ろ材レビュー(エーハイムメック編)
どーも、こんにちは。ごん太です。
今回のネタはエーハイム製物理セラミックろ材であるメックについてレビューを述べていきたいと思います。
エーハイムメックは、リングろ材の中ではかなりの知名度があるろ材ですが、そのエーハイムメックの導入を検討しいる方、そもそもエーハイムメックを知らない方向けに話を進めていきたいと思います。
なお、軽くネタバレしますが、ごん太はエーハイムメックのことを・・・
生物・物理ろ過のバランスが取れ、
安価かつ壊れづらく、
とても使いやすいろ材。
そのようにごん太は評価しています。
それでは目次に続きまして本文へと入っていきます。
続きをどうぞ!
(サイト内リンク:ろ材レビュー)
今回のレビューについて
さて、レビューを述べる前に、今回そのポイントと背景について、いくつか前もって述べていきたいと思います。
まず、レビューするポイントですが、以下の3点の論点をレビューしていきたいと思います。
【レビューのポイント】
・ろ過能力について
・耐久性や手に入りやすさについて
【番外編】
・形状について
また、これはエーハイメックというろ材を評価するうえで、バックグラウンドとなる是非とも知っておいて欲しい話なのですが……
エーハイムメックほど時代によって、アクアリストからの評価が変わるろ材はありません。
ですから、 ”科学的な絶対評価”ではなく……
幾分ごん太の考えと当時の流行が含まれることを考慮して、読み進めていただければ幸いです。
時代が変われば評価も変わる
エーハイムメックを手にした経緯
改めて記しますが……
エーハイムメックというろ材ほど、人や時代よって評価が変化する材はありません!。
ごん太がエーハイムメックを手に入れた当時(15年以上前)は、ろ材に対する全体的な風潮として……
物理ろ過よりも生物ろ過を優遇する傾向があり、
さらにセラミックであるなら多孔質であるべきだという考え方が
圧倒的な多数派でありました。
という時代でありました。
つまるところ、セラミック製だが多孔質ではなく、物理ろ材であるエーハイメックは、同社サブストラットと比べると軽んじられる傾向にあったのです。
いえ、もしかしたら、ごん太は当時ネットに入り浸っていましたから、そのような偏った評価基準に触れるうちに、それがあたかも現実のようにそのように思い込んでいたのかもしれません。
どちらにせよ、ごん太自身も、エーハイムサブストラットやシポラックスという多孔質生物ろ材がもてはやされていた時代でしたから、その流行に飲み込まれたことは間違いありません。
エーハイムサブストラットさえあればいい。
エーハイムメックは所詮付け合わせ。
(当時ごん太の”誤った”考え)
そんな凝り固まった考え方にごん太は染まりあがっていました。
では、なぜそんな好きでもないエーハイムメックを手にしたのか?。
それは、エーハイム2222という外部フィルターに純正ろ材として同梱されていたからです。
エーハイメック2222は今につながるエーハイムプロシリーズの初期のフィルターで、エーハイムらしからぬ4角形のろ材ケースが物議を醸しました。
しかし、ごん太はすっかりそのドイツらしいスッキリとしたデザインに惚れ込み、当時エーハイムクラシックシリーズの値段の2倍もするそれを、お金を貯めて購入したのでした。
そのエーハイム2222は現在では終売となっていますが、当時としては、珍しく青スポンジ以外にも、サブストラットとメックの2種類のセラミックろ材が同梱しててあったのです。
ですので、当時のごん太の感覚としては”勝手についてきた”という表現が正しいと思います。
ただ、このエーハイムサブストラットですが……
後述しますように、アクア歴が長くなればなるほど、その素晴らしさが身に染みてわかるようになるのです。
というわけで、次の話はエーハイムメックのすらばしさについて。
使えば使うほど実用的なエーハイムメックの良さに気が付くはず !
文中でメックのことを”付け合わせ的存在”なんて酷い表現をしました。
しかしながら、今のごん太の中で、エーハイムメックの評価は当時と180°違います。
詳しくは後述しますが・・・
物理ろ過も生物ろ過もこなし
目詰まりしづらく
メンテンナンス性もよく
廉価で壊れづらい
つまり実用性抜群なのです!!
