9年目のセラ・シポラックスのレビュー
どうもこんにちは。ごん太です。
今回は、セラミックろ材のろ材のレビューを書いていきたいと思います。
今回レビューするのはセラ・シポラックス(以下シポラックス)です。
最近ではシポラックスを熱愛しているという人は見かけなくなりましたが、ごん太がアクアリウムを始めた頃は、シポラックスを好んで使っておられる人が数多くいらっしゃいました。
もしかしたら最近アクアリウムを始めた人は、当ブログでシポラックスという単語を始めて耳にするかもしれませんね。
でも、このシポラックス……
多孔質リング状ろ材ゆえに生物ろ過と物理ろ過の両方がこなせるという特徴を持つ優秀なリングろ材なのです!
――もしかしたら嫌気性ろ過で脱窒……なんてこともあるやもしれません。
それでは目次とサイト内リンクに続きまして本文へと入っていきます。
続きをどうぞ!
(サイト内リンク:ろ材レビュー)
- それを すてるなんて とんでもない! ~青スポンジ~
- プロじゃない方のエーハイムサブストラットレビュー
- 物理ろ過も!生物ろ過も!二刀流なシポラックス→今ここ
- 質実剛健なエーハイムメック
- バフィーサポートの使用感(1年半目)
- リングじゃないシポラックス、シポラックスミニを購入し開封してみた!
シポラックスをゲットした理由
シポラックスが他のセラミックろ材と違う点
まずは、簡単にシポラックスを手にした経緯から述べていきたいと思います。
ごん太が初めて手にしたセラミックろ材は、当時鉄板であったエーハイムサブストラットだったのですが、それだけでは物理ろ過がうまく機能しないだろうということで、その次に購入したのが、このシポラックスでした。
そんなシポラックスを購入したのは、シポラックスならではの特徴を気に入ってのこと。
そのシポラックスならではのその特徴とは……
多孔質と表現されるだけあって
ろ材の表面に目に見えない小さな穴が無数にあいており、
その穴1つ1つが反対側の壁まで貫通しているということ!
これが、シポラックスならではの特徴です。
ほとんどのセラミックろ材の表面上にある細かな穴は、裏側まで貫通していないと思われるなか、
このシポラックスはそれが貫通しているので、そこにろ過機能としてメリットがあると感じたわけなんです。
”では、なぜ穴が貫通してるのがメリットなのか?”
これについて次のパートで説明したいと思います。
脱窒できるろ材!(と考えられていた
今の流行はどうかも知りませんし、それが科学的に正しいものかもわかりません。
しかし、当時(10年以上前)は、サブストラットやパワーハウスなどの多孔質のセラミックろ材の穴は、貫通していないということが通説でした。
そしてそれらは表面のみの貫通していない穴ですから、その穴の容積が小さく、全てが酸素を好む硝化細菌で埋まってしまい、脱窒する最近は定着できないできない――と考えられていました。
(そして↓これも当時の話ですが・・・、)
【シポラックスで脱窒!? 当時の論調とは】
しかしながら、シポラックスでは穴が貫通しています。
つまり、ろ材の奥まで続いており容積も多いと考えられたわけです。
穴の表面は好気性域であるので硝化細菌繁殖に使われやすく、
穴の内側は嫌気性域であるので脱窒菌に使われやすのでは!?
要するに・・・
脱窒できるろ材――かも?
と考えられていたわけです。
なお、↑の話はそもそも情報量が少ない10年以上前に流行った「考え方」で、、、
しかし、後述しますように、
シポラックスで脱窒できた!
硝酸値グングン減った!!
あーこれで水替えしなくてすむわぁー!!!
という経験をごん太は一度たりともしたことがありません。
初心者さんの夢を砕いてしまい申し訳ないのですが、脱窒を目的としたろ過システムやろ材ならまだしも、これはあくまで生物ろ過用もしくは物理ろ過用のろ材ですから、やはり過度な期待を抱いてはいけないのです。
というわけで、次の項からシポラックスについて実際の試用経験をもとにレビューをするのですが、その前にシポラックスの形状について説明していきます。
(スピルリナが多い餌のため、ろ材がやや濃緑色に・・・) |
シポラックスの形状や性質
さて、シポラックスですが、ごん太が購入した当時シポラックスといえば、フリスクみたいなタブレット型のシポラックス(シポラックスミニ)はなく
シポラックスといえば、すなわちリング状のことでした。
そして、今回のレビューで紹介するシポラックスはリングろ材のタイプの物となっております。シポラックスミニも気になるよっ!という方はレビューは↑のサイト内リンクよりご覧くださいね。
シポラックス(リングろ材)の大きさはどれくらい?
