大磯砂の酸処理と洗浄・・・おまけに水質比較
どーもこんにちは。ごん太です。
さて、前回は・・・
クエン酸を利用した大磯砂の酸処理を化学反応式で説明&実践!
という話でした。
そして、今回は前回の続きで・・・
・クエン酸で酸処理した大磯砂を洗浄
・その大磯砂が水質に及ぼす影響を試験紙で確認
という今回も大磯砂の酸処理について話を進めていきたいと思います。
今回の記事のみご覧の人もいると思うので 、前回の話を紹介しつつ、出来上がった大磯砂が水質に及ぼす影響を紹介していきたいと思います。
ですので、お忙しい人は↓目次リンクからお好みの項目にさっくりとジャンプしてくださいね。
なお、大磯砂で硬度が上がる理由やその化学式は前々回、クエン酸で酸処理をする理由やその化学式については前回の記事をご覧ください。
それでは目次・サイト内リンクに続きまして本文へと入っていきます。
続きをどうぞ!
(サイト内リンク:底砂レビュー・大磯砂酸処理・軟水化など)
当ブログの関連記事です。
よろしければ、こちらもあせてご覧ください。
- ガーネットサンドは短期間でどれだけ硬度に影響を与えるか実験
- ピンクの大磯砂?桜大磯砂の耐久性・硬度への影響・比重
- アズーダブルブラックウォーターを利用してみて・・・
- 実験!ソイルの軟水化効果はいかほどか?
- 大磯砂で硬度が上がる化学反応式
- 化学式でわかる!大磯砂の酸処理(クエン酸)とその方法
- 酸処理前/後の大磯砂が水質に与える影響を6in1で比較してみた→今ここ
- ゼオライトでの軟水化の仕組み・方法・結果
大磯砂の酸処理をすることになった経緯
さてごん太、なぜ大磯砂の酸処理をしているか?と言いますと・・・
そもそも、、、ごん太の水槽で用いている桜大磯砂が劣化してきたので、
それを交換したいからです。
劣化の状況を簡単に説明すると水槽外に取り出して手洗いすると、
たくさんの崩れた粒子がボロボロと出てくるような状況です。
このままでは徐々に底砂が減少していったり、外部フィルターの故障の原因になる可能性もありうるわけですから、、、
交換すべく次の底砂を求めては水に浸け、
その水質に及ぼす影響を試験紙でテストをしているわけです。
で・・・
せっかく底砂交換するなら水草のことを考えて、
なるべく硬度に影響を与えないものを・・・!
ということで、大磯砂の酸処理を行っているわけなんです。
前回までの話の流れは↑こんな感じとなっております。
さてさて、前置きはこれくらいにして、次のパートから実際に行った酸処理手順の紹介となります。。。
大磯砂の酸処理(道具)
前回と被りますが、今回も道具と方法について記しておきたいと思います。
なお、この酸処理一連の記事は実際に酸処理中に投稿したものですから、作業を行う中で変更した道具もあります。
(前回記事との相違点は修正済みです。)
・大磯砂 0.8kg × 3袋
・バケツ
・クエン酸 200g × 3袋(600g)
・水 5L
・大きなトレー(新聞紙の代わり)
・ろ材ネット
濡れた大磯砂を乗せるための大きめなトレーがあると便利
今回はバケツの蓋の上に大磯砂を置き、そこでじっくりと貝殻やゴミの除去することにしました。
バケツの蓋以外にも浅くて広いトレー状の物なら何でもいいと思います。
なお、前回軽く触れました場新聞紙はおすすめできません。
洗浄後大磯砂のように重くて濡れているものを新聞紙の上に置くと、、、
新聞紙に穴が開いたり、ちぎれてしまったりとその耐久性に難があります。
そのため何かと取り回しが不便です。
(詳しくは後述します。)
当然そうならないためには、いちいち大磯砂を乾燥させないといけません。
ただ、乾燥するとなると1日がかりですから、闇雲に時間ばかりが浪費されます。
ですから、
ごん太としては大磯砂を広げる用にプラスチック製の大き目なトレーを用意しておくのがお勧めです。
(ごん太の場合はバケツの蓋がたまたまあったので、新聞紙が不向きだと発覚後にそれを利用します。)
金属パーツは溶けるかも・・・
また、前回も記しましたが、ごん太は洗濯ネット大磯砂を入れてから酸処理していたのですが、結論を言えば、、、
洗濯ネットに大磯砂を入れるのはお勧めできません。
というのは・・・
洗濯ネットのチャックの部分(金属製)が酸で劣化・・・
つまり少しばかり溶けて、開閉機能に支障をきたすからです。
おまけに金属が溶け出るわけですからね。。。
特にタンクメイトにエビがいる人は、いくら念入りにすすぎをしても「怖くて使えない!」ということもあるでしょう。
じゃ何を使えばいいの?ということになるのですが、、、
大磯砂をひとまとめにするのならば、金属製のチャックが付いておらず、酸に強いポリエステル製のメッシュ状の袋が良さそうです。
で・・・この条件に当てはまる袋といいますと・・・
ろ材ネット!
