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2021年2月26日金曜日

バイオメック:生物ろ過も物理ろ過もできるちょっと不遇で便利なろ材

EHEIM バイオメック レビュー

厳冬期とはいえ日に日に気温が上がり始め、そろそろ今年の春の予定を立てたくなる時期になり始めましたがいかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、ごん太です。

さて、前回はエアポンプの定番中の定番である

水作水心3Sについてのレビューを述べてみました。

そして今回も引き続きレビュー記事。
半年前サブフィルター2213を設置した際に新規購入した、、、

エーハイムバイオメックのレビューを述べていきたいと思います。


はっきりと言ってしまえば利用し始めてたかだが半年程度です。
ろ材の真価は最低でも1年程度利用してみないことにはわからないことが多いのですが、
それではごん太の記憶があいまいになってしまうこと間違いなしなので、今回は少々早めですがレビューをしてみました。

何か気になる点が後々見つかり次第この記事に追記していく予定です。
それでは軽く購入した経緯などを踏まえつつ、エーハイムバイオメックの紹介などを踏まえレビューをしていきたいと思います。

それでは続きをどうぞ。

なお、今回も長文ですので、お忙しい人は↓目次リンクよりお探しのパートへジャンプしてください。



バイオメックを購入した経緯

このパートではバイオメックを購入に至った経緯について述べていきたいと思います。


流量960ml/h。黒ヒゲが出ないわけがない

さて、今回レビューするエーハイムバイオメックを購入した経緯ですが、その大本は黒ヒゲ苔対策に端を発しています。

ごん太の45cm規格水槽では今までプレコがいたこともありエーハイム2213とエーハイム2222を並列で運用していたのですが、それでは水流が強すぎたようなのです。

それぞれの時間当たりの流量はといいますと、、、


2213:440(L/h)+2222:420(L/h)=960(L/h)

※50Hzの流量をもとに計算


そんなわけですから、

流量だけならエーハイム2217:1000(L/h)(90cm~150cm水槽用)に匹敵していたわけなのです。

そしてご存じの通り黒ヒゲ苔は水流が大好き。
ごん太の水槽には水草が多く植栽されていることもあり大繁殖してしまいました。
しかし、ごん太も負けじと木酢液で応戦。

殖えては減らし、減っては殖え。

この関係が長く続いていましたが、少々疲れてしまったごん太。
結局、黒ヒゲ苔が繁殖しやすい根本的な原因を渋々解消することにしました。



サブフィルター2213を導入することに

さて、改めて述べますがごん太の水槽において黒ヒゲ苔が大繁殖した原因は水流が強すぎたためです。

なので、外部フィルターの並列運用を取りやめる、1台のみに変更しようとしたのですが、それでは水槽全体のろ過容量が減ってしまいます。

とは言え、エーハイム2213→2215のように、ろ過容量を増やせば必然的に流量も増えるため、それでは意味がありません。

考え抜いた結論は、メインフィルターにエーハイム2222を接続し、それにサブフィルター2213を取り付けるという”直列”運用でした。

サブフィルターのように外部フィルターを直列で利用すれば、
ろ材容量は今までのまま、流量はエーハイム22221台分で一石二鳥なわけです。

しかし、、、



目詰まりがトラウマに

過去に同様の組み合わせをして過去に痛い目にごん太は遭っています。
その時の主なトラブルの原因はフィルターの目詰まりとそれが理由で起きる排水の停止。

お恥ずかしながら当時は宗教染みた生物ろ材信仰をしていたごん太は、すべてに目が細かいエーハイムサブストラットを入るだけ詰め込み、しかもそれを直列に2台繋げるという誰が聞いても


それは絶対に詰まるヤツだよ。。。


という極論を地でいく運用方法をしておりました。
今ならきっと突っ込んでくれる人多数でしょうが、当時はネットの情報なんてほとんどなきに等しい時代。


外部フィルターの最大の特徴は生物ろ過。
手を入れるなら長所を伸ばすべき!
だから生物ろ材いっぱい詰め込むべし!!

詰め込むべし!
詰め込むべし!!
詰め込むべし!!!

