないために……
底床の掃除を軽い掃除で済ませたり、触れなかったりする。それがソイルとうまく付き合う管理法の指針です。
対して、底床で暮らす大食漢の熱帯魚プレコには、底床は食事・排泄・睡眠など生活空間の一部です。
ですから……
控えめに掃除しかされていない底床は、プレコにとって不衛生な環境であると考えられます。
プレコが元気よく、病気などのトラブルもなく、飼育するためには、十分な底床の掃除が必要不可欠です。しかし、そのようなことをすればソイルが潰れてしまうわけでして……
管理方法が相反してしまうわけです。
これが、プレコ水槽でソイルお勧めされていない理由の1つです。
相性が悪い理由その2:ソイルの比重が軽すぎる
2つ目の理由がプレコの習性と、ソイルの比重についてです。
プレコは、タイガープレコなど小型のプレコに多く傾向がみられる底床での生活を好む種と、ロイヤルプレコのように流木に貼り付いたままの生活を好む種の、2タイプがあります。
その中でも前者、底床での生活を好む種はプレコ独特の大きな尾びれを左右に振り、穴を掘る習性があります。
ソイルの比重はとても軽いですから、簡単に吹き飛ばされて、大きな穴が掘れてしまうことが多々あります。
つまりソイルの底床が、穴ぼこだらけになります。水草、流木などレイアウトは大きく崩れます。また、大きな尾びれでソイルを吹き飛ばした時に崩れ、水が濁ることもあります。
以上が、ソイルがプレコ水槽に向いていない理由の二つ目です。
相性が悪い理由その3:プロホースを利用しづらい(底床の掃除がしづらい)
最後は、いまや底床掃除の必需品、プロホースとの相性です。
ソイルにいざプロホースを利用してみて、初めてその場で気が付く人も多いとは思いますが、ソイルの比重は大磯砂のそれよりも軽くなっています。
そのため、パイプ内の水流に乗りやすく、大磯砂と比較して大量のソイルがパイプ内に流れ込むことになります。
結果として、プロホースのパイプがつまりやすく、ガーネットサンドや大磯砂などと比較して、スムーズな清掃が行いづらくなっています。
他にも理由があると思いますが、今回はさっと思いつく3点を記してみました。
それをもとに、次のパートではプレコ水槽の管理指針を、考えていきたいと思います。
プレコ水槽でのソイル管理方針
さて、いままで述べてきたことからわかりますようにプレコ水槽においては、ソイルの崩れ清掃が両立できないことや、水草を植栽しづらいことが、その問題となります。
では、それらを踏まえ、どのような方針でプレコ水槽でソイルを利用していけばよいのでしょうか?。
これについてですが……
- プレコ優先でソイルの消耗は諦める
- 水草は鉢植え栽培
以上二点の管理方針で解決を図っていきます。
管理方針その1、ソイルが崩れても臆すことなく底床を掃除する
まず、ソイルを利用する以上、どんな理由にせよ崩壊からは避けられません。
丁寧に扱っても、乱雑に扱っても、いずれは崩れてしまうわけです。
さらに言えば……
そもそもプレコ水槽ですから、プレコが元気に生活してくれることが一番です。
(〝水作エイト飼育者〟のように、『私はソイルを飼育しているんだ!』そんな稀有な人もいるかもしれませんが)
よってソイル崩れを恐れることなく、ガシガシと底床とフィルターを掃除して、清潔を保ったほうがよさそうです。
大切なプレコが元気でいてくれるなら、所詮土の塊でしかないソイルのことなど、どうでもいいことなのです。
管理方針その2、底床は薄く敷く
次の問題は穴ぼこについてです。
これはプレコの習性ですから、どうにもできません。
できる対処方法としては、底床の厚さを薄くし、深く掘れないようにするぐらいです。
そんな、底床を薄くするテクニックですが、実は穴ぼこ対策以外にも、プレコ飼育においては優秀なテクニックだったりします。
穴ぼこ対策以外にも、底床を薄くする利点は……
- 清掃の簡略化
- 色飛び防止(ベアタンクと比べて)
- 餌の吸い込み防止
以上三点です。
(1) 清掃の簡略化
まず、ベアタンクほどではないですが、底砂の量が少ないですので、短時間で十分に底砂の清掃ができるという点があげられます。
プロホースをかける時間も短時間で済み、徹底的にソイルに溜まったゴミを除去できるのです。
(2) 色飛び防止(ベアタンクと比べて)
