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2024年3月18日月曜日

プレコと水草の相性、マツモ、陰性/陽性植物、ランナーをもつ植物

プレコと水草の相性


プレコ隠すなら水草の中

プレコ。原色を配した鮮やかなボディを持つアマゾン原産の魚です。
トランスルーグラスキャットにサカサナマズ、なにかと変わった子が多いナマズの仲間。プレコもその1つで、ガラス面や流木に生えたコケをなめて削り取る摩訶不思議な熱帯魚の一つです。

それを愛らしいという人もいますが、気持ち悪いと言う人もいます。残念ながら、女性受けは最悪です。しかし、アクアリストは飼いたいという欲望に抗えない悲しい人種。気になってしまったら最後、なんとかお迎えする方法を画策するのです。
考え出した奇策中の奇策が、木を隠すのなら森の中。プレコ隠すなら水草の中。

今回は、プレコと水草が同居を探求し続けた10年間のお話を述べていきたいと思います。



マツモ・アヌビアス・ミクロソリウム・ハイグロ


金魚と金魚藻の関係

さて、プレコは元来大食漢であるため水槽が汚れやすく、コケ対策として綺麗な水を要する陽性の水草水槽とは、相性があまりよろしくありません。
とは言え、懐が広いのがアクアリウムの世界。大食漢の金魚と「おやつ」の金魚藻は、存外うまく共存している例もあります。

実際、プレコとマツモとの相性は◎。
低光量かつ栄養過多でも生長が早く、さらにはプレコの食害に合わないため、水草用ライトさえ用意できれば、産めよ殖やせよと天高く茎が伸び続けてい行きます。
我が家でもかれこれ、もう10年以上問題なく栽培できています。

プレコとマツモ過去記事より
(プレコとマツモの相性は非常に良い)

成功を受けてわたしが次に手を出したのが、陰性植物です。マツモよりやや調子の上下変動はあるものの、専用用のライトさえ用意できれば、難なく栽培できる植物たちです。
我が家に来ていただいたのは、アヌビアスとミクロソリウム。
生長が遅いためコケの餌食になりやすいものの、葉は分厚く頑丈であるため、木酢液でのコケ処理が比較的楽な部類に入ります。
そのためプレコ水槽におけるミクロソリウム栽培は〇。こちらもそろそろ10年目に突入です。

え?アヌビアスは? 残念ながら、穴だらけ。
プレコとアヌビアスの相性は×~△。大きな葉と強い硬く太い葉柄が仇となるようです。
食べ物と認識すると、あっという間にスカスカになります。おそらく、なめて削り取る時も体重を支えられる張りの強さと、乗りやすい大きな葉がマッチすると食害を受けるものと思われます。
そのため、小さなアヌビアス ナナプチや、葉が細く柔らかいミクロソリウムの被害はありませんでした。

……と、このように、金魚と金魚藻ならぬ、プレコと水草には相性なるものが確かに存在するようです。しかし実際問題、あまりにもメジャーではない組み合わせのため、確認するには実際に試してみるほかありません。



汚れを生長に変える強い水草がプレコと合うはず!

そして、思いつきます。
何度も書きますが、プレコは大食漢であるため、水質は常に栄養過多状態。そのためコケが生えるスピードは尋常ではありません。
しかし、マツモは持ち前の成長力と強靭さで上手く栽培できています。水が汚れるほどに生長が早くなり、窒素分の指標植物としてすら機能します。
このような富栄養な環境に強く、生長力のある性質が、プレコ水槽での延々と育ち続ける要因となっているようです。

ならば、同じくパワフルなハイグロフィラを植えられないだろうか?
陽性植物に手を出すことにしてみました。
用意したのは、ハイグロフィラセイロンとウォーターウィステリア。
前者は葉がややピンク色に染まるもののポリスペルマによく似た草姿を持ち、後者は大きな草高と入り込んだ鋸歯が特徴です。思案の末、双方とも100均ケースの鉢植え栽培となりました。
結果を言えば、鉢植え栽培への適応とこれがプレコとの相性◎だったことも相まって大成功。大きく育ち定住していくことになります。