※極論です。絶対に真似しないでください。


ちょっと冷静になって考えれば明らかにおかしい極論がネット上では散見されました。
が、、、

まぁそれでも普通の水槽なら問題ないのでしょうが、ゴミが多いプレコ水槽は無理なわけで、大きな代償を支払うことになったわけです。

なので、正直な話、サブフィルターや直列運用にはいいイメージはないわけです。



目詰まりしづらいろ材を探す

しかし、黒ヒゲ苔をやっつけ、いままでのように水質安定させるためには、ろ材量はそのままで流量を落とすことが最善であり、やはりサブフィルターを利用するのが一番の近道です。

以前の失敗の原因は”目詰まり”が起きてしまったわけですから、
だったら・・・

目詰まりが起きづらいろ材を利用すればいいじゃない!

というわけで、今回紹介するエーハイムバイオメックに白羽の矢が立った・・・
というのが話の経緯です。

エーハイムバイオメック

経緯について詳しくは、、、



をご覧ください。

話はバイオメックの紹介へと続いていきます。



バイオメックを紹介

というわけで、ここからはエーハイムバイオメックの紹介となります。
いつものようにパッケージや能書きを紹介しつつ、サイズなどについても述べていきたいと思います。


パッケージ前面

それではまずはお約束、パッケージ紹介です。
トップバッターはいつものように前面からの紹介となります

バイオメックパッケージ前面

エーハイム
バイオメック 1L
物理ろ過と生物ろ過、両機能をもつマルチろ材!


と実にエーハイムらしい飾り気のない書体で商品名と、このろ材の特性が記されています。
しかし、書体自体は地味ですが、様々な謳い文句やピクトグラムでろ材の特性をアピールしていおり、白地に水色とグレーを合わせた背景も相まって、全体的にはかわいらしい印象にまとまっています。

それぞれパッケージ前面に記された文章を紹介しておくと、、、

まずパッケージ上端には

物理ろ過
生物ろ過

と記入されており双方対応していることをアピールしています。

また、右端には、、、

バイオメックパッケージ前面右側

dirt trap(ゴミをトラップ)
400m2/l(表面積)
fesh(淡水用)
marin(海水用)


というこのバイオメックの詳しい情報が、実に愛らしいピクトグラムが添えられています。
その右下には、、、

「LAB TESTED PHENOL FREE Made in Germany」

とフェノールフリーであることと、ドイツ製であることが記されています。

さらに中央にはバイオメックの写真があり、その左下には黄色い文字で水質に影響を与えないことや、水流を分散しながらゴミを濾すこと、さらには多孔質ろ材を利用していることなどが、黄色尾文字で謳われています

バイオメックパッケージ前面左側

最後に

パッケージ正面に情報が満載されていますね。

能書きを盛り込むだけ盛り込み、文字だらけなパッケージな実にエーハイムらしいパッケージとなっています。

活字中毒のごん太にとっては非常に嗜好性の強いエサでもあります。
(ごん太はこのパッケージだけでご飯3杯はいけます。←やばい人



パッケージ側面

続いて側面。
まずはパッケージ正面から向かって右側面。

バイオメックパッケージ側面

エーハイムクラシックシリーズを用いて、ろ材の組み合わせの凡例が2つ載っています。

バイオメックパッケージろ材組み合わせ凡例1

上段の凡例では水の流通経路順に記すと


吸水パイプ

バイオメック

青スポンジ(粗目パッド)

サブストラットプロ

ウールマット(細目パッド)

活性炭

パワーヘッド


と、バイオメックの次に青スポンジが来ていることがお分かりいただけるかと思います。

バイオメックとサブストラットプロが混ざらないように青スポンジを挟んでいるということもあるでしょうが、
おそらくはバイオメックと青スポンジでは、

バイオメックの方が青スポンジの方が目が粗いため、このような順になっているのでしょう。

また、同様のことは後述するパッケージ裏面の現行エーハイムプロフェッショナルシリーズを用いた凡例でも同様に利用方法をしている事からも伺えます。
ですから、、、

バイオメックが作り出す篩(ふるい)の目はかなり粗いということが読み取ることができます。


ろ材の目の細かさもしくは粗さというのは、通水性や設置場所、さらにはろ材の組み合わせにも直結する情報ですから、
バイオメックを検討中、もしくは前から気になっているという人はその点を留意しましょう。
詳しい話はレビューで述べたいと思います。

続いて下段の凡例では

バイオメックパッケージろ材組み合わせ凡例2

吸水パイプ

バイオメック

パワーヘッド


と紹介され、エーハイムバイオメック単一でも十分生物ろ過を行えることが示されています。
(但し注意事項あり:詳しくはパッケージ裏面パートで。)

