テトラマイクロフィルターのレビュー
どうもこんにちは。ごん太です。
ここ数回、小型水槽用の水中ポンプについて取り上げています。
水中ポンプは数あれど、なるべく安く手軽なもので、ディフューザーが取付可能(ポン付可能)を購入して実際に利用し、レビューしています。
いままで紹介したポンプは、エーハイムコンパクトポンプ300、水作スペースパワーフィット+S、そして前回は・・・
GEXコーナーパワーフィルターF1
を紹介してみました。
そして今回のネタは・・・
テトラから発売されている【マイクロフィルター】を紹介していきたいと思います。
え?テトラマイクロフィルターはディフューザーと接続できない?
いえいえ、
細かいエアがでる超小型なディフューザーである、「舞姫」と接続できるのですよ。
それでは、目次、サイト内リンクの一覧、購入経緯、レビューの順に進んでいきます。
なお、今回の話は、「フィルターとしてではなく水中ポンプとしてのレビュー」となるはずだったのですが、
なんだかんだで、ろ過性能についても述べていきますので、メインのフィルターとして利用を検討している人にもご覧いただける内容になっています。
ただし、専用排水パーツで【揚水】する話は出てきませんので、アクアテラリストさんにはあまり参考にならないかもしれません。
とまぁ、注意書きが多くなってしまいましたが、
それでは続きをどうぞ!。
当記事前後の記事となります。
よろしければご参照ください。
- 4種類のディフューザーをレビュー(エーハイムディフューザー新旧の特徴編)
-
4種類のディフューザーをレビュー(バブルチョイス&舞姫の特徴編) -
3種の小型水槽用水中ポンプレビュー(エーハイムコンパクトポンプ300編) - 3種の小型水槽用水中ポンプレビュー(水作スペースパワーフィット+S編)
- 3種の小型水槽用水中ポンプレビュー(GEX F1フィルター編)
まずはじめに
さて、そもそもこのテトラマイクロフィルターがフィルターが我が家にやってきた理由は、睡蓮鉢で利用するためです。
我が家の睡蓮鉢は小さく、全水量が10L程度な超小型水槽ともいうべき水量。
テトラマイクロフィルターまさしく我が家の吸イン鉢にちょうどいいサイズなのです。
さてここから注意事項なのですが、
ごん太は記事を書いている時点では、一般的な【水槽】では利用したことがありません。
本レビューは睡蓮鉢で利用した経験をもとに記したものです。
ですから、環境が水槽とは違うため、
水槽での使用感が本レビューと違う点もあろうと思います。
その点、ご了承の上読み進めてください。
それではこのテトラマイクロフィルターについていろいろとレビューしていきたいと思います。
テトラフィルターの側面と前面 |
テトラマイクロフィルターのサイズは?流量は?
サイズ
まず、テトラマイクロフィルターのサイズですが、ざっくりとメジャーで現物を測ったところ、、、
- 本体:高さ7.5 × 幅3.5 × 奥行2.7
- ろ材ケース:高さ4.7 × 幅3.5 × 奥行2.7
- シャワーパイプ:長さ14
- アダプター:高さ5.5 × 幅4.1 × 奥行3.8
- コード長:約180
※単位=(cm)
本体=パワーヘッドとろ材ケースを接続したサイズ
ろ材ケースサイズは外側を計測。
ぱっと見、付属のアダプターと本体がほぼ同じ大きさです。。。
テトラマイクロフィルターそんな、極小フィルターです。
ろ材ケースのサイズを見てうすうす感じている人も多いでしょうが、本体サイズが極小ゆえに致し方ない部分もあるとは思いますが、ろ材容量はかなり少なめとなっています。
また、ろ材ケース内部には活性炭を入れる小ケースがついており、専用のスポンジろ材と活性炭をセットして利用するようにできています。
なので、ろ材容量はかなり少なめです。
そんなろ材についての是非は記事後半のレビューで述べていきたいと思います。
排水パーツは3種類
さて、マイクロフィルターの紹介に話を戻します。
そのパワーヘッドに接続できる排水パーツですが、
超小型サイズのフィルターの割には実に充実しており、なんと三種類もあります。
それぞれ紹介すると、、、
- 排水パイプ
- シャワーパイプ