まずその大きさですが、
シポラックスはエーハイムメックと比べるとかなり大きいろ材です。
ですので中央の穴もかなり大きめで、そのため目詰まりしにくい構造といえます。
一応このろ材のみで硝化作用が十分なさるという謳い文句ではありますが、このサイズですとチリ状の小さなゴミは通過してしまう可能性がありますから、
やはり、シポラックス後方にサブストラットなどの生物ろ過専用で目の細かいろ材をセットしたほうが、ウールマットに負担がかがらずベターでしょう。
さて、上の写真を見るとお分かりいただけると思いますが、シポラックスの内側の穴にエーハイムメックがはまりそうな気配ですね。
実際には、はまらないのですが、その物理ろ材顔負けの大きさを、なんとなくお分かりいただけたことかと思います。
実際に大きさを測定し見てました。
まずドーナッツ型をしている面の外周の直径は13mm。
円筒の長さにあたる部分は14mm。
円柱ではありますが、エーハイムメックと同じように比較的立方体に近い形状となっています。
シポラックスの材質
そんなシポラックスを当記事ではここまで”セラミックろ材”と述べてきましたが、本当は……
セラミックろ材ではなく”ガラスろ材”なんです。
当時は今あるような廉価で優秀なガラスろ材というカテゴリーそのものが存在しなかったので、”ガラスろ材”なんて用語そのものがアクアリウムの世界に存在しなかった、もしくは普及していなかったとごん太は記憶しています。
ですから、ごん太も”セラミックろ材”として当時購入したと記憶しています。
ガラスかセラミックか?は耐久性に関係してくるので気になるところですね。
後で詳しくレビューしますが、ごん太の経験ではありますが、
シポラックスの耐久性は必要十分だと思います。
しかし、
真偽は定かではありませんが、”触っただけで崩れた!”という話もよく聞きます。
ごん太もそうなることを覚悟して利用しているのですが、未だに触っただけで崩れ落ちるシポラックスに、9年間利用しても出会っておりません。
というわけで、ここから先は具体的なレビューに入っていきます。
シポラックスレビュー(ここが良い!編)
ここが良い!その1:目詰まりが起きにくい
最初に書いた通りとても目詰まりが起きにくいです。
これはやはり、シポラックスのリング形状に由来しているところが大きいです。
ですので、タブレット状の「シポラックスミニ」で同様の効果があるとは考えにくいです。
リング状にすればどのようなろ材でも目詰まりしにくくなりますので、シポラックスとしての特徴として大したことがないように思えます。
しかし、メンテンナンスするのに手間がかかる外部フィルターでの利用を考えると、地味ですがかなり実用的な特徴だと言えます。
ですから、セラミックろ材に目詰まりしにくさを求めている人は、まずはリングろ材という条件で探してみてはいかがでしょう?。
それだけ「リング状」っていうのはメリットなのです。
とはいえ、いくら目詰まりしなくても、目詰まりしないということは、チリ状のゴミがそのままフィルター後方に流れてしまうことを意味しているわけですから、ウールマットが比較的汚れやすくなります。
ウールマットのみ頻繁に交換するスタイルならまだしも、より目詰まりのしづらいフィルターを目指すのならば、後方に生物ろ材を設置し、フィルター全体でゴミを濾しとる構成にした方がいいのかもしれません。
ここが良い!その2:生物ろ過、物理ろ過のどちらもOK
多孔質のリングろ材であるので、フィルター内で設置する位置によって、生物ろ過か物理ろ過のどちらの役割を担わせるか変わってきます。
例えば・・・
外部フィルターのケース内でシポラックスを給水部直近の水と触れる位置に設置すれば、大き目のリング形状ゆえにゴミを絡めとりやすく目詰まりしない物理ろ過として機能します。
逆に外部フィルターパワーヘッド付近にシポラックスを設置すれば、持ち前の多孔質とやや大き目なリング状をいかして目詰まりしにくい生物ろ過として機能することもできます。
(但し、細かいゴミはスルーされるので、フィルター内のろ材構成はよく考えて利用するべきでしょう。)
そんな 2通りの使い方ができるわけなんです。
つまり・・・
シポラックスは生物ろ過と物理ろ過の両方で活躍できます。
現在ごん太はエーハイム・メックの後方にセラ・シポラックスを利用中です。
つまり、生物ろ過と物理ろ過を担うろ材として利用しています。
このようにリングろ材同士の組み合わせにすると、ウールマットは確かに汚れやすくなりますが、ウールマットはさえ頻繁に好感してあげれば、セラミックろ材自体の目詰まりが起きづらく流量も落ちにくくなります。
ここが良い!その3:ろ過能力は十分
これはアクアリム用のろ材として販売されている、全てのろ材に言えることですが、
セラシポラックスは十分に硝化細菌が繁殖し、水槽内の排せつ物を無毒化してくれます。
当たり前ではありますが、アクアリウム用品で大手メーカーからセラミックろ材として販売されている物には大外れはありません。
(というよりも、水槽内の生命維持に関わる道具ですから、大外れがあっては困りものです。)
以下はごん太の持論なのですが
各社から様々なセラミックろ材が販売されていますが、生物ろ過の「差」というのは、実はそれほど理解が進んでいないのが現状です。
もしかすると立ち上げる期間が若干早くなるのかもしれませんが、立ち上げって水槽を維持管理していくうえで、最初の1か月程度しかありません。
それ以上の長期間水槽を維持管理していくことを考えると、最初の数か月しか気にすることのない「立ち上げ期間のろ過能力が高い?低い?」でろ材の真価を図ろうとするのはやはり無理があります。
結局は……
耐久性やメンテンナンス性といった維持管理の視点で評価すべきだとごん太は考えるます。
もちろん、いつまでたってもバクテリアが定着しないようなろ材は論外ですが、4週間が3週間になるとか、5週間もかかるとか、そういった話であるならば、それは五十歩百歩であると言わざるを得ません。
また、実際の使用感ですが、嫌気性の脱窒菌による
脱窒については、長年利用していますがその効果を経験したことはありません。
つまりは、シポラックスを入れたから脱窒によって硝酸塩濃度が低くなったということをごん太の環境では体感できていません。
もしかしたら脱窒は起きているのかもしれませんが、はっきりと言ってしまえば、試薬や試験紙の数値上に表れるほど効果はないようです。
ですから、このシポラックスで「だけで」目に見えた脱窒を望むのは少々厳しいでしょう。
といいますか、海水ではなく淡水で脱窒をしようとするのは茨の道だと思われます。
ここが良い!その4:耐久性は普通のろ材と同じ!
