水質悪化に弱い水草は炭酸水にも要注意!?
どーもこんにちは。ごん太です。
今回はいつぞやの冒頭でちょろっと書きました、溶けたセキショウモの話をネタにしたいと思います。
厳密には「溶けた」というよりは「溶かしてしまった」わけですが、なぜそのようなことになってしまったかというと・・・
炭酸水でスネール駆除をしたから
というわけで、今回は・・・
①様々あるスネールの駆除方法について
②炭酸水を利用してスネールを駆除する方法
③炭酸水でスネールを駆除できる理由
④実際に炭酸水でスネールを駆除する方法
⑤セキショウモが溶けてしまった理由
こんな感じで話を進めていきたいと思います。
なお、当記事後編では水草を炭酸水で処理する方法を紹介しますが、実際に行う場合には自己責任でお願いします!。
我が家のセキショウモのように溶けるように枯死するやもしれません。
後述しますが実施前にはその水草が酸に耐えられる種なのか?水質悪化に強い種なのか?ネットや文献でその水草の特徴をよく調べた後、短時間&一部分から徐々に実施すると実施すれば溶けるような事故は避けられるかと思います。
それでは続きをどうぞ!
(サイト内リンク:セキショウモ関連)
当ブログの関連記事です。
よろしければ、こちらもあせてご覧ください。
- 100均フルーツ皿で水草!(セキショウモを鉢植栽培で導入してみる!)
- 炭酸水でスネール駆除?~セキショウモは低pHで溶ける~→今ここ
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(当時配送されて植栽を待つばかりのセキショウモ) |
スネールが出た!どうする!?~様々な駆除方法と特徴~
スネールというのはいつの時代も嫌われ者。
一度入り込んだらリセットしても居座り続ける厄介者です。
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だから、保険的な意味合いを込めて、定期的にスネール対策のメンテンナンスをしたい!
そこで炭酸水なのです。
炭酸水でのスネール駆除は、弱酸に水草を浸けるだけなので、作用もマイルド!
(そう・・・マイルドなはずだと思い込んでいました・・・。)
定期的なメンテンナンスの一環として、木酢液や淡水エビを利用したコケ対策のごとく、スネールの芽(?)が出る前に摘み取ってしまおう!。
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そんな経緯で炭酸水でスネール駆除をすることになるのですが・・・
思ったよりその作用が強かったらしく、セキショウモは大変なことになってしまいました(涙)。
「薬品」を利用する駆除方法はやはりそれなりにリスキーです。
予想以上に危険性のあった炭酸水を利用したスネール駆除ですが、それ以外にも様々な種類があり一長一短です。
・検疫
・テデトール
・薬品
・生物兵器
まずは炭酸水を利用したスネール駆除方法(そして溶かすまで)の説明に入る前に、スネール駆除の定番たる上の4項目の特徴について紹介してみたいと思います。
検疫
スネールを水槽に持ち込まないように水草を処置することを「検疫」とかいったりします。
多くのスネールが発生しまった水槽ではこの検疫が不十分だった場合がほとんどかと思います。
スネールは大変撲滅しづらい生物ですから、水際対策が極めて重要になってきます。
しかし、すでにスネールが侵入してしまった場合、検疫では駆除することができません。
つまりスネールで困り始めたら検疫以外の方法で対処することになるわけです。
では実際にどのような処置をするか?といいますと
・手で取る(テデトール)
・薬品、
・生物兵器
以上の3つの方法ということになります。
というわけで、まずは経過観察について簡単に紹介したいと思います。
テデトール
スネールを手で掴んで水草や器具から取り外すことです。
テデトールというのは「手で取る」 という言葉を薬品(正確には肥料)っぽくネーミングしただけのことです。
基本的に検疫や水槽内で蔓延した場合のどちらでも対処可能ですが、手で取るということは目で見えないといけないわけですから、スネールの卵が付着していることが見込まれる場合には不向きです。
このテデトールですが薬品や新しい生体の導入も無いわけですから、
極めて水槽環境に影響がなくお財布にも優しい方法となっています。
ですから、ごん太としては何はともあれ万人にテデトールをお勧めしたいです。
というよりは、
スネール駆除の基本はテデトール
そう言い切れるのです。
水換えの時にテデトールなど1週間に1回一気にやるのではなく、なるべく気がついたらすぐに、こまめにこまめにテデトールすることをお勧めします。
ちょっと時間的に忙しいかもしれませんが、毎日寝る前のテデトール。これで十分にスネール駆除に効果があります。
しかし、テデトールでもスネールの繁殖の勢いを覆すことができない場合、リスクとスネールを天秤にかけて薬品や生物兵にのお世話になることとなります。
薬品
多くのアクアリストの悩みであるすスネイルの駆除。
そのため現在は多種多様な薬品が販売されています。
