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2026年7月14日火曜日

光量?スペクトル?迷宮入りしがちな水草用ライトの選び、脱出の糸口

光量とスペクトル以外でライトを選ぶなら

水草用LEDライトを選ぼうとすると、種類の多さに驚く人も多いのではないでしょうか。価格も性能もさまざまで、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。

前回は室内照明用LEDライトと水草用LEDライトの違いを紹介しました。今回はさらに一歩踏み込んで、失敗しにくいライト選びの指針を紹介したいと思います。


**********************************


会社から帰ってきて、水槽へと急ぐ。時間は深夜に差し掛かろうとしていたが、自室のドアを開くと、青く輝く小箱が飛び込んできた。どうにか消灯時間には間に合ったようだ。

アカヒレたちが尻尾をフリフリと振って出迎えてくれたので、すかさず餌を投入してやると、狂喜乱舞しながら追いかけ回している。眺めながら、疲れた体をソファーに埋めつつ、水槽台に隠してあるウィスキーをちびりと口に含むと、燻された香りが鼻先へと抜けていった。

小さな水辺をぼんやりと眺め、どうにもならない責任を有耶無耶にするのが、わたしの日課になりつつあるようだ。が、この水槽をよく見れば、どうにも気になることがある。中身ではない。水面より上の話だ。



水草用ライト選びの指針


水槽の上が気になる……

灯るのは初心者のころに手にした蛍光灯。たった15Lほどの変形水槽に付属してきたものを未だに使っている。今の水槽自体は数か月前に立ち上げたばかりで、道具がまだ揃い切れていないのだから仕方ないことなのだが、時代が時代なだけに、未だにU字型の蛍光灯を使っているのはいかがなものだろうか。

よく目を凝らして見れば、金属でできた湾曲可能なアームも、エアレーションの雫のせいで、プツプツとした赤錆びができているではないか。

新しいライトがほしい。それも、すこぶる水草が生長するやつを。

そう思い、クリップライトに安上がりな室内照明用LED電球を取り付けてみたのだが、これがてんでダメ。全く水草が育たないのだ。お師匠様曰く、スペクトルの問題らしい。その結果、この古びたライトに逆戻りである。

ここはひとつ、社会人の財力に物を言わせて水草用を……と思ったのだが、種類がいっぱいありすぎてどれを買っていいかわからない。購入の手がかりは光量とスペクトルなのだが、そのスペクトルが厄介だ。

情報として提供されていない機種があったのだ。ほとんどの機種では光量は数値として記述されているのだが……。情報が片手落ちでは比較検討ができやしない。どうしたものか。

水槽のお師匠様に聞いてみるしかない。

・単純だが赤や青のLEDチップ増しは、一つの指標となる


スペクトルが大事って言うけれど

一週間降り続いた雨が止むと、Aの形をした夜のジャンクション下は、青臭い空気に包まれていた。気が付けば、歩道と車道の隙間から一本のラインのように雑草がずらずらと生えており、あろうことか穂さえ付けて垂れ下がっている。

