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2025年11月28日金曜日

脱窒はともかく、シポラックスは生物・物理両方できる優秀ろ材

脱窒はともかく、そのオールマイティー性は抜群

「シポラックス」という名前を聞いたことはありますか?
一部では“脱窒ができる”とも言われている、ちょっと話題のろ材です。実際のところは議論もありますが、その多孔質な構造と大きめのリング形状のおかげで、生物ろ過にも物理ろ過にも使える万能タイプとして人気があります。

今回は、そんなセラ社のシポラックスについて、ストーリーでレビューをお届けします。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

寝付けぬ夜、薄暗い部屋にはPCの青白い光だけが滲んでいた。
熱帯夜。冷却ファンの爆音が枕元を満たすなか、わたしはいつまでたっても眠れないでいた。仕方がないので、さっき落としたばかりの電源を入れ直し、ネットの情報を漁ることにしたのだ。

睡魔と物欲が交錯し、苛立ちながら次々とページを飛び回っていると、ふとした言葉にわたしは思わず眉をひそめる。

脱窒ができるかもしれないろ材」

――んなバカな!



夢のろ材の現実での使い心地


脱窒という夢

だが、マウスを動かす手は止められない。

事実を拡大解釈した虚構が入り混じるこの界隈、今まで幾度もキャッチコピーに心を奪われ、箱の中身で現実を思い知らされてきた。だが、それでもその言葉の響きがどうにも脳裏にちらつく。わたしのアクアリウム魂をくすぐってくるのだ。

検索を重ねるうち、“セラ”という会社の“シポラックス”というろ材に辿り着いた。なんでも、宇宙空間でのメダカの産卵実験にまで使われたらしい。
まるで都市伝説のような話だ。

……でも、ここまで調べてしまうと、ますますシポラックスが気になって仕方がない。
そうなると、答えをくれるのは、あの人しかいない。

そう、お師匠様ことロゼッタに相談だ。
ペンスタンドから一本取り出し、傍らに落ちていた講義のプリントに、殴るように名前を書き留める。

そのろ材との出会いは、むせかえるような湿度と爆音に満ちた夜の出来事だった。



守備範囲広し!

真夏の夕方。サークル棟の周囲は、ヒグラシの鳴き声に満たされていた。
大都会のベッドタウンに、これほど自然の音が響く場所があるとは思わなかった。

この大学は少し特別だ。園芸、環境保護、動物、微生物といったあらゆる生物系がそろっており、そのための実習用に大きな庭園が設けられている。
といっても、いわゆる整えられた庭ではない。木々は手つかずで生い茂り、草は野生のように伸び放題。そこにある植物はもちろん、鳥や昆虫、時には四足歩行の哺乳類まで住みついており、それらすべてが教育の題材になっている。

……そんなキャパスに集まる面々といえば、生物オタクばかり。
わたしも、お師匠もその一人だ。

その庭を駆け抜けた風が、バルコニーに吹き抜けると、緑の匂いがほんのりと漂う。4限終わりのベンチで一人、缶コーヒーを片手にぼんやりしていると、黒髪をなびかせてロゼッタが歩み寄ってきた。

夕日に照らされた白い肌が赤みを帯び、切れ長の瞳がわたしを見るなり、いつものように軽くウィンクをしてくる。だからといって、特別な意味はない。
今日も道楽の話をする、ただの合図である。

