2025年10月7日火曜日

水換えを楽にしたい!洗車用・園芸用ホースリールを検討してほしい

水換えの工夫は心構えからホースリールまで

水換は、アクアリウムを楽しむうえで欠かせない作業ですが、やってみると意外と大変です。水槽が複数あると、バケツを持って階段を上り下りするだけで体が疲れてしまうことも。

今回は、そんな負担をぐっと減らして、もっと気軽に水槽ライフを楽しむための考えた方や、工夫や便利な道具について、わかりやすくストーリーで紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

6畳の小さな自室。夜が更けると、蛍光灯を落とした暗がりに、水音と気泡が湧きあがる音だけがこだまする。微細な泡が水面に上がるたび、きらりと水影が天井に揺れ、部屋そのものが水槽の一部になったかのように錯覚させる、小さな水辺たち。

今、わたしの部屋には3つの水槽がある。

ひとつは、セルフィンとグリーンロイヤルのプレコを泳がせている水槽。もうひとつは、カージナルとラミノーズが群れて遊ぶ、マツモとアヌビアスを植えた水草水槽。そして最後のひとつが、青みを帯びた体色を放つ暴君ブルーテトラを一時的に隔離している小さな水槽だ。

部屋を暗くすると、ライトアップされた水槽が宙に浮かび上がる。自室を包み込む光の粒を眺めながら、夜な夜な酒を口にする時間こそ、いまのわたしにとって最高の癒やしなのだが……。



水換えをもっと簡単に!


まとめて水換えは時間節約だが……

困ったことが起きている。水換えが、どうにも大変なのだ

プレコが入っている45センチ規格水槽の水量はおよそ35リットル。水草水槽の30センチのキューブハイタイプは33リットル。そして最初に勢いで買ってしまった変形水槽ですら20リットルある。合わせて88リットル。週に一度、その半分近く――つまり40リットル=40キログラム前後を入れ替えねばならない。

そして、わたしが持っているバケツは容量10リットル。それを使えば計4往復。しかも、水を汲む場所も、捨てる場所も、双方とも1階にある。往復するたび階段を上り下りしなければならず、結局8回も階段を通る羽目になる。

最初は楽しい労働だと思っていた。
だが回数を重ねるごとに、膝や腰に鈍い痛みがたまり、背筋には疲労が貼りついていった。照明に照らされた水槽は美しい。それでも、その裏に潜む労苦に、

「これで良かったんだろうか……?」

と、ひそかにため息をつかずにはいられなかった。

・一時20Lのバケツに目いっぱい水を入れて換水に臨んでいたことがあるが、転倒して室内が大洪水に見舞われて以来ので、無茶なことは慎むようにしている。


水槽が好きなら水換えも好きになるべし

そんなことは分かってたことじゃない!?

ケヤキの木の下に据えられたベンチ。その上で肩をすくめたわたしに、鋭い声が降ってきた。お師匠様ことロゼッタに相談するや否や、真剣な眼差しで叱られてしまったのだ。

が……

春風がキャンパスを撫でていく。木々の枝葉がさらさらと擦れ合う音に包まれると、ロゼッタの表情も少し和らいだ。トーンを落とし、隣に座ると視線を空へ向けながらゆっくりと語り始めた。

