どーもこんにちは。ごん太です。
今回は・・・前回話にも上がったハイポネックスなどを含む園芸用液肥について書いてみたいと思います。
園芸用の液肥ってなんせお安いし、
成分もしっかり表示してあるから安全な気がするし、、
ついつい利用したくなりますよね?
例えばごん太が普段アクア用の液肥として利用している「ハイポネックス観葉植物用」はお値段¥500~¥700程度で180ml。
容量は180mlですが、希釈して使用するので実際にはそれ以上の量になります。
(ごん太は20倍に希釈し使用しているので3600ml分になります。)
さらに成分がN:P:Kが7-4-4が表示されているので、成分がはっきりと表記されていない水草用液肥と比べ「ある意味」安心確実にして使えるというのもメリットです。
しかし・・・ごん太ははっきり言いたいのです。
濃度計算できない人は手を出さないほうが身のためです。。。
・・・それは記事の最後のほうで解説していきたいと思います。
さて、話変わりまして、肥料って簡単に言いますが実は「薬」と同じようにしっかりと法律で定められた条件をパスしたものだけが「肥料」と名乗れるわけなんです。
じゃあ、肥料に含まれないものはすべてニセモノ?
いえ、そんなことは断じてありません!
というわけで、本文へと入っていきたいと思います。
なお、いつものごとく少々長い記事ですから、お忙しい人は↓目次リンクよりお探しのパートへとジャンプしてくださいね。
I. 園芸用液肥を水槽で利用することについて考えてみる
ここでは、まずは園芸用液肥と「よくある」アクア用液肥の違いについて述べてみたいと思います。
まずは、「肥料」とはいったい何なのか?話していきたいと思います。
肥料ってなんぞや?
肥料とサプリメントの違い
そもそも肥料とはなんでしょうか?。
水草用の液肥には成分は表示されていませんが、園芸用の液肥には成分が表示されていますよね?。
肥料というのは【肥料取締法】によって定められたものを「肥料」として売ることができます。
そして、その肥料取締法には
「肥料」には含まれる成分をちゃんと書いてね!
と記されています。
ですので、買う立場からすれば成分表示があるものは「肥料」であり、
成分表示がされていないものは植物のいわゆるサプリメントということになります。
例その1:ハイポネックス観葉植物用
では、法律上「肥料」であるハイポネックス観葉用と、法律上「肥料ではない」水草用カリウム溶液であるゼニスウォーターK-19を比べてみましょう。
↓の2枚目の写真の通りハイポネックスには・・
水でうすめる液体肥料
とのように、肥料という言葉が使われていますね!。
ハイポネックス観葉植物用。毎度毎度画像が見づらくて申し訳ないです |
赤〇の部分にはっきりと「液体肥料」と記されています |
例その2:ゼニスウォーターK-19
ではゼニスウォーターK-19はどうでしょうか?
注意書きや能書きなど、パッケージにはどこにも肥料は見当たりません!。
↓の画像では読みづらいのですが、肥料でることを匂わす表現は多々見受けられます。
例えば・・・
水草のカリウム補給液
とのように、「ぼかし」のきいた表現となっています。
前面 |
裏面 |
つまり、このゼニスウォーターK-19は法律上は肥料ではないので、はっきりと「肥料」と名乗れないわけなんです。
「肥料」と名乗れない(名乗らない)理由
ここからはあくまでもごん太の推測ですが、、、
「肥料」にすると成分を表示しなくてはいけない。
もしくは手続き上の手間や時間、そして費用を省くため。
これらの理由で「肥料」として販売していないのだと思います。
肥料じゃないから効果がない!という事は決してない
このゼニスウォーターK-19は法律上は肥料ではありませんが、
三大栄養素のKを含み水草の肥料として十分に効果がありますのでご安心を!!
つまり、法律上肥料でなくても、アクア用液肥として販売されているものなら、効果があるということです。
じゃあ肥料として販売されている園芸用の液体肥料と
法律上は肥料ではないが肥料の成分が含まれているアクア用の液体肥料
どっちがいいの!?
という話になるのですが・・・
ごん太としては、法律上の肥料よりもアクアに利用するならアクア用液肥のほうがお勧めです。
水草用の液肥が使いやすい理由
先にも述べた通りハイポネックスは肥料であるから、成分がしっかり表示されているわけです。
しかし、ハイポネックスはあくまで園芸用。
園芸用は園芸用で用途が違うのです。
それに対してゼニスウォーターK-19は法律上肥料ではないので成分は表示されていませんが、こちらはアクアリウムで利用することを考慮した水草用。
皆さんは どちらを利用しますか?
