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2025年7月12日土曜日

水槽の形のせいで上部フィルター使用不可!外部フィルターという選択

外部フィルターは設置の自由度が高い

今使っているメーカー製の水槽、ちょっと変わった寸法をしていて、上部フィルターを載せられない! アクアリウムを続けていく中で、そんな悩みにぶつかる方は少なくないはず。

そんな時助けてくれるのが外部フィルター。
少々癖のある道具ですが、給水パイプと排水パイプの位置の自由度が高いのが大きな特徴です。

今回は、そんな外部フィルターについて、ストーリーとともに紹介したいと思います。

**********************************

(これは20年前とフィクションが織りなす不思議な世界の物語)

最後に乗り継いだのは、クリーム地に青のラインが走る電車だった。
ごった返す駅を抜けると、私たちはただひたすらに地下道を歩いた。天下に名だたるビル群を横目に見ながら。
通勤ラッシュでもないのに人ごみにまみれた地下鉄の駅をすり抜け、眠らない歓楽街の地下を、さらに、さらに降りていく。



外部フィルター遠征記


キミと通るあの道

突如として現れるアパレルショップを通り過ぎ、大きな十字路を曲がると、やがて左右にランジェリーショップが建ち並んでいた。
正直、ここをロゼッタと二人で歩くのはさすがに気まずい。しかし、その先こそが、今回の遠征の目的地なのだ。

遠くでギラリと光るものがある。
近づくと、それは南国の太陽のように輝くメタルハライドランプというものだそうだ。
その下で水草が青々と茂る大型水槽。大都会のど真ん中に、鮮烈な緑が広がっていた。

「今日はキミのために、ここへ連れてきたんだ。存分に見ていってくれたまえ」

わたしの水槽のお師匠様は、誇らしげに胸を張って言った。



フィルターの強化計画

ここまで来たのには理由がある。
「外部フィルター」というものが気になったからだ。

実のところ、今の20Lプレコ水槽では、ろ過が追いつかなくなってきた。
外掛けフィルターとテトラのスポンジフィルターだけでは、どうにもならない。

かといって、投げ込み式や水中式はスペースの問題がある。
頼みの綱である上部フィルターに至っては、水槽に合うサイズ自体が存在しない。

だが、いつもの昔ながらの店は、上下左右に水槽がぎっしりと並び、生体に力を入れていた。
外部フィルターはあるにはあったが、乱雑に棚の上に置かれ、埃をかぶっていた。
当然、展示スペースなどはなく、実物を見る機会もない。

「箱の中、どうなってるんだろう?」

ぽつりとつぶやいたつもりだったが、お師匠様はその言葉を聞き逃さなかったようだ。
ショートヘアの毛先をくるくるといじりながら、わたしと一緒に棚の上を見上げた。

「これからの時代の主流になるかもしれない。だから、キミも一度は見ておいた方がいい」
「でも、どこで……?」

よほど私が指をくわえて棚を見上げていたのだろう。ロゼッタのスイッチが入り、こうして電車に揺られて、はるばるやってきたというわけだ。



地下街の最奥にある水槽

店に入るなり、お師匠様は巨大な水草水槽の前で足を止めた。

「ほらほら、この水槽見てよ!」

まさしく真夏の太陽、水草の草原。
スカッとした水景で、道行く人の誰もがこの水槽の虜になっていた。

その煌々たる光に照らされた清涼感は、わたしのそれと明らかに違った。
野暮ったさというか、人工感がそれにはないのだ。

「ねぇ、どこにも濾過槽がないように見えるでしょ?」

それだ!
たしかに、給水と排水のパイプは見えるが、ろ材を入れる濾過槽がどこにもない。
水槽の上にも、中にも、底床にも、それらしき装置はない。
これが、さっきの違和感の正体だったのか。

呆気に取られていると、ロゼッタがにったりと笑って顔をのぞき込んできた。
どうやら、まだ伝えたいことがあるらしい。

「で、その秘密はね、なんとここなんだ」

ステップでも踏みそうな軽快な足取りで、水槽の裏側へと案内された。
見るべきものは、水槽台の中――お師匠様が指差すその先。

そこにあったのは、ステンレス製の巨大な筒。まるで大きな魔法瓶だ。

「これは……?」
「これこそ、外部フィルターの本体さ。水槽の左右のパイプは、これにホースでつながってるだけなんだ
「あ……なるほど。つまり、水槽の外側にあるから、外部フィルターなの?」
「うん♪ そういうこと」

だが、見れば見るほど不思議な仕組みだ。
なぜ水槽にポンプがないのに、水がするすると下へと落ちていくのだろう。

「それは、サイフォンの原理というやつだね」

重力によって水が下に引っ張られ、ろ材を通ったあと、フィルターのポンプで水槽へ戻る構造になっているのだという。

だから、パイプの場所が自由でしょ? きっとキミの水槽でも使える思うよ?

