2018年2月1日木曜日

【ソイルとどう違う?】ゼオライトでの軟水化の仕組み・方法・結果

ゼオライトで水槽を軟水化してみた


どーもこんにちは。ごん太です。

今回も以前よりずるずると長引いている飼育水軟水化計画について話ていきたいと思います。

簡単に言えば、せっかく底砂を交換するんだから、飼育水を軟水化できる底砂に交換しよう!

という計画であります。

そのために大磯砂の酸処理をしたわけなんですが、、、
実は結局のところ未だその時に大磯砂を導入しないでいます。。。

その理由は・・・

飼育水の軟水化にあたり最近気が付いたのですが、そもそもごん太の家の水道水は硬度がちょっと高め・・・。

ごく一般的な水道水の硬度なのですが、水草を栽培しようとすると少々高めの硬度なんです。

水道水の硬度が高いということは、どんなに硬度に影響がない底砂・・・
つまり酸処理済みの大磯砂を利用しても、水道水より硬度が下がらないことを意味しています。。。

というわけで、せっかく酸処理した大磯砂はお蔵入り。

ならば、、、
 
そもそも水道水の硬度が高いのなら無理やり軟水化してしまおう!!


という方向性に切り替えたることにしました。
今回の話でその役目を担うのがゼオライト。

そんなわけなので、、、

今回はゼオライトで飼育水を軟水化してみた!という話をしていきたいと思います。

それでは続きは下に!


(サイト内リンク:底砂レビュー・大磯砂酸処理・軟水化など)

当ブログの関連記事です。
よろしければ、こちらもあせてご覧ください。



イオン交換の順位と軟水化の関係


上でだいたいの経緯は書いてしまったので、ゼオライトが硬度を下げる仕組みについて解説していきます。

硬度を下げると聞いてソイルを思い出した方もおられるかと思います。

ゼオライトもソイルと同じくイオン交換により陽イオンを吸着することで硬度を下げますす。

というわけで、まずは、ソイルのイオン交換について改めて説明したいと思います。


土壌コロイドのイオン交換優先順位


ソイルを土壌コロイドでできたものと仮定するならば・・・

という前提条件が付きますが、土(ソイル)の主成分たる土壌コロイドは粘土鉱物と腐食が結合したできた物です。

粘土鉱物も腐食も負に帯電しており、陽イオンを吸着する性質があります。
しかし・・・

なんでも片っ端から吸着するわけではなく、吸着できる陽イオンには優先順位があります。

その優先順位とは以下の通り。

H>Ba>Ca>Mg>Cs>Pb>K=NH4>Na
(水素)>(バリウム)>(カルシウム)>(マグネシウム)>(セシウム)>(鉛)>(カリウム)>(アンモニウム)=(ナトリウム)