まぁ、それぐらいしか残念ながらごん太は思いつかないんですが、、、
ポリエステル製でメッシュ状の袋だったら何でも行けると思います。
ただまぁ、ろ材ネットなら「いきつけのショップ」に置いてあることが多いでしょうからお勧めです。
そんなこんな「道具」についての注意事項はここまで。
次は酸処理の方法について記していきます。
大磯砂の酸処理(方法と注意点)
こちらも多少前回の内容と被りますが、酸処理全工程を完了した時点で改めて書き起こしてみました。
前回と一部異なっている点もありますが、ごちらもご了承ください。
トレーなどに出して、よく観察しながら貝殻を除去する
前述の通り、バケツの蓋のなど大きいトレーのうえで作業を行うといいでしょう。
なお、今回ごん太の場合は新聞紙の上で行いました。
購入した商品の品質が良かったようで、貝殻やゴミはほとんど見つかりませんでした。
大磯砂をよく洗う&失敗談
お米を研ぐような感じで軽く洗います。
途中10回程度水を交換し、徹底的に濁りと汚れを取ります。
素手で大磯砂を洗うと爪がボロボロになるので、なるべくゴム手袋や軍手で保護しましょう。
ここから数行はちょっとした失敗談。
洗浄後の大磯砂を次の項で洗濯ネットに入れるわけなんですが・・・
逐一手で入れていては日が暮れてしまいますし、
このとき洗浄に利用したバケツ(20L)がでかすぎて、
大磯砂を滑らせるように直接洗濯ネットには入れられません。。。
そんなわけで、バケツからいったん新聞紙の上に大磯砂を移し、
新聞紙を薬包紙のように折り滑らせるようにして洗濯ネットに入れることを画策しました。。。
実際、新聞紙に折り目をつけ、バケツから大磯砂を移すところまでは良かったのですが・・・
持った途端スッっと新聞紙の底が抜けてしまいました。。。
重量2.4kgに水分が含まれさらに重くなっていますから、新聞紙ではかなわなかったのでしょう。。。
幸い底が抜けただけで、大磯砂は飛び散らなかったので一大事にはなりませんでしたが、、、
水分でどろどろに溶けた新聞紙を大磯砂から選り分けるのは大変面倒事でした。
ですので、新聞紙はお勧めしません。
(まぁ、乾燥させればいいんですがね。でも調理用の大型ステンレスがダイソーで200円で販売されていることや乾燥時間を考えると、ちょっとおすすめできません。)
大磯砂をろ材ネット(など)に入れる
上記の通り今回は洗濯ネットを利用しました。
その理由は、大磯砂をこぼさずまとめて扱うことができるからです。
しかし、その洗濯ネットのチャックがクエン酸で溶けてしまいました。
溶け出た成分がなんなのか?
生体に有害なのか?
そのようなことを気にしなくてはいけなくなるので、なるべくなら・・・
酸に強いポリエステル製かつメッシュ状で、
溶ける心配のあるチャックが無く、、
巾着袋のような物、、、
(ごん太が思いつく限りでは「ろ材ネット」。)
そのような袋を利用することをお勧めします。
上に該当する袋なら何でもいい思います。
水を貼ったバケツに大磯砂が入った洗濯ネットを入れる
今回用意した水は5L、対して大磯砂は2.4kg。
後述する実験結果によれば、この分量で酸処理できたようです。
しかし、↓項(5)の通り、水5Lに対しクエン酸600gでは飽和水溶液にはならないようです。
なので、硬度のもととなる貝殻をより確実に溶かすとならば、水に対するクエン酸の分量はもっと多くてもいいでしょう。
クエン酸を投入する
ここから先の作業は屋外で実施することをお勧めします。
化学反応的には出てくる気体はCO2なので爆発などの問題はないはずですが、念には念を入れて置く外で実施してください。
それではお待ちかね(?)ダイソーのクエン酸を600g投入!。
サラーっと圧倒間に溶け、無色透明な水溶液となりました。
ごん太は多少飽和水溶液になることを期待していたのですが、、、
残念ながら水5Lに対しダイソーのクエン酸600gでは足りなかったようです。
ただし、 後の試験でわかるのですがクエン酸の量は足りていたようです。
気泡が出なくなるまで放置(酸処理)
お待ちかねのぶくぶくタイムです。
(ただし写真はありません。。。)
前回紹介した化学反応式から気泡が止まる=反応の終了と判断できそうです。
なお、今回の場合、約半日で気泡の発生が止まりました。
とは言え、、、、
(↓のパートに続きます。)
pHが低いままか?確認
この化学反応はCO2が出る中和反応ですから、、、