次に、色飛び防止という点ですが、ベアタンクとは違い、ソイルを薄く敷けば底面の色もあります。一応にも砂(土)の地面ですから、生体が落ち着きやすく、色も飛びにくい利点が挙げられます。
(3) 餌の吸い込み防止
最後に、餌の吸い込み防止。こちらもベアタンクとの比較ですが、ソイルの凹凸に引っ掛かり、プレコタブレットや沈降性の餌が水流に流され、フィルターに直接吸い込まれるのを防いでくれます。
管理方針その3:プロホースは上手につかうべし
次パートで詳しく説明しますが……
プロホースではソイル底床を清掃しづらいです。
しかし、プロホースの水流を弱めたり、パイプが詰まったら水流を止めたりなどの工夫でこの問題は解決が可能です。
確かに、大磯砂やガーネットサンドと比較して清掃はしづらいですが、慣れれば十分に清掃できます。
(ただし当然ですが、ソイルは摩耗します。)
管理方針その4:水草はなるべく直植えしない
そのようにして、プレコのためにわざわざソイルを薄く敷いたわけです。そのため、水草が大変植えづらいソイル底床となっています。
一応、根張りが強い水草、例えばウォーターウィステリアなどなら植栽できなくもないですが、そのようにして植えてしまったら、せっかくの清掃をしやすい底床が台無しです。
よって、水草はガラスの深皿や素焼きの鉢などを利用して、鉢植え栽培とします。
もちろん、ソイルに直接根を張らない、活着系の水草や、浮草もこの水槽では栽培できます。
以上4つの机上の理論ではありますが、方針は決まりました。
実際にこの方法で3か月管理してみた結果を、次パートで記していきたいと思います。
プレコ水槽にソイルの実際
このパートからは、ごん太が利用しているソイルの種類と使い方、そしてその水質について取り上げていきます。
現在利用しているソイルについて
ごん太のプレコ水槽では……
コントロソイル パウダー
を利用しています。
コントロソイルを選んだ理由は崩れにくい! そんな能書きと、セット初日から濁りが収まるというような口コミを聞いたからです。
パウダーサイズを選んだ理由は、小さめの粒の方が崩れにくいだろう、そんな安直な考えからです。
実際に使ってみて分かったことは、確かに崩れにくいとは思いますが、結局ソイルですから手荒に扱うと崩れてしまいます。やはり、砂利系の底砂のようにはいきません。
では、ほかのソイルと比較してどれほど崩れにくいか? このことについては、なかなか表現しづらい部分で、お恥ずかしながら生物系のごん太にはどのように実験すればいいかわかりません。
何か妙案を思いつきましたら比較したいと思います。
(追記)
数種類のソイルを今まで利用してきた経験的に言えることですが、確かに他のソイルに比べると「かなり」崩れにくい部類です。
しかし、最近のソイルは「崩れにくさ」に着眼点を置いたものが多く販売されており、その優位性を誇示するには少々厳しいものがあるのかもしれません。
その点よりも、がっつりと軟水にしてくれる点や、昔からある大きなメーカーですから信頼性や安心感、そういった点がこのコントロソイルにおける、最大のメリットなのかもしれません。
(2019/9/02 追記)
ソイルの厚さ
ソイルの厚さは、1cm程度としました。
その理由は上でも記したことと、ほとんど同じですが……
- 清掃のため
- 生体の落ち着きのため
- 色飛び防止のため
- 深い穴を掘られないため
- 餌をフィルターに吸い込ませないため
この五点です。
もちろんいままでに、上の五点に抵触するような、大きな問題点は起きていません。
水質
次いで水質となります。
変更前(桜大磯砂)と変更後1か月、変更後3か月のソイルによる水質変化を簡単ではありますが解説したいと思います。
実はこの部分を記すにあたりまして、試験紙の写真を用意していたはずなのですが、うっかり消去してしまったようなので、メモした値のみの紹介となります。
実際に底床をソイルに変更する前の水質は以下の通りです。
(テトラ6in1で検査、塩素の値は省略)
【桜大磯砂利用時】
- NO3 10mg/L
- NO2 0mg/L
- GH 8°d
- KH 6°d
- pH 6.8
続きまして、ソイル利用後1か月後の測定値です。
【ソイル変更1か月後】
- NO3 10mg/L
- NO2 0mg/L
- GH 0~4°d
- KH 0~3°d
- pH 6.4
最後に現在(ソイル利用後3か月)のプレコ水槽の水質です。
【ソイル変更3か月後】
- NO3 10mg/L