次はその反対側であるパッケージ正面から向かって左側面。

エーハイムバイオメックパッケージ側面左

エーハイムメックの3つの特徴と題して、その性能が謳われています。
詳しくは上の写真もしくはエーハイムのHPなどでご覧いただきたいのですが、ざっくり言うならば、


・ろ材は中性であり水質に影響を及ぼさない
・水を分散させゴミを濾しとり、多孔質である
・耐久性が高い


といったところでしょうか。
こちらも詳しくはレビューで述べていきたいと思います。



パッケージ裏面

最後はパッケージ裏面。

そのほとんどは文字で埋まっていますので、注目箇所だけピックアップします。
まず、裏面左半分は注意事項となっており、その隣右半分上段にはエーハイムバイオメックの目の細かさを図で記述されています。

バイオメックの目の細かさパッケージより

右から順に生物ろ過向けろ材から物理ろ過向けろ材となることが記されています。
また、その横のプロフェッショナル4(もしくは3、3e)を用いた凡例ではろ材を設置すべき順が順が示されています。

こちらもバイオメックは青スポンジの前方にセットされていますね。

そんなろ材としてのバイオメックの立ち位置について述べている右半分の下側は実際の使用方法を述べています。

こちらは詳しく述べていると一向にレビューに進めませんので、ポイントにアンダーラインをつけておきました。

バイオメック利用方法

ポイントをさらに要約すると、、、

設置場所はろ過槽の先頭で全量の1/4以内。
バイオメックのみにする場合は、排泄量の少ない水槽で。


といったところでしょうか。

随分長くなってしまいましたが、ここまでがパッケージ紹介。
続いてバイオメックそのものについての紹介となります



ろ材のサイズや重量

随分とパッケージ紹介が長くなってしまいましたが、ここではバイオメックそのもののサイズや重量、そして形状について述べていきたいと思います。

エーハイムバイオメック、アングルその2

まずはそのサイズですが、、、


【エーハイム:バイオメックのサイズ】

外形:15mm×15mm×7mm
(中央の穴:直径7mm・深さ2mm)


直方体となっています。
サブストラットやメックと比べると大粒ですから、外掛け式などろ過槽が小さなフィルターで利用する際は注意が必要でしょう。

また、重量は1L(1袋)あたり680g。

最近流行りのプラスチックろ材などと比べるとなかなか重量がありますが、セラミックを使い慣れている人ならばそれほど重いとは感じないはずです。

(と言うよりプラスチックろ材が軽すぎるのですが。。。)

最後にその形状について。

バイオメックはセラミックろ材では珍しい四角形の形状をしていますが、そのサイズは比較的大きく、そして平たく、さらに四角形の中央は丸く凹んでおりその珍しさに拍車をかけています。

おそらくですが、、、同じくエーハイム正の物理ろ材であるエーハイムメックはゴミを濾すために直径1cm×高さ1cmの円筒形をしており、バイオメックと比べると小ぶりで当然目も細かくなるのですが、
目が細かくなることで悪化しやすくなる通水性を確保するために、ろ材の真ん中に穴をあけたいわゆるリング状となっています。

では、バイオメックは?と言いますと、、、

バイオメックは大きなサイズで大きな目を作り通水性を確保しつつ、
真ん中の穴で表面積を確保しつつ、ゴミを引っ掛けるという仕組みのようです。

バイオメックとメック

両者には大きなアプローチの違いがあり、それがサイズ感と形状に大きな違いとなっているようです。

・・・

というわけで、話がレビューの様相を呈してきましたので、そろそのこの記事の本題であるバイオメックのレビューをしていきたいと思います。



優れている点その1:目詰まりしづらい

ここからは本題。
エーハイムバイオメックのレビューとなります。
まずは優れいている点から述べていきたいと思います。


目が粗く多孔質である

まず何といってもその最大の特徴は、、、

生物ろ過”も”できる物理ろ材であるために、ろ材が大きく目詰まりが起きづらいことです

製品紹介のパートでも記しましたが、
このエーハイムバイオメックはセラミック製物理ろ材の代名詞たるエーハイムメックと、生物ろ材であるエーハイムサブストラットの間を埋めるろ材です。

物理ろ過と生物ろ材両方の役割を果たすことができるよう、
物理ろ材として必須となる目詰まりが起きづらい構造と、
生物ろ材では重視される多孔質素材という、2つの要素を取り入れています。