それに対してゼニスウォーターK-19は法律上肥料ではないので成分は表示されていませんが、こちらはアクアリウムで利用することを考慮した水草用。
皆さんは どちらを利用しますか?
ごん太としては水草用の液肥を激しくお勧めします。
なぜなら成分が表示してあるから安全とは限らないのです。
むしろ、成分の表示というのは用途によってはその危険性を教えてくれるものだったりするのです。
特に園芸用の液肥を水槽ので利用するのは本来の使用法ではありません。
なぜなら成分が表示してあるから安全とは限らないのです。
むしろ、成分の表示というのは用途によってはその危険性を教えてくれるものだったりするのです。
特に園芸用の液肥を水槽ので利用するのは本来の使用法ではありません。
アクアリウムでの利用はそもそも考慮されていません。
こういった場合は、しっかりと表記の意味を考えなくてはなりません。
とうわけで、次の項は肥料の成分表示について、、、
の前に、せっかくなのでゼニスウォーターK-19のレビューをしておきたいと思います。
II. ゼニスウォーターK-19のレビュー(補足)
カリウム液肥を使う理由
半年以上利用したのでゼニスウォーターK-19のざ使用感をざっくりと記しますが、K液肥としては、、、
ばっちり効果があり、コスパ良好で使いやすい液肥です。
一般的なカリウム液肥を利用する理由ですが、、、
カリウムは水槽内で流亡し不足がちな肥料分(それも三大栄養素の1つ)です。
その役割は様々ですが植物の中で作られる炭水化物やタンパク質に関わる化学反応や、その移動に関与していると言われています。
また、「リービッヒの最小律」のように、適宜添加することにより窒素とリンが正しく消費され、水草の調子も上がるという考え方もあります。
つまり、、、
水草の調子が上がり窒素とリンが消費されやすくなるということは、余計な栄養分がなくなるわけですので、コケも減少にもつながるわけです。
ゼニスウォーターK-19がお勧めな理由
そんな一般的なK液肥の効能がこのゼニスウォーターK-19にも当然あります。
ただ、それだけではありません。 ゼニスウォータK-19は値段も安く、他社製品と比較して量も多いため、同じようなボトル付きの競合品よりもかなりコスパが良いのです。
さらに、1プッシュ1mlなのも添加がしやすいのもこの液体肥料の優れている点です。
添加するのに5秒もあれば簡単に添加できます。
おまけに、カリウムを炭酸カリウム10%水溶液と同量程度とはっきり明言されているので、添加量で迷うことはありません。(もちろん、添加方法も記されていますよ!)
そんなわけなので、、、
初めて本格的なカリウム液肥を手に取る人にはもちろん、K液肥をヘビーユースしている人にも利用しやすい商品かと思います。
III. 園芸用肥料を実際に水槽で利用してみる
ここでは、園芸用肥料を実際に水槽で利用してみた話をしていきたいと思います。
実際の利用となると大切なのは、、、
肥料の濃度計算!
魚の命を預かっているので間違ってもフィーリングで添加!なんてしてはいけないわけです。。。(経験者談)
そんなわけなので、まずは園芸肥料にどれだけの肥料分が入ってるか?計算してみたいと思います。
注意事項
ここで注意事項となります。
記事の後半でも紹介しますが、、、、
園芸用肥料にはアンモニアが含まれていることがあります。
ですので、園芸用肥料を水槽へ流用することは、必ず自己の責任のもと実施してください。
目の前の魚がアンモニア中毒で苦しみ始めても救えるのは「水槽の前にいる」貴方だけなのです。
N-P-Kの意味
肥料に書かれているN-P-K は何を示しているの?
さて、ハイポネックス観葉植物用の表面には7-4-4と数字が書いてあります。
これは・・・
100gあたり保証されている成分量を、N-P-Kの順に示しています。
つまり、ハイポネックス観葉植物用では窒素分は7g/100ml、リンは4g/100ml、カリウムは4g/100mlということになります。(1g=100mlとした場合)
よく15-15-15と8-8-8の肥料って同じ割合だから、計算して全部1-1-1なので同じ肥料だと勘違いされている人ががいますが、この数字の羅列のポイントは・・・
各成分間の比ではなく、100g当たりに含まれているの量の割合
だという事を覚えておいてください。
15-15-15と8-8-8の肥料は何が違うの?
