ここに前景草を植えたいんだが! 水面の葉に阻まれ光量不足と水上葉ブースター
低光量との闘い(現在進行形)
あの夏見た、渓流のみなもに波うつ水草を再現したい。
心に決めてレイアウトのチェンジを敢行したのはもう去年。かれこれ半年以上にわたり、セキショウモとテンプルプランツで水草揺らめく水景を目指しています。
バリスネリアとハイグロフィラ。
双方ともに大型になる後景草として有名です。スラリとして端麗な草姿が、水草でございと目を引くきますが問題はその大きさ。水面まで届く草丈が、高光量を要求する前景草に悪影響を及ぼすのは確実。とは言え、やはり痛みやすい根元を隠すには欲しいところ。
今回は前景草奮闘記。
さて、レイアウト変更計画は果たしてうまくいったのか?
エキノドルス……失敗!
エキノドルスアルゼンチンを植えてみたが
エキノドルスアルゼンチン。
持ち前の線形の葉が他の水草によく馴染むだろうと目を付けました。簡単で値段も決して高くなく、日ごろから散在気味の財布にはまさしく渡りに橋。必要光量が気になるものの、アクロトライアングルなら大丈夫だろうと判断したのです。
届いたアルゼンチンは華奢な草姿がベリーキュート。田畑に生えているオモダカの仲間ということもあり、ひげ根が特徴的な単子葉類です。タンクメイトのセキショウモと同じく、伸ばしたランナーから新芽を出すくタイプの水草です。
植え付けからわずか1週間。
ランナーも伸ばし始めたエキノドルスアルゼンチン。しかし、いまいち新芽を伸びに勢いが感じられません。
あ、あれ? よく見ると根元付近の葉の色がくすんできたような気も。
それからさらに1か月。アルゼンチンは?
……はい真っ黒です。モフモフです。立派な黒ひげです。
可憐な線状の葉は完全に大海原に漂う昆布。この汚染源を残しておけば、他の水草に飛び火するのは確実。断腸の思いで選手交代とすることにしました。
原因として疑うべきは光量と肥料不足。
まずは、コントロソイルにイニシャルスティックを追肥。次いで、影が多い場所にはライトを追加……と行きたいところですが、コケが爆殖する未来が見えたので道具箱取り出したところで再封印。そもそも、もっと簡単な水草にすれば万事解決なのでは?
エキノドルステネルスを植えてみても
交代要員として白羽の矢が立ったのはエキノドルステネルス。
こちらもエキノドルスアルゼンチンと同じく可愛らしい姿ですが、「しぶとい」という評判があり、何かと窮地に陥りやすいポジションゆえにベストマッチだろうとお迎えしました。手早く植えて後は待つばかり。
それから2週間。
なんとか生長している模様で、導入前は淡い緑色は、今では綺麗な色見は赤色を呈しています。十分なCO2下で栽培すればこのように発色するようで、これはまさしく幸先のよい吉報であることが窺えます。
しかし、それはそれ、これはこれ。CO2はCO2、コケはコケ。
過ぎればお邪魔者の養分となるだけで、あっという間に黒ひげまみれ。強いと言われる水草がこうも簡単に黒のムックさんと化していく。しかも不思議なことに後景草はほぼノーダメージ。おいおい、どうなんてるんだこりゃ?
ここで、コケ対策に動きます。
まずはピンチカット。しかし、光合成をする葉を切り落とせば作られるエネルギーも減るので、コケとは体力勝負になるばかり。無尽蔵に沸く相手に状況は好転することはありませんでした。
次いで、「しぶとさ」に掛け3倍希釈した木酢液を水槽内で噴霧……! が、こちらは完全が失敗。調子を崩していたテネルスがダメージを受けさらに小型化、ゾンビの様に生き残っていますがこれ以上の進展は無理でしょう。最後は新芽が出なくなり万事休す。申し訳ない気持ち一杯で、エキノドルスは諦めることにしました。
テネルスちゃん、ごめんね。
どうにもこうにも、黒ひげアタックのえげつなさが半端ではありません。調子があがる前景草にばかりの狙い撃ちなのです。
よろしい、ならばハイグロフィラ様の前景草だ!