そのおかげで、目詰まりしづらい生物ろ過”も”できるろ材となっています。
目の粗さやパッケージの利用方法、そして、ごん太が実際に利用した感触では、

生物ろ過と物理ろ過を50:50の割合で仕事ができるろ材という感じではなく、どちらかと言えば生物ろ過もできる物理ろ材といった感じです。

そんな物理ろ材寄りなバイオメックですが、ごん太的にはパッケージのとある文言が気になります。



とある疑問

で、気になるのがパッケージのこの文言。

「小さなゴミも大きなゴミも効率的にキャッチしつつ”水流を分散!”」

”水流を分散”という文言から、

水流を分散=水がぶつかり逃げる=水流の抵抗になる? =もしかして、ろ材そのものの通水性が悪い??

という因果関係が想起できなくもないです。

しかし、これはごん太の経験的に言えることですが、おそらくは正しく利用している範囲では気にしなくても問題ないでしょう。
といいますのは、、、

よほど目の細かいろ材をギチギチにでも詰め込まない限り、
水流はろ材とろ材の隙間を縫うように通るので、
ろ材の形状はそれほど大きく流量に影響を及ぼさないからです。

もちろんこれはフィルター内にろ材のみが入っているときの話です。
そのような隙間が多くあるセットしたて、もしくはメンテナンス直後のフィルターでは、ろ材の目が大きかろうが小さかろうが、適切にろ材を設置していればフィルターの流量はそれほど変わらない・・・というのが、ごん太の経験則です。

問題となるのは材単体ではなく、ろ材とフィルター内に入ってきたゴミや硝化細菌のコロニー組み合わさった時の話。

特に生物ろ材と呼ばれるろ材は、ざらざらとした材質であり、またそれが作り出す目が細かいため、硝化細菌が定着しやすくゴミも溜まりやすいという特徴を持っていることが多いです。
そして、ゴミが溜まれば目が詰まるため、水が抜けにくくなる=通水性が悪化しやすいろ材というわけです。

逆に物理ろ材は大きなゴミを濾すために作られたろ材ですから、大きな枯葉や残飯などが引っ掛かっても通水性が悪化しないように作られています。
そのため目が大きいためにゴミを溜め込みづらい反面、硝化細菌も定着しづらいという特徴があります。

前者はエーハイムで言えばサブストラットやサブストラットプロ。
後者はフィックスやメック、そしてバイオメックがそれにあたります。

そんなわけなので、バイオメックはどちらかと言えば物理ろ材としてのが性質が強いので、サイズが大きく目も粗くゴミを溜め込みづらいろ材となっています。

ですから、水流の抵抗になりそうな形をしていますが、それとは裏腹に通水性の良いろ材なのです。

通水性が良いろ材=リング状じゃなきゃダメ!

と考えがちですが、リング状にするのは、表面積を確保しつつゴミで目が詰まらないようにするためです。
バイオメックも上下に窪みをつけて表面積を確保しつつ、サイズを大型化し目を粗くして詰まらないようにしているわけですから、

手法は多少違えどその目的と効果はリング状のろ材と同じだと言えるでしょう。



実際に利用してみてわかるサブストラットとの差

じゃあ実際半年使ってみてどうなの?ということになるのですが、
ごん太はエーハイムバイオメックの後方に、生物ろ材であり経験上詰まりやすいエーハイムサブストラットを設置してあり、ろ材清掃時に度々に両者の汚れ具合を時々比較しています。

やはりエーハイムバイオメックよりもエーハイムサブストラットの方が汚れを溜め込んでいる、つまり、、、

サブストラットと比べると目詰まりしづらい印象です。

生物ろ材として生まれたサブストラットと生物・物理ろ材として生まれたバイオメックを比較すれば、それは当然と言えば当然のことなのですが、パッケージの通りろ過槽の先頭に設置しても通水に悪影響が出づらいろ材だと言えるでしょう。



サブストラットとバイオメックの汚れ具合を比べてみた

上のパートで述べた通り、バイオメックはサブストラットに比べるとゴミを溜め込みづらく、目詰まりしやすい【印象】を持っていたごん太ですが、
この印象がどれほど正しいのか実験してみることにしました。


【!注意!】

なお、このパートではろ材に含まれていた汚れの写真が載せてありますので、お食事中の人はコチラのリンクより次のパートへとジャンプしてください。
次パート(生物ろ過について)の途中へと飛びます。



