2025年8月30日土曜日

リング?ボール?それとも?ろ材の形状は表面積と通水性のせめぎ合い

ろ材形状と通水性

熱帯魚の水槽を美しく保つために欠かせない「ろ材」。
でも、その形状が水質や魚の健康に大きな影響を与えるって知っていましたか?
ただ詰め込むだけではなく、形や配置を工夫することで、ろ過効率が格段にアップします。今回は、そんなろ材の形状と通水性の秘密に、ストーリーで迫ってみましょう。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

クリスマス前の休日。
潮の香りがほのかに漂う港町は、観光客と買い物客で賑わっていた。冬の空気は澄んでいて、どこか浮き足立っているような雰囲気がある。

わたしは、お師匠様と一緒に、馴染みの熱帯魚店を訪れていた。

行楽時期のショップはまるで水族館のようで、家族連れや恋人たちが水槽を覗き込みながら笑い声を弾ませていた。店内を彩る色とりどりの魚たちが、まるでクリスマスのイルミネーションのように幻想的な輝きを放っている。

手を組み、腕を絡め、体を寄せ合いながら、今というひと時を慈しむカップルたち。こちらが恥ずかしくて手で顔を覆いたくなるほど、幸せな顔をしている。


2025年8月28日木曜日

初めてのろ材は、セラミック?ガラス?それともプラスチック?

セラミック? ガラス? それともプラスチック?

他のアクアリストはどんなろ材を使ってるんだろう?
そんな疑問を持ったことはありませんか?

実は、ろ過のカギを握っているのが「ろ材」という存在。素材によって性能も手入れのしやすさも変わってくるんです。今回はそんな奥深い“ろ材の世界”を、やさしくわかりやすくストーリーで紹介します!

欲しいものがある。
エーハイムエコで使うろ材だ。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

今現在、外部フィルターのろ材コンテナには、付属品の青いスポンジが入っている。これはこれで、メンテナンスが楽な良いろ材なのだが……。
せっかく大きなろ過槽をもつこのフィルター、色々なろ材を入れて楽しみたいところだ。

だが、どんなろ材がいいのだろう?

アクア雑誌にいくつか紹介されているようだが、そういったものに限って学生のわたしには、手が届きそうにない値段設定がされている。

本当に外部フィルターのユーザーは、こんな高価なものを山のように詰めて使っているのだろうか?

ふと、疑問に思ったので、ケータイで連絡をとることにした。


小説の題材は20年前ですが、実はこの時代はセラミックろ材しかありませんでした。
しかし、それでは今の時代の記事にするには十分な情報とは言えないため、内容そのものは現代のものに置き換えてあります。


2025年8月26日火曜日

初めて水草水槽、安いCO₂添加は発酵式か、それともタブレットか?

発酵式かタブレットか?

「水草をもっと元気に育てたいけど、CO₂添加って難しそう…」そんなふうに感じたことはありませんか?本格的なボンベ式まではちょっと…という方にぴったりなのが、手軽に始められる“発酵式CO₂”と“CO₂タブレット”という選択肢。この記事では、それぞれの特徴やメリット・注意点をストーリーでわかりやすくご紹介します。


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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語

守りたい命がある……。
と言えば少し大げさかもしれないが、実はアヌビアス・コーヒーフォリアのことで悩んでいる。
彼? いや、彼女? とにかく、この水草はプレコの喧嘩の一番の被害者なのだ。


2025年8月24日日曜日

ホース?パイプ?φ○○/□□mmの意味。エーハイム製品には注意!

知っているようで知らないφ○○/□□mm

アクアリウムを始めたばかりの頃、「ホース径って何のこと?」と戸惑った経験はありませんか?
外部フィルターの世界では、φ12/16mmや、φ16/22mmといった数字が当たり前のように並べれています。

でもその意味、ちゃんと理解できていますか?
思わぬ落とし穴があるかもしれません。

今回は、ホースやパイプに用いられる、この表記についてストーリでやさしく紹介したいと思います。


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街の風景は、いつもの大学の最寄駅とはまるで違う。たった二駅しか離れていないのに、時代の厚みすら感じさせるこの街並みには、不思議な魅力がある。

だらしなくアスファルトがはげた道はなんとなく魅力的ですらあり、朝から買い物客があふれ、威勢のいい掛け声や香ばしい煙が細路地からふわりと漂ってくる。

古くから続く飲食店の前で猫が大あくびをするのを見届けると、わたしは歩み始めた。


2025年8月22日金曜日

油膜にエアレーションさらには水流緩和、シャワーパイプは変幻自在?