どんな薬品を利用するにしても、
生体と水草の調子を見ながら慎重に利用することとなります。
薬品すれば水草や魚に多かれ少なかれダメージを与えてしまうことになるので、薬剤も慎重に処理を行った方が良さそうです。
今回セキショウモを溶かしてしまった炭酸水もこの「薬品」 範疇に含まれます。
(サイト内リンク:カワコザラガイ関連記事)
後日談になりますが、我が家の睡蓮鉢でカワコザラガイが大繁殖したのでプラナリアゼロで駆除してた一連の記事をリストにしてみました。
水草以外の生体はまったくいない睡蓮鉢ですので、参考にしづらいと思いますが、よろしければあわせてご覧ください。
- プラナリアゼロで睡蓮鉢のカワコザラガイ退治してみた!【現在進行形】(後編)(2018/5/21投稿)
- スネールはプラナリアゼロで駆除できる?その結果とは・・・?(2018/5/28投稿)
- プラナリアゼロ投薬後の睡蓮鉢の大掃除!!エデニックシェルトV3の清掃とカワコザラガイ駆除の結果報告(2018/6/10投稿)
生物兵器
スネールを食べる魚を導入して駆除してしまう方法です。
フグの仲間で気性が荒いアベニー・パファーや少し大きめのサイズになるシグリッドの仲間のトーマシーが有名でしょうか?。
これらの魚は確かに駆除しますが、
タンクメイ卜とするにはなかなか難しい種類です。
駆除後は別水槽で単独飼育するなり、ショップに返却するなり導入には計画性が必要です。
なお・・・
カワコザラガイのような小さいスネールであれば、チェリーバルブという小型のコイ科の魚がおすすめです。
気性はコイ科の魚ですからテトラの類に比べて多少荒いですが、混泳困難というわけでは有りません。
(サイト内リンク:チェリーバルブ関連)
というわけで、チェリーバルブの関連記事もこちらに載せておきます。
このチェリーバルブって魚は水槽内で人間が手を出さなくてもメダカのごとく増え、さらにはカワコザラガイは食べてれるという一石二鳥な小型魚です。
また雄の鮮やかな紅色は大変美しく、他種とも大きな喧嘩もしないのでタンクメイトとしても優秀です。
というわけで、だいぶ脱線しましたが、次の項からは炭酸水を利用したスネール駆除について紹介していきたいと思います。
まずはその理由から。
炭酸水でスネールが駆除できる理由
さて、ここからは炭酸水がスネールを駆除するメカニズムを説明してみたいと思います。
炭酸水は以下の2通りの作用でスネールを駆除すると言われています。
①スネールの貝殻を溶かす
②CO2で生体を窒息死させる
まずは①の貝殻を溶かす理由について説明したいと思います。
炭酸水が貝殻を溶かす理由
スネールの貝殻は炭酸カルシウムでできています。
炭酸カルシウムと聞くと、大磯砂に含まれる貝殻を酸処理で溶かすことを思い出す方もおられるとは思います。
しかし、あの化学反応の化学式は炭酸カルシウムを強酸に無理やり溶かす化学式で、今回説明する化学式はというと、自然にCO2と反応させて炭酸カルシウムが水に溶けるゆるい感じの化学式になります。
CaCO3 + H2O + CO2
(炭酸カルシウム) + (水) + (二酸化炭素=炭酸由来)
→Ca(HCO3)2
(炭酸水素カルシウム)
そんなわけで、貝殻を想像すればわかると思いますが、炭酸カルシウムは水に大変溶けにくい性質があります。
(炭酸カルシウムが水に溶けてしまったら、貝は生きていけませんものね。)
しかし、水と二酸化炭素がある環境ですと水に溶けて炭酸水素カルシウムとなります。
つまり、貝殻が溶けるわけです。
さらにこの炭酸水素化カルシウムは水に溶けているときのみ存在し、そして水に溶けているということは・・・
Ca(HCO3)2 = Ca2+ + 2HCO3-
(炭酸水素カルシウム)=(カルシウムイオン) + (炭酸水素イオン)
こんな感じでイオンになっているわけです。
ですから・・・
スネールを強酸で溶かすというよりは、炭酸カルシウムを電離させて水に溶かすというイメージが強いかと思います。
なお・・・
著者であるごん太は生物系でして、こういった話は大の苦手。
ですので、この辺の話は詳しい説明は化学に強いアクアリストの方にお任せするとします。。。
二酸化炭素で窒息
ここでは②の二酸化炭素で窒息死させる理由について。
お察しの通りですが炭酸水=CO2濃度が高いゆえに、ざっくり言えば窒息するわけです。
二酸化炭素にはもともと麻酔のような作用があります。
そんなわけで、たとえ生体内の二酸化炭素濃度が高すぎる場合・・・
意識の懸濁や消失など中枢神経系が麻痺し、最悪死に至ります。
そんなわけで、炭酸水でカワコザラガイを気絶もしくは窒息できるわけです。
まとめると・・・
炭酸水は両方の作用でスネールを駆除することになります。
とはいえ、殻を溶かす作用は短時間では望めませんし、窒息についてもやはり短時間では気絶程度になることが予想されます。
ですから、
炭酸水で処理したらといってそのまま水槽に戻さず、しっかりとテデトールしてから水槽に戻すべきだと思います。
というわけで、次の項からいよいよ実際にスネールを炭酸水で駆除する方法を記していきます。
実際に炭酸水を使ってスネールを駆除する方法!