「まぁ、これもよくある話さ。……もし、複数ある水槽で水換えに四苦八苦しているなら、いくつか解決策はあるんだよ?」

背筋を伸ばし、ショートヘアをふりりと揺らす仕草。光を受けたその横顔は、どこか自信に満ちて見えた。

「効率重視なら、水換えはまとめて行うのがおすすめさ」
「……やっぱり、そうなりますよね?」

わたしが肩を落とすと、彼女は小さく笑った。

「とはいえ、その往復が大変なんでしょう? キミみたいに若い男子なら、バケツを大きくするのもありだと思うんだ。20リットルとかね?」

たしかに、40リットルの交換量なら2往復で済む。しかし、想像するだけで腰が痛んできそうだった。

「さすがに20リットルを抱えて階段は……」
「まぁ、そうなるよねぇ。腕や膝にくるし、踏み外せば大惨事だ。よほど体力に自信がある人以外はおすすめしない」

彼女の現実的な一言に、わたしは苦笑するしかなかった。

「それ以外に、いい策はないんですかね?」

問いかけると、ロゼッタは数度手櫛で髪を梳き、にやりと得意げな表情を浮かべる。

「正直言って、時間的な効率に気を取られて一気にやろうとするから問題が起きるんだよね。体力に自信がないなら、スケジューリングして水換えだね。キミの場合なら2分割か3分割か。毎日ゲームする時間があるなら余裕でしょ?」

「えぇっ!? そんなに!!?」

驚き混じりの声を漏らすと、彼女は肩をすくめ、楽しげに笑った。

「熱狂的な水槽オタクの中には、水換えが至福の時間って人もいるんだよ。キミも、そうなんじゃないかと思ってね」

思わず苦笑が漏れる。
たしかに立ち上げ当初の毎日水換えは地獄だった。何をやるにしても不慣れだったからだ。
だが最近は手順よくこなせるようになっているし、あの時期と比べれば水換えが苦ではなくなったような気もする。

もし一度にやらず、分割して作業すれば――少しは楽に、いや楽しくなるのかもしれない……。(?)

もちろん、ゆっくりと時間をかけて水換えするのも乙なものだよ?

わたしは肩の力を抜き、空を仰いだ。てっきり説教が続くのだと思った。けれど、彼女の言葉の本意は違っていた。

「水槽が好きなら、水換えも好きになれるはずってことですか?」
「そういうこと!」

彼女が楽しげに微笑む姿に、わたしは膝から崩れ落ちそうになった。求めていたのはそういう精神論ではない。だが、否定しきれない説得力を感じてしまう自分が悔しかった。



ホースリールだけでもかなり便利に

「……言いたいことはわかります。でも、そうじゃないんです!」

ベンチの上で身を乗り出し、わたしは声を強めた。心の底に抱えていた本音をぶつける。

「そういった精神論に近い話ではなくて、もっと道具を使って楽をする方法を知りたいんです!」

ロゼッタは少し目を見開いたが、すぐに肩を揺らして笑い出した。

「道具に頼る前に、まずは計画性と水槽への愛を養うところだね。あははっ!」

彼女の笑顔に一瞬むっとしたが、その瞳は冗談だけではない真剣さを帯びている。わたしは息を呑み、次の言葉を待った。

「で、本題さ。おすすめはやっぱりドラムリールに巻かれたタイプのホースだね。洗車や植物の水やりに使える、あの手軽なやつさ

「おぉ! そんな方法が?」

唖然として見とれていると、えんじ色のロングスカートがひらりと揺れる。足を組み直した彼女は、立てた平手をゆらゆらと振りながら、まるで世間話でもしているかのように語る。

「でもね、いくつか注意点があるのさ」
「注意点?」

思わず身を乗り出す。

「まず、取り付けられる蛇口は限られている。それに、水換え中は水道をひとつ占領するから、家族がいるなら相談は必須さ。あと、ホースの長さもちゃんと測っておかないとね。買った後に足らない!!ってなったら面倒だものね?

「なるほど……。購入前に意外と調べることが多いんですね」

「そうなんだよ。だけど、手元のレバーを引くだけで簡単にバケツに水を汲める。それだけでも大幅に楽になるのさ。その根元に浄水器を付ければ、水槽に直接水を入れることだってできる」

「それは便利そうですね!!」

思わず声が弾んだ。想像するだけで、階段を往復する自分の姿が消えていくように思える。

「とはいえ、浄水器の値段がね……。学生はおとなしくホースからバケツに汲んで、カルキ抜きを使っていた方がいいかも」

「そんなに高いんですか?」

問いかけると、ロゼッタは目をつむって首を縦に振った。
それ以上は語ろうとしない仕草に、かえって値段の高さが伝わってくる。

「浄水器はともかくとして、水槽に水を入れるときにも楽になる方法があるよ。汲んできた水を水中ポンプで揚水したり、水槽より高い場所にバケツを置いてサイフォンの原理で落としたり。結局どの方法も一長一短だけどね」