「さて、今日はシポラックスの話だね?」
「そうなんです。脱窒ができるって……」

まぁ、それが機能するかどうかは定かではないよ?
「……ですよね?」

いきなりだが、肩の力が抜けた。
深夜のあの高揚感はいったい何だったのだろう。思わず笑ってしまう。だが、アクアリウム界隈はいつだってこうだし、もう慣れっこだ。

そして、お師匠はにこやかに続けた。

「その話は、ボクが知る限り二十年前から言われているんだ」
「え!? じゃあ、けっこう信憑性のある話なんですね?」

彼女は首を振る。

「とても実感できるものではないけどね? 事実としてはそうなんじゃないかな?」
「実感? ということは、もしかしてお師匠様は使ったことがあるんですか?」

「もちろんだとも。脱窒ができるかどうかはいつも議論になるけど、それは別として、生物ろ過と物理ろ過の両方に使える便利なろ材なんだ♪

その言葉に、胸が少し高鳴った。

「つまりだね、ろ材そのものはガラス製の多孔質構造でできている。これは生物ろ過に向いているし、その形状は直径数センチのリング状だから……

「目が粗く、通水性がいいから物理ろ過にも向いている、というわけですね?」
「その通り!」

「なるほど。それに、生物ろ材と物理ろ材、両方の特徴をあわせ持つろ材って、ずいぶん珍しい気がします」

ロゼッタは嬉しそうに頷いた。

「でしょう? エーハイムのメックもセラミック製ではあるけど、多孔質じゃないからね。シポラックスみたいに両方こなせるのはちょっと珍しいかな」

「でも、気になるところもあります。さっき“ガラスろ材”って言ってましたよね? それって安っぽいイメージですけど?」

「あはは! でも値段はセラミック並みだよ」

「そんなに高いんですか?」
彼女は何も言わず、にんまりと笑った。
その笑みがすべてを語っていた。

「もっとも、値段と性能が比例していないのが、この趣味の世界だからね。値段で全てをはからないようにね?」



どこで何をさせるのか?

沈む夕日が、庭園の池に赤い筋を落としていた。
空気は湿り気を帯び、セミの声がいっそう近くに響く。

「それで、値段や脱窒、特徴とかはともかくとして──実際に使ってみた感想はどうだったんですか?」
「うーん、ものは悪くないんだけど、現実的に“どこで使うか”が難しいんだよね」

わたしは首を傾げた。

「どこでって……?」
生物ろ過に向いてるけど、物理ろ材のようにサイズが大きい。だから、フィルターのどの層に入れるか、いつも悩むんだ

「フィルターケースの吸水側か、排水側かってことですか?」
「そう、それ。排水側、つまりパワーヘッド付近に入れれば詰まりにくくなるけど、生物ろ過としては中途半端になる。明らかにね」
「……やっぱりリングろ材は、積み重ねた時の目がちょっと粗すぎますし、いくら多孔質で表面積を確保してあるといっても、中空ですもんね」

「そうそう。空間があるぶん、詰め込めないから、嫌う人もいると思うよ」

すっかり姿を見せた月に目をやりながら、お師匠はふうと息を吐き、噛みしめるように語り続けた。

「それに、生物ろ材って他にもいろんな種類があるでしょ? メーカーも多いし、群雄割拠なんだ」
「なるほどぉ」

「でもさ、生物ろ材って、実のところ効能があやふやじゃない? だから、“これだけが良い”って言い切れる特徴がないとね」

――それが、もしかしたら脱窒なのかもしれない。けれど、彼女が開口一番で否定したところを見ると、体感的にはそれを当てにできないらしい。

「であるなら、吸水側に置いて、物理ろ材として使うのはどうでしょう?」

そうだよね? ボクとしても、その方がお勧めかな。生物ろ過もできる“物理ろ過”としてね
「でも、もしプレコ水槽で使ったら、木くずでせっかくの多孔質が詰まっちゃいそうですね?」

わたしの疑問に、お師匠は小さく笑った。

「まぁ、そんなことが起こるのはプレコ飼育くらいだからさ。それを踏まえても、生物ろ過もできる物理ろ過としては、かなり優秀だと思うよ。だって、プラスチックろ材はもちろん、エーハイムメックだって多孔質じゃないんだから」

彼女の横顔に、夕日がわずかに差した。

「なんとなく分かってきました。オールマイティーだけど、だからこそ使いどころが難しいろ材なんですね」
「あはは、そういうこと。それで悩むのが、アクアリウムの楽しみ方でもあるんだけどね」

風が一度、二人のあいだを通り抜けた。
ヒグラシの声が遠くで続く中、ロゼッタの瞳が夕日に照らされ、金色に光っていた。



オールマイティーだからこそ

結局、なんでもできるろ材なんだから、好きなように使うのが正解かもしれませんね?
「そうだとも。“専用”という言葉に慣れすぎた現代人には、自由すぎる道具は扱いづらいのかもしれない」