変幻自在のシャワーパイプ

水槽の水流、なんとなくそのままにしていませんか?

実は、水の流れひとつで魚や水草の健康状態が大きく変わるんです。
そこで活躍するのが「シャワーパイプ」。使い方次第で油膜やコケの悩みも軽減でき、見た目以上に頼れる存在です。

今回は、そんなシャワーパイプの魅力と活用方法をストーリでやさしく解説していきます。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

月夜に照らされた気泡が水面に達すると、プツプツと弾けて乾いた空気を潤す。
薄暗い水槽にはプレコが2匹、流木に身を任せて、大きな尻尾を右に左にと揺らしている。

初冬の空気はツンと冷たく、湯上がりのまま布団に滑り込むと、自然とまぶたが重くなる。

だが――

ブゥゥゥゥーン……♪

近頃、これがわたしの安眠を邪魔している。

「うう……またこの音か!」


2025年8月20日水曜日

水換え前にヒーターはOFF フィルターは?エアポンプ・ライトは?

水換えで火傷した話

水換えって、水を抜いて足すだけ……って思っていませんか? 
実はその裏に、ちょっとした「落とし穴」が潜んでいるんです。

今回は、水換え時に電源を切るべき機器について、初心者さんにもわかりやすいよう、ストーリで紹介します。安全に、そして快適にお魚たちとの暮らしを楽しむために、ぜひチェックしてみてくださいね。

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秋の陽射しが柔らかく差し込むと、水槽のガラス越しに光がきらめいていた。プレコが2匹、底砂を這うように動きながらコケを削っている。

「ほんとによくコケるなぁ……」

わたしはため息をつきながら、スポンジを手にガラス面の汚れをこすった。
プレコたちがせっせと働いても、しばらく放っておくとこの有様になる。
いくら彼らがコケ取り職人でも、大食いゆえに自ら引き起こす水質悪化にはかなわないのだ。

だから、わたしは時折、徹底的に掃除することにしている。
のだが……


2025年8月18日月曜日

あ!水温が低い!?ヒーター壊れた? いいえ、それはW数不足かも?

秋の夜のヒーター騒動

水槽用ヒーターは熱帯魚の健康維持に欠かせません。特に秋冬の冷え込みが厳しい時期は、水槽のサイズに合ったワット数を選ぶことが重要です。
力不足だと水温が安定せず、魚も電気代も負担がかかります。逆に大きすぎても水温変動が激しくなるため注意が必要です。

では、どのようにして最適なヒーターを見つければいいのでしょうか?
ストーリーで紹介したいと思います。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

夜の帳が降りると、虫の声が一斉に響きだした。
その騒がしさとは対照的に、空にはぽっかりと浮かぶ満月が、凪いだ水面のように静かに輝いている。
ほんの少しだけ窓を開けると、秋の風がカーテンを揺らし、頬を撫でて過ぎていった。
肌寒い。
季節は確かに進んでいる。

ふと、水槽に目をやると──

「……あれ?」

いやな予感がした。急いで水温計に目をやる。
表示されたのは「24.0℃」。
水温が低すぎる。
ヒーターが、壊れてしまったのだろうか。

以前使っていた20L水槽のヒーターをそのまま使っていたのだが、さすがに寿命なのかもしれない。月明かりの下、水槽の中でプレコがじっと身を潜めている。

「……ヒーターを、換えなきゃ」

小さく呟きながら、わたしは空を仰いだ。

――だが

それ以降、なぜか水温が下がることはなかった。
ヒーターは壊れていなかったのか? 
でも、なぜあの夜だけ24℃まで落ちたのだろう?