- エアチューブが接続できるパイプ
↑の3種類が付属してきます。
そんなわけで、話が「紹介」からレビューに足を突っ込んでしまうのですが、
この豊富な排水パーツゆえに、テトラマイクロフィルターの応用性はGEXF1も真っ青なレベルでしょう。
さらにテトラマイクロフィルター超小型方向に振り切った感がものすごく強く、省スペースかつ存在感も比較的弱いですから・・・
やりようによっては思い切った使い方が出来るのです。
詳しくはレビューで述べていきたいと思います。
吐出水量(排水量)
最後に吐出水量について。
その吐出水量は66L/h
で、小型水槽用と銘打っている他の水中フィルターと比較しても断トツで少なく、小型水槽~超小型水槽向けの水量です。
そんな特徴をもつテトラマイクロフィルターですから、どちらかと言えば利用者自身の応用力や発想力が試される・・・そんなフィルターかと思います。
というわけで詳しいレビューは↓に続きます。
テトラマイクロフィルターの良い点
ビックリするくらい小さい!
まず、その最大の特徴といえば、、、
サイズが小さいこと。これに尽きます。
とにかく小さい。
タバコの箱と同じぐらいです。
(いや、それより小さいかも)
そしてサイズ小さいという事は、パワーヘッドも小さいわけで、そこに埋め込まれているモーターも小さいことになります。
つまりは、、、
吐出水量も少ないわけです。
しかし、これはデメリットとはなりません。
と、いいますのは、このテトラマイクロフィルターは超小型水槽用のフィルターなわけで、極小の水槽での利用するならば、これは明らかなメリットです。
そういった水量が10L程度の超小型水槽では、小型水槽用のフィルターと言えども流量に気にせず利用すると水槽内が小さな洗濯機状態になることがままあるわけですが、
このテトラマイクロフィルターなら、まず洗濯機になることはないでしょう。
【流量と水量と回転数】
「どのサイズのフィルターを(どれくらいの水流や流量を)、どれくらいの水槽で利用するのが適当なのか?」という話は、諸説ありますが、、、
時間当たりの排水量(吐出水量)を水槽の全水量をフィルターの割った値でおおよそ求めることができます。
この値は、時間当たり水槽全体の水が、フィルターのポンプで何回循環したことになるのか?という意味を持つので、「回転数」とも言われたりします。
この回転数は、5~7回/時間程度であるとき、その水槽に対して適切なサイズのフィルターであったり、適切な流量であると言われています。
式で書くと、、、
フィルターの排水量(L/h) / 水槽の水量(L) = 5~7(回/h)
例えば、60cm規格水槽(65L)でエーハイム2213(440L/50Hz,500L/60Hz)を利用した場合、その回転数はそれぞれ、6.8回/h(50Hz)7.7回/h(60Hz)となりますし、、、
テトラマイクロフィルターと今回利用した10Lの睡蓮鉢に置き換えれば、、、
66L/h ÷ 10L = 6.6回/h
ですので、テトラマイクロフィルターは水量10L程度の水槽で利用すると、ちょうどいい水流になることになります。
余談ですが、テトラマイクロフィルターはもともと10L以下の水槽用として発売されているフィルターですから、上の式と1時間当たり5~7回という値はなかなか信憑性のあると言えるでしょう。
そんなわけで、水槽をフィルターの水流で洗濯機にさせないために、水圧や水流を軽減させる道具を設置したり、無理やり改造をしなくてもなくても、そのまま利用できるわけです。
いままで、このような超小型水槽にターゲットを絞ったフィルターというものはありませんでしたから、そういった水槽を持っている人にはとても利用しやすいフィルターだと言えることができます。
小さい!だから水流が弱い!さらにろ材容量が少ない!ということ弱点にもなりうるわけですが、テトラマイクロフィルターはターゲットを変えることでそれを強みにしているわけで、実に見事な戦略勝ちといえるでしょう。
↓の写真はいろはすのペットボトルキャップ との比較です。
縦方向の長さはペットボトルキャップの2.5個分、
横方向の長さはペットボトルキャップの1.5個分
といったところでしょうか?
