プラチナソイルスーパーパウダーをレビュー実験!
どーもこんにちは。ごん太です。
さて前回は・・・
セキショウモの栽培についての注意点について
という内容でした。
今回は以前よりレビューしている底砂についての話の続きです。
そんな今回の記事のレビュー対象は・・・
プラチナソイルスーパーパウダーです。
プラチナソイルって吸着系ソイルの代表選手のようなもので、栄養系ソイルのようにコケを心配することもなく、ただただ水の軟水化に取り組んでくれて
かなり使いやすいソイルです。
そんなプラチナソイルですが、今回のレビューは他の底砂レビューと同じく・・・
・耐久性
・水質への影響
・比重
という基準でレビューしていきたいと思います。
ごん太としてはレビューの基準に「色」を加えたかったのですが、こればっかりは個人差があるので外しています。
それではレビューをしていきたいと思います。
(サイト内リンク:底砂レビュー・大磯砂酸処理・軟水化など)
当ブログの関連記事です。
よろしければ、こちらもあせてご覧ください。
- ガーネットサンドは短期間でどれだけ硬度に影響を与えるか実験
- ピンクの大磯砂?桜大磯砂の耐久性・硬度への影響・比重
- アズーダブルブラックウォーターを利用してみて・・・
- 実験!ソイルの軟水化効果はいかほどか?→今ここ
- 大磯砂で硬度が上がる化学反応式
- 化学式でわかる!大磯砂の酸処理(クエン酸)とその方法
- 酸処理前/後の大磯砂が水質に与える影響を6in1で比較してみた
- ゼオライトでの軟水化の仕組み・方法・結果
ソイルは崩れると言ことを意識して取り扱うべき
レビューの前提条件
まずは耐久性。
ごん太はこのプラチナソイルスーパーパウダーを鉢となる器の内部にいれ、水草を鉢植え栽培しています。
鉢植え水草はソイル簡単に交換できるという特徴があります。
底床ソイルと比較してまめにメンテナンスできてしまうのです。
それゆえ・・・
レビューする側としてお恥ずかしい限りですが、
ごん太はこの製品を最大でも3ヵ月程度しか利用したことがありません。
なので、耐久性を語るには長期利用経験がありません。
ですから・・・
以下レビューは、3ヵ月という中途半端な利用期間をもとに記していきます。
あしからず。
ソイルは崩れるもの
まず、短期間ではソイルが崩れることはありません。
想像してる以上に硬いようです。
プロホースでソイルを清掃する人はそんなにいないと思いますが、プロホースで掃除しても、パイプに巻き込むぐらいならば崩れません。
ですから、まずまずの耐久性はあるといえそうです。
とは言え、当然、乱暴に扱えば擦れたり潰れたりして、粉塵が発生し、水槽を濁すことになります。ですから・・・
ソイルは崩れる
という定説をしっかり意識してデリケートに取り扱いをしたいものですね。
ソイル交換のタイミングは軟水する力が失われたら
さて、砂利系の底砂と比較して崩れやいソイルですが、その交換タイミングは、、、
ソイルが崩壊してしまうより水質調整機能が無くなるのが早いですから、硬度が上がり始めた時点で交換というのがよさそうです。
一般的にソイルと言わている低床の寿命は1~2年というのが通説ですが、軟水化する能力はそれより早く失われると言われています。
なので、崩れなくてもソイルによる軟水化を維持したいのならば、早め早めの交換がいいと思います。
水を軟水にする力はどれくらいで切れるのか?
