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2026年6月30日火曜日

ミクロソリウムはどんな水草?CO2添加量や肥料はどうする?

新しい水草が欲しい。だが、プレコと同居となれば……

水槽の雰囲気を変えたい。でも、手間のかかる水草管理や難しい環境づくりには、時間的にも体力的にも少し不安がある。そんな時、ふと候補に挙がるのがミクロソリウムです。
丈夫で簡単でありながら、綺麗に育てば美しく大きなライトグリーンの葉がわたしたちの目を楽しませてくれます。
今回は、栽培に欠かせない特徴や、きれいに育てるための小さなコツを紹介します。


**********************************


何だかんだで生長しているマツモ。いまだ蛍光灯であるが、なんとか環境に適応しようと、今にも折れそうな細く薄い茎を精一杯に伸ばしている。それさえ除けば、水槽はいたって順調だ。
しかし、マツモにアカヒレだけでは、やっぱり面白くない。"テンプレート"水槽そのものだからだ。今ここには、ありきたりの空気をさっと変えるような水草が欲しい。
もちろん、こういう癖は良くないのは分かっている。水草だって生き物で、次から次へと手当たり次第に新しい生き物を水槽へ招き入れるのは、あまりよろしくないことだ。

だが、目の前にCO2添加器具が手持ち無沙汰で待っている。せめてこいつを有効活用できる水草はないだろうか。



ミクロソリウムの栽培は簡単?


プレコと水草

わが家の水槽へ水草を迎え入れるには、少々の障壁がある。その最たる例が、底床に敷かれた桜大磯だ。もしも、CO2添加の効果が顕著に表れる陽性植物を栽培するならば、絶対的にソイルへの交換が必要だ。

だが、それをできない理由もある。実は、再びプレコを飼育するために画策しているからだ。夜な夜な、コケを齧り取る姿を眺めるあの日々。イメージするだけで、過去に鎮火したはずの情熱が、再びふつふつと湧きあがるのだ。

さて、どんな水草を入れればいいだろうか?
となれば、お師匠様に相談してみるしかない。



ソイルがだめなら活着系

退勤。脱力しながら、流れるようにエレベーターで地上へと向かう。お疲れ様を満載した鉄の箱は30階から飛び降りるように急降下していき、脱出者全員をやすらぎの地上へと送り出す。
かく言うわたしもその一人。今日はエントランスから出た交差点の先にある、赤い看板の喫茶店でお師匠様と待ち合わせをしているのだ。

彼女はここから電車で20分ほどの下町に一人暮らしをしている。対してわたしは、いまだ実家から抜け出せず、ここから丸っと1時間半、鉄道に揺られなくてはならない。鳥かごから鳥かごへ、窮屈な日々を送っている。
摩天楼から見えた街並みは、帰宅ラッシュで生まれた黒波にすっかり飲み込まれていた。今日も当てもなく地上で帰宅の列に並べば、列車の椅子に座れないのは明らかだ。もし無事に帰れたとしても、親の過干渉がそこで待っている。ゆっくり寛げる保証もない。

であるなら、闇夜で輪郭が消えるまで、たっぷりと水槽の話で時間を潰したいところだ。

私:「水槽は順調です」

師:「うんうん。それは良かったね」

私:「でも、マツモにアカヒレだけでは、なんかつまらないんです」

師:「うん?」

私:「だから、その、……新しい水草を入れようかと……」

師:「なははは! 今の水槽に似合う水草を知りたいんだね? となれば、有茎草が……」

私:「あ、いえ、その……。実は、陽性植物はやめようかと」

師:「むむ、どうしてだい?」

私:「実は、お恥ずかしながら、またプレコを飼おうかと思ってるんです」

師:「あぁ、なるほどね。それなら、ソイルを使いがちな陽性植物は厳しいねぇ」

私:ソイルだと、ちょっと底床の掃除が大変ですからね

師:「粒は崩れるし、固形肥料は出てくるし。陽性植物はちょっと無理だね」

私:「それに、底床は現在使っている大磯砂かガーネットサンドにする予定なので、極端な軟水を要する水草も育ちづらいはずです」

師:「うーーーん……。となれば、またアヌビアスなんてどうだい?」

私:「そう思ったのですが、5年前にどっぷりとお付き合いしたので、今回は別の水草をと。だから、今日相談しているんです」

師:「なるほどなるほどぉ。?じゃあ、ミクロソリウムとかどうだろうか?」

私:「ミクロソリウムですか? ちょっとだけ栽培したことがあります。でもトリミングに失敗して……」

師:「あぁ、それは残念だね。しかし、知っての通り、ミクロソリウムは活着系さ。底砂にはうるさくないし、流木か溶岩石があれば十分だ」

私:「岩石に流木ですか。たしかに、それならプレコと相性が良さそうですね」

師:「それに、シダ植物だけど、使いようによっては陽性植物にそっくりな風貌をしているし、ウェンディロフなんて葉先が特殊な形状だから、水槽に入れればばっちり雰囲気も変わるはずさ!」

私:「ウェンディロフですか……」

師:「それに、プレコの非常食としも、機能するかもしれないよ?」

私:「あはは、それもありかもしれませんが、なるべくそうならないように万全の準備をしたいところです」

師:「なっはっはっは。そうだねぇ~」

園芸用を流用してもよいが、時に有名ブランド品で救われることもある。水草の栽培は奥が深いものだ。


「簡単」、「簡単」と水草と言うけれど?