というわけで、ここからはごん太の私感ではありますが、このエーハイムメックの話に代表されるような「ろ材あるある」な話なのですが・・・
ろ材は表面積のカタログスペックがすべてではありません。
耐久性や使い勝手、手に入れやすさ、水質への影響、目詰まりのしやすさ、etc、etc・・・
実際に利用してみないとわからないことが多々あります。
エーハイムメックは”カタログスペック優先主義”の問題点を気づかせてくれるろ材なのです。
話は徐々にレビューの様相を呈してきましたから、まずは優れている点からレビューしていきます。
エーハイムメックのここが良い!
良い点その1:物理ろ過能力が高く、掃除もしやすい
エーハイムメックの構造でもっとも特徴的なのは、程よく小さいということです。
程よく小さいので、ろ材をろ材コンテナに敷き詰めたときのろ材間の間隔も狭く、しっかりとゴミを絡めとります。
しかし、エーハイムメックはリングろ材。なので・・・
なかなか目詰まりはせず、そのトータル物理ろ過性能はかなりのものです。
セラミックろ材において、物理ろ過はろ材を敷いた時の全体の目が細かければすぐに詰まり、逆に粗ければゴミが駄々洩れになる傾向があります。
つまりエーハイムメックを敷いた時の全体としての目の細かさは程よい塩梅なのです。
そんなセラミックろ材なエーハイムメックですが他のセラミックろ材とはちょっと違う点もあります。
それは・・・
多孔質ではありません。
なので、バクテリアの食いつきが多孔質よりゆるいためか、清掃するためにろ材ケースごとゆすると、サラリと汚れが外れます。
しかし、
プラスチックろ材のような、つるっと外れて新品同様になるというような外れ方はせず、ほどよくバクテリアが残ります。
物理ろ材として利用しながら、生物ろ過も期待する・・・なんてことができる微妙なさじ加減ができるろ材です。
良い点その1【補足】:目詰まりしないことは良いことなのか?
さて、この記事を書いた当時、メンテナンス期間を延ばせることにつながるので”目詰まりしづらい”こそ、セラミックろ材に求められる要素である。
そういったニュアンスで、記しました。
しかし、この記事を書いてから4年経過し、ろ材に対する考え方も変化したので、改めて述べていきたいと思います。
記事の途中に追加で文章を差し込んでいる都合上それほど尺が取れず、いきなり本題に入るのですが、
目詰まりしないろ材というのは、裏を返せば、ゴミを素通りさせているろ材とも言うことができます。
そして、そのような物理ろ材は大きなゴミを絡めとり、小さなゴミはスルーしてしまう傾向にあります。
ですから、物理ろ材のみでろ過システムを構成してしまうと、ろ過経路が長大なものならまだしも、外部フィルターのような比較的短い経路の場合、パワーヘッド直前まで小さなゴミが濾しとられないことが重々考えらます。
そして、その小さなゴミは、全てウールマットに濾し取れることになりますから、
確かにセラミックろ材は目詰まりしづらくなりますが、今度はウールマットが目詰まりしやすくなります。
結局は生体の数や、餌の量、さらにはプレフィルターの利用などをしない限り、水槽内で生まれるゴミの量というのは不変です。
その状態でろ材だけ目詰まりしづらいものに変更しても、結局はウールマットが汚れやすくなるだけなのです。
とはいえ、悪いことばかりではありません。
ウールマット自体は使い捨てのろ材です。
ポイと捨て、新しいものをセットすればろ材は容易くろ過性能が戻ります。
その”使い捨て可能”な部分に汚れを集中させることで、対称的にセラミックろ材は汚れづらくなり、結果的にそれらをフリフリと洗浄する機会は減るでしょうから、ある意味メンテナンス性は向上するとも考えられます。
しかし、ウールマットがより早く汚れるので、外部フィルターのフタを開ける頻度は増加することになります。
ですから、ウールマットにアクセスしやすい外部フィルターや、プレフィルター内蔵の外部フィルターなどにはメリットがある戦術でしょう。
逆にクラシックシリーズのような従来型の外部フィルターにおいては、粗目・中目・細目とセラミックろ材やスポンジろ材をバランスよく配置し、外部フィルター全体でゴミをろ過すると、目詰まりしづらくなり、メンテナンスの回数が減少するようになります。
もちろん、ゴミの質や量、さらにはろ材な目の細かさや粗さによりけりな理論ですから、”絶対”とか”お勧め”とか言えない、微妙なラインの話なのですが、1つの考え方として知っておけば、ろ材選びで悩むことも少なるでしょう。
良い点その2:十分な生物ろ過能力がある
予め断っておきますが、生物ろ過能力がいいといっても、水槽にとって必要十分という意味です。
一瞬でアンモニア濃度0mg/Lとか、脱窒で硝酸0濃度0mg/Lとかそういう話ではありません。
