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2025年7月13日日曜日

満水ギリギリは美の極致?高すぎる水位をお勧めできない2つの理由 

ロマンを求めすぎてエアポンプで伝い漏れ

水槽の水位、どこまで上げていますか?見た目を重視してギリギリまで満たす方も多いかもしれませんが、実はそれ、思わぬトラブルのもとになることも。今回は、水位が高すぎることで起こりやすいリスクについて、ストーリーとともに解説します。

**********************************

(これは20年前とフィクションが織りなす不思議な世界の物語)

今日はひとりで、いつものアクアショップに立ち寄った。
目当ては、あの奇妙な形のエアポンプ――「ニッソーθ6000」。

まるで戦車の砲弾のような、ずんぐりとしたシルエット。
店の片隅で、わたしを待っていたかのように棚の上に鎮座している。セールで3,000円。ちょっと高い気もするが、毎分5リットルの吐出量、二口仕様、しかも今後水槽が増えることを考えると、むしろお買い得なのでは? などと、頭の中で言い訳が飛び交った。

「そう、水槽熱が高まっている今のわたしには、これは必要経費なのだ」



理想と現実を知ったあの日


ニッソーθ6000

気がつけばレジに並んでいた。
名目は「夏対策」。いや、プレコのための溶存酸素量強化。なんでもいい。理由さえあれば、後でどうにでもなる。正当化できる!

たしかに、20L水槽には大きすぎる。
だが、流れ好きのセルフィンプレコのためなら構わない。
一口はスポンジフィルターへ、もう一口はエアストーンへ。そう考えるだけで、わくわくしてしまう。

……つくづく、この趣味は怖ろしい。

あくる日、購入したことを報告すると、水槽のお師匠様ことロゼッタが、眉をひそめた。

「また、買ったの!?」

驚いて嫌味を言われたが、エアポンプ起動式へそのままご招待。
夕暮れの放課後、暑さに汗をにじませながら、わたしの家までいやいやながらも付き合ってくれた。



誰もが足をを止める”あの”水槽

水槽好きが二人もそろえば、何はともあれ、まずは水換え。
それから、ニッソーθにスポンジフィルターから伸びるチューブを取り付け、さらに、エアストーンも接続。
最後に、水がひたひたになるよう、そーっと注いだ。

「ちょっと、水入れすぎじゃないの?」

不安そうに声をあげるのはロゼッタ。
あまりにのギリギリ水位に面を食らったようだ。
だが、あの地下街の店にあった1つの展示水槽が忘れられないのだ。

それには、オールガラスのフチ一杯まで、なみなみと水が注いであった。
不自然なガラスが水で消えると、水が、いや自然がそり立っているように錯覚を起こした。
通りがかる誰もが、足を止め、目を見開き、感嘆のため息を漏らした。
オールガラス水槽が流行るわけである。

「アクアくん? ねぇ、聞いてる?」

お師匠様が肩をすくめてこちらを見ている。
今回水を多めに入れたいきさつを事細かに説明すると、最初はぽかんとした顔をされたが、わかったと縦に首を振って答えてくれた。

「はぁ……、わかった。やってみよう」

どこか乗り気でないロゼッタをよそに、わたしは、コンセントに手を伸ばして声を挙げた。

「よし、それでは~、スイッチ、オン!!」

ブゥアアアアッ!!



漏れる飛び出す

すさまじい音とともに、ポンプが目覚めた。
なんという勢いだ。これが、5Lのパワーか。

が、次の瞬間――

「あっ! ほら、大変だよ(棒)?」

ロゼッタに声を掛けられた。
エアチューブのだらりと垂れた場所から、ぽたぽたと水が漏れ、床にCDサイズの水たまりをつくっている!

「いけないっ!!」

慌ててコンセントに手を伸ばそうとした、その時――

スンッ……

エアストーンから、急にエアが止まった。

「まぁ、何事も経験って大事だよね?」

ロゼッタが涼しい顔で、片手でショートヘアをかき上げた。その右手には、V字に折れたエアチューブ。折り曲げて管の中を閉じ、エアを止めてくれたようだ。

「ボクがいてよかったねー。さ、止めておいてあげるから、早くコンセントを抜きなよ?」

どうやら、全て読まれてたらしい。じっとりとした視線を受けながら、あわててプラグを引っこ抜いた。

「予想通りの結果だったね。原因は、水の入れすぎ。それに、ポンプがちょっと大きすぎたかも……」
「でも、あの水槽は――」
「あれはね、人の目を惹くための演出用。キミのは本物。比べちゃだめだよ」

お師匠様は大きく首を振った。

「……えっ!?」
「あれじゃあ、魚飛び出し放題だよ。キミはプレコに飛び出されたら困るでしょう?」

その通りだ。
理想と現実、その違いを身をもって学ばされた瞬間だった。



過ぎたるは猶及ばざるが如し

「それじゃあ、最後に何が起きていたか見てみようか?」

ロゼッタの声にうながされ、わたしは水槽の周辺をチェックすることにした。
水たまりの位置は、チューブの下。

「ほら、ここを触ってごらん」

指示通り、チューブを指でなぞる。ほのかに冷たい。濡れている。

「やっぱり、伝い漏れだね。まぁ、ボクがいたときでよかったよ」

ポン、と肩を叩かれた。
たしかに、気が付かずに外出したら、ひどいことになっていたかもしれない。

「水位も、エアポンプも。過ぎたるは猶及ばざるが如し、ってことだねね」

ロゼッタは鼻を高々と掲げ話をまとめるのだった。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

その後、ニッソーθ6000は、空気量を半分に絞って使うことになった。

少し音はうるさいけれど、意外と頑丈で、20L水槽から45cm規格、さらには60cmへとスケールアップしていく中で、ずっと現役だった。

2口仕様というのも実に便利で、エアストーン、スポンジフィルター、バブルストッパー、エアカーテンと、わたしの水槽ライフはぐっと広がっていくことになる。

――けれど、それはまた、別の機会にお話しよう。

・どんな水槽でも水面は美しい。暇なときに下から見上げてみよう。きっといつもと違う水槽が見れるはず。


まとめ

水槽の水位をギリギリまで上げると、一見見た目は美しく感じるかもしれません。
しかし、実はさまざまなリスクが潜んでいます。

まず注意したいのが、水流やエアレーションの泡。
今回のストーリーのように、ちょっとした流れの変化でも、水があふれやすくなり、床や周囲を濡らしてしまうことがあります。
特に集合住宅や木製家具の近くでは致命的なトラブルにつながるおそれもあるかもしれません。

さらに問題となるのが、魚の飛び出し事故。水面とフタの間に余裕がないと、ベタやポリプテルスのようなジャンプ力のある魚が外に飛び出してしまう危険性が高まります。このような魚を飼育するときは、穴を丁寧に塞いで設置しましょう。

というわけで、今回はここまで。



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