プレコと水草。禁断の組み合わせのように思えるが、実はそれほど大きな食害は生まれない。なぜなら、ほとんどの水草は、サイズ的にも強度的にも、彼らが貼り付き齧るには無理があるからだ。

とは言え、餌付いていない稚魚のプレコは話が別だ。アヌビアス・コーヒーフォリアの新芽を食われ、隙間だらけにされた時は、がっくしと膝を折り曲げて落ち込むほかなかった。
もちろん、プレコが餌の味を覚え、体が大きくなるにしたがって、次第にトラブルに見舞われることはなくなった。禁忌の組み合わせは、まさか共存を始めたのだ。

ミクロソリウムでも、また同じようにできるだろうか?

私:「ところで、改めて聞きますけど、ミクロソリウムってどんな水草なんですか?」

師:「活着系のすごく簡単な水草さ

私:「それは分かってます。具体的にどこが簡単なんですか?」

師:「あはは、当然話はそうなるよね?」

私:「もう、もったいぶらずに言ってくださいよぉ」

師:「まず挙げたいのは、低光量のライトかつ、CO2なしでも育つ点だよ

私:「おぉ、それはなかなか育てやすい特徴ですね。でも、それじゃあ、せっかくの添加も意味なしのような?」

師:「むははは、すっかり手段が目的になってるね?」

私:「ギクっ」

師:「実は、CO2がなくても育つけど、添加してあげたほうが、より楽して綺麗に育つんだ。だから、あったほうがいいかもねぇ」

私:「添加速度はどれくらいでしょうか?」

師:3秒で1滴ぐらいかなぁ。ぐっと絞って添加しておくれ。あげすぎれば苔の原因になるよ」

私:「なるほど。そういえば、肥料とかはどんな感じですか?」

師:「そうだねぇ……、ぐんぐん生長するタイプの水草ではないから、血眼になって肥料選びをする必要はないかもね。カリウム以外は餌から供給される栄養分で十分だと思うよ」

私:「どれくらいあげれば……?」

師:「そうだねぇ……週1~2回で規定量かなぁ? こちらも施肥しすぎると苔の原因になるねぇ」

私:「ふむふむ。それじゃあ、水質はどうなんでしょうか? 例えば軟水じゃないとダメとか?」

師:「うーん、たしかにアヌビアスと違って、なるべく軟水に傾いていた方が育ちやすいね」

私:「それなら、ソイルじゃないとダメなんですか?」

師:「いやいや、陽性植物と違って強い軟水を好むってわけでもないんだ。だから、それほど硬度を気にしなくてもいいかなぁ

私:「なるほど。ということは……、簡単な水草ということですね?」

師:「ほら!!!」

私:「へ?」

師:「ボクと同じこと言ってる」

私:「あ゛っ!! ……いやだって、低CO2、低光量、肥料は控えめ、ソイルでなくてもと聞けば、それ以外に思い浮かぶ言葉が……」

師:「まぁ、そうなるよね。少し踏み込んで言えば、栽培しやすい活着系の陰性植物というわけさ。ただ、気にしておいてほしい点がある」

私:「はて、なんですか?」

師:「どうやらキミも失敗したみたいだけど、生長速度が緩慢だから、頻繁にトリミングしているといじけることがある

私:「あぁ! だから昔失敗したと? ということは、なるべくトリミングはしない方がいい水草なんですね?」
「一見陽性植物だから、バシバシカットしたくなるんだけどねぇ……」

私:「なるほど」



中型魚お迎えは覚悟が必要

プレコを迎える。そう決意したが、その維持管理は大変なものだ。果たして、社会人となった今の自分に、そんなことができるだろうか。
とにもかくにも、ミクロソリウムのお迎えはトントン拍子に進んでいった。プレコ水槽で使っていた古びた流木を引っ張り出してきて、再び使えるようによく洗った後、軽く熱湯をかけて消毒。さぁ、迎え入れる準備は整った!

が……、ここにきて、すっかり忘れてしまっていたわが家の水槽の問題を思い出した。
水草用の照明だ。



まとめ

ミクロソリウムは「丈夫で育てやすい水草」として知られていますが、健康的に育むには、少しだけ知っておきたいポイントがあります。
特に、底床や照明、CO2添加、肥料などの環境づくりは、これから水草を始めたい人にとって気になる部分ではないでしょうか。

その大きな特徴は、底床に植え込まなくても育てられる活着系の水草であることです。流木や石に固定して楽しめるため、ソイルを使わない水槽でも導入しやすく、プレコなど底床を荒らしやすい魚との相性も良い水草です。
逆に言えば、土台となるものが必須です。必ず準備しておきましょう。

また、低光量でも育ちやすく、CO2添加がなくても維持できる丈夫さがあります。
とは言え、CO2を添加してあげることで、より本来の魅力を引き出しやすくなります。せっかく機材があるなら、もったいぶらずに活用するのがおすすめです。

肥料についても、それほど神経質になる必要はありません。急激に大きくなるタイプの水草ではないため、栄養素への過剰な要求はなく、魚の餌から供給される養分で十分育てられる場合が多々あります。
どうしても気になるなら、特にカリウムなど、不足しやすい要素を補う程度から始めると管理しやすいでしょう。

一方で、簡単な水草だからこそ注意したい点もあります。それは、生長速度が比較的ゆっくりであることです。
見た目はシダ植物らしい独特な葉を持ち、陽性植物のような存在感もありますが、頻繁なトリミングには向いていません。コケが付いたからと葉を切りすぎると、調子を崩してして取り返しの付かないことになります。

ミクロソリウムは、派手な変化を楽しむものというより、時間をかけながらの生長を愛でる水草です。底床を選ばず、管理の手間も少ないため、初心者から経験者まで幅広く楽しめる存在でもあります。
水槽の雰囲気を変えたいけれど、難しい水草管理には挑戦しにくいという人にも、ぴったりの選択肢と言えるでしょう。



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