さて、たしかに、多孔質でありませんから、バクテリアの定着のしやすさという点では、多孔質のろ材と比較して不利かもしれません。
しかし、それは立ち上げ時に限った話。
これから長く続くアクアリウム生活のほんの一瞬の出来事なのです。
その一瞬の出来事の話で、ろ材性能の全てを語るのは、やはり無理があります。
では、立ち上げ後はどうなるか?といいますと・・・ろ材に硝化細菌が繁殖”さえ”すれば、十分に生物ろ過を担うろ材として機能します。
上の項でも記しましたが、セラミックゆえに表面がザラザラであるので、一般的なプラスチックろ材よりも硝化細菌の定着は良いはずです。
とは言え、生物ろ過専用のサブストラットやシポラックスほどではないのも確かです。
ですから……
これ単体で利用すると立ち上げには厳しいでしょうが、複数のろ材と併用して立ち上がりさえすれば、物理ろ過と”ある程度”の生物ろ過もできるオールラウンダーなろ材、ということができます。
また先にも述べた通り、目詰まりしづらく、セラミック素材なのでバクテリアの保持力もあり掃除しやすいという特徴もあります。
そんなわけですから……
どちらかと言えば、立ち上がった水槽で能力を発揮しやすい、非常に使い勝手の良いろ材とも言えるでしょう。
良い点その3:セラミックろ材の中では安い
読んで字のごとくで・・・
1Lあたりの価格が、かなり安いです。
ですから……
フィルターケースが大きいろ過装置にもおすすめです。
(上部・外部・オーバーフローなど)
ごん太が、ネットで価格をざっくりと調べてみたところ、、エーハイムメックとシポラックスの値段をチャームでざっくり比較してい見ますと・・・
【実売価格】
・エーハイムメック(パッケなし:1L) → \900
・エーハイムバイオメック → \1,600
・シポラックス(1L) → \2,800
(2021/4/5時点)
そんなわけですから、 かなりお求めやすいろ材となっています。
(正直パッケなし900円には腰を抜かしました。さすがチャームさん。)
良い点その4:入手しやすい
また、セラミックの物理ろ材というのは案外に選択肢が少ないものです。
セラミック素材の物理ろ材という稀有なポジションであるので、店舗でも取り扱っていることが多いのです。
さらにamazonでも、チャームでも、ヨドバシでも取り扱っているよですかから……
かなり入手性がよいろ材と言えるでしょう!
良い点その5:耐久性がめちゃくちゃある
さて、そんなエーハイムメックですが、先にも述べた通り多孔質でないので、空気の層を含まず、
かなり堅牢なろ材です。
製品パッケージの中にたまーに割れているエーハイムメックが入っているのですが、どうやって割ったか不思議なぐらいです。
試しに自分の素手でひっぱったりや素足で踏んで割ろうとしましたが、一向に割れませんでした。(汗
なので、セラミックろ材の中で欠けた!割れた!砕けた!といった話はほとんど聞かないろ材であります。
ごん太の経験で申し訳ないのですが、だいたい10年態度利用しているのですが、どうやったら壊れるのか?と疑問に思えてしまうぐらいの硬さです。
最後にいままで述べた良い点をまとめると……
生物ろ材としても、物理ろ材としても使え
目が詰まりにくく
どこでも売っていて
さらに廉価で
耐久性がある
そんな
質実剛健なろ材です。
また、安くて長期間利用できるろ材ですから、
かなりコストパフォーマンスが良いろ材と言えるでしょう。
エーハイムメックのサイズ・形状(補足)
この項目ではエーハイムメックの形状について補足事項として測定した結果を述べていきたいと思います。
エーハイムメックが大きいか小さいか?と聞かれれば比較的小さいろ材に含まれます。
実際にろ材として利用すると、目の細かさとリング状があわさり、目詰まりのしづらさと物理ろ過性、そしてある程度の生物ろ過性能を兼ね備えているという話は↑の項でしました。
ではどれぐらいのサイズのか?ということを写真で紹介したいと思います。
まず、リングを円柱に見立てて、その上面(底面)は・・・
定規の横に10個並べて10cm。
ですから、上面の円の直径は約1cmということになります。
お次は同じ方法で側面を調べてみました。
今度は9個並べて10cmでしたから・・・
1つ1.1111...cmということになりますね。
では最後に穴の部分の直径を調べてみると、概ね6mm。
なお、リングを形成しているセラミック素材の厚みは2mm程度でした。
まとめてみると・・・
【エーハイムメックのサイズ】
上面直径1cm×長さ1.1cm
壁の厚さ2mm
内側の直径は6mm
というわけで、全体的に小さく、穴が大きいリングろ材というのがエーハイムメックの形状における特徴ということになります。
さて、話をもとに戻しまして、次はエーハイムメックのちょっと残念な点を書いていきたいと思います。
エーハイムメックのここが残念!