すごく小さいのがお分かりいただけるかと思います。
(詳しいサイズは冒頭のパートをご覧ください。)
ペットボトルのキャップと並べると、いかにちいさいか良くわかる |
排水パーツが豊富
付属のパイプ類が豊富なのも良い点です。
長さ約14cmで穴が10もあるシャワーパイプを接続すれば、さらに穏やかな水流を作れます。
それとは別にL字型の太い排水パイプを利用すれば、勢いのある水流を作り出すことも可能です。
純正のディフューザーが無いので、後述の舞姫を利用しなくてはこれ1台でエアレーションもこなせないので残念ではありますが・・・
かわりにシャワーパイプで水面を打たせることによってある程度のエアレーションの効果を望むことができますし、、、
L字型の排水パイプ(上の写真で写っているパイプ)で水を叩きつけるように落とせば、頑固な油膜もしっかりと水中に落としてくれます。
(ただしチャパチャパと落水音が気になるとは思いますが・・・)。
さらに、付属のエアチューブと接続できる排水パイプを利用すれば、スドーサテライトの給水にも利用できるようです。
もちろん、アクアテラリウムのちょっとした揚水に利用することができます。
というわけで、排水パイプを変更するだけで様々なことに対応できる優れたフィルターです。
ごん太が思うに、水中フィルターとしてではなく、あたかも水中フポンプとして利用されることを前提としているかのような拡張性です。
舞姫(ディフューザー)と接続できる
舞姫というディフューザーをご存知でしょうか?
小型のディフューザーであり、微細バブル発生機と銘打っているだけあり、ビックリするぐらい細かいエアがでるディフューザーです。
そんな舞姫をテトラマイクロフィルターは【何故か?】加工なく接続することができます。
小型ポンプと小型ディフューザーで小型水槽に微細バブル・・・。
夢がひろがります。。。
(ちょっとした改造ですから、自己責任で利用してくださいね)
が・・・強いて言えば、エアの量がかなり少ない気がします。
ですから30cmよりもっと小さい水槽向きでしょう。
しかし、このマイクロフィルターが10L以下の水槽用であることを忘れてはいけません。
さらに言えば、、、
これほど小さい水中ポンプにディフューザーをつけられるわけですから、その存在自体が貴重だといえるでしょう。
10L程度の水槽で何も考えずにエアレーションをかけるとそれこそ洗濯機ですから、こういった商品は超小型水槽を嗜むアクアリストにとって、大変心強くあるのです。
舞姫とも接続できる |
(稼働するとこんな感じ。) |
テトラマイクロフィルターの残念な点
ここからはテトラマイクロフィルターの残念な点について述べていきたいと思います。
ただまぁ、このテトラマイクロフィルターですが、文中でも記した通り、
ターゲットを10L以下と絞ることで本来な弱みになるはずの点を、
オンリーワンの強みに昇華したフィルターです。
そんな極端なフィルターですから、【適材適所】が徹底できないと何かと不便を感じるかもしれません。
もっと言えば、10L以下の正しい方法で利用するならともかく、
【応用】するのならば、力量を試されるフィルターとも言えるでしょう。
というわけで、残念な点のレビューを始めたいと思います。
ろ材容量が小さい
では、残念な点は?と聞かれるとその第一にあげられることは、やはりろ材容量が少ないことです。
も~こればっかは、どうにもなりません。
そういうコンセプト=ろ材容量を捨て小型化した水中フィルターですから、10L以下という超小型水槽でも容易に設置できるわけです。
さて、実際にメインのフィルターとして利用するならば、考えなしに無理やりにセラミックろ材を詰め込むよりも、
純正スポンジ+純正活性炭で利用する方がよさそうです。
と、言いますのは、
ろ材容量がかなり小さいですから、詰め込めるセラミックろ材の量もたかが知れています。
このような場合は、確かに詰まりやすく消耗品ではありますが、目が細かく硝化細菌の定着もいいスポンジろ材と、