さて、ここからはごん太の経験談となります。
ソイルが水を軟水にする力が失われるのは、その利用料にもよると思いますがだいたい5~8か月程度で失われる場合が多いです。
多くの場合、ソイル投入当初水質は弱酸性で低硬度を示すものなのですが、月日が経つについて徐々に硬度があがり最終的に水道水の硬度と変わらなくなります。
水草栽培において硬度とpHは成否のポイントですから、なるべくソイルの水質に及ぼす効果が切れる前に交換したいものです。
なお、こちらもごん太の環境ではという経験談になりますが、、、、
プロホースでガシガシとソイルを掃除すると、だいたい半年前後から徐々にパウダー状の粒子が目立ち始め、劣化が始まります。
しかしそれ以上ソイルが脆くなるより、硬度を下げる力が落ちてしまうことの方が多いです。
ですから、ごん太のいままでの経験からでは、、、
ソイルの寿命=軟水にする力がなくなるまで
と断言したいと思います。
ただまぁ、、、最近のソイルのトレンドを見れば、今後持続的に硬度を下げ、さらに全然崩れないようなソイルが出てこない事ともなさそうです。
メーカーさんの今後に大いに期待したいと思います。
というわけで、次の項からはそんなソイルの軟水化について
(2019/7/17 追記)
ソイルが水を軟水化する理由
土壌コロイドのイオン交換優先順位
この項ではプラチナソイルスーパーパウダーの水質への影響・・・つまるところソイルの軟水化について記していきます。
まず、基礎知識な話ですが、ソイルを含む土壌は、モンモリロナイトなどの粘土鉱物と腐食が結合してできた
土壌コロイド
というもので成り立っています。この土壌コロイドは負の電荷を持つ化学構造(モンモリロナイトを構成している)や官能基(腐食を構成している)を持つため陽イオンを吸着します。
その吸着する陽イオンの優先順位というのが以下の通りです。
H+>Ca2+>Mg2+>K+>=NH4+>Na+
というわけで、植物の肥料となるものは陽イオンが多いですから、土壌コロイドにしっかりと吸着されるわけですね。
↑の情報はアクアリウムではなく農業や園芸で良く語られる話です。
土壌コロイドに陽イオン吸着されるとどうなるのか?(園芸編)
さて、↑の話は実はアクアリウムより農業や園芸といった分野では良く出回っている話です。
産業や時によっては人命に直結する大切な植物ですから、アクアリウムよりも理解が深い部分があるのです。
このパートと次のパートでは
そんな理屈を園芸とアクアリウムに当てはめるとどうなるのか?
ということを紹介したいと思います。
というわけで、最初は一般的な園芸(農業)の場合においての話を紹介したいと思います。
まず、植物の三大要素であるアンモニウム態窒素やカリウムなど、さらに多量要素であるマグネシウムやカルシウムなど、つまり肥料と言われるほとんどは陽イオンです。
そして陽イオンなわけですから、↑で紹介した通り負の電荷をもつ土壌コロイドに吸着されます。
この吸着された状態がいわゆる「土壌中に肥料がある」といえる状態なわけです。
しかし、このままではソイルに吸着しているので植物はりようできません。
ここからは植物が栄養分を取り込むメカニズムになります。
まず、植物の根より水素イオンが遊離されます。
ここで先ほどのイオン交換の優先順位を思い出してみてください。
一番左側に水素イオンがありましたよね?
そして水素イオンはイオン交換順位で1位ですから、土壌コロイドは持っている栄養分を手放して水素イオンを吸着しようとします(=イオン交換)。
最後に土壌コロイドより手放された栄養分は根から吸収される植物の中に入っていくというわけです。
これが土壌に存在する養分(肥料)が根に吸収されるメカニズムをざっくりと説明したものになります。
そんな風に園芸や農業では土壌コロイドとイオン交換について考えられています。
ではアクアリウムではどうなるでしょうか?