- NO2 0mg/L
- GH 4°d
- KH 3°d
- pH 6.8
まず、変更前と変更後1か月の数値を比較すると、
GHが8°d → 0~4°d ですから、かなり硬度が低下したことになります。
そして、現在のGHは4程度ですから、多少なりとも軟水化作用は失われたものと思われます。それでも、3カ月たった今なお、軟水化作用が残っているようです。
軟水化の観点から考えた結論は……
ソイルの軟水化にするパワーは強力です。
投入1か月後のデータに見られるように、がっつりと硬度を下げてくれます。
その軟水化作用の失われ方については、ごん太の水槽で出た結果を見る限りでは急激に失われるのではなく、じわりじわりと失われるようです。
なにはともあれ、水槽の軟水化を目指していたごん太にとっては、ソイルに変更して成功といえそうです。
今後、水質については大きな変化があった場合は、改めて報告(ネタに)する予定です。
メンテナンスについて
メンテナンスの頻度については週1~2回、換水量は1/2、プロホースでガシガシと底床のごみを掃除するように排水しています。
細かいことはメリット・デメリットの項で説明しますが……
水槽内が濁ることはほとんどありません。
しかし、ソイルが崩れた粒子のほとんどはプロホースを通ってバケツに排出されますから、バケツの水は濁ります。
ですから、水替えで抜いた飼育水を水槽に戻すような芸当は、できません。
また、ごん太はソイルはとても軽く、餌はそれよりもわずかに軽いため……
排水の水流を弱めにして、じっくりと時間をかけて清掃するようにしています。
(水流を弱めないと、プロホースにソイルが詰まってしまうため。)
詳しくは次のパートで記していきます。
プレコにソイルを利用してみて感じるメリット・デメリット
このパートではソイルを利用すると生じるメリット・デメリットについて記していきます。
ソイルがプレコに及ぼすメリット
残念ながら、ソイルが及ぼすプレコに対するメリットは、ほとんど感じることはできませんでした。
プレコが生息するアマゾン川は軟水ですから、多少なりとも食いが良くなったり、発色が良くなったりすると、ごん太は期待していました。
しかし、いまのところ、そのようなメリットは感じ取ることができません。
後述しますデメリットもありますから、
仮に水槽内の生体がプレコのみの場合、「プレコのためのソイル」はお勧めできません。
単純にプレコのために軟水化したいのであれば、やはりブラックウォーター化するなり、ゼオライトで硬度のもととなるマグネシウムイオンやカルシウムイオンを吸着してしまったほうが、いろいろと都合が良いでしょう。
ソイルが水草に及ぼすメリット
プレコに対してはさほど効果はありませんでしたが、しかしながら、
やはり軟水は水草に対して効果絶大で、水槽内で栽培しているほとんどの水草の調子が上がりました。
まず、水草にコケが付きにくくなりました。
「植物の調子が悪いからコケが付く」理論の逆パターンで、調子が上がればコケに侵されにくくなります。
特にコケに侵されやすい下葉は以前と比較して和らいだ感じがあります。
この辺は比較画像がないと何とも言えませんが。
また、その他特徴的なソイルの利点としては……
成長速度も上がりました。
おそらく軟水になりCO2が良く溶け込むようになったからでしょう。
栽培が簡単な水草のみ栽培していますが、ハイグロフィラの仲間は頻繁にトリミングしないと水面に届いてしまうようになりました。
水草にとっての軟水の効果を、改めて認識するような結果となりました。
プレコにソイルを利用してみて感じるデメリット
このパートでは、実際にプレコにソイルを利用してみて、感じるデメリットを紹介していきたいと思います。
そのデメリットは大きく三つ
- プロホースが詰まりやすい
- 換水後一時的に水槽が濁る
- ウールマットが汚れやすい
- ソイルは半永久的に利用できない
(1)プロホースが詰まりやすい
ソイルを砂利系の底砂の気分で、ソイルにプロホースをかけていると、容易く詰まります。
ガーネットサンドや大磯砂をプロホースで掃除すると、水流全開でもパイプの中ほどの高さに渦ができて、それにより底砂とゴミが分離されます。
底砂の比重を勘案した、水作の妙技ですね。
しかし、ソイルの場合は比重が軽いため、すべてプロホースのパイプ上端に集まってしまい、結果として詰まります。