わたしの中に、疑問だけがぽっかりと残された。

・この時代には、縦置きできるヒーターはまだありませんでした。


秋の夜のヒーター騒動


季節は移ろうものだから……

それは故障じゃないかもね

流れる風景を眺めながら、わたしはその話を切り出した。
小さな車両の中で、わたしの隣に座っていたのはロゼッタ。
「ふむふむ」と頷きながら、苦笑いをして見せた

秋晴れの空のもと、今日は二人でちょっとした有名観光地にきている。
湾内に浮かぶ小さな島は、好まざる侵入者から防衛するための装置が置いてあったのだが、再開発されて今やベイエリア有数の商業観光地となっている。

今日は、その島にあるショッピングセンターに二人で来ている。

海岸沿いの公園からペデストリアンデッキでビルに入り、雑貨屋や喫茶店をかき分けて進むと、一瞬ロゼッタの黒髪の下でまなこが踊る。
だが、目の前に大きなペットショップが見えてくると、いつもの生物オタク然とした顔つきに戻った。

「さ、行こうか! ヒーターを見に来たのでしょう?」

若い男女、はたから見ればデートかもしれないが、これはれっきとした、熱帯魚マニアによるアクアショップ探訪なのである。



マニアたちとW数

大きなペットショップは、場所が場所なだけあり、デートスポットになっている。
しかし、アクアオタクの私たちには関係ない!
いちゃつくカップルをかき分け、熱帯魚用具売り場へと突き進むと、ピシっとお師匠様が指さした。
見えてきたのは、ヒーターをずらりと並べた鉄の棚だ。
そして、彼女はこちらを振り返ると、鋭い目つきとなった。

「それで、いま何W使ってるの?」
「わ、ワットって……電気の、あれですよね?」

「ワオ! そこから話さないといけないんだね?」

大げさなくらい肩を落として、彼女は首を振った。

「仕方ないなぁ~♪ 今日はボクがみっちりと教えてあげよう!」

いつにもまして瞳を輝かせ、にんまりと笑った。
完全にアクア談義モードに火をつけてしまったらしい。

ヒーターのW数っていうのは、消費電力のことなんだ。これは単位の通り消費電力のことなんだ
「えーっと……ってことは、低ければ電気代が安くて効率が良い……?」

「ブッブー! そう言うと思ったよ! これが違うんだなー♪」

小さく人差し指を振りながら、彼女は勝ち誇ったようにウィンクをしてみせた。
どうやら、彼女の思っていた通りに綺麗に間違えらしい。

「キミは、熱量を求める理科の実験を覚えているかい?」
「えぇーっと、あのJ(ジュール)を求める、ややこしい数式がいっぱい出てくるやつですよね?」

「そう! それなんだ。詳しい話は避けるけど、端的に言えばW数が高いほど、早く、たくさんの水を温められるんだ
「じゃあ、今の水槽ではそのW数が足らないということですか?」

「まぁ。そういうことになるね」

なんとなく、理解したつもりではある。
だが、気になっていることもある。

「じゃあ、わたしの水槽のヒーター、力不足……?」
「多分ね。で、あの日って、夜ちょっと肌寒くなかった?」

「……あ! そうかもしれません! 窓開けてて……冷たい風が……」
「なら、それが原因だよ。季節とは変わるものさ、きっと、気温が下がりすぎて、ヒーターの熱を上回る速度で水槽が冷やされちゃったんだね?

彼女の目が真剣さを帯びる。

「つまり、そのヒーター、もう秋や冬にはパワーが足りないってことだね」

そう言い切ると、少しだけ表情が穏やかなものになったった。

・その20年後、同様のトラブルに見舞われることに……


大きすぎても、小さすぎても

小春日和はデート日和。
体を密着させた男女が、所狭しと商業施設の中をたむろしている。
このヒーター売り場とて例外ではない。
展示水槽に見飽きたアベックが、何の気なしにふらりとこちらに向かうことだってある。
そうなれば途端、男女とは言え水槽という希薄な繋がりしかない、わたしたちの間に流れる空気は気まずいものになるだろう。

だが、肝心のロゼッタは随分と落ち着いている。
いや、場を楽しんでいる余裕さえある。
大したアクアリストだ。

――ジトっ

大いに感心していると、なんだか、ロゼッタに直接白い目で見られたような気がした。
だが、いつもの優しい声色はいつも通り。
適当に合いの手をいれつつ、ぼんやりとお師匠様とわたしの空間を楽しんでいると、急に声を掛けられ現実に戻された。