さて、感のいい人ならなぜ計算のしやすい1kgあたりの量ではなく100gあたりの量であるか、お分かりかと思いますが、7-4-4をこんな感じで書いてみるとすぐにわかると思います。
7(%) - 4(%) - 4(%)
というわけで、実は計算のしやすい1kgあたりの量ではなく、それよりもさらに身近な 百分率(%)で表記してあるわけです。
では、ここで、15-15-15の肥料と8-8-8の肥料の違いについて考えてみましょう。
双方とも計算すれば1-1-1になるわけで、N-P-Kが同じ比率になるわけですから一見同じものと考えてしまいがちです。
ですが先ほども述べた通り、
この比率のポイントは「各成分間の比ではなく、100g当たりに含まれているの量の割合」です。
つまり、15-15-15の肥料と8-8-8の肥料では、100gあたり含まれている成分量が2倍違うことになります。
各N-P-K間の「比率」こそ同じですが、濃度がまるっきり違うわけです。
そうなると浸透圧による「肥料やけ」に留意する必要が出てくるわけです。
だらか「計算して全部1-1-1だから同じ!」というわけにはいかないのです。
当然同量の肥料を水に溶かせば2倍近い濃度差となるわけです。
ハイポネックスの肥料成分についてアクアリウム視点で考えてみる
ハイポネックス観葉植物用に含まれる成分は?
では、裏面を見てみましょう。
こちらにも7-4-4と書いてありますね。
赤〇の部分、窒素全量7.00の下に内アンモニア性窒素2.35、硝酸性2.15と記されています。。
・・・アンモニア性窒素・・・!?
ちょっとアクアリストならびっくりしませんか?
(アンモニア性窒素はアンモニア態窒素とも言い、硝酸性窒素は硝酸態窒素とも言います。
今回の説明では~態窒素として表記することとします。)
今回の説明では~態窒素として表記することとします。)
次はハイポネックス観葉植物ようではなく、ハイポネックス開花促進についての話となります。
ハイポネックス開花促進用に含まれる成分は?
なお、アクアリストご用達のハイポネックスといえば・・・
【ハイポネックス開花促進用】で、そのN-P-Kは「0-6-4」。
アンモニアどころか硝酸も入ってないわけですから、生物に危害はないはずです。
【ハイポネックス開花促進用】で、そのN-P-Kは「0-6-4」。
アンモニアどころか硝酸も入ってないわけですから、生物に危害はないはずです。
しかし、これはごん太の考えなのですが、、、
カリウムを補うためにハイポネックス開花促進用を添加すると、
カリウムを補うためにハイポネックス開花促進用を添加すると、
余分な成分たるリンも一緒に添加されるわけですから、
そのさじ加減はかなり難しいかと思います。
カリウムを「4」入れたらリンも「6」一緒に入るわけです。
カリウムを「4」入れたらリンも「6」一緒に入るわけです。
一歩間違ってコケだらけ、・・・そんな可能性もあります。
特に最近はコケの原因の1つは窒素分もさることながらリンもその一つではないか?という風に考えられるようになってきました。
ですから、
ですから、
いかに窒素分がなくとも、安直な添加はごん太としてはあまりお勧めできません。
園芸用肥料を濃度計算してみる
ここからは人によっては頭の痛くなる濃度計算となります。
アンモニアが毒である以上、安全な濃度に収まるよう、肥料を添加する必要があるわけです。
そんなわけで、安全な濃度についての計算となります
アンモニア態窒素とは?
アンモニア態窒素とは、読んで字のごとく、アンモニアの態をした窒素ということです。
つまり・・・アンモニアもしくはアンモニウムのことです。
植物にはこのアンモニアを直接吸収出来る種類がありますから、それらのために肥料として含まれているのです。
しかし・・・
むしろ日々アンモニアが出ないようにアクアリストは日々水槽を管理しているわけで、、、、
当然ですが、魚にとっては有毒です。
添加量を間違えると大惨事になります。
次に、アンモニアの濃度について改めて考えてみましょう。
総アンモニア濃度が生体に害を及ぼす濃度とは?