 

それでは実験について説明したいと思います。
目詰まりしづらいろ材というのは、それだけゴミ(特に細かいゴミ)を溜め込まないろ材とも言えます
ですので、それぞれのろ材をカルキ抜きした綺麗な水で別々に洗浄し、汚れ具合を比較してみることにしました。

短絡的ではありますが、ゴミを溜め込んでいない方が目が粗く、目詰まりしづらいというわけです。


【実験方法】

①、それぞれのろ材コンテナ取り出す
②、ろ材コンテナをバケツに入れる
③、カルキ抜きした水をコンテナが隠れる程度入れる
④、30秒ろ材コンテナをゆすり、ろ材を洗浄
⑤、それぞれのろ材から出る汚れを写真撮影し比較する


まずはバイオメックから。
このバイオメックはエーハイム2222の2段構成のろ材コンテナのうち、吸水側にセットしてあるものです。
なお、今回の洗浄は1カ月ぶりの洗浄となります。

こんな感じでバケツに取り出して、、、

1カ月ぶりにバイオメックを洗浄してみる

カルキ抜きした綺麗な水でろ材コンテナをフリフリして30秒間洗浄!
その結果が↓になります。

バイオメックを洗浄して出たゴミ

意外と汚れが溜まっていないようです。

次は、サブストラット。
こちらのろ材はエーハイム2222の2段構成のろ材コンテナのうち、排水側にセットしてあるもの、つまりはバイオメックの後方にセットしてあるろ材です。

こちらもこんな感じでバケツの中に取り出して、、、

1カ月ぶりにサブストラットを洗浄してみる

バイオメックの時と同様にカルキ抜きした綺麗な水でろ材コンテナをフリフリして30秒間洗浄します。
結果は、、、

サブストラットを洗浄して出たゴミ

やはりバイオメックよりも汚れているようです。

というわけで、サブストラットよりもバイオメックの方がゴミを溜め込みづらく目詰まりしづらいようです。

もっとも、紹介パートでもレビューパートでも述べていますが、バイオメックの守備範囲は生物ろ過と物理ろ過ですから、

↑の写真になるような細かいゴミもろ過する対象ですが、
朽ちた水草の葉や大きな糞、食べ残した残飯なども対象も対象に含まれます。

そういった大きなゴミ相手に目が細かければすぐに目詰まりしてしまうことが目に見えていますし、
なによりもバイオメックの役割は、、、

サブストラットやサブストラットプロなどの生物ろ材の大きなゴミが詰まらないようにすること。

ですから、サブストラットよりも目が大きく、小さなゴミを溜め込みづらく、目詰まりしないのは当然と言えば当然のことでしょう。

さらに言えば、こちらも既に軽く触れましたが、上の写真のような茶色のチリ状のものを”ゴミ”とひっくるめておりますが、おそらくはバクテリアのコロニーも多く含まれているはずです。
生物ろ材は生物ろ過を行うためのろ材ですから、バクテリアが定着しやすく作られているわけなのです
もちろんそれゆえ目詰まりしやすいわけなのですが、微生物を定着・繁殖させやすいように作られているのが生物ろ材ですから、こちらも当然ことなのです。



ろ材を組み合わせる意味とバイオメックの組み合わせ

さて、実はこの記事のもう1つの隠れたテーマでもある、、、

目が細かく目詰まりしやすいろ材は通水性を維持しづらいのでダメなのか?

という、バイオメック購入以前から抱いていた疑問について、自分なりの結論をここでは述べたいと思います。

実は我が家のバイオメックとサブストラットの汚れ具合を観察するうちにごん太も考えを改めるようになったのですが、

目が細かくて詰まりやすいことは決して悪いことではありません。

もしフィルターケース内に目の細かい生物ろ過がなく、目の大きな物理ろ材の後方に直接ウールマットがある場合、ウールマットの汚れが激しくすぐに詰まることが予想できます。
だからと言ってウールマットなしにすれば細かいゴミが粉雪のようにフィルターから排出され続けることも予想できます。