「ちょっと? ボクの話聞いてる?
「え? あぁ、ちょっと考え事しててね」

「もぉー! それじゃあヒーターのW数の話に戻すね?」

「キミの水槽は秋の夜の寒さで水温が低下するんでしょ? となれば、適正W数のものがついていないと考えられるね」

――適正とは?
思えば、ヒーターはセット品。自分で選んだものではなので、適正W数と言われてもさっぱりわからないのだ。

お師匠様は棚から1つのヒーターを取り出した。

「やっぱり、60cm規格水槽なら200~150W、その半分の水量の45cm規格水槽なら150~100Wかな
「これは……今使ってるものよりも、ちょっとより大きいですね!」

「ははぁん、なるほど!」

そういうと、大きく目を見開き、ぽんと手を叩いた。
なにか、思いつことがあるよで、そそくさともう1つ取り出した。

「キミこのメーカー好きでしょ? じゃあこれかな?」」

ブリスターパックから透けるその姿。
見覚えがある。

「あぁ……これです! 今これを使ってるんです!」
「やっぱりね。じゃあ50Wだね。これは30cmキューブ水槽用のヒーターで、もっと水量の少ない水槽で使われるタイプなんだ」

「でも、どうやって適正なW数を知ればいいんですか?」

すっと指をすべらせながら、透けて見えるヒーターの横のラベルを指し示した。

「あ……! 書いてある
「こうやってパッケージに書いてあるし、それ以外にも、ほら上を見てよ?」

顔を上げ什器のさらに上をみると、色鮮やかに大きく文字の下に、事細かになにやら書かれた看板が天井から吊り下がっていた。
どうやら、水槽サイズに合わせて、ヒーターの適正なW数がまとめあるようだ。
そして、しっかりと30cmキューブの欄には50~80Wと記されている。

「ただえさえ、白か黒の棒でしょう? 分かりずらい商品だからね。こうやって売り手も工夫してくれているのさ」

「50Wは……、やっぱり、力不足ですかね?」
「そうだね、夏はいいかもしれないけど、秋はちょっと心配。冬は明らかに力不足だね」

わたしの期待に応えるようにやわらかく笑いつつ、はっきり断言するように言い切った。

「あぁ……残念です」

しかし、ふと疑問に思う。

「じゃあ、W数は大きければ、大きいほどいいんですか?」
「そういうわけじゃないだ。今回のキミの水槽みたいに、気温に左右されるから、適正サイズ~1ランク上ぐらいがおすすめだよ

「キミの家って木造でしょ? 冬の朝は何度ぐらいになってるかな?」

唸りながら視線を上に向けて考え込むと、気温は分からないが1つの手がかりが浮かび上がってきた。

「詳しく調べたことないですけど、早朝だとアウターを来てちょうどいいくらいですね」
「であるなら、適正の100Wより少し大きなヒーターでもいいと思うんだ。その方が冬になってまた買い足すよりお得だしね」

たしかに、そうなのかもしれない。
それに、真冬にまたヒーターを買い直すということは極力避けたい。
が、1つの疑念が生まれた。

「でも、それって、余計に電気代がかかったりしませんか?」
「それがね、ヒーターの中にはサーモスタットがついているでしょ?」

少し得意げに胸を張って、にやりと笑った。

「あぁ! 自動でオンオフしてくれるから、そこまでかからないんですね!」
「そういうこと」

「もちろん、闇雲に大きければ良いというわけでもないんだよ? 水温が急激に変わるようになるからね?

にんまりと笑みを浮かべながら、お師匠様はまるでクイズの答えを語るように言葉を続けた。

「逆に、避けたいのは、今の君の状況だね。W数が低すぎていつまでも水温が上がりきらないから、ヒーターが通電しっぱなしになっていると思うよ?
「ひぇぇ!? 電気代かかりっぱなし!?

「そういうことだね♪」

思わずその場で後ずさりしそうになる。

「んははは! だから、今日決めていこう!」



冬支度

そのあと、わたしはすぐに新しい150Wのヒーターを慎重に設置した。

ご飯を食べたり、喫茶店で水槽について話し込んだりして、気が付けば時刻は午後9時を回っており、帰宅後は風呂にも寄らず真っすぐ布団に入りたい気持ちでいっぱいになったが、怠惰な気持ちを抑え込み、純白のヒーターをセットしたのだ。