その言葉に、わたしは小さく頷いた。
なるほど――なんでもできることが、かえって迷いを生むのだ。

しばらく考えた末、わたしは決めた。
2213の一番下に、シポラックスを入れてみよう。
木くずが多少詰まるかもしれない。
けれど、上段のサブストラットが詰まりにくくなるのなら、それでいい。
こうして、プレコ水槽のメインフィルターのろ過槽に、新しい試みが一つ加わることになった。

これにより、わが家のプレコ水槽のフィルターはより盤石なものとなり、詰まり知らずの安定した循環を生むことになる――。
その結果については、また別の機会に詳しく書きたいと思う。



まとめ

ろ材と聞くと、「どれが一番いいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんな中で、ちょっと気になる存在が「シポラックス」という名前のろ材です。見た目はただの白いリング状の塊。でも、実はこの小さなリングの中に、さまざまな秘密が詰まっているんです。

まず、シポラックスの特徴は“多孔質”という構造。つまり、目に見えないほどの小さな穴が無数に空いていて、水の流れの中でバクテリアが棲みつくための理想的な環境を作ります。生物ろ過としてとても優秀で、水をきれいに保ってくれる頼もしい存在です。

さらに、このリングはガラス製。ガラスと聞くと安っぽい印象を持つかもしれませんが、実はその素材のおかげで通水性がよく、詰まりにくいという利点もあります。つまり、「生物ろ過」と「物理ろ過」のどちらにも使える万能タイプなんです。

ただし、“なんでもできる”というのは、裏を返せば“どこに使うか悩む”ということ。外部フィルターのどの層に入れるのが正解か――排水側か、吸水側か。それは使う人の目的や飼育環境によって変わります。だからこそ、使い方を試行錯誤するのも、このろ材の楽しさのひとつと言えるでしょう。

高価なセラミック製ろ材にも負けない性能を持ちながら、自由度が高く、アクアリストの工夫次第でさまざまな使い方ができる。それこそがシポラックスの魅力です。



2025年11月25日火曜日

プレコ・ポリプテルス水槽をメンテしやすく!ベアタンクのいざない

"ベアタンク"というのも一つの手

いつも底砂の汚れが気になってしまう――そんなこと、ありませんか?

「もっと掃除を楽にしたい」。そう思ったときに耳にするのが、“ベアタンク”という言葉です。けれど、底砂を敷かないなんて本当に大丈夫?と思う方も多いはず。
今回は、その不思議な魅力と気をつけたいポイントを、やさしくストーリーでお話ししてみたいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

3つの水槽が、朝の光を反射してきらめいていた。

60cm水槽には3匹のプレコが身を寄せ、30cmキューブにはマツモとアヌビアス・コーヒーフォリアが静かに揺れている。20Lの変形水槽では、暴君ブルーテトラが今日もバトルロワイアルを繰り広げていた。

気がつけば、水槽が三つ。
アクアリウムを始めてまだ一年ほどなのに、ここまで増えてしまった。そろそろ手を止めよう――そう思うのに、なぜか心は止まらない。余った道具を見つめると、ほんの少しの追加でまた新しい命を迎えられることに気がついてしまうのだ。

今、手元には空になったフチありの45cm規格水槽がある。
もともとプレコたちの住処だったこの水槽には、退役した2231フィルターと専用のディフューザーもある。

――なら、何かを飼いたいと思うのは必然だ。


2025年11月22日土曜日

思わぬ水飛沫でガラス蓋にべっとり緑苔が!バブルストッパーで解決

水飛沫に困ったときに!!

あれ? うちのライトって、こんなに緑色だったかな?

