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2025年6月20日金曜日

夏が来る前に知ってほしい!冷却ファン故障の兆しと点検法

あなたの冷却ファン大丈夫ですか?

今回は、冷却ファンの稼働確認について紹介したいと思います。最高気温が30度以上になり、冷却ファンを設置するタイミングを迎えつつありますが……、「その冷却ファン本当に大丈夫ですか?」

わたしとアクアリウムの大先輩こと「お師匠様」のストーリーで、その過酷な環境と耐久性の問題を述べつつ、後半では簡単な点検方法についてお話していきたいと思います。

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(これは、おおよそ20年前のこと……)

飲み屋街を通りぬけ、今日も「熱帯魚のあの店」へと足が向く。
照明に照らされた水槽が並ぶ店内は、静かながらもどこか落ち着く場所だ。



つらい思ひ出


放課後の夕暮れ。

ドアを開けると、見慣れた背中が目に入る。わたしの熱帯魚のお師匠さまだ。小さな魚の命を預かるこの世界で、最初にいろいろ教えてくれた人だ。だが、どうにもおかしい。いつもはマイナーな魚種を展示販売している水槽にかぶりついているのだが、今日はやけに入口に近いところで物色している。



突然止まる、その時どうなる?

「どうしたんですか? もう、こういった器具は捨てるほど余っているんじゃないんですか?

からかい半分声をかけると、向こうもはたと気が付いたのか、顔をあげてに苦笑いしてみせた。

「はは、ボクだって、道具が必要なときもあるのさ」

珍しいことに、今日は器具コーナーをじっくり見ている。普段はプレコやポリプテルス、淡水エイの水槽ばかりチェックしているのに。
棚を一緒に覗き込む、「冷却ファンはココ!」のポップ。なるほど、水温対策か。

「はぁ、もう!ボクのことはいいの!」

こちらの目線に気が付きお師匠様は一度ため息をついたが、何やら決意したのか突如として真顔になった。

「それでキミ、いま水槽はいくつ?」
「プレコ水槽にポリプテルス水槽の、2つですよ?」
「なら、冷却ファンは2つ必要だね」

だが、昨年の夏から水槽を始めたため、実はすでに冷却ファンを1台持っている。だから、今年はポリプテルス水槽用の冷却ファンを買うだけでいいのだが……

「だめだめ! ボクもそれで去年、ひどい目に遭ったんだから!!」

そう言ったお師匠さまの目は、かすかにうるんでいた。

・PCファンとてうまく利用すれば……


実際何シーズン使えるのか?

「冷却ファンをはね、2シーズン目は途中で壊れることが多いんだよ?」
「たった2シーズンで? でも、高品質・高耐久を謳っているものもありますよ?」
「たしかに、アタリを引けば長く使えるよ? それでもせいぜい3シーズン。」

お師匠様は話を続けた。
特に水面のすぐ上に置くタイプ。湿気が直撃する。水温を下げるために稼働し続けるから基盤が錆びやすいし、羽にほこりや水垢がつきやすいから、軸にも負担がかかりやすい。
そんな過酷な環境で使う道具だからこそ、毎年新しいものを準備するべきだと。

「それに、一軒家の実家住まいだろう? マンションと比べて断熱が低いんだ。夏、キミの部屋は何度になる?」
「えーっと、クーラーなしで35度……。でも普段はクーラーつけているから30度ぐらにはなんとか」
「熱というのはね、高いほうから低いほうに移動するんだ。その調子じゃあ、ファンが止まれば水槽が30℃代になるなんて、ぜんぜん珍しくなさそうだね」

「値段は安くてもいいから、なるべく新しいものをつかいなよ」

と話を締めくくった。



せめて点検を!!

確かにそうだ。
だが、冷却ファンを2つ買うとなると、大学生のわたしにはいい金額となる。
とりあえず財布の中を見てみるのだが、夏目漱石の人数が随分少ないようだ。これでは次回のサークルの打ち上げには行けそうにない。
肩を落としていると、わたしの様子に気が付いたらしい。

「なに? お金がないと? あはは、なるほどなるほど……まあ、それもわかるよ」
「でもキミには、ボクのようになってほしくはないんだ」

わたしが黙ってうつむいたのを見て、少し空笑いしてみせた後、お師匠様は天井を見つめた。

「じゃあ、ちょとだけ点検のポイントを教えるね。キミのお金が溜まるまで、去年のファンでなんとか乗り切れるようにね」

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使う前に点検しよう!

というわけで、ここからは冷却ファンの点検方法についてです。
しかし、前半に述べた通り、2シーズン目を迎えると満身創痍で、いつ止まってもおかしくない状態のものも多く見受けられます。
点検したからといって状態が良くなるわけではないので、なるべく予備機を準備しておくべきです。

私個人としては、1シーズンで交換するのをおすすめします。

・自作すれば責任は増えるが、安く済ませることができる

まず確認!ファンは正しく回っていますか?

冷却ファンを使い始める季節、まず最初に確認したいのが「ちゃんと回っているか?」という基本動作です。
電源を入れてもファンの回転が鈍かったり、変な音がする場合は要注意。モーターの不調や羽根の微細な破損、さらには水垢などのゴミの噛み込みなどが原因かもしれません。

とくに長く使っているファンは、経年劣化で動作が不安定になることもあります。まずは実際に動かして、回転をチェックしてみましょう。初歩的なことですが、冷却力の低下や故障の予兆を見逃さないためには、もっとも大切な点検項目です。



風量と騒音チェックで冷却力を評価しよう

ファンが動いていても、勢いよく風が出ていなければ意味がありません。手をかざして風量を感じてみて、「なんだか弱いかも」と思ったら要チェック。羽根にホコリが溜まっていたり、モーターが劣化している可能性があります。
また、作動音に要注意。以前より「ジジジ……」というようなノイズが増えているなら、軸や軸受けの劣化やグリス切れが起きているのかもしれません。

音や風の質は、毎日使ううちに徐々に変化が出てくるものです。使い始め初めはもちろん、シーズン中でも耳や手で状態をチェックしてみましょう。



取り付けパーツと羽根の汚れに注意

冷却ファンは、水槽のフチにしっかり固定されていなければなりません。ネジが緩んでいたり、取り付け部分が不安定なままだと、ファンが落下したり水槽に振動が伝わり共鳴音が出たりと、思わぬトラブルにつながることもあります。
また、羽根にホコリやカルシウム汚れ(水垢)が付着していないかも要チェック。汚れたままだと風量が弱くなり、冷却効率が下がってしまいますし、なによりファンの軸や軸受けに負担がかかり劣化がさらに進むようになります。

定期的に乾いた布などでやさしく清掃しましょう。



サーモスタット付きファンは水温を確認しよう

サーモスタットが付いているタイプの冷却ファンは、設定温度に達すると自動で作動し、とても便利です。
ただし、この仕組みもときどき点検が必要です。適切な温度でオン・オフが切り替わっているかを確認し、異常があれば使うのはやめましょう。

もし低温でもファンが回りっぱなしになっていると、水温が下がりすぎてしまい、今度はヒーターが作動して無駄な電力消費につながります。逆に高温でも稼働しなければ、水槽内は大変なことになります。

必ず水道からぬるま湯を作り、センサーが正常に働いているかチェックしましょう。


というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。



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