本当はサーモスタット付きの外部タイプが欲しかったのだが……、何度お財布と相談しても予算オーバーで、なくなくプリセットタイプを選んだ。

だが、これで、秋の夜風が入っても、冬の寒波が到来しても、もう心配はいらない。
水槽の中には引き続き常夏の世界であり続けるだろう。



まとめ

水槽用ヒーターは、熱帯魚を健康に育てるためにとても大切なアイテムです。
水温が下がりやすい秋や冬の時期は、特に気をつけてあげたいところですよね。ヒーターを選ぶときは、水槽のサイズに合ったワット数(W数)を選ぶことがポイントです。

水槽の水量に対してヒーターの力が足りないと、いつまでも水温が上がらずヒーターがずっと動きっぱなしになってしまい、魚にも家計にも負担がかかります。
逆に、ワット数が大きすぎると、水温が急激に変わりやすくなり、健康面で魚にとってもよくありません。
そのため、「大は小を兼ねる」とは限りません。

実際のところ、45cm規格水槽なら100W~150W、60cm規格水槽なら150W~200W程度が一般的な目安です。しかし、特に寒い季節や水槽の設置環境によっては、少し余裕をもったワット数を選ぶのがおすすめです。

わたしの水槽では、それでも水温低下が止まらず、45cm規格水槽なのに200Wのヒーターが入っています。

とりわけ、秋風が吹き始め始める9月~10月、寒波が到来し急激に気温が低下し始める12月~1月は要注意。、今回のストーリーで起きたヒーターの低W数によるトラブルが露呈する季節でもあります。

ヒーターに限らず、冷却ファンも同じことが言えますが、季節の変わり目には、水温は必ずチェックし、器具の点検を行いたいものですね。



2025年8月16日土曜日

もしも~ガラス蓋を~割った~なら~♪覚えていてほしい3つの調達法

もしもガラス蓋を割ったなら

水槽のふた、なんとなく置きっぱなしにしていませんか?
うっかり足をぶつけたり、物を落としたりするだけで、ガラスは簡単に割れてしまうもの。

そして、割れてから気づくことになります。
「あ、これって案外大事だったんだな……」と。

今回は、そんな“もしも”のときに慌てないための、ストーリーで対処法をご紹介します。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

バギッ!!!

まるで地雷を踏んだかのような鈍い音。
踏み出した足をそろりと引っ込めた。

あるはずのない、木の床に走る大きなひび。

わたしは、何が起きたのか理解するまでに、幾ばくかの時間を要した。

粉々に砕けたそれは、水槽の脇の床に置いていたガラスのフタ。
わたしのだらしなさを糾弾するように、音を立てて崩れ落ちたのだった。

わたしの後悔を嘲笑うかのように、秋の夕陽を受けたガラスが床に点々と広がり、天井までも煌びやかに彩っていた。


2025年8月14日木曜日

流木、土管、配置換え、さらに……?プレコの喧嘩を抑える4つの選択

プレコの喧嘩を抑える4つの選択肢

水槽の中で繰り広げられる、プレコたちの静かな小競り合い。「また始まった……」とため息をついたこと、ありませんか?

同じ空間に暮らす彼らの相性やテリトリー争いに、悩んでいる方は意外と多いように思えます。

でも、ちょっとした工夫でそのバトル、減らせるかもしれません。今回は、プレコ飼育で起こりがちな「喧嘩」の対処法をやさしく、ストーリーで解説します。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

パチン!
タイマーが切れると、水槽のライトがふっと消えた。

部屋の中に残るのは、カーテンの隙間から差し込む月明かりと、水面にかすかに揺れる反射光だけ。深夜の静けさに包まれながら、わたしはそっと椅子に腰を下ろした。
月の光が、ガラス越しに底を照らすと、今日もまた、その下で「おしくらまんじゅう」が始まった。

グリーンロイヤルプレコとセルフィンプレコが、流木の下で尾びれをねじらせ、グイグイと頭を寄せ合う。どちらかが押し込まれるまでの力比べは、押し合いへし合いでぶつかり合いを続け、わたしのことなど気にもせず、やがて前面のガラスへとたどり着く。
いまこそ観察のチャンスとばかりに、水槽を上からのぞくと、目が合ったセルフィンプレコがさっと水槽の奥へと逃げていった。