ふと気づくと、ガラス蓋の裏に緑苔がべっとりと広がっていること、ありませんか? ほんのわずかな水しぶきが、知らないうちに苔や汚れを生んでしまうこともあります。エアレーションが原因なのはすぐに分かるけれど、それをどう解決するかとなると少し悩みどころです。

今回は、そんな困った現象をすっきり解消してくれる、ちょっとニッチなアイテムをご紹介します。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

水槽の中が、なんだかおかしい。
いつもならガラス越しに見える景色は黄金色に輝いているはずなのだが……今日は妙に色が沈んでいる。わたしは顔を近づけ、原因と思われるガラス蓋を指でそっとなぞった。

ぬるんとした感触。

「まるで海苔、だ……」

絵の具を叩きつけたパレットのように、べっとりとエメラルドグリーンが広がっている。光がその色に染まると、流木の黄色と混じり、全体が沈んでしまっているのだ。


2025年11月19日水曜日

癒されアクアリウムに最適!水作水心は静かさで勝ち続ける名機

水作水心は昔からある静かなエアポンプ

水槽の中で揺れる水草や、ゆらゆら泳ぐ魚たちを眺めていると、ふと「もっと静かに、心地よく眺められたらいいのに」と思うことはありませんか?
小さな振動や音でも、意外と気になってしまうのがアクアリウムの世界。そこで注目されるのが、長年愛されてきたあの静かなエアポンプ。

今回は、"静か"、"静音"という言葉に騙され続け、疑心暗鬼に陥ったわたしが、1つのエアポンプを信じ、そして愛用する事になった物語を述べていきたいと思います。


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これは現代と過去が織りなす不思議な世界の物語。

ライトで照らされた部屋の片隅は、人を拒むように水槽から水煙が立ち上っている。
……いや。拒んでいるのは水槽ではない、エアポンプだ。あのニッソーθ6000が、爆音を響かせているのだ。


2025年11月10日月曜日

プレコ水槽の外部フィルターに生物ろ材をパンパンに詰めた結果……

物理ろ材と生物ろ材のバランスは大切

フィルターの水流が、なんだか弱くなった気がする――。
そんな小さな変化を感じたことはありませんか? 実はそれ、水槽が「ちょっと苦しいよ?」と訴えているサインかもしれません。

ろ材の詰まりは、静かに、でも確実にアクアリウムのバランスを崩していきます。今回は、プレコ水槽で起きた小さな異変について、ストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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水槽の前に座り、ネットをスクロールしていると極上のろ過という文字が目に留まった。記事には、商品画像への外部リンクとともに、高価な生物ろ材をたっぷりと使う外部フィルターこそ、至高のろ過だと書かれていた。まるで何十年も水槽を見てきたかのような口ぶりで。

若かったのだと思う。
お金を払った分だけ性能が良い。この界隈で不足しがちな、普段の生活ではありふれた信仰を欲していたのかもしれない。

いずれにしても、水の中で生きる魚たちに、完璧な環境を作ってやりたいという気持ちだけは本物だった。だから、それが胡散臭い話であると分かりつつも、書かれていたことをそのまま受け入れてしまったのだった。


2025年11月7日金曜日

大きすぎる流木、無理なアク抜きをしないのも一つの手。アクは友達?

巨大流木1本から生まれた答え

流木のアク、それは水槽を茶色く染める憎いやつですが、実は魚にとって無害だということをご存じですか?

今回は、大きな流木を手にしたある人物の決断を通して、アク抜きの大変さや、アク自体の成分と効能について、ストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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2025年11月4日火曜日

新しい水槽セット後は絶対に空回し。硝化細菌よりも大切な事とは?

魚を迎える前に必ず空回しを

水槽を立ち上げるとき、つい「早く魚を入れたい!」と思ってしまう気持ち、わかります。
でも、ちょっとだけ立ち止まってフィルターの空回しをしてみると、不思議と安心感が生まれるものなんですね。
これは、水漏れや機器トラブルを事前に防ぎ、水質を安定させる大切な準備。長く美しいアクアリウムの物語を始める前の、大切なひと手間なんです。

今回は、そんな空回しについて、柔しくストーリーで紹介したいと思います。


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2025年11月1日土曜日

水槽用のヒーターどうする?水温可変はいざという時役立つが、実際は

オートにサーモスタット、そして水温可変式、どれを選ぼう?