つまり、いくらろ材を変えても水槽から生まれ出るゴミの量は変わりません。
結局はどこかで濾しとるか、それともそのまま水槽に排出するか、という2択になります。

そして、そもそも目詰まりというのは、ゴミが集中しすぎて起きるわけですから、

フィルター全体でバランスよく各ろ材が受け持つゴミの量を受け持つこと、

これを成すために、ろ材を適切に組み合わせることが、目詰まりを防ぐ手立てで1つの手立てだと、ごん太は考えるようになりました。

そんなわけで、繰り返しますが、

生物ろ材を詰まらせないのがバイオメックの役割というわけです。

しかし、これはごん太の環境に限った話かもしれませんが、
やはりバイオメック→サブストラットでは、目が粗いから突然目が細かいにジャンプしているようで、バイオメックでは取り切れなかったゴミがサブストラットに集中しているようです。

目の細かさとしての理想はパッケージの通り、バイオメック→青スポンジ→サブストラットなわけですから、サブストラットのような生物ろ材の前、バイオメック後方に青スポンジなど目がほどほどに細かいろ材を設置したほうが、より有効に利用できるはずです。

その所感を例えるなら、目が粗く生物ろ材もできるエーハイムメックといったところでしょう。



優れている点その2:生物ろ過もできる

そんなわけで、今までのレビューは”目の詰まりやすさ”をメインとして、ゴミや生物ろ過について述べてきましたが、ここからは生物ろ過を主題にして述べていきたいと思います。


アマチュアアクアリストの観察の限界

さて、バイオメックは多孔質でできているので生物ろ過、物理ろ過双方をこなせるろ材です。
実際に写真のようにバクテリアのコロニーと思わしきものがバイオメックには良く見受けられます。

バイオメックの硝化細菌のコロニー

ここではそんなバイオメックの生物ろ過能力について述べていきたいと思います。

まずこれはごん太の今までのアクアリウムの経験、つまりは【個人の経験則】から言えることなのですが、

ろ材して販売されている物の生物性能はそれほど大きく変わりません。

もちろん、異論はあると思います。
じゃあ立ち上げ時の各ろ材の違いはどうなんだ!と思わる人もいるでしょう。

も ちろん、ろ材のより立ち上げ期間は多少変化します。
立ち上げ期間が短くなれば毎日に大変な思いをして水替えしなくて済むわけです。

しかし、それはこれから2年3年、時に10年と続くアクアリウムのほんの最初に1カ月に過ぎません。
ですから、立ち上がりの早さだけでろ材の生物ろ過すべてを語るのは非常に難しいです。

そして、立ち上げ後にはエーハイムバイオメックだろうが、エーハイムサブストラットだろうが、シポラックスだろうが、

一度 水槽が立ち上がってしまうとその”生物ろ過能力”の違いを観察することができません。

水槽が立ち上がってしまえば、たとえ理屈の上では存在していたとしても
アンモニアも亜硝酸も検出されないからです。

観察することができないから、ろ材による生物ろ過能力に大差はないというのは何とも横暴な話ではあるのですが、

それがアマチュアであるアクアリストの限界でもあります。
もちろん、大学レベルの実験室ならばより細かい事もわかるのでしょう。

そんなわけですから、ろ材の論点は継続的にろ過を維持するためにの要件たる目の細かさやそれによってもたらされる通水性、さらにはメンテナンス性など、立ち上げ後の使い勝手に目が向けられる、というわけです。



生物ろ過性能を予想してみる

ちょっとややこしい話になってしまいましたが、何が言いたいのかといいますと、アクアリスト程度では市販されている各ろ材の生物ろ過性能の”差”を完全に把握することは難しいのです。

しかし、全体的な傾向ならば【なんとなく】ではありますがつかむことができるため、ここではぼんやりとした話しになります、半年間利用した経験をもとにバイオメックの生物ろ過性能を予想してみたいと思います。

そんなバイオメックですが、まず言えることはですが、多孔質でできているため生物ろ過も”ある程度”ならこなすことができるはずです。

じゃあ具体的にどの程度なの?というのはたかだか当ブログレベルでは不明です。

しかし、
エーハイムメックのような物理ろ材のみで生物ろ過を担っている水槽もありますし、また粒の大きい大磯砂のような砂利でも十分にろ材として機能することを考えると、

バイオメック単一構成でもうまいく水槽を立ち上げられれば、排泄物とのバランスが取れる限りは何ら問題なく利用できることが想像できます。

しかし、専用の生物ろ材ではないため、このろ材単体で水槽を立ち上げるならば多少なりとも多く時間がかかるでしょうし、
もし、これ単一で水槽のろ過全てを賄おうとするならば、、、

