ややレア機種のウールマット問題
梅の花が咲き誇る季節となりました。
今回は、20年歳をそろそろ迎えるエーハイム2222で起きた、年初で最もドッキリしたお話。大げさに書けば、一瞬ですが垣間見てしまったのです。外部フィルターが突然使えなくなるという事態を。
なお、今回もほぼ読み物です。
フィルター選びの参考になればと思い、綴ってみました。
ろ材清掃から垣間見る消耗品の重要度
とある日の朝、水槽に向き合います。いつもの定期的なメンテナンス。
ウールマット交換&ろ材清掃をしていきます。
今日の対象はエーハイム2222。電源OFFからのタップレバーをグルリとひねり、四隅のクランプを緩めます。すっとパワーヘッドが外れると、真っ黒に汚れたウールが目に飛び込んできます。随分と汚れているな……。
それらを清掃のうえ再セット。
あ……そうそう、変えのウールマットを準備しなくては……
が……
あぶなっ! ウールマットが最後の一枚!!
もし、1枚もなかったら、フィルターを稼働できません。
もちろん、ハサミで形を合わせた上部フィルター用ウールを流用したり、モミモミと洗浄した再利用すれば確かに稼働はできます。しかし、気持ちよく水槽のろ過をお任せできる状態だとは決して言えません。
……さて、高額な機器がありふれているアクアリウムですが、実は消耗品の下支えがなければ成立しません。壊れないで有名なエーハイムの外部フィルターとて、例外ではないのです。
ウールマットから思い出す2222の昔話
四角いあの子
そもそも、このエーハイムプロ2222を購入したのは20年以上前の話。
エーハイムエコ2231やエーハイムクラシック2211をすでに持っていましたが、ショップで見たエーハイムらしからぬ四角形を大そう気に入ってしまったのです。
高価ではありましたが、安心と信頼のエーハイム製。
年間当たりの経費として考えれば高くありません。また、ホースやパイプが付属しており、すでに持っていた2231と共通規格であるため融通が利く。……などと、もっともらしい理由を付け始めると心は、完全にお買い上げモード。ドイツ製フィルターの虜です。
気になるのは断面が四角形であるということ。
当時は外部フィルターが円柱ばかりであるのは、水圧がケースとヘッドの隙間に均等に掛かり水漏れが起きづらいからだと考えられていました。となれば、直方体のボディを持つ機種は水漏れをするのではないかと噂になっていました。
実際には、プロシリーズは四角形のままシリーズ4として現在まで続くことになり、他社からも直方体のフィルターが発売されたことを考えれば、所詮噂話であったことがうかがい知れます。
んが、それは後で知ることになる話。
当時は清水の舞台から飛び降りる気持ちで、この子をお迎えすることにしました。
消耗品のことなんて全く考えもせずに。
まさかのセット販売
勘の良い人ならもうお気づきかもしれません。そう、外部フィルターの購入は一度きりでも、ウールマットは毎月交換しなくてはならないのです。
そんなことを考えもせずに、工夫をこらしたろ材ケースや、沈殿槽的なスペース、さらには振動がほとんどな極めて静音なパワーヘッドに大満足。
翌月困ったことが起きます。
ウールマットです。独特の形状を持つろ材ケースゆえにこのフワフワろ材もまた特殊な形状であはありますが、問題は決して主流派ではないこと。最寄りの店を数か所巡って見ますが取り扱っていません。
仕方なく、2222の購入店へ向かいますが、純正専用マットの値段を見て愕然とします。
青マット1枚、白マット2枚のセットで約1500円也。実質ウール一枚750円。
ワナワナと手を震わせながら店内を回っていると、なんとその裏の棚に救世主が置いてあるではないですか!? ダイカオプションフィルター13。こちらはサードパーティー製ですが6枚はいって1000円。もう即決です。
それ以来フィルター買うなら、ウールなどの消耗品の値段を徹底的に調査すべし、そんな癖がついてしまいました。
(中心線からズレた位置にある穴が特徴) |
あれから相当な月日がたちました。
プロ2222は未だ現役。
20年前には、
「エーハイムが20年もつ」
という話を疑っていましたが、これはどうやら本当のことのようです。
そんな話を思い出しつつ、流れ過ぎ去った月日をかみしめ、この記事の本題であるウールマットを補充するためにPCデスクへ。
ややレア機種ユーザーが肌で感じている在庫事情
肝を冷やしたその瞬間
いそいそとチャームのサイトを立ち上げると……
売り切れ!(動揺)
へぇ? そうだ!Amazonは!?(ドキドキ)
セーフ! 最後の1個!!