水槽の中で魚たちがゆったり泳ぐ姿を眺める時間って、ほんとうにほっとしますよね。でも、その穏やかな水景を保つには、水温管理がとても大切です。今回は、初心者でも安心して選べるヒーターの種類や特徴、選び方のポイントを、ストーリーでやさしく紹介します。

窓際の光が、静かに空の水槽のガラス面を照らしていた。
今、この60cm規格水槽に新しいプレコ水槽を作っている。外部フィルターを2台設置し、サーキュレータータイプの水中ポンプも取り付けてある。水はまだ入れていないが、パイプの並びを眺めるだけで未来の姿が浮かんでくる。魚を入れれば、いつでも命が宿る準備はできているのだが、しかしまだ引っ越しはさせていない。

理由は簡単だ。
流木やエアストーン、ヒーターなど、細々とした器具たちをまだ選び切れていないのだ。そういう部分こそ慎重に、納得のいくまで迷いたい。それこそ、この趣味の醍醐味なのだ。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

明日、その中でも、ヒーターの答えを出すつもりでいる。ノートパソコンを開き、ネットショップの画面をいくつも並べてみる。

「どれがいちばん、あの水槽に合うだろうか……?」

つぶやく声が、春の静かな部屋に消えていった。


2025年10月30日木曜日

アッチ!?CO₂ボンベ交換でまさかの火傷、電磁弁にはご注意を

CO₂小型ボンベの初交換♪ で見舞われた火傷トラップ

水草水槽に欠かせないCO₂添加。でも、ボンベ交換は初めてだとちょっと緊張しますよね。レギュレーターや電磁弁、スピードコントローラーなど、見慣れない器具が並ぶと、どこから手をつければいいのか迷ってしまうもの。でも、手順を落ち着いて確認すれば、意外と簡単で安心して作業できるもの。

今回は、わたしが初めて小型ボンベを交換した時に起きたトラブルを交えつつ、その手順について、分かりやすく述べていきたいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

3限が終わり、夕方の光が差し込む部屋に帰ってくると、いつもの「パチン♪」という軽い音がした。
CO₂の電磁弁が作動した合図だ。
わが家の水槽を守る小さな相棒、あるいは“守り神”のような存在。

しかし最近、その音を聞くたびに少し胸がざわつく。どうも、CO₂添加の調子が悪いのだ。


2025年10月27日月曜日

初めてのホースクリーナー、うっかり吸排水パイプを逆さに付けて……

ホースクリーナーは引っ張って使うと知った日に……

水槽の美しさは、水面や魚の姿だけで決まるわけではありません。
実は目に見えないパイプやホースの中にも、小さな汚れやコケがじわじわと溜まっていきます。そのままにしておくと、水の流れが悪くなり、魚たちの暮らしにも影響が出ることも。

今回は、そんなパイプ・ホース清掃で経験した簡単なトラブル2つを、ストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

部屋の灯りを落とすと、暗闇の中に三つの水槽が静かに浮かび上がる。

45cm規格のプレコ水槽。ガラス越しに見える流木の影には黒いシルエットがゆらぎ、心地よいリズムで流木にかじりついている。

隣には、マツモだけが水面を覆う30cm水草水槽。群れるカージナルテトラとラミノーズテトラの青と赤と銀が、光を浴びてきらきらと輝き舞い踊っている。
そして、最後は暴れん坊のブルーテトラたち。小さな波が立つほどの勢いで泳ぐその姿は、まるでこの部屋の中で一番自由な生き物のようだった。

三つの水槽が、夜の中で小さな宇宙のように呼吸している。その光景を見終えると、最後に自室の隅を見て深く息を吐いた。

「もうひとつ……ここに、小さな世界を増やすんだ」

部屋の入口には、まだ何も入っていない60cm規格の水槽がひっそりと置かれている。プレコ専用の大きな水槽を立ち上げる計画は、着々と進行中なのだ。すでに、水槽台に外部フィルター2台、さらには水中ポンプも設置してある。

すべてが順調だ。
と、言いたいところだが、どうしても気になっていることがある。


2025年10月24日金曜日

規格水槽だから同じに見える?知っておきたい水槽選びの4ポイント

60cm規格水槽どう選ぶ?