左に行くほど優先順位が上がります。


イオン交換と肥料分の吸収


さてここからは園芸や農業の分野で良く紹介されている話。 

そのまま葉や水中に出た根から直接吸収できる水草が利用されることの多いアクアリウムの世界に当てはめることは難しいですが、、、

それでも、、

ヘアーグラスのような根から吸収がメインの水草には十分に通用する話かと思いますので、知っておいて損はないでしょう。

例えば、Hイオン(水素イオン)と植物の3大栄養素の1つKイオン(カリウムイオン)を例にとって話すと・・・

まず、多くの肥料成分は陽イオンであり、Kイオンも土壌コロイドに吸着されている状態で土壌に存在します。

当然このままでは植物はKを利用できない。
なので、植物は土壌コロイドからKイオンと交換するために自身の根からHイオンが分泌します。

すると、KイオンよりもHイオンの方が吸着される優先順位は高いので、Hイオンは吸着され、その代わりとしてKイオンが遊離されます。

そして、遊離したKイオンは植物の根から吸収され栄養として利用されることになるのです。


ここまでが、植物が肥料を吸収するにあたり土壌のイオン交換をする話。
ここからは、Kイオンと交換されたHイオンについて。


アクアリウムにおいてHイオンは硝化作用やCO2添加をはじめ様々なことで生まれていますし、

また、水草水槽においてはpH6前半で保つことも重要ですから、以下の話は一概には言えないことなのですが、、、

一方Hイオンについては、植物が土壌コロイドに吸着された肥料を肥料成分を吸収すればするほどに溜まっていくことになります。
その結果、、、

土壌がどんどん酸性に傾いていくことにもなります。

ですから、本来の値よりもpHが減少しすぎた(=酸性に傾きすぎた)土は、概ね陽イオン(=肥料)が減少した土ともいうことができます。

そして、それら酸性に傾いた土は何らかの形でHイオンを取り除かないと肥料分の再吸着ができないということを意味しています。

そんな時実際の農業では、土壌のpHが酸性に傾いてきたら石灰を利用するのですが、アクアリウムでは残念ではありますが、、、

ソイルのためだけにpHをアルカリ性側に急激に傾けるというとは恐ろしくてできそうにもありません。

なので、下のパートで話すような硬度を下げる作用や、ここで紹介した肥料を吸着する作用が劣ってきたら、最終的にはソイルの交換ということになるのかもしれません。

もっともこの話はそのまま園芸の話アクアリウムに持ってこれるか?というと少々疑問ではありますが、こちらも知っておいて損はないはずです。


イオン交換と硬度


しかし、イオン交換の話がアクアリウムの水質に直結しているものもあります。
それは、、、

ソイルによる硬度の低下作用

いわゆる軟水化ということです。

ざっくり順位を見る限り、硬度(=マグネシウムイオンやカルシウムイオンの量)上昇の原因たるマグネシウムイオンやカルシウムイオンもソイルは吸着することができます。

ですから、ソイルを利用すると硬度を下げることができるのです。

さらに優先順位をよく見てみると、、、

三大栄養素であるKやNよりも、多量要素であり硬度を上げる原因でもあるCaとMgの順位が高くなっているのがお分かりいただけるかと思います。

結果、ソイルにより肥料分の吸着よりも軟水化が優先される形で起きるということが示唆されています。

以上のような感じで、イオン交換には仕組みがあり、順位があるわけです。
そしてそのイオン交換の恩恵を私たちアクアリストは知らず知らずのうちに受けているのです。

さて、次は今回のテーマであるゼオライトの吸着の仕組みと順位についても次で解説していきたいと思います。


添加カリウムを吸着してしまう?ゼオライトのイオン交換


ゼオライトのイオン交換優先順位


で・・・肝心のゼオライトは?というと・・・

ゼオライトはSi(ケイ素)、Al(アルミ)、Oより結晶の骨格ができており、負に帯電しています。

ですから、ソイルと同じく陽イオンを吸着するわけですが、こちらにもソイルの場合と同じく優先順位があります。

その優先順位は・・・

Cs>Rb>K>NH4>Ba>Sr>Na>Ca>Fe>Al>Mg>Li 

(セシウム)>(ルビジウム)>(カリウム)>(アンモニア)>(バリウム)>(ストロンチウム)>(ナトリウム)>(カルシウム)>(鉄)>(アルミニウム)>(マグネシウム)>(リチウム)

その作用は土壌コロイドのものと同じく・・・

優先順位が高いものがゼオライトに近づいた場合、優先順位の低いものを手放し優先順位が高いものを吸着します(つまりイオン交換ということ)


ゼオライトのイオン交換順位が意味していること。ただし、、、


では上の順位を改めてチェックしてみましょう!!

硬度を上げてしまうCaやMgよりも栄養素であるKとNの方が順位が高くなっています。

ということは、まず水槽内のKイオンの濃度では起きないかもしれませんが、水槽内でゼオライトがMgやCaを吸着して硬度を下げていた場合、、、

理屈の上ではK液肥を添加することでイオン交換でKが吸着されMgやCaが遊離される、つまり硬度が上がってしまうということになってしまいます。

ですから、 あくまでごん太の考えですが・・・

ゼオライトで軟水化をするためには、KやNH4が存在しない水(=水道水)で軟水化を施す必要がありそうです。

(その利用方法については後述したいと思います。)

※補足
上のゼオライトのイオン交換順位について必ずしも水槽内で起きている現象と一致しないという話もあります。
また、水槽内に直接ゼオライトを設置する場合は、pHとGHに大きな影響を与えるので、必ず水草・生体の調子の確認を怠らないようにしてください。



ゼオライトの軟水化実験!