土壌コロイドに陽イオン吸着されるとどうなるのか?(水槽編)
同じような話でもアクアリウムの場合は次のような話に発展していきます。
まず、ほとんど養分(陽イオン)を吸着されていないソイルを吸着系ソイルと呼び、あらかじめ養分を吸着させておいたソイルを栄養系ソイルと呼ぶ、、、このような話の展開からスタートします。
吸着系ソイルはおそらく土壌コロイドが陽イオンを吸着していない、あるいは優先順位が低いものを吸着している状態です。
この状態で水槽の中に入ると水槽内にある陽イオン(=NH4+、Ca2+、Mg2+、K+など)を吸着します。
つまり、
カルシウムイオン、マグネシウムイオンが吸着される場合は軟水化が起き
アンモニウムイオンを吸着した場合は立ち上げ初期のアンモニア地獄が発生しない・・・このような効果を発揮します。
対して栄養系のソイルはあらかじめ土壌コロイドに肥料となる栄養分を吸着させたものかと思われます。
ですから、すぐに植物が栄養を使える状態でもあり、場合によっては水質を汚すことにもなるわけです。
そんな風に、土壌コロイドとイオン交換でソイルによる水の軟水化を説明することができるわけです。
・・・
そんなこんなで、園芸とアクアリウム、水の中、土の中、鉢の中、水槽な中など様々な違いはありますが、同じ植物を扱う趣味や産業です。
オーバーラップしている部分をそれぞれが違う理論に役立てているわけですから、非常に興味深いですね。
さて、今回は水槽の話なので、このソイルがどれだけの軟水化の効果があるか?という話になってきます。
というわけで、次の項より例によって水質への影響を実験で調べてみます。
実験!プラチナソイルスーパーパウダーによる水の軟水化
前々回のガーネットサンド編でもそうでしたが、この実験は一定量の水量に対しての一般的使用量の底砂を用いた場合どのような水質変化があるか?ということを調べています。
で・・・今回は以下のような実験をすることにしました。
手順
①、水1Lをバケツに取る
②、テトラ6in1にて硬度を測定
③、60cm水槽に利用する分量と同じ比のソイルを1Lバケツに投入する
④、すぐにテトラ6in1で硬度を測定する
⑤、24時間後テトラ6in1で硬度を測定する
実験は一応24時間後までとすることにします。
で、まずはいつものごとく利用するソイルの量を計算していきます。
まず、60cm規格水槽の水量を求めたいと思います。
幅60cm×奥行30cm×高さ36 = 体積64800cm3
1cm3 = 1ml なので
64800cm3 = 64800ml = 64.8L ≒ 65L
というわけで、60cm規格水槽の水量はだいたい65Lということになります。
で、一般期にはごん太が調べたところによると、60cm規格水槽に利用すべき量は8~11Lということになっているようです。
今回は1Lの水で、水65Lに対してソイル8Lと同じ割合になるようにソイルの量を計算します。
65L:8L=1L:x
65L × x= 8L × 1L
65x= 8L
x = 8L/65
x ≒ 0.123L = 123ml
ということで、水1Lに対してソイル123ml投入すればよさそうです。
結果
では、さっそくその結果を記してきます。
当初の24時間後では思ったような結果が出なかったので72時間後の結果も追加しました。
(これが本投稿のアップが送れる原因になっています。)
(ソイルなし)
GH 4~8
KH 3~6
pH 6.8
(ソイル投入後0H)
GH 4
KH 3~6
pH 6.4~6.8
(ソイル投入後24H)
GH 4
KH 3~6
pH 6.4
(ソイル投入後72H)
GH 0~4
KH 3~6
pH 6.4
(GK,KHの単位:°d)
考察
この章のみ丸々修正(追記)となります。
なお、ごん太は生物屋さんで化学屋さんではないのではっきりとした断言はできず、あくまで考察&推測どまりな話となります。
まずpHとGHは低下していますが炭酸塩「硬度」KHはなぜか低下していません。
今回の実験では短時間過ぎたのか?、はたまた実験の方法そのものが悪かったのか?KHはなぜか低下しませんでした。
しかし、古いソイルから新しいソイルに交換したり、砂利系底砂からソイルに変更した場合、pH、GH、KHがそろい踏みで低下するのはよくある現象で、逆に今回のようにKHのみ低下していないというのは珍しい・・・というより実験の失敗を感じさせる結果となっています。
この記事を書いた後、ごん太の水槽は砂利系の底床からソイルに変更し、現在までソイルの効力切れで2回ソイルのソイル交換計3種類のソイルを利用したわけなんですが、都度pH、GH、KHが低下していますので、この実験は失敗しているのではないか?とごん太は考えています。
確かにそのようにも考えられるのですが・・・
ただし、、、、
KHは炭酸塩硬度といいつつも試薬で調べているのはカルシウムイオンやマグネシウムイオンではなく、それと結合する炭酸水素イオン(HCO3-)です。
実際にソイルが吸着しその量が減少するのはマグネシウムイオンやカルシウムイオンですから、KHの値が下がらなくてもなんら不思議ではないです。
現に総硬度たるGHは下がっていますからね。
(2020/3/20 追記)
ソイルは消耗品(ソイルの比重は掃除しやすさに直結)
なぜごん太がここまで比重に固執するのか?