もしこれが、双方とも売り切れだったら、ちょっとまずい状況になっていたかもしれません。
※
なお、後日チャームのサイトを訪れたところ、無事入荷していましたのでご心配なきよう。
あの20年前の教訓が脳裏をよぎります。
あぁ、やっぱり変わった機種は消耗品がウィークポイントだと。
堅牢さが売りのエーハイムの外部フィルターは、セラミックろ材を含め一回こっきりのお買い物を済ませさえすれば末永く利用できます。それゆえ、ウィークポイントは消耗品。幸いこの機種のパイプ・ホース類は、12/16で流通量の多い2213と共通。供給が途切れることはまずないでしょう。
となれば、鬼門はウールマットなのです。
いざとなれば、その場しのぎで型紙作って自作する覚悟はあります。
しかし、相手は水槽を長期間支えてくれるはず大黒柱。なるべくなら、複数のエンドユーザーが現在も安心して利用している、信頼できるメーカーの物を使いたいところ。
ダイカのオプションフィルターは互換品ではありますが、わたしにとって長年アクアリウムを支えてきてくれた信用できる名品。これがどこに行っても売り切れだなんて、恐ろしい状況です。
……このようにして、エコシリーズやクラシックシリーズなら微塵も感じないはずの気苦労がレア機種にはあるのです。
ちょっと変わった「あの子」が好きになりやすい傾向の人は、十分に注意を払ってフィルターを選ぶべきでしょう。
もしもエーハイム2222が使えなくなるとしたら
そんな2222には、かれこれ20年以上も頑張ってもらっています。
もしも……
あっ! ダブルタップユニットを落として壊れちゃった!
交換部品の在庫ない!
はい、終了!!
いつの日か、そのようにしてエーハイム2222とさよならをする日が必ず来ると覚悟をしていいます。むしろ、そんな時代が来るまで、稼働し続けてくれるのなら、エーハイム信者として嬉しい限りです。
しかし、ウールマットありません。上部用から流用するしかありません。そんな状況になったらどうしましょう。それでも安心して愛魚を任せられますか?
おそらく、それでもろ過は問題なく回るはずです。だが、心配性なわたしのことです、精神衛生上よろしくないこと間違いないでしょう。
とにもかくにも、一瞬だけとはいえ、エーハイムフィルターが突然使えなくなった光景を垣間見てゾッとしてしまったのです。
あぁ、エーハイムのこのフィルターがもし使えなくなるのなら、きっとこの消耗品供給停止のパターンだと。
繰り返しますが、余計な苦労をしたくなければ、多くのユーザーがいる機種を利用するべきです。
ややレア機種かつ終売から20年も経っているエーハイム2222。現役で稼働中の台数も決して多くないはずです。ならば、売れるウールマットも数えるほどと思われます。
となれば、どのような形でも、ウールマットを作ってもらっているだけでも感謝しなくてはなりません。
メーカさん、ありがとう! 今日も20年選手のうちのフィルターが無事に稼働できるよ! と。
※
なお、2024年2月現在ではありますが、2222用のスピンドルにパワーヘッド用Oリング、コンテナラバーなどの消耗品はまだ在庫がある模様。もちろん、ダブルタップユニットも。こちらもご心配なきよう。
エーハイムの外部フィルターはいつまで使えるのか?
ここまで書いてきましたが、逆説的に言えばエーハイムの外部フィルターは、消耗品の在庫が無くならない限り止まることはないでしょう。落下や衝突で破損さえさせなければ、末永く水槽を支えてくれるはずです。少なくとも20年は使えるでしょう。ここからあと何年伸ばせるのか、それはわたしも気になるところ。
(終売から来年で20年、未だ現役。) |
というわけで、今日も2222は元気。
2213よりも若干お値段の張るお買い物でしたが、なんだかんだと元はしっかりとれています。エーハイム外部フィルターの堅牢さには、アクア歴が長くなっても驚くばかりです。
というわけで、今回はここまで。長文読んでいただき、ありがとうございました。