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2017年9月5日火曜日

初心者のための「水槽立ち上げ」で空回しする理由としない理由

水槽設置後の空回しはするべきか?しないべきか?

どうもこんにちは。
ごん太です。

ここ数回、アクアリウム初心者さんを対象としてアクアリウム立ち上げの解説記事を投稿しています

今回のテーマは・・・


硝化細菌ってどこから来るの?という話を起点に、
水槽の空回しをするべきか?しないべきか?
そんな初心者アクアリストの悩みについて解説してみたいと思います。


それでは目次に続いて、本題を述べていきたいと思います。
それでは続きをどうぞ!



硝化細菌はどこからやってくるか?


さて、立ち上げ時にいくらアンモニアや亜硝酸といった餌が水槽内に存在したとしても・・・

動物、植物、微生物を含むすべての生命は自然発生しません。

(自然発生=何もない「無」から生命が生まれること)

ですから、もしも魚を含め無菌的に閉鎖された水槽があるとすれば、そこでは硝化細菌が侵入できず存在しないため、硝化作用による「生物ろ過」は決して出来上がりません。

そんな風に無理やり無菌的な水槽を作り出した場合、どうあがいても生物ろ過を担う硝化細菌が水槽に入ってこれないわけですから、
排泄物は無毒化されず、いつまでたっても魚にとって住みづらい水槽のままです。

ですから、、、

ごくごく普通のアクアリウムの立ち上げにおいて、
硝化細菌たちがどこからともなく水槽に侵入してくることは、
実はとても大切なプロセスです。

しかし、現実に立ち上げにおいて、バクテリア剤や種水など意識してを投入しない限り硝化細菌を人為的に水槽に入れることはありません。

ですが、アクアリウムの立ち上げが進むにつれて、バクテリア剤を投入したわけでもないのに、その後水槽内で勝手に繁殖し生物ろ過を担うことになるわけですから、、、

実際のところ多くの人が生物ろ過がどこからやってきたのか?
不思議に思われるかもしれません。

では彼ら(硝化細菌)がどこからやってきたのでしょうか?

硝化細菌は目に見えないサイズですから、はっきりと断定することはできませんが、
冒頭で述べたた通り生命は自然発生することありませんので・・・

器具や手に付着していたものが水槽に持ち込まれたり、
時には空中から落下して侵入してくるもとの思われます。

つまり、多種多様な経路から、アンモニアや亜硝酸といった餌がある場所に入り込み、勝手に殖え始めるのです。

そしてこの「勝手に入りこむ」という現象をどのように考えるのか?
これで立ち上げ時の空回しする?しない?が決まるポイントとなります。



硝化細菌はどこからやってくる?どうやって増える?

ここからは本題である「空回しする?しない?」についての解説になります。

前述の通り、硝化細菌は微生物で、器具や容器に付着したり、ときには空中から落ちて来たり、はたまた飼育者の手に付着したりと様々な方法で水槽に侵入しきます。

その侵入するタイミングは、一度アクアリウムを立ち上げたことがある”かつ”今回機材を使いまわす予定の人ならば、古い機材や使い古したろ材から侵入してくることもあるでしょう。

しかし、そういった経験もなければ使い古した器具もない、さらには種水ももらえない。
そんな初心者さんは水槽を立ち上げてからと硝化細菌たちの侵入が始まる考えたほうがよさそうです。

そして、そういった完全に「新規」な水槽においては、空回しの期間が長いほどに硝化細菌が水槽に侵入する機会も増えるわけですので、空回しの時間を増やせば結果的に侵入した硝化細菌の総数は増えることになります。

ですから、
新規水槽を立ち上げる場合、空回ししたほうが最初期の硝化細菌が多い状態で立ち上げをスタートすることができると考えられます。

しかし・・・

こういった有益そうな効果のある「空回し」をする人としない人がいるのが現状であり、
双方の言い分をざっくりまとめると、その論点は、、、


これら硝酸菌と亜硝酸菌を前もって侵入させることで、
立ち上げ期間が変わってしまうほど明らかな差があるのか?