普段は排気ガスに包まれ、アスファルトとコンクリートまみれのこの街。それが嫌で、いつもは逃げるようにお師匠様が待つ喫茶店に飛び込んでいたのだが。

都会に現れた懐かしい香りに気が昂り、穂先を傘で叩いてみれば、昔のように雫がぷるんと無造作に飛び散った。探せば、この大都会でも自然はまだまだありそうだ。

さて、いつもの店に向かわねば。

そして、彼女は開口一番、首を縦に振って見せた。

師:「うんうん。話したいことはわかるよ。でも、LEDライトを選ぶのなら、やっぱり光量とスペクトルが基準だと言いたいね」

私:「ですが、数値で表記される光量はともかくとして、スペクトルって……。ちょっとわかりづらいですよねぇ」

師:「たしかにそうだよねぇ。まぁ、グラフが描いてあるものは、より信憑性が増すぐらいに考えておいた方が……

私:「でも、信憑性っていいますけど、どうやって、それが本当かどうか見定めるんですか?」

師:「たしかに、そういわれればそうだねぇ……。あははっ」

私:「それで……、正直いったい何を手がかりにして、ライトを選べばいいのか、さっぱり分からないんです」

師:「前回、室内照明用を購入して、スペクトルで失敗してるだけに、余計にそう思うだろうね?」

私:「……はい」

師:「ボクなら、水草育成用という言葉で選ぶかなぁ。スペクトルがそれ向きになっているはず」

私:「どうしてですか?」

師:「表向き、水草育成用ライトと銘打っているのに、全く育たないなら、ちょっとした騒ぎになるはずさ。キミが使った室内照明用のLEDみたいに『育たない!!』ってね?」

私:「あぁ、なるほど?」

師:「それに、国内メーカーならと信じたいしね……」

私:「うーん。ですが、最近の世相では、国内企業だって信じられないことも……」

師:「なっはっは!! それを言われてしまったら……。あっ、そうだ!」

私:「はい?」

師:「どうしても、『水草が育つ根拠』が気になるなら、白色とは別に、赤色や青色のLEDチップが取り付けられているものを選ぶといいかもね」

私:「あぁ、たしかに。それはそうかもしれませんね」

師:「LEDチップがついていれば、青や赤の波長が強化されていると考えられるからね」

私:「ふむふむ」

師:「まぁ、もっとも、マルチカラーLEDが普及すれば、そういったことで見分けられなくなる……かもね」

私:「むーん……。とにもかくにも、水草育成用ライトが必要というのはわかりました」

師:「なははっ。それはなにより」

私:「で、実は話がこれだけでは終わらないんです」

師:「???」

私:「実は、こんな話になるだろうと思って、水草育成用ライトについて調べたんですが……」

師:「おっ? で、どうだったの?」

私:「育成を銘打っているものが山のようにあるんです。どれを選べばいいんでしょうか?」

師:「あっはっはっはっ」

・最近は安価なライトスタンドも販売されている


LEDライトは長持ちするがゆえに

天井のクーラーからは白い水蒸気が吹き出している。梅雨も終盤、じっとりとした湿度がこのビル全体を包み込んでいる。時折、来客により開くドアから冷たい風が挿し込んでくるのだが、全てを帳消しにするように湿気も入って来ているようだ。

そのせいか、お師匠様のおくれ毛はクルンとした三日月のようになっており、気になるのか、手で撫でながらしきりに引っ張っている。かく言うわたしは、先ほどから汗が止まらない。冷房も十分効いているし、その上ジャケットを脱いだというのにだ。都会ですら、自然には抗えないようだ。