「うーん、思ったより選択肢が限られているんですね」

ため息をつくと、彼女も同意するようにうなずいた。

「そうだね。結局行き着くのは浄水器とホースさ。それ以上のものとなると、部屋に水道がついているくらいしかない」

現実の壁は厚い。浄水器を導入するのは夢のようだが、財布を考えると簡単には手が出せない。ならば、まずはホースリールからだろう。小さな一歩でも、わたしにとっては大きな前進に思えた。

・値段の割にはすごく便利。ただし、家族の許可が下りればだが……。


水槽はなるべく水捨て場の近くに

「とはいえ、実はまだまだ問題があってね」

ロゼッタが空を仰いだ。夕焼けに染まるケヤキの枝葉の隙間から、赤みを帯びた空がのぞいている。

「たしかにホースリールで給水は楽になるけど、実は、排水関係は道具が整っていないのが現状さ」
「排水……。そういえば、家庭用で下水に直接流せる器具って見たことないですね」

わたしの言葉に、彼女は静かにうなずいた。

「そうなんだ。専門店では使われているけど、家庭用となるとなかなか。結局、給水だけしか楽にならない。だから、どれだけお金をかけても半分しか楽にならないってわけ」

太陽の光が頬に乗ると赤く染まり、彼女の横顔を際立たせていた。その表情は真剣そのもので、いつもの冗談めいた調子は影を潜めている。

「大型水槽なら、それでも十分便利さ。でも、キミの規模なら、むしろ水換えを楽しむくらいの心構えの方が今後のためになると思う」

「なるほど。だから最初に精神論の話だったんですね?」

わたしが納得混じりにつぶやくと、ロゼッタは満足げに頷いた。

「そういうこと。水槽を増やすときは、数だけじゃなく全体の水量にも気を配るべきさ」

風が枝葉を揺らし、夕暮れの匂いが頬を撫でる。水槽のきらめきを思い浮かべながら、わたしは改めて階段の重みと、そこに隠れた小さな喜びを噛みしめていた。



まとめ

水換えは、アクアリウムを楽しむ上で欠かせない作業ですが、実際にやってみると結構大変です。水槽が複数ある場合や階段の昇り降りが必要な場合はなおさらです。そこで、少し工夫するだけで負担をぐっと減らす方法をご紹介します。

まず基本なのは「計画性をもって分割して行う」ことです。1回で全ての水換えを済ませるのは、確かに時間節約になりますが、非常に体力を使う作業でもあります。そこで、1週間のうち水槽ごとに計画的に2回、3回と分割することで、体への負担を大きく減らせます。特に体力に自信がない方は、無理せず分割するのがおすすめです。

次に便利なのが、ホースリールやドラムタイプのホースを使うことです。洗車や植物の水やりに使うような簡単なものでも、水道からバケツまで水を移すのが格段に楽になります。この際、手元のレバーでON/OFFできる機能は必須で、こういったものを使えばバケツに水を汲む作業もほとんど力が要りません。ただし、家庭用水道やホースの長さ、給水口の形状などには制限があるので、購入前に確認しておくと安心です。さらに、浄水器をホースの根元に取り付ければ、水槽に直接水を入れることも可能です。

また、バケツからの水の移し方も工夫できます。水槽より高い場所にバケツを置いてサイフォンの原理で落としたり、水中ポンプを使って揚水したりすると、階段の昇り降りを減らせます。

ただし、排水には注意が必要です。家庭用で直接下水に流せる器具はほとんどありません。給水はともかく排水がネックになることもあるので、大きな水槽を設置する際は、その場所の水換えの利便性について十分に考慮しましょう。



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