なるほど。
左右のパイプはキスゴムで張ってあるだけ。
フィルターへの導水路もホースだ。
これなら、わたしの水槽でも使えるかもしれない。

お師匠様は意気揚々と説明してくれた。

本体をつぶさに観察したあと、表に戻ってふたりで大きな水草を眺めた。
どこで見たこともないような立派なものだった。



短所と長所

「しかし……綺麗なのに、どこか変な感じがする」

見れば見るほど、また別の違和感が湧いてくる。
ふと四隅を見ると、ギラリと虹色に光る膜が浮いている。
これだ……。

「気が付いたかい? そうなんだ。排水パイプの口を水に沈めると、落差がなくなるからね。空気を巻き込めなくなるのさ
「だから、油膜が隅に残っているんですね?」
「そういうことさ。もっとも……」

さらに、目の前の水槽のように水草メインとしている水槽は、エアレーションを利用しづらく、肥料や二酸化炭素の影響もあって、油膜が出やすいらしい。

「だけど、油膜ばっかりじゃないんだよ?」

ロゼッタは眉をひそめ、指を振って見せた。

「キミの外掛けフィルターを思い浮かべてごらん。さっきの外部フィルターと比べて、掃除はどうなると思うかな?」

たしかにそうだ。
フタを開ければろ材にアクセスできる点は同じだが、外部フィルターの密閉具合は明らかに異なる。
あれを開けるには、まずホースを2つ外し、あの大きなクランプを4つ外さなくてはいけない。

ちょいとフタを開けて専用ろ材を軽くすすげる外掛けフィルターとは、手間がまるで違う。

「わかってもらえたかな?」
「なるほど、酸素供給とメンテ性の面で、プレコにはやや相性が悪いということですね?」
「その通り! でも、ここまで話して悪いんだけど、キミに見せたいものがあるんだ~」

服の袖を掴まれ、店の奥へと引っ張られた先は、外部フィルター売り場。
“2213”と書かれた大きな箱を手に取ると、ぐるりと回して裏側を見せてくれた。

ズラリと並ぶ細かい数字。パッケージにはスペックが一覧で記されているようだ。

「さて、ろ材容量はいくつかな?」
「えーっと……えぇぇっ!? 3L!!」
ろ材の容量がハンパじゃないのさ。外掛けフィルターの何十倍もある
「でも、通水量440L。いまの2倍以上……?」
「そこは、工夫次第さ!」

ロゼッタは、にっこりと笑って見せた。

「正しく使えれば、良い結果を生む……と?」
「そうさ! 結局は使い手次第ってことだね!」

鼻をこすりながら、ロゼッタは微笑んで見せた。



どんな水槽でも使えるからこそ

あの店で説明していたお師匠様の目は、すでに次なる水槽の未来を見据えていた。

その後、急激な円安に乗じてエーハイムエコS(2321)を安売りで購入したのは、以前話した通りだ。それでも学生の財布には厳しく、しばらくは貧乏生活を送ることになった。

だがやがて、プレコは大きくなり、20Lの水槽から45cmの規格水槽へと引っ越すことになった。
しかし、幸いにも外部フィルターは水槽の形を選ばない。
ほぼすべてをそのまま使い回すことができ、大きな節約につながった。

相談しなかったことでひどく叱られたが、結果としては、ファインプレーとなったのだ。



(捕捉)

昔は、小型水槽用の外部フィルターと言えば、エーハイムエコSやエーハイムクラッシック2211ぐらいしか選択肢がありませんでした。やはり流量が強すぎるため、タップをしぼったりシャワーパイプの穴を増やしたり、試行錯誤をしたものです。

しかし、最近ではメガパワー2045やパワーボックスSV240Xがありますので、流量に気兼ねなく設置できる時代になりつつあるようです。(エデニックシェルトV3は終売のようです。)



まとめ

外部フィルターは、濾過能力の高さと見た目のすっきりとした印象が魅力です。
また、水槽の外に設置できるためレイアウトの邪魔にならず、美観を重視する水草水槽とも相性が良好です。

しかし、その最大の利点は、ホース接続式のため水槽の寸法がイレギュラーでも、設置に困らない点です

もちろん、掃除には手間がかかり、水面の動きが少ないため酸素が溶け込みづらく、油膜が発生するなどの欠点もあります。

ですが、外部フィルターはメンテナンス性や酸素供給に注意しながら使用すれば、高性能で美しい水槽づくりに大きく貢献してくれるでしょう。

最近では小型水槽用の製品も増えており、水槽の大小を問わず選べるようになってきています。

なお、水草と外部フィルターについては、別の機会に述べたいと思います。

というわけで、今回はここまで。



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