ですから、
プロホースの水流量を弱めてやる
もしくは
プロホースが詰まったら一度吸い込んだすべての底砂を吐き出す
などの対処が必要です。
ソイルごとゴミをプロホースで吸い、しばらくしてから、ホースをつまむなどしてサイフォンを一時的に停止。綺麗になったソイルを、パイプから底床に戻す、そんな一連の操作を、繰り返しながら、ごん太は掃除をしています。
このようにプロホースをかけるため、ソイルと比較して比重が同じようなゴミ、例えばプレコタブレットや魚の糞は水槽外に排出しにくく、作業に不慣れなうちは多少時間がかかりイライラすることになると思います。
慣れるまでは大きな残飯やゴミは、ネットですくいあげたほうがいいかもしれませんね。
それでも、慣れてしまえば掃除は楽々です。
(2)換水後一時的に水槽が濁る
当然ですが、ソイルをプロホースで掃除するとプロホース内で擦れ、微粒子が出て水が濁ります。
しかし、当然プロホースの内部で濁るので、濁った水はすべて水槽外へと排出されます。
結果、水槽内部は多少なりとも濁りますが、水槽の奥が見えないほど濁るというようなことはないと思います。
フィルターの流量にもよりますが、1~2時間程度で完全に透明になるほどの緩い濁り方です。
そのためごん太の水槽では、ソイルにプロホースをかけても、大きな問題になることはありません。
(3)ウールマットが汚れやすい
濁りが無くなり透明になるのは、もちろん、微粒子が底床に沈殿して、濁りがとてることもあるでしょう。しかし、多くの場合、濁りのもととなる微粒子をウールマットが濾すからです。そのため、飼育水が透明になるわけです。
ですから、崩れない砂利系の底砂と比較するとウールマットは汚れやすいことになります。
しかし、実際フィルター清掃をしてみて分かったのですが……
ほとんどの微粒子はプロホース内で発生し水槽外に排出されるわけですから、それほどウールマットは汚れません。
ごん太の場合は、むしろエビやプレコの糞の方が、ウールマットの汚れの原因となっているようで、必ずしもソイルでウールマットがドロドロに……、そんなことにはならないようです。
水槽の器具や生体などの環境によると思いますので、この話は参考程度にしていただければと思います。
(4)ソイルは半永久的に利用できない
水が濁ることは、ソイルが損耗して微粒子が出ているわけです。
しかし、プロホースを利用していて、割れたり削れたり、というソイルの損耗による減少は、ごく短期間では見受けられませんでした。
ただし、半年ほど継続して利用していると、徐々にソイルの粒が小さくなっていくようです。
(それでも、十分な量は残っています)
ですから、実際にソイルの交換となるような場合、ソイルが少なくなったという理由よりは、軟水化作用が失われたという理由になりそうです。
そしておそらくこれがソイルの「 寿命 」と言えるでしょう。
(追記)
最終的に、この当時利用していたコントロソイルパウダーは、約8か月で軟水化する力が衰え交換となりました。
その後、プロジェクトソイル、leafのソイルを利用して今に至るわけですが、やはりソイルの寿命は6~8か月程度かと思います。
その間プレコがひげが溶ける、エロモナスになるなど、ソイル利用で懸念されるトラブルは現在起きていません。
結局のところ、プレコを健全に飼育するには、道具の選定よりも細やかな手入れが勝るのかもしれません。
(2019/9/02 追記)
まとめ
実際にプレコ水槽でソイルを利用してみて分かったことは、水草にとってはその恩恵は絶大ですが、プレコにとってはメリットは特になく、デメリットは掃除がしづらくなることぐらいでしょう。
しかし実際の掃除については、慣れとやり方次第でしっかりと底砂を清潔にできますから、それほど大きなデメリットではないと思います。
ただし、ソイルの使い方や掃除の方法や頻度など、ソイルを利用してしまったがために結果として大失敗(フィルターが詰まったりなど)となってしまう要因はあります。
その要因自体は人間側の定期的なメンテナンスで、ほとんど解決できますから、プレコにソイルは……
使い方&管理の仕方次第。
禁忌というわけではない。
それがごん太の正直な感想です。
今回の話はこれでおしまいです。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
(更新:2021/11/22)