パッケージの注意書きにある通りアンモニアの排泄量の少ない水槽でなければ少々厳しいかもしれません。

そんなわけですから、パッケージの紹介のように、生物ろ過は青スポンジや専用ろ材に任せ、バイオメックには物理ろ過をメインに担ってもらいつつ、多少生物ろ過にも手を出してもらうというのが、本来の利用方法であるとごん太は考えています。



優れている点その3:耐久性あり

さて、今回紹介しているエーハイムバイオメックのその耐久性ですが、ごん太の経験上ではありますが、ろ材コンテナなどに入れ適切に利用している限り、、、

たかだが6カ月程度では割れたり崩れて粒子が発生することはなさそうです。

バイオメックそのものは硬いセラミックでできていますから、当然と言えば当然です。
しかし、次の画像をご覧ください。

バイオメックの粒子

グレーのバケツの底に、ところどころクリーム色の”ナニカ”があるのがわかりますか?。
実はこれ、バイオメックを包んでいた袋もしくは初回利用時の洗浄で出たと思われるセラミックの微粒子です。 そんなわけですから、


バイオメックに不必要な荷重がかかったり、擦れ合ったりするようなろ過槽で利用する場合は、
セラミックの微粒子が発生しうると思われますので、注意が必要です。


ただまぁ、上の写真で出ている粒子の量は、一般的なセラミックろ材と大して変わりありませんし、なにより外部フィルターのろ材コンテナに少々ゆとりが出る程度に詰めれば、無用な荷重はかかりませんから、そのような微粒子は出ないものと思われます。

オーバーフロー水槽のろ過槽のように、ポイポイと大型のネットに入れたろ材を大量に放り込む場合、ろ材自体に結構な重さが掛かかり水流などで擦れれば粒子は出るはずですので【どんなセラミックろ材でも】要注意です。



優れている点その4:水質に影響を与えず安心のドイツ製

このろ材に限って言えばドイツ製です。

バイオメックはドイツ製

もちろん、最近はエーハイム設計ながらも中国製なアイテムも増えていますから、エーハイム製品がすべてドイツ製というわけではないです。

しかし、ドライろ材ではなくウェットろ材は直接水に触れろ過作用をするわけですから、pHが大きく変わったり、何か有害成分が溶出するようろ材は、魚のためにもなるべく利用したくないというのが、親心です。

そうなるとやはり、

安全そうな製造国かつ安心できるメーカーのもの

ということになります。
そう考えるならば、made in Garmany で水質に影響を及ぼさないエーハイムバイオメックは不安なく利用できるろ材の一候補だといえるでしょう。。



残念な点その1:ちょっと大きすぎる

そんな風に素晴らしい点がたくさんあるエーハイムバイオメックですが、良い点があれば悪い点があるのがこの世の理。

ここからはエーハイムバイオメックの残念な点について述べていきたいと思います。

・・・しかし、レビュワーであるごん太は熱心なエーハイム信者ですから、その点を加味して読んでいただければ幸いです。


ここでそのサイズを比較するために、ごん太が持っている数種類のろ材と比較してみました。

バイオメックのサイズを他のろ材と比較

左から、シポラックスミニ、メック、バフィーサポート、サブストラット、バイオメックを、シポラックス、ミューロAの順に並べてあります。

その特徴的な構造で目立つということも確かにあるのですが、バイオメックは他のろ材と比較して少々大きいのがお分かりいただけるかと思います。

もちろん、ろ材コンテナが大きい外部フィルターで利用するには何ら問題はありません。

問題となるのはろ過槽が小さいフィルター形式で利用する時です。

具体的にはテトラワンタッチシリーズのような外掛けフィルターやGEXF1フィルターのような水中フィルター、水作エイトシリーズのような投げ込み式フィルターで利用する場合、
物理ろ材として利用することが想定されているバイオメックでは目が大きいため=ろ材間に大きな隙間ができるため、

ただでさえ少ないろ過容量が無駄になる傾向が強いです。

しかし、こういったことはなにもバイオメックに限らず、ちょっと大き目なリングろ材、例えばシポラックスでも起きることです。

そういった小さなろ過槽をもつフィルターにセラミックろ材を利用した時は、シポラックスミニのように小粒のろ材を利用することをお勧めしたいです。

バイオメックはろ材サイズが大きくすることで目を粗くし通水性を確保しているわけですから、バイオメックを小さなろ過槽で利用するというのは、ろ材のコンセプト的からして不向きなのです。