我が家に来ているシポラックスは、いまのところ割れたり欠けたりしたものはありません。
前述の通りネットの話では(この記事もネットの話なのですが)、長年利用すると自然に崩れたり、割れたりするようです。
しかし、
我が家の9年目のシポラックスではそのようなことは、まだに起きていません。
ごん太は、ギュウギュウに詰めたり、ずっしとコンテナなしでろ材を積み重ねるなどして、必要以上の重さや圧力がかからないようにろ材を設置しています。
ですから、自然に割れてしまったろ材をお目にかかる機会が少ないのかもしれません。
(しかし、ブログの記事として面白い話なので、シポラックスが崩れたら報告するつもりです。)
ですから、
耐久性としては、普通のセラミックろ材と同じ
であると言えるはずです。
なので外部フィルターで適切に利用している限りでは十分な耐久性です。
さて、下の項からは、シポラックスの残念な点について書いていきます。
シポラックスレビュー(ここが残念!編)
ここが残念!その1:レアアイテムだった
そもそもセラ製の商品はなかなか手に入れづらい傾向があります。
ごん太が購入した当時はまだチャームさんを代表とするなどのネット販売が有名でなく、県内で1・2を争うぐらいの大きな店舗でしかシポラックスを置いていませんでした。
そんなレアリティ性がゆえに、私の中でシポラックスが段々と憧れになっていきました。
当時これを手にするためにわざわざ1日かけて県内の大型店に行ったのを昨日のことのように覚えています。
しかし、当然ですが、今のご時世、ろ材1つで店舗めぐりというはなんだかいただけませんね。
現在ではチャームでも通販しているようなので、そのレアリティはごく一般的なものになり、入手困難であるというデメリットもまったくもって当てはまりません。
ここが残念!その2:寸法が大きすぎる
これは人によりけりかもしれません。
小さいろ材をろ材ケースの中にぎっしりと詰め込みたい人には、ろ材の形状大きいことは賛同できないと思われます。
大きすぎればろ材とろ材の間に隙間ができるわけですから一見非効率に見えるわけですからね。
しかし、シポラックスは・・・
大きいリング状ゆえに内側の穴も大きく、ろ材同士の隙間も大きいという特徴があります。
それゆえ、通水性の良さ、目詰まりしにくさという特徴も併せ持つわけです。
ですから、フィルターの通水性を重視される方にとってはメリットになるかと思いますが・・・
ろ材ケースに限界まで積み込みたい人にとっては、その”無駄な面積”で何か損した気分になるかもしれません。
なお、ごん太は、通水性の良いろ材を、7分目程度ケース内に入れるのが好みなので、ろ材形状が大きすぎて詰め込めない!というデメリットは感じません。
そもそも、ケースやバケットの限界までろ材を詰め込むのは……
モーターの異音や目詰まりのしやすさ、水流の低下の早さ、それによるメンテ回数の増大、さらにはフィルター内部が嫌気性になりやすいなどなど、
トラブルが出やすいので、ごん太としてはお勧めできません。
総評
レビューの総評としては・・・・
嫌気性ろ過ができるできないの話はともかくとして、
通水性の良さも考えると、目詰まりしにくい多孔質リングろ材としてオールマイティに十分に使っていけるろ材でしょう。
ただし、ちょっと大きめなので、外部フィルター以外で利用する場合や、ろ材は詰め込みまくってなんぼという考え方の人には向かないのかもしれません
また、生物ろ材として利用する際は、シポラックスが取り切れなかったチリ状のゴミをどこでろ過するのか?ということを考える必要があるかもしれません。
ごん太としては、ウールマットを頻繁に交換する、もしくはシポラックスの後方に目の細かい生物ろ材をセットすることをお勧めしたいと思います。
あとがき
さてさて、かなり話は長くなってしまいましたが、今回はこれにておしまいです。
さて次回は・・・・
について紹介したいと思います。
それでは次回もお楽しみに!
(更新:2021/3/18)