残念な点その1:多孔質ではない
多孔質であったらどんなに生物ろ過という点で良かったことか……
と大昔(15年以上前)はよく思っていました。
しかし現在では、多孔質でないことでゴミが程よく剥がれやすいのでろ過や掃除のしやすく、
さらには内部にほとんど空気が入っていませんからボロボロと崩れづらく耐久性があるといったメリットもあるので、
それついてはどちらが良いとも言い切れません。
ですから……
「多孔質」にこだわりがある人にはお勧めできませんが、そうでない人はそこまで神経質に気にしなくていい問題だと思います。
アクアリウムは趣味の世界です。幅広い製品群があります。
多孔質リングろ材が気になる方には、シポラックスやパワーハウスなどをお勧めします。エーハイム製の多孔質ろ材をお探しなら、エーハイムサブストラットやサブストラットプロがお勧めです。
エーハイメックの特徴は多孔質でないことで生まれている側面もありますから、エーハイメックが欲しい人は、そんなことを気にするべきではないのでしょう。
残念な点その2:セラミックなので高い
少し矛盾しているようですが、これは・・・
”プラスチック”リングろ材や”ガラス製”のリングろ材と比較した場合少々お高い
ということです。
しかしながら、「つる」っと汚れとバクテリアが剥がれるプラ製がいいのか、割れやすいガラス製がいいのか、少しお高いセラミック製がいいのか……。
好みがわかれるところでもありますから、一概にはどちらが安いとか高いとか言い切れないところが、この問題をより一層複雑にしています。
なおごん太のエーハイムメックは2222に付属してきたものなのですが、このエーハイム2222は2005年に「終売」しているわけなので、ざっと見積もっても15年は利用していることになります。
多少値がはっても15年利用できるものがいいのか?
それともより安いものがいいのか?
こう書くと多少高くてもメックのほうがよさそうですね。
ただ、15年もアクアリウムを嗜む人っていうのは、全体でいうところのどれくらいになるのでしょうか……?
――ごん太は判断できません……。
ただ、近年プラスチック製のろ材が急激に進化しており、新しい続々投入されているのも事実です。
ですから……
多くの人が利用しておりコスパのいいが目新しさのないエーハイムメックか?
ミューロA、プラスワンなど話題性のあるプラスチックろ材か?
一言では片付けられない選択の難しさがそこにはあります。
がごん太としては……
純粋にコストとパフォーマンスを考えるのならばエーハイムメックをお勧めします。
総評
生物ろ過、物理ろ過、通水性のよさ、掃除のしやすさのバランスがいい感じでとれています。
そして安くてどこにでも置いてあり、なかなか壊れない。
というわけで、ごん太としては勧めなろ材です。
ただし、値段に制限がある場合、セラミックにこだわりがなければ、ガラス製やプラスチック製もあるので、そちらのほうも選択肢に入れてみるといいでしょう。
また、純粋なリング型の生物ろ材や多孔質ろ材を求めている方は、パワーハウスやシポラックスのほうがいいかもしれません。
(更新:2021/4/5)