プレコと水草鉢植え栽培
(100均ガラスケースで水草鉢植え)

そのようなことを経験しながら、汚れた水を自身の生長スピードに変えるほどのタフな植物なら、陽性植物でも問題なく栽培できることがだんだんとわかってきました。
プレコとの水草の共存のイロハがぼんやりとわかったところで、いよいよ前景草(ヘアーグラス)に手を出すことになります。が、……それはまた別の機会に。



そして現在


セキショウモのためのプランター作戦

話が大きく飛んで現在となります。
すっかり渓流釣りの虜になったわたしは、山岳で見た渓相を我が家の水槽に取り入れることを熱望します。水面が緑で揺れるあの水景を再現したいと。
そして、前回も書いた通り、セキショウモに一目ぼれ。早速植え付けます。

さて、ランナーで増えるこの手の水草は広いソイルの底砂が不可欠
そんな植物と鉢植え栽培は相性が良くありません。ランナーで新天地を探し増え続けていくため、伸びた先にも生長に適した土壌が必要だからです。
もちろん、ヘアーグラスやエキノドルステネルス程度の小ささなら5cm四方の鉢植えでも十分栽培できますが、高さ40cmまでになるセキショウモを殖やすとなると不適と言わざるを得ません。

なら、もっと大きな鉢を用意すればいいじゃない?
というわけで、準備したのは100均のケース。こちらを「寄せ植えプランター」の様にしていく水草プランター作戦です。
ケースに入れてソイルと元肥を入れて、セキショウモを植え付けます。

セキショウモの水草プランター
(100均文具ケースで水草プランター)

その結果は……、こちらも難なく育ってくれました。
セキショウモはぐんぐんランナーを伸ばし増え続け、ついには水面に到達します。



セキショウモとプレコの相性は?

再三に渡り書いてきましたが、プレコの飼育の肝は、綺麗な水と底床を用意することです。
その点、ランナーを出す水草をプランターで育てるのは、いくつかの問題点もあります。
まず、水中にあるプランターは大きく重いのです。さらに、取り出そうにも魚の健康状態を心配するほどにゴミが舞います。プロホースで突くように清掃できなくもないですが……。やはり、ソイル直植えと比べると、ほとんどメリットがありません。

さらに、ランナーの存在も気になるところ。
縦横無尽に無秩序に伸ばされるランナー。先端からは新芽が生まれ、やがては根が生え1つの株となります。となれば、ぞんざいな扱いなどできるはずもありません。
が、プレコを飼育するという観点からでは話が別。複数のセキショウモから網目状に張り巡らされたランナーが、プレコのためのお掃除をどうにも邪魔するのです。
プロホースで底砂は綺麗にしたい、だがランナーは守りたい。パイプの太さもあいまって悪戦苦闘の作業となるのです。

幸いなことに、プレコが定位している土管付近にはないので、健康面での問題には発展していません。とは言え、メリットがない以上、いつかは撤去する予定です。
また、現状セキショウモはうまくいきましたが、いまだ前景草がおよそ成功とは呼べないレベル。いずれかのタイミングで、根本的なレイアウトの変更が必要のようです。



道半ば……

プレコ水槽と水草の同居は道半ば。
セキショウモは上手くいっているものの、水草プランター作戦はストレスフルであり、また前景草も現状上手くいっていません。いつかは◎と言えいるまでにはしたいところです。

とは言え、ブルーフィンプレコの家の前を見るとこの通り。今日もせっせと気持ちよさそうにクレーターを掘っています。もしガーネット薄敷きならこうはいきません。プレコの1つの生態が観察できるのならよしとしたいところです。

とにもかくにも、プレコと水草の同居はまだまだ続くようです。

とうわけで、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。



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