彼には申し訳ないが、これで勝負ありとなったようだ。


2025年8月13日水曜日

壊れると大惨事!外部フィルターのOリングにワセリンを塗るのはなぜ

Oリングのメンテナンスとその意味

水槽の外部フィルター、きちんとメンテナンスしていますか?
「最近、なんだか水漏れしてる気がする…」そんなとき、気が付いてほしいのがOリングの劣化です。

この小さなゴムの輪が、メンテナンスしてなかったばっかりに、大きなトラブルの原因になることもあるんです
今回は、小さくても重要なフィルターケースOリングの役割と、簡単にできるお手入れ方法について、やさしくストーリーで解説していきます。

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午後の光が南の窓から差し込むと、ウォールナットの床を照らし鈍く光らせた。
部屋の一角には静かに水の音を奏でる水槽があり、わたしはその横で作業に追われていた。

今日は外部フィルター清掃をしている。面倒な作業なのだが、幸いなことに、わたしの水槽のお師匠様こと、ロゼッタも助っ人に来ている。
その彼女なのだが、なんだかさっきから様子がおかしいのだ。

わたしと一緒に膝を折って水槽台代わりのデスクをのぞくと、不思議なことに目を輝かせ口元を緩ませた。そして、大きなハンドルを下に引き、パワーヘッドを取り外すと、まるで宝物でも発掘したように、口を半開きにしている。

年頃の女性が、こんな作業で夢中になるなんて少々不思議な気持ちが、彼女の今までの生物オタクとしての生態を考えれば、当然のことなのかもしれない。

頬をほんのり紅潮させ、いかにも嬉しそうなその横顔を見ると、わたしはどこか納得してしまっていた。


2025年8月12日火曜日

活性炭は短寿命。アク・臭い・魚病薬の除去、目的をもって使いたい

活性炭とプレコとわたし──知らずにやりがちな活性炭放置のはなし

流木を入れたら、水槽の水がいつの間に真っ黄色!
そんなときに活躍してくれるのが「活性炭」です。目に見えない不純物をぐんぐん吸着し、水をすっきり透明に保ってくれる頼もしい存在なんです。

が……、意外と「短命」で終わるろ材でもあります。
今回は、それについてストーリーで紹介します。

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知らなかったことがある。
ウールマットを交換するたびに、目の前に現れる黒い円盤のことだった。

購入時には青いスポンジろ材とウールがセット済み。
この円盤は大切そうに別の袋に包まれていた気がする。

だが、新しい外部フィルターのオーナーになったわたしは、汚れ一つない外部フィルターを前に浮足立っていたような記憶がある。結果、ルンルンと浮かれた気分で深く考えず、ろ材コンテナにセットした……ような気がする。
もちろん、水槽のお師匠ことロゼッタには、強く何かを言われた気もあるのだが……。


2025年8月11日月曜日

新魚導入時や病気の予防に、粘膜保護剤は困ったときに頼りになる。

粘膜保護剤とは?

お魚にとって「水の変化」は、ちょっとした大事件。
見た目には元気そうでも、実は大きくストレスを感じていることもあるんです。そんなとき頼れるのが、粘膜保護剤。水槽に添加するだけで、魚たちの体を病気からふんわり守ってくれる、あると便利な添加材です。

この記事では、そんな粘膜保護剤について、ストーリーで紹介していきたいと思います。

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扉を押すと、からん、と軽やかな鈴の音が響いた。木枯らし吹き荒れる外とはまるで別世界のように、店内はほんのりと湿っていて、常夏の魚たちが所せましと漂っている。

目の前に広がるのは、無数のガラス水槽たち。並べられた水槽のひとつひとつが、まるで小さな銀河のように光を宿し、それぞれが違う星に住む異星人のようだ。


2025年8月10日日曜日

色温度とは何の温度?水草ライト選びで避けて通れない話をやさしく

色温度とは?

水草の緑がなぜか黄色っぽく見えたこと、ありませんか?