水槽を選ぶとき、「どれも同じに見えて迷ってしまう…」と感じたことはありませんか?サイズや形はほぼ同じなのに、値段やブランドの差に戸惑う方も多いでしょう。

でも、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、自分にぴったりの水槽が見つかります。ガラスの種類や透明度、フレームの有無など、選び方のコツを知れば、水景作りがもっと楽しくなります。

今回は、そんな話をストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

学校帰りのアクアショップ。
夕日が水槽のガラス越しに差し込むと、水がきらきらと輝き、天井に反射する。店内の壁にはいくつもの眩い水影がゆらゆらと揺れて、小宇宙のようにどこもかしこも光を放っていた。

しかし、わたしは、水の匂いとほのかに漂うフィルターの香りに包まれながら、一人立ち尽くしていた。悩みのブラックホールに吸い込まれたのだ。


2025年10月21日火曜日

水中ポンプどれにする?水陸両用?サーキュレーター?それとも?

知っているようで知らない水中ポンプの世界

水槽で水流が好きな魚種が気持ちよく泳ぐためには、水の流れがとても大切です。
その流れを作るのが水中ポンプです。種類や使い方を知ると、魚が快適に過ごせる環境を整えやすくなり、水槽の管理もぐっと楽になります。初めての方でも安心して選べるポイントをストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

今、部屋のすみには、空っぽの60cm規格水槽がある。
無機質な容器に取り付けられたのは2台のフィルターは、新しい世界を支える二本の柱となるを今か今かと待っているような気がした。

しかし、わたしは眉をひそめた。
この水槽には、セルフィンプレコとグリーンロイヤルプレコを引っ越しさせ、さらにサタンプレコを迎え入れる予定である。すでに外部フィルターは2台、水槽台も用意済み。役者は揃っている。

だが、心の奥にひっかかるものがあり、しばらく立ち尽くしてしまった。


2025年10月18日土曜日

その外部を買う前に要チェック!フルーバル304のほろ苦い思い出

勢いで手を出したばっかりに……

勢いでフルーバル304を買ってしまった過去があります。
エーハイム2213と同じく、60cm規格水槽クラスのスペックを持ちながら、破格の値段で売られていたからです。

今回は、レア機種に手を出してしまった一人のアクアリストの体験談をストーリーとして紹介したいと思います。

「アレも安い!」「コレも安い!」と手を出すのは楽しいものですが、長期的な維持管理という視点も忘れてはいけません。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

赤提灯の並びを通りぬけ街路をひた走り、灯に照らされるガラス扉に飛びこむと、そこはいつものように別世界が広がっていた。少し雨が降り、外は春の湿気を帯びた空気に包まれていたが、こちらはもう常夏の様相を呈し、じとりとした店内には飼育水の香りが漂っている。

睨みつけるように棚の上段のさらに上を見ると、ずらりと箱に入った外部フィルターたちが積み上げられていた。わたしは息をのんで呟いた。

「フルーバル304……」

割引の値札の上に、さらに割引の札が張られており、なんと7500円。
60cm規格水槽に使える外部フィルターが、この値段で手に入るなんて。以前から売れ残っており目を付けていたのだが、背伸びをして手に取ると心臓が早鐘を打つ。


2025年10月15日水曜日

エーハイム2213を買うなら把握しほしい2つの気になるポイント

コンテナとスピンドルは2213のウィークポイント

水槽を立ち上げるとき、どんなフィルターを選ぶかはとても大切なポイントです。音が静かで、しっかり水をきれいにしてくれるものを探しているなら、多くのアクアリストが頼りにしてきた「エーハイム2213」が候補に上がってくるはず。長く愛される理由を知れば、きっと納得できると思いますよ。

そんなエーハイム2213について、気に入った点と気になる点をストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

すっかり白い壁に夕日が淡く映り込んでいる。
勉強机の横には、すでに組み立てを終えたスチール製の水槽台が、未来の水景を待つように静かにたたずんでいる。
無機質な黒の柱は、これから生まれる命を支える礎であり、フラットな天板はまるでゆりかごのように見えた。

今、わたしが目指しているのは60cm規格のプレコ水槽だ。
その中にひときわ大きな流木を主役に据え、そこへ無数の吸いつきナマズ――愛すべきプレコたちを泳がせるのが夢なのだ。
無数の魚影が流木の影に身を潜めたり、表面をかじったりする光景。それを現実のものにするべく、今は道具を集めている最中で、先ほどの水槽台はその第一歩である。