というわけで、ここからは実験パートになります。
今回実験で使用するゼオライトは、安くて量が多めな・・・・

A-CUBE Factoryさんのゼオライト(中目)です。

今回実験に利用したゼオライト
パッケージ正面

ゼオライトの大きさ
iPhoneについてくるUSB電源とゼオライトの粒を比較

それでは、、、
このゼオライトを用いて、24時間後にどれだけ硬度(GH、KH)が減少するか?実験を行いたいと思います。


※【補足】100均のゼオライトについて


ごん太は実際に利用したわけではないので、憶測の域を出ないのですが、基本的に100均のゼオライトでもゼオライトであれば当記事後述と同様の効果があるよう思えます。

ただし、、、

アクアリウム用ではなく園芸用のゼオライトは控えたほうがいいかもしれません。

というのも、 そういった商品は着色してある場合があるからです。

なにか溶け出て水質に影響を及ぼすしてからでは遅いわけですから、なるべく専用品であることを優先してください。

特に園芸用品とアクアリウム用品は売り場が近いことが多いですから、よく注意して利用しましょう。


実験道具


ここでは今回の実験に利用する道具を簡単に紹介したいと思います。

・ゼオライト(20g)
・水道水(1L)
・バケツ
・テトラ6in1


ゼオライトを小さなバケツで水に浸けるだけの簡単な実験なので、道具について注意点などはありません。

水道水とゼオライトの量の関係性については、パッケージ裏面に10Lに対して200gと記載してありましたので、それの使用割合を参考に、1Lで20gとしました。


実験方法



①、水道水1Lをバケツに入れる

なにはともあれ、まずは水道水をバケツに汲み取ります。
この水道水は「比較対象」、「3時間後」、「24時間後」の計3回のテストで利用します。


②、まずは比較として水道水をテトラ6in1でテスト

今回利用する試験紙はいつもの「テトラ6in1」です。

よく利用するpHに硝酸塩濃度と亜硝酸塩濃度、、
さらに水草水槽では絶対チェックしておくべきGHとKH、、、
おまけに初心者さんなら気になる塩素濃度まで、、、、

ストライクゾーンが広く、初心者からベテランまで利用できる試験紙なので持っておくと便利です。


③、バケツに20gのゼオライトを入れる

今回の分量は先に述べた通り、10Lに対して200gと同じ割合の、1Lに対して20gという分量で行いたいと思います。


④、3時間後、テトラ6in1でテスト

水質チェックの結果は↓の結果パートにて紹介したいと思います。


⑤、24時間後、テトラ6in1でテスト

↑こちらも 同じく結果パートにて紹介したいと思います。


そんなわけなので、、、
かなりやっつけな方法で実験してみました。

いつぞややった、ガーネットサンドやソイルの計測方法とほぼ同じです。
それでは、次の項より結果&考察を記していきます。

はたして、ゼオライトは水質にどのような形で影響を及ぼしたのでしょうか?


ゼオライトの軟水化効果はあり!


見出しのタイトルが若干ネタバレですが、まずはそれぞれの測定結果を発表します。
そして、測定結果の後、考察をうだうだと述べたいと思います。


測定結果(水道水)


GH → 4°d
KH → 3~6°d
pH → 6.8


まずは我が家の水道水。
今回はまずまずの硬度です。

そのままでも水草水槽に利用できる硬度だとは思うのですが、それでも硬度が異常に高くなり水草の調子が低迷する時期があります。

結局この記事を書いた後、底床をソイルに変更することになります。
現在(2019/10/17時点)の水草の調子は当時とは比べ物にならないぐらい良いです。

ですから、軟水であることは水草栽培にとって大切なことですね。


測定結果(3時間後)


GH → 0~4°d
KH → 3~6°d
pH → 6.8


がっつりとGHが下がっています。
GHはCaイオンとMgイオンの総量ですから、これはつまりゼオライトがそれぞれ減少したことを意味しています。

ソイルの時も同じような実験をして経験したのですが、、、

陽イオンを吸着する作用というのは、思っている以上のスピードで起きるようです。

イメージ的にはもっとジワジワ起きそうな気もするのですが、極めてスピーディーに吸着が起きるようです。

ですから、

ソイルやゼオライトなど「吸着」 作用のあるもの水槽にいる時は水質の急変にご注意ください!!

後日談ですが、ごん太は新しいソイルに交換した際に水質の急変が起きてエビを大量に死なせてしまったことがあります。

(2020/4/13 一部追記)


測定結果(24時間後)


GH → 0~4°d
KH → 3~6°d
pH → 6.8


そんなわけなので、スピーディーに吸着された結果、24時間後は3時間後と結果は変わりません。


全体でみると・・・

GHが4°dあった水道水が3時間後にはがっつり0~4°dへと減少しています。

また、3時間後と24時間後の硬度の差は見られませんでしたので、その作用はやはりスピーディであると言えそうです。


ゼオライトの吸着作用についての考察


GHとゼオライト


まず言えるのが、 

ゼオライトにはGHを下げる作用がある

ということです。
これを確認するために当実験を行ったようなものです。
じゃあどれくらいのゼオライトの量に対しどれくらの水の量が適切なのか?

この辺は実際に利用してみて、どれくらいの量が適切かは各々判断する必要がありそうです。

ただし、ゼオライトの効果はがっつりありますから、、、

ゼオライトと水の割合そして水質の急変を及ぼさないように・・・

実際の利用に当たってはその用法のさじ加減が問題となるでしょう。


KHとゼオライト


さて、今まではなしたようにGH(総硬度)とはすべてのマグネシウムイオンとカルシウムイオンを合わせた総量のことです。

しかし私たちアクアリストはGH以外の硬度も知っています。
それは、、、

KH

KHとは炭酸塩硬度の略で、炭酸水素イオンと結合していたマグネシウムイオンとカルシウムイオンを合わせた量のことなのですが、、、

水中ではどれが炭酸水素イオンと結合していたマグネシウムイオンとカルシウムイオンでで、どれがそうでないマグネシウムイオンとカルシウムかは見分けることは難しい。

なので、発想の転換をして、、、

炭酸水素イオンの量を数えればそれと結合していたマグネシウムイオンとカルシウムイオンの量もわかるじゃない!!