という話になります。
この考え方次第で、生物ろ過というポイントにおける、空回しする!しない!が決まるというわけです。

空回しする派、空回ししない派の考え方をまとめると以下のようになります。


①、侵入してきた硝化細菌があるからスムーズに立ち上げが進む派
→器具を設置し、水を張ったうえで空回しをする。

②、硝化細菌は餌がなければ増えない派
→空回しをせず、すぐにパイロットフィッシュを入れ硝化細菌に餌を供給する。


非常にざっくりとした説明ですが、アクアリウムという趣味において、そんな理由で空回しするorしないを飼育者各々が判断しているというわけです。

しかし、、、

はっきり言えば、空回しをすることをお勧めします。

その理由は後述しますが、まずは空回しする派、しない派の詳しい話を紹介してみたいと思います。

空中落下雑菌は落下傘部隊のようにやってくる
(空中落下細菌はまるで落下傘部隊。触れてもないところに突然やってくるのです。)


1週間空回しする派

まず空回しする場合ですが、、、
これは1週間程度水槽を空回しすることにより、水槽に侵入してくる硝化細菌を十分に水槽内にため込み、その後魚を導入時するという方法となります。

空回しによって水槽中には、これから増殖し生物ろ過を作り出すタネとなる硝化細菌が既にたくさん入っているわけですから、

硝化細菌たちが魚から排泄されるアンモニア=餌をもらったときに、
たくさんの硝化細菌たちが一斉に成長・増殖をし、立ち上げも素早く終わる

というのが、この考え方の根拠となっています。

しかし、この方法ですが、現在はあまり支持されないようです。。。

それの不支持な理由は、空回は不要だとする考え方の理由でもあるので、次の項で紹介します。

ただ、ごん太としては、空回しすることをお勧めします。
(その理由は後述します。)



空回ししない派

次に空回しない派。

その理由は、、、

いくら硝化細菌がスタート時にいたとしても、餌がなければ増殖できないからです。

ですので、空回しで1週間待つよりも、器具稼働確認後すぐに魚を導入し、硝化細菌の餌の供給を行い、硝化細菌の増殖を開始させたほうが結果として・・・

水槽の立ち上げ早く終わります。

さらに、こちらの方法では・・・

魚をすぐに導入できるというメリットもあります。

ただし、ごん太としてはとてもじゃないですがお勧めできる方法ではありません。



結局空回ししたほうがいいの?しないほうがいいの?

さて、随分話が長くなってきました。
しかし、ここからが話の核心です。

いままでは立ち上げのメカニズムである「生物ろ過」 の観点から空回しする?しないを論じてきました。

しかし、再三述べていますがごん太としては空回しすることをお勧めします。

というのは、、、


アクアリウムには実に多くの電気器具を利用します。
それらが正常に稼働しているか?正しく設置されているか?
漏水がないか?漏電がないか?

空回しで確認すべきなのです。


さらには、ヒーター・冷却ファンの稼働確認や、
エアレーションの水はね具合やライトとタイマーの動作確認などなど、、、

設置方法や利用の仕方次第では水槽内や室内が大惨事に!
なんてことがアクアリウムの器具では起こりえるのです。

ですから魚を導入する前に必ず、そして時間をかけてチェックすべきなのです。

ただ1週間だと少し長い気がします。
また、1日程度ではタイマーが一巡しませんので不十分に思えます。

ですから、最低2,3日は稼働確認をしましょう!。



アクアリウムはタイムを競う趣味ではない

最後に、これはごん太の考えなのですが、これから始まるアクアリウムはスポーツのようにタイムを競うものではありません。

水槽全体の変化と時間の進み方は他の趣味と比べて極めてゆっくりとしたものです。

アクアリウムは基本的には1週間単位、場合によっては1ヶ月単位で事が展開していく気の長い趣味です。
この独特の進展ペースは、「育てる」系趣味独特のもので、男性諸君は時に大いに戸惑い、時に「成果」の無さにイライラすることもあるかもしれません。

ですから、なるべくなら初期の立ち上げのタイミングで1週間程度は「待つ」練習をし、アクアリウムという趣味のペースに身を馴染ませるべきでしょう。

というわけで、今回の話はここまでです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
素敵なアクアリウムライフが訪れますように。



あとがき

さてさて、水槽の立ち上げについて、ここ数日書いてきましたが、今回で終わりになります。

次回は・・・

プレコ水槽と水草の同居(3年目)

と題しまして、ごん太の水槽を簡単に紹介したいと思います。
それでは次回もお楽しみに!

(更新:2021/2/9)