アラグアイアから分かった足らないものは……
ハイグロフィラは神様がくれた水草
ハイグロフィラという水草は初心者の味方。
生長スピードが早く、光量不足もなんのその。汚れ気味な水質を爆発的な細胞分裂に変える底力があります。水を汚しやすいプレコがいる我が家の水槽、ハイグロフィラセイロン、ウォーターウィステリア、そしてテンプルプランツと幾度となくお世話になってきました。
そこへアラグアイア レッドシャープリーフ。
ちょっと聞きなれない水草ですが、ハイグロフィラでお馴染みのキツネノマゴ科の水草です。おそらく水質的にはうまくいくはず。
ハイグロ様のおなーりー!
とやってきたのは前景草と言う話を疑うほどのかなり大き目な水上葉。早速植え付けて見ると、45cm水槽には見合わないほどの巨木感。これで本当に前景草なのと疑いたくなる大きさです。
※水中葉は小さなサイズになりますのでご安心を。
(大きな葉はアラグアイア テネルスもしぶとく残っていたが) |
そして1か月後……
「しかし!」と書き出して、失敗例を紹介するのがこの記事のパターンですが、なぜか今回は成功してしまいます。水上葉は十字対生のように思える葉序で、茎頂部ばかりでなく茎の中ほどから新芽を出していくスタイル。もりもりと葉を伸ばし、所狭しと広がっていきます。さっすがハイグロフィラ様っ。
これは絶対うまくいくヤツ。うまくいかないと逆にまずいパターン、そう確信し、あとはひたすらトリミングのタイミングを伺います。
いわゆるフラグといういやつです。
光量不足?
葉が腐り水中葉が大きくなり始めたのを見計らって、ついに「母体」である水上葉から切り離すことにしました。運命のトリミングです。
母体と書いたのには、持論があるからです。
水草の種類により差異はありますが、たとえ水上葉であっても丸々と太っているのならば、水中専用の葉が展開するまで栄養源のブースターとして機能してるのではないかと、長年の経験から感じているところです。
さらに、水上葉に草高があれば、エネルギー源たるライトとの距離も短くなり、より有利に光合成を進められるだろうとわたしは考えています。
こうきっぱりと書くのは……、植えなおした途端に失敗したからです。
水質、肥料、CO2と環境を整えたうえで、水中葉をアラグアイアを差し戻しで植え直したのですが、調子を崩しじわじわと黒ひげの進出を許してしまったのです。一部ガーネットのような黒みを帯びた赤い葉を展開しつつある上手くいっている株もありますが、全体的に生長が遅いためコケとの持久戦になるのは明らか。
せめて、保険として水上葉の根を残せるピンチカットにするべきだったかもしれません。うまくいっていただけに、痛恨の選択ミス。あぁどうしたものか。
(アラグアイア:右下は後景草の陰に) |
というわけで、スレンダー美人のセキショウモとテンプルプランツが作り出す、我が家の前景草エリアの低光量っぷりは絶対的な模様。どうやら水深と日陰のダブルパンチで光量不足を引き起こしているようです。となれば、最終手段ですが光量を殖やすまでです。
数年ぶりにパワー3を設置。
powerrrr!!
おそらくは、これのせいで水面に伸びる後景草のコケてくるでしょう。が、後学のためにも、ここは一旦前景草の清水の舞台から飛び降りることにしました。黒ひげまみれのBADENDにならなければいいのですが……。
なんだかんだで長期戦に突入中
というわけで、この話は現在進行形です。
ぼちぼち1年。そろそろ結果を出したいところ。
そうはいっても趣味である以上、肩肘張らないでお付き合いできる水草であることが望ましいです。この昨年1年間はコケたコケないで少しピリピリしていたので、今年こそはリラックスして水槽を観賞したいところ。
もしかしたら、セキショウモとテンプルプランツを撤去して、エキノドルスを植え付ければそれで済む話なのかもしれません。しかし、そこは譲れないところ。現在、生長力旺盛でリカバリーが利きやすい後景草を前景に転用することも視野に入れつつ、次の一手を考えています。
どちらにせよ、自然な雰囲気にしたいという着地地点にしたいので、その方向に向かって押したり引っ張ったりの試行錯誤を続ける予定です。
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