プレコとアヌビアスと水槽所初心者
丈夫で育てやすい水草といえば、やっぱりアヌビアス。
中でも「ナナ」は、葉の美しさと育成のしやすさからアクアリウム初心者にも人気です。実はこの水草、プレコとの相性も抜群。レイアウト性も高く、水槽に自然な雰囲気を加えてくれます。
今回は、ナナではなくコーヒーフォリアのお話ですが、その扱いやすさについてストーリーで紹介していきたいと思います。
**********************************
これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
静かな住宅街に、ヒヨドリの甲高い声が響き渡る秋の昼下がり。
水面に浮かぶ蛍光灯の光が、部屋の壁に反射して銀のゆらめきを作っている。
困ったことが起きた。
その日、わたしは水槽の前に座り込み、アヌビアス・コーヒーフォリアの葉を一枚ずつ確かめていた。
この水草に異変を感じたのだ!
一枚の葉に無数に広がる、まるで虫にでも食われたような小さな穴。中心の筋だけは綺麗に残り、一部はまるで葉脈標本のようになっている。
「水の中に葉を食べる虫がいるのか?」
水草と流木を念入りにチェックしてみても、犯人になりそうな昆虫は沸いていない。だが、もう1つ手がかりを見つけた。
5枚葉があるうちの、下2枚だけやられているようなのだ。
犯人は古い葉ばかりを狙ったようで、新芽のやわらかな白い葉には、まだ手跡すらついていいない。
「このままでは、いつか上の葉も……」
そう危惧して、わたしはロゼッタを呼んだ。わたしの水槽のお師匠様だ。
水槽のトラブルを嗅ぎつけては、適切に助言をしてくれる、人畜無害どころか天使のような野次馬的存在だ。