もしかするとその原因は「色温度」にあるのかもしれません。水槽ライトの色味ひとつで、水景の雰囲気や水草の美しさはガラリと変わるんです。

数字の意味を知って、自分好みの“光の世界”を見つけてみませんか?
今回もストーリーで解説したいと思います。

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ベランダでは、色づき乾いた落ち葉がひらりと舞い、迫る季節の移ろいを静かに知らせている。
雨上がりの午後、薄曇りの空から差し込む淡い光が、窓辺の20L水槽に反射し、天井には大きな光の大三角が作られていた。

初めて買った水槽だ。
もう何か月も経つが、右も左もわからず夢中で立ち上げた記憶が、まだ夢のように残っている。
今はすっかり役目を終え、水槽の道具入れになっている。

だが、わたしは今、この水槽にもう一度命を吹き込もうとしている。
アヌビアス・コーヒーフォリア――あの白い新芽が美しい水草に、新たな住処を与えるために。


2025年8月9日土曜日

プレコのおやつどうする?きゅうりや昆布もいいけど、やっぱりアレ!

プレコのおやつは数あれど

水槽の中で、ゆったりと泳ぐプレコたち。その姿を見ていると、なんだか癒されますよね。
でも、ふとしたときに「もっと仲良くなれたらいいのに」と思うことはありませんか?
そんなときにおすすめなのが、ちょっとした“おやつタイム”。手間をかけずに、プレコの喜ぶ姿を間近で見られる方法、ストーリーで紹介します。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

ほんのりとした灯りに照らされた水槽の中で、グリーンロイヤルプレコとセルフィンプレコが、ゆるやかに体をくねらせながら過ごしている。夜の静けさが室内を包み、エアレーションの泡の音だけが心地よく響いていた。

プレコたちの顔をじっと見つめていると、不思議とこちらの心までやわらいでくる。
見れば見るほど愛らしい。ごつごつとした体に似合わぬ丸い目とふっくらとしたお腹。そして悠々とした尾びれの動き。
まるで時の流れから切り離されたような、その静けさが心地いい。


2025年8月8日金曜日

グリーンロイヤルプレコのお迎えから知る、店員さんへの質問の大切さ

今からプレコをお迎えしに、ショップへ行きます

まるで水槽の底にひっそりと暮らす隠れキャラのようなプレコ。
実は初めての方には選び方が少し難しい魚でもあります。
でも、ちょっとしたコツを押さえれば、お気に入りの一匹にきっと出会えるはず。

今回は、グリーンロイヤルプレコをお迎えする一部始終ストーリーで、抑えておきたいポイントを解説していきたいと思います。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

夕暮れどきの風には、かすかに冬の気配が混じっていた。
街路樹は黄色く染まり、足元にはひらひらと舞い降りるのは枯葉たち。
アスファルトに積もったそれらを踏みしめながら、わたしはロゼッタと並んで歩いていた。
彼女はわたしの水槽のお師匠様であり、ふたりで向かっているのは馴染みの店だ。


2025年8月7日木曜日

こんなプレコは要注意、餌付け成否はお迎え前から。その3つの症状

こんなプレコはお迎えをしないほうがいいかも

プレコをお迎えしようと思ったとき、「どの子にしようかな」と迷いますよね。でも、ちょっと待ってください。実はプレコには“選ばない方がいい子”もいるんです。
かわいさだけで決めてしまうと、後悔することになるかもしれません。
この記事では、見た目でわかる注意ポイントをストーブでやさしく解説します。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

イチョウの葉が、はらりと肩に落ちた。
冬の気配が忍び寄る午後、キャンパス内の大通りは黄金色に染まり、赤煉瓦の道が柔らかな光を反射している。枯葉を踏むたび、パリリと音が鳴った。


2025年8月6日水曜日

流木のアク?それともブラックウォーター?黒い水は本当に敵なのか?

アクは敵か味方か?

アクアリウムに流木を入れると、一気に自然の雰囲気がアップしますよね。
とは言え、その茶色い水は、愛魚の鑑賞において邪魔者以外の何物でもありません。

しかし、アクを抜く前に、ちょっと待ってください。
実は、これらはほとんどの魚に害のない成分なんです。それどころか、アマゾン原産の魚たちが心地よく過ごせる水質を作り出してくれるものなんです。

今回は、流木のアクの成分について、ストーリー形式で紹介したいと思います。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

空はどこまでも高く、青く澄み渡っていた。
乾いた風が吹き抜けるたび、街路樹の葉がかさりと音を立てて舞い落ちる。

今その一枚が、わたしの肩にそっと乗った。
桜の葉だ。半年ほど前、薄紅色の花を咲かせていた木々が、こうして静かに散っていく。
儚さの向こうに、確かな季節の移ろいがあった。

校門を出てから、わたしはひたすら国道沿いを歩いていた。
丘陵に沿って緩やかにうねる道は、けれども奇妙なまでにまっすぐだった。
その直線を、わたしは小さな期待と少しの不安を胸に、半時ばかり進む。


2025年8月5日火曜日

プレコとアヌビアスの相性。CO₂添加なし肥料なしでも育つ?