プレコ水槽の心臓部に据えるのは、並列稼働させた2台の外部フィルター。プレコの旺盛な食欲と排泄を支えつつ、強い水流を提供する予定なのだ。


2025年10月13日月曜日

プレコに外部フィルターは、ろ過に問題なく飼育者に安眠をもたらす

結局、外部フィルターでプレコ水槽を作った顛末

水槽の底で流木をかじったり、のんびり泳ぐ姿が魅力のプレコ。
けれどその一方で「フンが多くて水がすぐ汚れる」という特徴をもつ魚です。
だからこそ、飼育に欠かせないのがフィルター選び。水質を守るためには、どんな種類を選ぶかで快適さが大きく変わってきます。

今回は、60cm規格水槽でプレコ水槽を作るにあたり、上部フィルターと外部フィルターの違いについて、ストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

薄明かりの差し込む部屋に、小さな気泡の音が規則正しく響いていた。
30Lの水草水槽では、透き通る青をまとったラミノーズテトラが群れをなし、揺らめく葉の間を縫うように行き交っている。水面には光の粒がきらめき、ガラス越しに差す照明が柔らかく揺れながら反射していた。

隣には45cm規格の水槽があり、底には黒い影のようなプレコが身を潜め、ときおりガラス面を吸いながら静かに移動していた。その姿は不動の岩のように落ち着いていて、なおかつ確かな生の鼓動を伝えていた。

その光景に心を和ませながら、わたしは視線を横へと移した。
そこには、すでに組み立て済みのスチール製水槽台が、空いたスペースを支配するように黒く輝きながら鎮座している。冷たい金属の脚は鈍く光り、ただそこにあるだけで存在感を放っていた。60cm規格用として購入したものだ。


2025年10月11日土曜日

ボンベ式でCO₂添加するなら、持っておきたい電磁弁は安心感の塊

わたしがボンベ式の手動添加制御を挫折した理由

水草を元気に育てたいと思ったとき、まず考えるのがCO₂の添加。
しかし、手動で添加のON/OFFをしていては、「止め忘れたらどうしよう」「夜もそのまま出ていたら危険かも」と、不安になることもありますよね。
そんなときに心強い味方になってくれるのが電磁弁。安全に、そして快適にアクアリウムを楽しむための大切なアイテムなんです。

そんな電磁弁について、ストーリーでやさしく説明したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

朝の光はまだやわらかく、実験室の窓から差し込む日差しが、黒い机の上に白い帯を描いていた。学生たちは眠そうな顔をしながら列になり、教壇に置かれた試薬を取りに向かう。そのたびにカタカタとガラス器具がこすれる音が教室いっぱいに響き始める。
今日の実験が始まったのだ。わたしは冷えた空気を胸いっぱいに吸い込み、背筋を伸ばした。

時間はあっという間に過ぎていく。淡々と続く実験、冷静に手元の実験ノートと結果を見つめてはいたが、心の奥には落ち着かないものを抱えていた。試薬の刺激臭と規則正しく並ぶ器具に囲まれながら、別の思いが頭を支配していたのだ。

CO₂添加、止め忘れてないよね?


2025年10月9日木曜日

弱ったマツモ、短くカットしすぎたマツモは水面で浮かべて養生すべし

マツモを浮かせて栽培すれば、生長力も脇芽形成も↑

アクアリウムで育てる水草の中でも、マツモはとても育てやすく、初心者にも人気です。実は、ただ底に植えるだけではなく、水面にぷかぷか浮かべて育てる方法もあります。

これは、水景は植えこむ方法と比べると劣りますが、光をたっぷり浴びられるため傷んだ株も回復しやすく、節から新しい芽が伸びやすいので自然に株を増やせ方法となっています。コケや水質には少し注意なのが玉に瑕ですが、マツモの手軽な栽培法の1つです。

今回は、そんなマツモを浮かせて栽培する方法について、ストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

わたしは途方に暮れていた。
30cmキューブハイタイプ水槽で、困ったことが起きたのだ。

あまりにもマツモが伸びすぎるので、CO2を弱めた。そこまでは良かったのだ。

ところが、その後が良くなかった。
水面に届くほどの長さに生長した姿を見て、思い切ってトリミングに挑んだのだが、よりによって、手が滑って茎頂付近でカットしてしまったのだ。

……どうしよう!?