そんな日本の季節を体感しつつ、話は進んでいく。

師:「ふむ、先だって言いたいのは、LEDライトは長い付き合いということさ」

私:「?」

師:「蛍光灯の時代だったら、高性能な電球に交換して性能アップする、ということが出来たのだけれども……」

私:「LEDは出来ないんですか?」

師:「基本的にそういったことは出来ないと思ったほうがいいね」

私:「どうしてですか?」

師:「だって……、基板に埋めこまれたチップだもの。PCのマザーボードをはんだ付けで修理できるぐらいの腕前があるなら、もしかするかもしれないけどさぁ……」

私:「えぇ……、どうやら無理そうです。理工系の人なら、できるかもしれませんけど……」

師:「まぁ、そうなるよねぇ。とにもかくにもLEDは長寿命。正しく使っていれば5、6年は使えるはずさ」

私:「そんなにですか?」

師:「そうだとも。であるなら、光量やスペクトルが整っているものは当然として、それ以外の部分でも納得いくものがいいね

私:「それ以外の部分で納得?」

師:「例えば、ライトの形状メーカー・ブランドかなぁ。どうしても目に入るからね」

私:「あぁ、なるほど。水槽を見れば、どうしても覆いかぶさっているライトが視界に入りますからね」

師:「そうそう♪ だからこそ、お気に入りの形やブランドであるべきだね。そうすれば、自然とテンションが高まるもの」

私:「そうですね。ライトの形は水槽と同じくらい大切なことかもしれませんね」

師:「それと、これも形の話だけど、吊り下げ式か、据え置き式か。双方の使い勝手は大きく違うから注意してね

私:「具体的にはどういうことですか?」

師:「吊り下げ式の方が水槽を掃除しやすかったり、上下することで光量を調節できたり、メリットがいっぱいあるよ?」

私:「吊り下げ式かぁ。そこまで考えていませんでした」

師:「でもね、吊り下げ式はスタンド自体が高価なことが多いから、選ぶ際は要注意だよ。物によってはライト本体と同じぐらい高価なものも……」

私:「えぇぇ? 吊り下げ式は……やっぱりやめとこうかなぁ」

師:「むははは! 最近はスタンドとセットで安い機種も出て来たから大丈夫♪ 他にも時間でライトの色を調節できたり、USB電源で灯る小型機種もあったり、群雄割拠な状態さ」

私:「だからこんなにも、迷うのかもしれません」

師:「どういう物が欲しいかだけでも、リストアップしておくといいかもしれないね?」



「ハズレを引かない」ということ

私:「ここまで色々と話を聞いてきて何なのですが……」

師:「うん?」

私:「わたしとしては、よく水草が育つものを安く買えれば、それで十分なんですが……」

師:「そうだよねぇ。まぁ、値段も重要な要素だね。なら、ネットショップがいいかもね」

私:「でも、あんまり安すぎるのも、かえって怪しくないですか。特に最近は聞いたことがないメーカーのものも多いですし……」

師:「なら、国内メーカーの物を中心に、口コミを見てみるといい

私:「口コミですか? でも、サクラがいるって聞きますけど?」

師:「この界隈は新しいものが続々と出てくる反面、ベストセラーはほとんど変化しないことが多い。生産期間が長くなれば、必然的に古くて良い口コミも溜まっているはずさ!」

私:みんなが昔から使って、良い評価が多いものに、地雷はないということですね?

師:「その通り!!」

彼女の言った指針になぞらえ、いくつか見繕ってみたのだが……。3機種まで絞れたのはいいものの、実は未だに迷っている。

どれも、安価で水草が良く育つという評判があるものばかり。

どうしたものか。



まとめ

よく「スペクトルが大切」といわれますが、実際にはスペクトルの情報を詳しく公開していない製品も少なくありません。そのため、数値だけで優劣を判断するのは意外と難しいものです。

そんなときは、まず「水草育成用」として販売されている製品を候補にするのがおすすめです。もし十分に育たない製品であれば、口コミなどで多くの利用者から厳しい評価を受けやすく、仮に意図的に良い評判が生み出されていたとしても、ロングセラーになることが少ないからです。

また、LEDライトは一度購入すると数年単位で使うことも珍しくありません。だからこそ、光量やスペクトルだけでなく、デザインや設置方法にも目を向けたいところです。
毎日目にするものだからこそ、お気に入りのものにするべきです。水槽を見る時間がもっと楽しくなるはずです。

また、現在販売されているものの中には、オプションで吊り下げ式にすることができるものがあります。そのようなものは、メンテナンスや光量調節がしやすくなるのが最大の魅力です。
とは言え、スタンドが別売りの場合もあり、高価なものも多いため、購入前には確認しておくと安心です。

どうしても迷ったときは、国内メーカーを中心に、長期間販売されている定番モデルの口コミを参考にしてみましょう。発売から時間が経っている製品ほど実際の使用例が多く、評価の信頼性も高まりやすくなります。

価格だけで飛びつくのではなく、自分が求める条件を整理しながら比較すれば、大きな失敗は避けやすくなるはずです。



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