プレコとアヌビアスと水槽所初心者

丈夫で育てやすい水草といえば、やっぱりアヌビアス。
中でも「ナナ」は、葉の美しさと育成のしやすさからアクアリウム初心者にも人気です。実はこの水草、プレコとの相性も抜群。レイアウト性も高く、水槽に自然な雰囲気を加えてくれます。

今回は、ナナではなくコーヒーフォリアのお話ですが、その扱いやすさについてストーリーで紹介していきたいと思います。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

静かな住宅街に、ヒヨドリの甲高い声が響き渡る秋の昼下がり。
水面に浮かぶ蛍光灯の光が、部屋の壁に反射して銀のゆらめきを作っている。

困ったことが起きた。
その日、わたしは水槽の前に座り込み、アヌビアス・コーヒーフォリアの葉を一枚ずつ確かめていた。
この水草に異変を感じたのだ!

一枚の葉に無数に広がる、まるで虫にでも食われたような小さな穴。中心の筋だけは綺麗に残り、一部はまるで葉脈標本のようになっている。

「水の中に葉を食べる虫がいるのか?」

水草と流木を念入りにチェックしてみても、犯人になりそうな昆虫は沸いていない。だが、もう1つ手がかりを見つけた。

5枚葉があるうちの、下2枚だけやられているようなのだ。
犯人は古い葉ばかりを狙ったようで、新芽のやわらかな白い葉には、まだ手跡すらついていいない。

「このままでは、いつか上の葉も……」

そう危惧して、わたしはロゼッタを呼んだ。わたしの水槽のお師匠様だ。
水槽のトラブルを嗅ぎつけては、適切に助言をしてくれる、人畜無害どころか天使のような野次馬的存在だ。


2025年8月4日月曜日

安い!丈夫!軽い!フチあり水槽という選択は初心者さんにはぴったり

フチあり水槽の利点

水槽選びで迷ったことはありませんか?

たしかに、オールガラス水槽は見た目が美しく、透明感抜群ですが、取り扱いには注意が必要です。

では、フチあり水槽はどうでしょう?

実はこちら、丈夫で扱いやすく、初心者さんにもおすすめなものとなっています。

この記事ではフチあり水槽についてストーリーで紹介したいと思います。

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これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語。

秋の夕方は、ため息のような静けさに包まれていた。
乾いた風が頬を撫で、空気は軽やかに澄みきっている。けれども、街路樹の影に足を踏み入れた途端、Tシャツ越しにひやりとした感触が肌にしみた。

そんな外気とは対照的に、引き戸を開けた途端、わたしの体は一気に湿気の塊に包まれた。もわりとした空気。アクアショップ独特の香り、フィルター音、そして漂う湿気。
ここに来ると、夏に戻ってきた気がするのだ。


2025年8月3日日曜日

口コミなんて信じられない?パッケージからひも解くライト選び

疑心暗鬼のライト選び

水草水槽をはじめたいけれど、ライト選びで立ち止まっていませんか?

「育成に向いてるってどういう意味?」
「明るさはどれくらい?」

でも、口コミって信じされない!

――そんな人のために、パッケージからでも分かる選び方をストーリーで紹介します。

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(これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語)

モノレールの終点から降りて、排気ガスまみれの国道を歩く。
わたしの隣を歩くのは、お師匠様――ロゼッタ。
いつもより無口なのは、煤けた煙のせいだろうか。

交差点を一歩踏み出すと、一気に農園が広がった。
清らかな風のシャワーを浴びると、ガソリン臭さに気負けして、忘れていた決意を思い出した。

「今日は新しいライトを買うのだ」

そう宣言して家を出たのだが。
実のところ、わたしはまだ何も決められていない。

スペクトル、演色性(Ra)、色温度(ケルビン:K)、光量(ルーメン:lm)……。さっきまで意味不明な言葉の羅列だったが、お師匠様の熱心な説明で理解はできた。

だが……