pHが中性かつ気泡が止まる=反応が止まる=クエン酸が足りない
という事を意味しています。
なので、気泡が止まったらとりあえずはpHのチェック!。
が、、、
どうやらpHも低いまま。
(気泡も止まったまま。)
「あれ?こんなもんなのかな? 」
という漠然とした不安があったため、、、
今回は念のため1週間このままの状態で放置してみました。
しかし、その期間常に酸性を示し、ついにpHが中性になることはありませんでした。
これはおそらく大磯砂に対するクエン酸の量が十分だったためpHが中性付近に戻るということがなかったのかと思います。
もちろん、大磯砂に含まれる貝殻の量によって変化しますので、実際に酸処理する場合はクエン酸溶液のpHを適宜チェックしたほうが良いでしょう。
大磯砂をバケツから取り出しひたすら濯ぐべし。【重要注意事項】
バケツから取り出した大磯砂を、ごしごしとお米を研ぐように洗いながら入念にすすぎも行います。
この時大磯砂にクエン酸がかなり染み込んでいるようで、
ちょっとやそっとの濯ぎでもなかなかpHが中性付近に戻らないようです。
よくすすいでない状態で大磯砂を水槽に投入すると、、、
飼育水のpHが酸性側に傾き、場合によってはpHショック・・・
つまりは・・・
魚やエビ、水草にダメージがあることが十分に予想されます。。。
そしてそのような情報はネット上にかなりの数が挙がっています。
もちろんごん太も「よく濯がないと危険!!」事前知識はありました。
あったのですが・・・
ですが・・・
数時間かけて入念に濯いでも予想以上に酸が抜けずかなり焦りました!
(すすぎに半日かけるぐらいしたほうがよさそうです。)
ですから例え濁りやゴミが無くても、ひたすらによくすすぐことをお勧めします。
この一連の話は後述の水質チェックの項でより明らかになります。。。
なので、、、
水槽を入れる前に酸処理した大磯砂が水質に及ぼす影響がないか?
必ず試験紙や試薬でチェックすることをお勧めします。
すすぎが不足している場合は大磯砂に溶液そのものが染み込んでいるわけですから・・・
残留しているCa2+(カルシウムイオン)によりGH上昇
もしくは
残留しているクエン酸によりpH低下
という具合に水質が急激な変化する可能性があります。
十分にご注意ください。
これについてもく詳しくは水質チェックの部分で後述したいと思います。
さて、酸処理後の廃液ですが、当初は酸性で無色透明だったものの、酸処理終了時点でも酸性を示し色は黄色で濁っていました。
濁っている理由は水に溶けきれなくなったクエン酸カルシウムが小さな結晶となったためと思われます。
しかし、ごん太の知識では黄色を呈してる理由は不明です。
ごん太は化学屋さんではなく生物屋さんなので、こういったことには弱いのです。
トレーなどに酸処理済みの大磯砂を出してクエン酸カルシウムの結晶を除去する
前述の通り、バケツの蓋の上で行いました。
前回の話では水に溶けづらいクエン酸カルシムの結晶ができているはずなのですが、、、、
よくすすいだ大磯砂を広げてみると、、、
お米を研ぐように洗ったためか写真撮影できるほどの大きさの
クエン酸カルシウムの結晶はほとんど見当たりませんでした。
唯一、米粒の1/8ぐらいのサイズの結晶を見つけることができましたが、写真を撮る前にぽろぽろと崩れ落ちてしましました・・・。
結晶として残っているという事は確かに水に溶けづらいのかもしれませんが、思ったよりも脆いようなので 、洗浄中に崩れて排水に紛れ流出するようです。
ろ材ネットを利用してシャワーなどで優しくすすいでいればそのようなこともなかったのでしょうが、今回の悔やまれる(ブログのネタ的な)失敗点です。
なお水質試験時にわかるのですが、炭酸カルシウムはがっつり溶けているので、廃液にはカルシウムイオンも多く含まれているようです。
炭酸カルシウムが簡単に溶け、さらに結晶は脆いわけですから、ちまちまと貝殻を拾うよりは確かに簡単かもしれません。
硬度・pHが上がらないか(下がらないか)確認
それでは、先に述べた通り酸処理済みの大磯砂を水に浸し、試験紙や試薬でpHが上昇していないか確認します。
こちらは水質チェックの章で詳しく後述します。
できあがり
pHが下がらずGHが上がらなければ、酸処理は完了となります。 あとは良くカルキを抜いてから水槽に投入するばかりです。
酸処理した大磯砂が水質に与える影響(結果)
酸処理後のすすぎは丹念にすべし!!