といいますと
プロホースで掃除したときの掃除のしやすさに直結するからです。
あまりにも比重の軽い底砂ですと、プロホースで巻き上げた際に水と一緒にバケツに排出されてしまい、日に日に低床が薄くなってしまいます。
逆に重すぎればうまくプロホース内で舞ってくれずゴミを分離できません。
低床の掃除を重視するプレコ水槽にとっては、比重が重くても軽くても問題なわけです。
で、肝心のプラチナソイルスーパーパウダーについてですが、軽めです。
田砂など目の細かい砂ほどではありませんが、プロホースからの排出に注意する必要があります。
とはいえ、ガーネットサンドのように高いものでもないですし、耐久性もそれと比べて低いわけですから、排出して底床の厚みが薄くなってきたら新しく補充したり、ソイル全交換したほうがいいかもしれません。
結局のところ、ソイルの比重や耐久性を勘案して、消耗品として考えたほうがよさそうです。
細かい粒は植えやすい
細かい粒は水草の植栽しやすさに直結します。
というのは植栽された水草に低床側がフィットしやすく、結果固定しやすく、つまり ・・・
抜けにくくなるからです。
ピンセットでの植栽に苦戦している方は、ノーマルではなくスーパーパウダーやパウダーがお勧めです。
当然ですが目が細かいですから、底砂が目詰まりしたことによる嫌気性域化には注意したほうがいいでしょう。
しかし、ソイルによる低床を2段構成をとし、
下段をノーマル
上段をパウダーもしくはスーパーパウダー
にする流行りの構成とすることで、植えやすさと嫌気性域化防止を両立できますから、そこまで悲観的になる必要はないでしょう。
吸着系ソイルは「途中」から使いやすい!
栄養系ソイルによくある、水中に入れた後の肥料を放出がないため、これに起因するトラブルがありません。
つまり、
肥料を放出しないので水質悪化がなく、それゆえコケの大発生に悩まされることもないというわけです。
さらに言えば、このような栄養系ソイル特有の水質悪化、これを防ぐだめの止めるための毎日の大量換水は不要です。
ですから、トラブルが少なく管理しやすいです。
水草水槽でない人、生体が入っていて途中からソイルに変更する人はプラチナソイルはお勧めです!。
ただし、
肥料がほとんど含まれていないので、肥料分を追加する必要があるかと思います。
全ての肥料分を意識して管理する必要があるので、植物の生長を観察しながらバランスよく肥料を施肥する必要があります。
とは言え、最近は三大要素の1つであるKのみの液肥や、NやPを含まず多量要素、微量要素のみの液肥といった便利グッズが増えてますので、管理は容易です。
ちなみに、ごん太の場合は、イニシャルスティックとK液肥、Fe液肥を施肥してます。
窒素系肥料は大食漢のプレコがいるので施肥していません。
レビュー まとめ
とうわけで、この部分のみ後付けですがレビューを各論をまとめてみたいと思います。
やはり、ソイルというのはなんだかんだ言っても消耗品です。
崩れた、欠けた、擦れたなどの意味もありますが、物理的な消耗よりも先に軟水化能力(イオン交換をする能力)が失われてしまう場合が多いのではないかと思います。
ですから・・・
軟水化能力を見越してソイルを利用している場合は、硬度が上がってきたら交換したほうがよさそうですね。
そういった水質調整能力以外でソイルを利用してる場合(そのような場合でどうしてもソイルでないとダメという状況はごん太には思い浮かばないのですが)は、摩耗が始まり粉塵が盛大に出始め、フィルターのウールマットが詰まりやすくなってから交換ということになりそうです。
以上を踏まえると・・・
ソイルはそれほど高いものではありませんし、水草を栽培するうえで軟水だと確かに調子は上がりますから、消耗品と割り切って定期的に交換したほうがよさそうです。
硬度を上げない、もしくは硬度に影響を及ぼさないというような底砂は山ほどありますが、硬度を下げれる底砂といったらソイルかゼオライトぐらいかと思います。
調べた限りではゼオライトのイオン交換優先順位はKの優先順位が高く、MgやCaの優先順位は低いため水草水槽では使いづらいものがありますから、実質的に硬度を下げれる底砂はソイルのみといえそうです。
あとがき
いかがだったでしょうか?。ソイルの特性をご理解いただけたでしょうか?
一般的な砂利でできた底砂に比べ、ソイルは明らかに性質が違いますので、それをよく理解したうえで上手に利用したいものですね。
さて、次回は・・・
大磯砂で硬度が上がる仕組みについて
化学式を利用しながら説明したいと思います。
それでは次回もお楽しみに!
(最終更新:2020/3/21)