というわけで

KHはアクアリウムにおいて炭酸水素イオンの量を示しています。

この炭酸水素イオンですが、実はマグネシウムイオンやカルシウムが水に溶ける以外にもCO2が水に溶ける際にも生じ、その存在する割合はpHに影響を受けたりもします。

さらに、、、

炭酸水素イオンには緩衝能がありpH低下を防ぐ作用があります。

ですから、アクアリウムにおいて、KH=炭酸水素イオンと結合していたマグネシウムイオンとカルシウムと読み解くには、かなり無理があります。

それを示すかのように、今回の実験ではKH一切低下していません。
これは、ゼオライトには「炭酸水素イオンと結合していたマグネシウムイオンとカルシウムを吸着する力が無い!」という事では決してなく、、、

単に炭酸水素イオンがゼオライト吸着されなかったという事を意味しています。

現にGHは低下していますから、マグネシウムイオンはカルシウムは吸着されているのです。

ただ、KH=炭酸塩硬度という名前と実際に測定してる物の間にミスマッチが起きているのでこのようなことが起きているわけなんです。。。

この話、逆に言えば、、、

水の緩衝能たるKHを下げることで、pHを下げやすくしたい場合はゼオライトでは厳しいという事が言えるでしょう。


実際どのように使うべきか?


で・・・ここからは実験の結果と実際の管理をすり合わせた話になるのですが、、、
ゼオライトを水槽で利用するにあたって少しばかり問題点があります。

イオン交換の順位のことです。

仮にイオン交換の順位が正しければ、Ca2+やMg2+よりも優先的にK+をゼオライトが吸着してしまうことになります。

これでは十分な液肥を施肥している水槽の水では軟水になりませんし、、、
あろうことか肥料を吸着してしまうので、施肥の意味がありません。

なので、ちょっと厄介な問題なのですが、
その解決策は・・・

換水に利用する水に前もってゼオライトを入れておき、軟水化した水で換水することです。

こうすれば、せっかく施肥した肥料分を吸着されずに済むわけですね。
もちろん、上で挙げたイオン交換順位が正しいという仮定の上ですが・・・。


ゼオライトを用いて汲み置き水で軟水化する場合のデメリット


実際にごん太もゼオライトの汲み置き水で換水をしてみました。

しかし、まぁ、重箱の隅をつつくような話なのですが・・・
この方法では、新たな問題が出てきます。

前もって換水に利用する水を汲んでおかなければならず 

ゼオライト入り汲み水のバケツが場所を取るのです。

大きな家ならともかく、小さな家でそんなことをしたら、邪魔で仕方ありません。

また、汲み置きしてある水の水温調整に時間がかかるのも難点です。
水槽用ヒーターを入れておけば勝手に26℃になるのですが・・・

100W、150Wのヒーターで冬の水道水を温めると時間がかかります。

もっと消費電力が高いものを用いれば話は違うと思うのですが、ガス給湯器での調節になれたごん太としては大変長時間に感じられます。

なので、、、↓のような人には向いていないと思います。。。


ゼオライトで汲み置き水を軟水化!は、こんな人には向いていないかも・・・


以上2つの問題点を考慮すると、普段から汲み置きの水で換水している人にはお勧めできますが・・・

・スペースのない人
・思い立ったが吉日で水替えをする人
・気が短い人

にはお勧めできません。

なお、ゼオライトの汲み置き水を作ると水が白濁します。

おそらくゼオライトの微粒子ではないのか?と思っているのですが、、、
数時間後にはフィルターに沪し取られ白濁は解消するようです。

この、白濁したゼオライトの汲み置き水で水替えしても生体に大きな影響はないようです。

しかし結局ごん太は、水草水槽での軟水化ならば、、、

ゼオライトよりも汲み置きにする必要もなく、入れっぱなしで良いソイルのほうがで優れているように思えてならないのです。。。

とはいえ、、、

酸処理済みの大磯砂+ゼオライトで軟水化した汲み置き水

という方法で利用すれば、ちょっとした脱ソイルのロマンが味わえるかもしれません。
ごん太は実際にやったことがないので、経験に則したことが言えないので何とも歯がゆい限りなのですが。。。


あとがき


とうわけで、いかがだったでしょうか?。
最近どーしても1つの記事にいろいろ詰め込み長くなってします傾向があるようで、申し訳なく思います。

それでは次回もお楽しみに!。

(更新:2020/4/13)

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