マツモの草姿がどうにもかしい!?
水草水槽を始めると、「CO2をいっぱい入れればもっと元気に育つんじゃ…?」って思いますよね。
でも、入れすぎると酸欠にまでは至らなくても、茎が間延びしたりコケが増えてしまうこともあります。
今回は、水草がいちばん喜ぶ量を見極めるコツについて、やさしくストーリーで紹介したいと思います。
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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。
窓を開けると、春のすがすがしい風が入ってきた。
差し込む光は午後の柔らかさをまとい、水槽のガラス面に反射して白い天井に水影を映し出す。わたしは水槽から目を逸らし、横になって天井を仰ぐと、深いため息をひとつ吐いた。
ヘアーグラスは壊滅的だった。
あれほど夢を抱いて栽培を始めたはずなのに、気がつけば新芽は徐々に出なくなり、真っ黒なひげ苔に覆われるようにして姿を消していった。
そのままではアヌビアス・コーヒーフォリアにも悪影響が及ぶため、力なく撤去したものの、ソイルまで抜く気力はなく、底床はそのまま残してある。
挫折の連続で、どうにも手を付けられなかったのだ。
それでも、アヌビアスにとってCO2は有効だと信じ、添加だけは続けていた。水槽を空にしてしまうのが忍びなく、わたしなりの小さな抵抗だったのかもしれない。