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2025年5月28日水曜日

薬剤なし! 水草のコケをスポンジでやさしく除去する方法

水草のコケをスポンジで剥がしてみた

アクアリウムを楽しんでいると、どうしても気になるのが水草に生えてくるコケ。この記事では、誰でも簡単に実践できる「スポンジを使ったコケ取り方法」をご紹介したいと思います。茶ゴケを代表とするようなやわらかいコケを水草を傷つけずに、見た目もすっきり美しく保つコツをお伝えします。なお、前半部分は読み物調となっていますので、あしからずご了承ください。

(苔まみれの水草も……)

(スポンジでなでるだけですっきり)


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静かな沢で出会った、小さないのちの物語


あの日の声をたどって

荒れ果てた水槽を見渡すと、ふいに登山者に掛けられた言葉を思い出す。

「こんな川でも釣れるんですか?」

六月、夜明けと同時に霧の中を林道に沿って歩き続けること約1時間半。やがて青々とした山並みの中から水の流れる音が聞こえてきた。ここは有名な山の麓。都市部からのアクセスも良好で、さらに頂上まで雄大な自然を味わえるとあって、ひっきりなしにハイカーたちが行き交っている。だが、釣り人たちは近寄らない。

標高差1000mある頂上を目指すハイカーと一緒に山に入り、杉の木でできた一本橋をいくつか渡ると、正面にコンクリートでできた人工物が見えてきた。ここで一時の旅の友に別れを告げ、尾根へと続く九十九折の地肌丸出しの道から外れ、アオバオトが歌う森の中を藪を漕ぐようにしてかき分け、河原を目指す。

一度でもこの登山道を歩き、沢を上からのぞき見れば、釣り人がいない理由がすぐにわかる。海からの湿潤な空気がぶつかるこの山域では雨が多く、急峻な土地を落ちるように生まれた川筋は、過去に幾度も災害を生み出してきた。その防災のため、ほぼ100m間隔で堰堤(小さなダム)が築かれており、これが降下や遡上を繰り返す渓流魚たちのライフサイクルを妨げているように思えるからだ。代を重ねて繁栄することなど、到底不可能なはずである。



そっと耳をすませば聞こえてくること

だが、この沢は本当に、生き物のいない「死の川」なのだろうか。
この場所の標高はおおよそ450m、さらに源流地点からの距離も500mととても近い。そのため水質は清らかで水温も低く、緑豊かな山は水がめとして機能し、海からもたらされる湿った空気のため冬も涸れることがない。季節になればトビケラやカゲロウたちが羽化し水面から飛び出すと、登山者などものともせずに群れを成し、我が世の春を謳歌する。実は、人間たちが勝手に死の川だと思っているだけで、実際には魚たちが生息できる条件は整っているのだ。

試しに魚たちの捕食場所となりそうな平瀬に降り立ち、岩に身を隠し、物音を立てずにその時を待つ。ツツドリとアオゲラたちが織りなすリズムに身を任せ、木漏れ日が木々の幹を明るく照らす河原で、待つこと30分。

ピシャ!

魚たちが水面から飛び出して昆虫を捕食する音が、V字にえぐれた谷に響き渡り、思わず左岸に下流を振り返る。瀬脇に大きな波紋ができており、絶対的な数は少ないが、渓流魚たちの世界がそこにはあることを示しているようだった。わたしはいそいそと、頻繁に往来する登山者から目を盗むようにして、登山バッグからルアーロッドを取り出した。

(即座にリリースしました)

このようにして、生きていけるスペースがあれば、生き物は必ずと言っていいほどそこを住処にする。近代化によりその様相は大きく変わってきたが、それは人間にとっても同じことなのだ。



小さな世界で起きた、コケとの静かな攻防


終わりの見えない戦いと、新たな一手

あの夏を思い出さずにいられなかったのは、黒ひげ苔たちを根絶したはずなのに、今度は茶ゴケに侵略され始めたからである。

日々激しさを増す黒ひげ苔との戦い。長く続くその戦いに疲れ果て、ある時わたしは水槽の管理方法そのものを変更することにした。
水を汚さぬよう餌を抑え気味に管理し、黒ひげ苔の好む水流も弱め、さらに日光もカットするために遮光カーテンを設置。様々な施策を打ち、その都度状況は好転してきた。しかし根絶とまではいかず、水草の調子が崩れれば、一瞬で爆発的に増殖する危険性は常にはらんでいた。そこでいよいよ、栽培する水草の種類にまで「黒ひげ苔対策」を組み込むことにしたのだ。より難易度が低く強靭な種に変更すれば、栄養状態も良好に栽培でき、免疫力を高く保てるため、今以上に侵略を抑えられるだろうと。

結果、確かに黒ひげ苔はほぼ撲滅することができたと言っていい仕上がりになった。だが、水槽の中は肥料分があり、炭素源が豊富で、さらに光もある。こんな環境をコケたちが見過ごすはずがない。生きていけるスペースがあれば、生き物は身をねじ込むようにして侵入してくるものなのだ。