処理時間の差異
さて、では実際の炭酸水を用いたスネール駆除方法は?といいますと、簡単に言えば一定時間炭酸水に水草を浸すだけということになります。
ですが、この一定時間というのが人によってまちまちで、10分、5分、3分、30秒、10秒とネット上でも情報が錯綜しています。
恐らく分単位の漬け込みはスネールの殻を溶かすことを目的としていて、秒単位の漬け込みはスネールを気絶もしくは窒息死させることを目的としているかと思われます。
今回は3分間浸してみることにします。
注意事項
今回は3分間炭酸水に浸しました。
が・・・それによりセキショウもはすっかり溶けてしまったので、
水草の調子や状態を見ながら、より短時間から処理を始めることをおすすめします。
どの水草がどれだけの酸性に耐えられるか?ということをよく調べてから実施してください。
また、何が起きても必ず自己責任でお願いします。
それでは道具→方法の順に進んでいきます。
道具
・炭酸水
・水草
・ストップウォッチ
・バケツ
炭酸水は、炭酸のみ入ったタイプの炭酸水を利用してください。
砂糖や果汁が入っていないいわゆるお酒のを割るための炭酸水です。
ウィスキーなど強めのアルコールと一緒に売り場に置かれているかと思います。
水草については上でも記しましたが、差し戻す直前の植物や鉢植え丸ごとなど、水槽外に取り出すまはた取り出したタイミングで行うとよいでしょう。
バケツは炭酸水節約のためにも植物が入るギリギリのサイズが良いです。
ごん太は1L程度の容積をもミニバケツを用意しました。
方法
①、バケツに炭酸水を入れる
②、水草を炭酸水に浸ける
③、3分待つ(より短時間をおすすめします)
④、取り出す
⑤、スネールがいないか?チェック
あとは植栽するなり差し戻すなり、鉢植えごと戻すなりするわけですが、その前に必ず・・・
スネールがいないか?(いた場合はテデトール)
チェックしてください。
また、炭酸が気になる方は別に汲み取った飼育水ですすいでもよいでしょう。
作業自体は極めて簡単です。
問題はどれたけの時間漬け込むか?ということです。
さらに、後述しますが、水草が酸に弱いと溶けてしまうので注意してください。
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(トリミングをしたばかりのセキショウモ(当時)) |
セキショウモが溶けた理由
この項では炭酸水の安全性について触れたいと思います。
今回以下の水草を炭酸水に3分間浸しました。
・マツモ
・ドワーフ・フロッグピッ卜
・ミクロソリウム・プテロプス
・ミクロソリウム・ウェンディロブ
・ウォーター・ウィステリア
・ハイグロ・セイロン
・セキショウモ
計7種。
そのうち溶けてしまったのはセキショウモのみです。
なお科学的に炭酸水のpHは5.4です。
水槽でもなり得る弱酸です。
そんなわけなので・・・
pHが低めの水や、汚れた水が(硝酸塩がたまっている水)が苦手だと言われている水草には悪影響を及ぼす可能性があります。
セキショウモについては「炭酸水に浸けたら溶けた!」という情報をネット上で拾うことはできませんでしが、pHの低下や汚れた環境には弱いとう情報は容易に見つけることができましたので、セキショウモは炭酸水でのスネール駆除に利用できないと結論付けることができるわけです。
なおごん太が調べたところによると・・・
硝酸の蓄積によるpHの低下で、セキショウモがとけるのはpHは5以下だそうです。
炭酸のpHと含めて考えると、十分に溶ける可能性のあるpHです。
というわけで、セキショウモが溶けた理由それは・・・
もともとpH5以下の酸性に弱いから!
というわけです。
つまり、ごん太の情報収集不足というわけです。
セキショウモさん、申し訳ありませんでした!
ですから・・・
炭酸水で処理をするときは育成できる水質に関しての情報を収集し、短時間から浸け始めることをお勧めします。
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(セキショウモなき現在の水槽:換水直前) |
あとがき
いかがだったでしょうか?
炭酸水を含めどんな薬剤でもそれなりのリスクはありますから、低濃度で様子を見ながら利用するべきかと思います。
それでは次回もお楽しみに!。
(最終更新:2019/8/30)