残念な点その2:立ち位置が微妙

残念な点その2、立ち位置が微妙。

おそらくですが、初めて外部フィルターとそのためのセラミックろ材を新たに購入しようと考えている人が、いきなりこのエーハイムバイオメックを選ぶことは少ないのではないかと、ごん太は考えます。

外部フィルターと言えばエーハイムですし、そこで利用するろ材にエーハイム製のセラミックろ材を選ぶことはよくあることです。

しかし、その競合相手であるエーハイム製セラミックろ材があまりにも有名な物ばかりなのです。

結局は、サブストラットやサブストラットプロ、メックやメックプロがバイオメックが多くの人に選ばれるわけですから、身内で機会を損ねているように思えるのです。

また、エーハイムクラシックシリーズを除き、昨今の外部フィルターは複数段に分割できるろ材コンテナが搭載されるようになって久しいです。

それにより


1段目は物理ろ過とスポンジろ材、2段目は生物ろ過とウールマットと活性炭マット


というようなろ材の棲み分けがほとんどの外部フィルターで実現可能です。

とすれば、

バイオメックのような生物ろ過と物理ろ過の双方ができるマルチプレイヤーを全段にいれるよりも、
それぞれのエキスパートであるメックとサブストラットプロをそれぞれ入れる人の方が多いのではないでしょうか?。

それぞれ有名な生物ろ材と物理ろ材に挟まれいるため、
なかなか微妙で不遇な立ち位置と言えそうです。

しかし、バイオメックはそれ自体良いろ材です。
大きなろ材ですからメックのように目詰まりも起こりづらく、多孔質ですからサブストラットのように生物ろ過も期待できます。

が、、、あまりにも兄弟が優秀すぎるので目立っておらず、”もったいない”というのがごん太の率直な感想です。



残念な点その3:値段が微妙

残念な点その3、値段設定が残念。
兄弟が優秀すぎるから・・・と上のパートでは述べましたが、実は値段設定でも同様のことが起きています。

コロナ禍でamazonのアクアリウム用品が以前よりも随分値上げされてしまったので今回はチャームでの販売価格(2021/2/26時点)で話を述べていきますが、

メック、サブストラットプロレギュラー、バイオメックの値段はそれぞれ、、、


メック 1L 1000円
サブストラットプロレギュラー 1L 1400円
バイオメック 1L 1700円


というわけで、

価格的な面でもバイオメックは兄弟たちまたまた邪魔されています。

もちろん、メックやサブストラット(プロ)は有名なろ材ですからバイオメックよりも需要がありその分安いということもありそうですが、値段設定でも”もったいない”と言わざるを得ません。

結局はメックとサブストラット、サブストラットプロが強すぎるのです。



総評~優秀な兄弟に挟まれた不遇ろ材バイオメックはこんな人におすすめ~

結局のところエーハイムバイオメックは優秀であるものの、まだまだ知名度がそれほど高くないろ材です。
しかし、兄弟たちも優秀でありそれ以上に有名なので、不遇ともいうべき状況となってるものと思われます。

ろ材自体は目が粗いためフィルターが詰まるようなことは無く、
その表面は多孔質であるがために生物ろ過も期待できます。

何度も述べていますが物理ろ過と生物ろ過双方がこなせるマルチなろ材です。

そんな特徴があるわけですからごん太としては次のような人にお勧めしたいと思います。


・目詰まりしづらいろ材を探している人
・生物ろ材が目詰まりしやすく困っている人
・物理ろ材と生物ろ材の間に何かろ材を入れたい人
・単一ろ材でフィルターを稼働させたい人
・融通の利くろ材を探している人
・エーハイム製品マニア


もちろん、物理ろ過もできるろ材ですから、極端にゴミが出るような水槽でなければエーハイムメックの代用としても利用できるでしょう。
(が、値段と知名度的にメックを選ばれると思います。

逆に、生物ろ過もできるろ材ですから、こちらも魚の排泄量が少なければサブストラットの代わりもできるはずです。
(が、やはりこちらも値段と知名度サブストラットプロを・・・

そんな風にも言えますが、それを裏返せば、、、

二つのエキスパートに仕事が奪われがちで一見ニッチなろ材に見えますあ、幅広い守備範囲を持つ優秀なマルチプレイヤーと言えるでしょう。

というわけで、今回のレビューはこれでおしまい!