とうわけで、酸処理中にそれなりに気泡を上げその後止まり、処理液はいまだに酸性を示し、さらにクエン酸カルシウムの結晶と思わしきものもあるわけですから、、、
どうやら酸処理は成功しているようです。
なので、実際にテトラ6in1でチェックしてみました!
まずは比較対象として水道水。
(水道水)
GH 4°d
KH 3~6°d
pH 6.8
お次は酸処理をしていない大磯を1日入れた砂水道水です。
(酸処理前)
GH 4~8°d
KH 3~6°d
pH 6.8
わずかですが、GHが上昇しています。
いわゆる「大磯砂を入れると硬度が上がる」ってやつですね。
では最後に、酸処理した大磯砂を1日入れた水道水の水質を測定してみましょう!
GHが下がっていれば大成功です!
それでは↓どうぞ!!↓
(酸処理後)
GH 8~16°d
KH 3~6°d
pH 6.4以下
!?
あれ。。。めちゃくちゃGH上がってるしpH下がってる。。。
まるっきり酸処理に求めた結果とまったく逆の結果に・・・(汗
で・・・今回の酸処理の化学反応に当てはめながらよくよく考えてみると・・・
そもそも、pHの低い酸に炭酸カルシウムが炭酸イオンとカルシウムイオンに電離するわけで、その結果酸処理の化学反応の結果でできるのはクエン酸カルシウムとCO2・・・。
詳しくはわからないのですが・・・
すべてのカルシウムイオンがクエン酸カルシウムとなり、結晶となるわけではありませんから、、、
水溶液は貝殻由来のカルシウムイオンとクエン酸由来の水素イオン でいっぱいということになります。
(ごん太が化学屋さんだったらはっきりと原因を断定できるのです、生物屋のごん太には詳しい説明は無理です。)
なので・・・
廃液(溶液)の性質はpHが低くGHが高い
というい性質があるわけです。
ですから、酸処理済みの大磯砂が同様の性質を持つということは、未だ大磯砂に水溶液が染み込んで残っているということが想像できるかと思います。
というわけで・・・
どう見てもすすぎ不足です。本当にありがとうございました。
酸処理済み大磯砂が水質に与える影響
そんなわけですから、クエン酸カルシウムの結晶の除去を再度行い、さらによくすすいで同様の試験を再度行うことにしました。
(結局すすぎだけで半日使いました。)
では、酸処理の真の実力を見ていただきたいと思います!
(酸処理後/再洗浄)
GH 4°d
KH 3~6°d
pH 6.8
見事にすすぎ前とGHが半減しています。
水道水と比べてもpH、GHはほぼ同じです。
ちなみに、我が家の水槽の水質(底砂は桜大磯砂)と比較すると・・・
(飼育水)
GH 4~8°d
KH 3~6°d
pH 6.8
ですから、酸処理で硬度の上がらない、もしくは上がりづらい大磯砂にすることができたと言えますね。
今回の結果をまとめると・・・
・クエン酸でも酸処理をすることができる
・酸処理後はよくすすぐべし!
といったところでしょうか?。
ただ、ごん太には1つ不満がありまして・・・
そもそも大磯砂には吸着作用がないので、水道水よりも硬度を低くすることができない!
というよくよく考えれば当たり前のことを不満に思っています。
しかし水道水よりも硬度を低くするためには、ブラックウォーターやゼオライト、そしてソイルを利用しなくてはいけません・・・。
さて、底砂の交換はどうすべきか・・・
あとがき
というわけで、無事硬度が上がらない底砂をゲットすることができたわけですが、ここからは大磯砂の酸処理から話は元に戻り、次利用すべき底砂の探求について考えてみました。
そもそも、上記の不満点があるためこの大磯砂を底砂として利用するか?ということが問題点なわけで、それについては現在検討中です。
というのは2つの案があるわけで・・・
1、酸処理した大磯砂を薄く敷く
2、ソイルを薄く敷く
2つを巡って検討中です。
前述の通り水道水よりも硬度が低くできないことに不満なわけなんです。。。
基本プレコ水槽にはソイルって御法度なわけなんですが、その軟水化効果にはプレコや水草の観点からも大変魅力を感じているわけです。
また、実際にソイルを薄く敷く計画なのですが、その場合・・・
・崩れやすくなるのか?崩れにくいのか?
・軟水化の効果はあるのか?、何か月効果があるのか?
・ソイルの種類による↑2項目の違いはあるのか?
・軟水とプレコの相性は?
など、実際に試してみないとわからない部分や、ちょっと興味をそそられる部分があるのでなかなか決められないわけです。
さて、今回の話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
(最終更新:2020/4/17)