新たな敵、しかし思いがけない発見が

そしてやってきたのは、まさかの茶ゴケ。ガラス面に付きやすいことで有名で、日当たりが良く平らな面を好む。
そんな彼らが、木酢液で対処しやすい葉の厚い陰性植物ならまだしも、困ったことに薬品を利用しづらい陽性植物にまでびっしりと張り付いてしまったのだ。
ライトグリーンの魅力的な薄葉が特徴的なテンプルプランツだが、その茎頂部を除いたすべてが茶色く染まってしまっている株がちらほらと出てくる始末。これではトリミング以外に駆除のしようがない。

どうしたものかと、葉を一枚切り取り、手に取ってまじまじと見てみる。ヌルヌルとした表面を確かめるように手で触っていると、……ベロリ。なんということか! 苔がスルりと取れていく。これって、もしかして……!?

使い古したやわらかいスポンジをテンプルプランツにあてがってみる。苔はペロリとはがれ、水の中を漂っていく。これだ! この方法なら、弱い水草でも使えるのではないか!?

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スポンジで手軽にお手入れしよう


スポンジが便利な理由

というわけで……

アクアリウムで水草を育てていると、いつのまにか葉っぱにコケがついてしまうことがあります。せっかくきれいにレイアウトしたのに、コケが目立つと少し残念な気持ちになることも。おまけに放っておくと、光が届かなくなって水草が元気をなくしてしまうこともあります。そこでスポンジの出番となります。

たしかに、コケを落とす方法はいろいろありますが、あえてスポンジを使う理由は手軽で安全だからです。とりわけ茶ゴケのようなやわらかい苔なら、軽くこするだけでスッと取れるんです。もちろん薬品を使わないので、お魚やエビにも安心。ちょっとしたお手入れにも向いていて、水槽のキレイをキープするのにぴったりの方法です。初心者さんにもおすすめなので、ぜひ試してみてください。



水槽内でスポンジを使ってコケを取る手順

準備するものはとってもシンプル。やわらかく、研磨剤の入っていないスポンジを用意しましょう。その使い方は、葉っぱをそっとなでるようにこするだけ。このとき、柔肌な子供の髪を梳かすように力を入れすぎないのがポイントです。また、無理にこすりすぎると葉が傷むため、とにかくやさしくこするのがコツです。コケが取れたら、水換えをして吸い出してしまいましょう。


(5分程度スポンジでなでると……)

(いれいな緑色になりました!)


水草を取り出してスポンジで拭き取る手順

もしコケがひどい場合や、葉が取り出しやすいタイプの水草なら、水槽からいったん取り出してお掃除するのもおすすめです。バケツにカルキ抜きした水を入れ、そこに水草を浸してスポンジでやさしくこすります。汚れがひどいときは、木酢液をスプレーしてもかまいませんが、薬剤は濃度を間違えれば枯死するリスクがあるので、十分注意しましょう。作業後はしっかりすすいでから水槽に戻しましょう。



注意点:スポンジで水草を傷つけないために

スポンジでのお手入れは簡単ですが、扱い方にはちょっと注意が必要です。残念ではありますが、こするという行為自体、水草を多少なりとも傷つけてしまうからです。

例えば、陰性植物のような硬い葉を持つ場合、一見簡単にこすり取れて便利な気がしますが、新陳代謝が遅いため新芽と古い葉の交代がうまくいかず、スポンジで傷ついた葉ばかりになってしまうこともあります。
その逆に、生長の早い陽性植物の場合、スポンジによるダメージが蓄積してくる頃には、茎頂部を利用した差し戻しでトリミングすることになるため、比較的リスクが少なく利用できる場合もあります。

とにもかくにも、葉はスポンジで多かれ少なかれ傷つきますから、何度もこするのは避けましょう。どうしても取りたいときは、気になる部分は素手でこすってみたり、期間をあけて様子を見ながら作業するようにしてください。



コケを予防する日常管理のポイント

コケが発生しにくい水槽をつくるには、日ごろのお手入れがとても大切です。まずは照明時間を1日8時間前後に調整しましょう。光の当てすぎはコケの原因になります。また、肥料やエサの与えすぎにも注意が必要です。そして、週1回程度の水換えを習慣にすることで水質が安定し、コケも出にくくなります。こうした小さな積み重ねが、美しい水草レイアウトを守るコツです。



まとめ:スポンジで手軽に美しい水草を保とう

コケはアクアリウムにとって避けて通れない存在ですが、きちんと対処すれば怖くありません。今回ご紹介したスポンジを使った方法は、特別な道具や技術がいらず、誰でも手軽に始められるのが魅力です。大切なのは、やさしく丁寧に水草を扱うこと。そして、普段のお手入れも忘れずに行うことです。コツコツ続ければ、きれいな水草水槽をずっと楽しめるはずです。

というわけで、今回はここまで。



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