2025年10月7日火曜日

水換えを楽にしたい!洗車用・園芸用ホースリールを検討してほしい

水換えの工夫は心構えからホースリールまで

水換は、アクアリウムを楽しむうえで欠かせない作業ですが、やってみると意外と大変です。水槽が複数あると、バケツを持って階段を上り下りするだけで体が疲れてしまうことも。

今回は、そんな負担をぐっと減らして、もっと気軽に水槽ライフを楽しむための考えた方や、工夫や便利な道具について、わかりやすくストーリーで紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

6畳の小さな自室。夜が更けると、蛍光灯を落とした暗がりに、水音と気泡が湧きあがる音だけがこだまする。微細な泡が水面に上がるたび、きらりと水影が天井に揺れ、部屋そのものが水槽の一部になったかのように錯覚させる、小さな水辺たち。

今、わたしの部屋には3つの水槽がある。

ひとつは、セルフィンとグリーンロイヤルのプレコを泳がせている水槽。もうひとつは、カージナルとラミノーズが群れて遊ぶ、マツモとアヌビアスを植えた水草水槽。そして最後のひとつが、青みを帯びた体色を放つ暴君ブルーテトラを一時的に隔離している小さな水槽だ。

部屋を暗くすると、ライトアップされた水槽が宙に浮かび上がる。自室を包み込む光の粒を眺めながら、夜な夜な酒を口にする時間こそ、いまのわたしにとって最高の癒やしなのだが……。


2025年10月5日日曜日

マツモの姿が変だ!?もしかしてそれ、徒長や間延びかも?その原因

マツモの草姿がどうにもかしい!?

水草水槽を始めると、「CO2をいっぱい入れればもっと元気に育つんじゃ…?」って思いますよね。
でも、入れすぎると酸欠にまでは至らなくても、茎が間延びしたりコケが増えてしまうこともあります。

今回は、水草がいちばん喜ぶ量を見極めるコツについて、やさしくストーリーで紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

窓を開けると、春のすがすがしい風が入ってきた。
差し込む光は午後の柔らかさをまとい、水槽のガラス面に反射して白い天井に水影を映し出す。わたしは水槽から目を逸らし、横になって天井を仰ぐと、深いため息をひとつ吐いた。

ヘアーグラスは壊滅的だった。
あれほど夢を抱いて栽培を始めたはずなのに、気がつけば新芽は徐々に出なくなり、真っ黒なひげ苔に覆われるようにして姿を消していった。
そのままではアヌビアス・コーヒーフォリアにも悪影響が及ぶため、力なく撤去したものの、ソイルまで抜く気力はなく、底床はそのまま残してある。
挫折の連続で、どうにも手を付けられなかったのだ。

それでも、アヌビアスにとってCO2は有効だと信じ、添加だけは続けていた。水槽を空にしてしまうのが忍びなく、わたしなりの小さな抵抗だったのかもしれない。


2025年10月3日金曜日

注射器?いえストローにすればガラス製CO₂カウンターにも水が入る

ガラス製の道具は美しく、時に不親切である

初めてのCO₂添加。セット中に「カウンターに水をどう入れればいいの?」と悩む瞬間が必ずあります。
特にガラス製の細長いカウンターは美しい反面、思ったように水が入らず戸惑うことも。

でも、ちょっとしたコツを知るだけで、誰でも簡単にスムーズに水を入れられるようになります。
今回は、そんな話をストーリーでやさしく紹介したいと思います。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

買ってしまった。
気になっていた小型ボンベセット。

そればかりではない。ガラス製のCO₂カウンターまで、勢いで買ってしまったのだ。
机の上には小さな箱とレシートが積み重なり、わたしの気持ちをせわしなくしている。

寂しくなった財布の中身を見ると、浮き立つ気分が沈み込み、苦い後悔が胸に押し寄せてくるのだが、明るい水草の未来を思えば、すっと気持ちも軽くなる。