ろ過できなかった窒素分を吸着できる化学ろ過に頼った方がいいのかもしれません。
つまり、あまりにもろ材スペースが小さいので、あれこれ考えずに専用ろ材を利用したほうがいいでしょう。
それほどまでにろ材ケースが小さいのです。
もし、フィルターの性能を上げたいのなら、ろ材ケース周囲を覆うようにてウールマットを巻きつけるなどして、一応にも強引にろ過能力を上げる方法も一応あります。
これについては後述したいと思います。
シャワーパイプ利用時の水流・水圧が弱い
次の残念な点といえば、シャワーパイプ接続時の水圧や水流が弱い点です。
これも、どうしようもないです。そういう商品です。
割り切りましょう!。
つまり、小型化したことによってモーター部も小さくなり水流も弱くなったということだと思います。
そして、そのおかげで10L以下の水槽で利用できるわけです。
もし、水流が弱いと感じたら、素直にシャワーパイプを外して付属している普通の排水パイプを利用することをおすすめします。
とはいえ、途中のパートで計算した通り10L程度の水槽での利用を考えれば、その流量も回転数も適正なわけですから、、、
十分妥当な水流と水圧だといえます。
逆にもし、水流が弱すぎると感じるのならば、もしかすると想定よりも大きい水槽で利用しているのが原因かもしれません。
また水量が5L程度の水槽では、単純に回転数は2倍ですから、水流や水圧が強く感じられるでしょう。
結局のところ、メインフィルターとして利用するのならば、なるべく正しく利用するべきフィルターであると言えるでしょう。
テトラマイクロフィルターを使ってみる(改造編)
そんなテトラマイクロフィルターですが、ごん太が睡蓮鉢で使用したときは、次のように改造して使用していました。
まず、シャワーパイプだと水面をかき混ぜられず油膜が出てしまうトラブルが起きたので、シャワーパイプは諦め、L字型の排水パイプをチョイス。
ろ材は、付属のスポンジや活性炭を取っ払ってエーハイムのサブストラットを詰め込み、インペラ直前に小さく切ったウールを入れておりました。
が前述の通り・・・
この使い方ではろ材量があまりにも少ないためごん太としてはお勧めできません。
生体の数にもよりますが、改造でいくらセラミックろ材が高性能と言えども絶対的なろ材量が少ないですから、おそらくは水質が安定せずかなり厳しい状況になるかと思われます。
なので少しでもろ過面積を増やすべく対策として
ろ材ケースの外側からウールマットでぐるぐる巻にしてやりました。
こうすれば、ろ過面積があがりますし、プレフィルターとして機能しますから一石二鳥な利用方法です。
もちろん水流は若干弱くなりますが・・・。
とは言え、何をしようとも、もとからろ材容量が少ないわけです。
ですから・・・
無理やり改造してセラミックろ材の力を借りるよりも、、、
素直に純正のスポンジろ材と化学ろ過に頼ったり、
時に水中フィルターではなく水中ポンプと割り切って利用したほうが、正しい使い方なのかもしれません。。。
どう使うかはあなた次第
テトラマイクロフィルターは、その特徴的なサイズを効果的に利用してやるのがうまい使い方でしょう。
- 10L以下の超小型水槽のフィルターとして
- 小型のディフューザーとしても
- ときにはピンポイントの水流を作りに
- はたまたサテライトのポンプとして中型水槽で利用したり
- 分野を超えてアクアテラリウムに利用したり
そんな風に利用すべきフィルターなのでしょう。
商品のサイズやスペックが尖っているので、テトラマイクロフィルターしかできないことは非常に多くあります。
そんな尖った商品ですから、多少のことは目をつぶってうまく配置したいものですね。
というわけで、テトラマイクロフィルターの話はここまで。
また、長く続いたディフューザーと水中ポンプレビューはここまでとなります。
長文読んでいただきありがとうございました。