さて、アクアリウムでは一般的にはアンモニアと言わていますが、実際には毒性の高い遊離アンモニア(NH3)とそれと比べると毒性の高くないアンモニウムイオン(NH4+)が存在します。
双方は、CO2とHCO3-と同じような関係のようにpH次第でその存在比率が変わります。
しかし、それぞれ別々に呼んでいては何かと面倒なので、「総アンモニア濃度」とまとめて
扱われています。
一般的には総アンモニア濃度が0.25mg/L以上では魚に対して何らかの悪影響があり、3mg/L以上では致命的なダメージを与えると言われています。
さらに、
総アンモニア濃度が40mg/Lで魚は即死だそうです。
つまるところ、水槽に添加した際、↑の値に引っ掛からないように園芸用肥料を添加できれば流用できるということになります。
濃度計算
というわけで、ここではアンモニア態窒素に的を絞って濃度計算をしてみたいと思います。
ハイポネックス観葉植物用の裏面表記には窒素分「7」のうちアンモニア態窒素は2.35と記されているわけですから、2.35g/100mlと読み取れます。
2.35g/100ml → 23.5g/L → 23500mg/L
うん・・・すごい濃さのアンモニアです。
カリウムを4%分添加するごとにアンモニアがもれなく2.35%分ついてくることを考えると、
かなり使いづらいと言えそうです。。。
では、次に20倍希釈のハイポネックス観葉植物用を10Lの水槽に添加することを考えてみましょう。
ハイポネックス観葉植物用を10Lの水槽に添加してみる
というわけで、ここからは本格的な濃度計算となります。
なお液肥なので当然ながら液体。
便宜的に1g=1mlとして計算したいと思います。
先にもあげたようにアンモニア態窒素の濃度は2.35g/100ml
これを計算1mlあたりの量に換算すると・・・
2.35g/100ml → 2.35g×0.01 / 100ml×0.01 → 0.0235g/ml
→23.5mg/ml
(要するに分母分子を1/100して単位を変えただけです。)
先にもあげたようにアンモニア態窒素の濃度は2.35g/100ml
これを計算1mlあたりの量に換算すると・・・
2.35g/100ml → 2.35g×0.01 / 100ml×0.01 → 0.0235g/ml
→23.5mg/ml
(要するに分母分子を1/100して単位を変えただけです。)
つまり1mlあたり23.5mgの総アンモニアが含まれているという事になります。
今回はこの液肥を20倍に希釈して10Lの水槽(睡蓮鉢)に添加した時の総アンモニア濃度を求めてみたいと思います。
この濃度(23.5mg/L)を20倍に希釈するわけですから、、、
20倍希釈 → 23.5mg÷20 / ml
20倍希釈 → 23.5mg÷20 / ml
→ 1.175mg/ml
という濃度になります。
という濃度になります。
一見低いように見えますが、40mg/L(単位がmlではなくL)で魚は即死ですから、まだまだ危険な濃度です。
この20倍希釈の園芸用肥料を1mlとって10Lの水槽に添加、つまり希釈するわけですから、最終的な総アンモニア濃度の濃度は以下の通りとなります。
1.175mg/(1ml+10L) → 1.175mg/10L
1.175mg/(1ml+10L) → 1.175mg/10L
→ 0.1175mg/L
(なお、1ml+10L≒10Lとしています)
なので大まかに言えば、20倍にハイポネックス観葉植物用1mlを10Lの睡蓮鉢に添加すると0.1mg/Lの濃度になるということです。
先ほども述べましたが、魚に何らかの影響がでる総アンモニア濃度が0.25mg/Lですから、「なんとか使える」といった感じの濃度となります。
(なお、1ml+10L≒10Lとしています)
なので大まかに言えば、20倍にハイポネックス観葉植物用1mlを10Lの睡蓮鉢に添加すると0.1mg/Lの濃度になるということです。
先ほども述べましたが、魚に何らかの影響がでる総アンモニア濃度が0.25mg/Lですから、「なんとか使える」といった感じの濃度となります。
なお、この時同時に添加できるカリウムの添加後の濃度は0.2mg/Lとなります。
アクア用炭酸カリウム液肥の濃度(蛇足)
以下蛇足です。
計算間違いもあるかもしれません。
例えば、10倍希釈で利用するカリウム液肥などは、20Lに対して1mlの添加ですから、計算は省略しますが10L分のカリウム液肥を添加すると、水槽内での最終的な濃度は5mg/Lとなります。
実際に5mgとはK+ではなくK2CO3(炭酸カリウム)のことです。
モル質量は138g/molでKは39g/mlですから、おおよそ半分がK+になるとすると、2.5mg/Lが本当の最終的な濃度となります。
つまり、いままで計算してきた20倍希釈の園芸用肥料とは1桁濃度が違うという事になります。
20倍希釈の園芸用肥料をアンモニア中毒が起きるギリギリの濃度まで上げたとしても、カリウムの最終的な濃度は0.4mg/Lですから、、、
アンモニアが入っている園芸用肥料をアクアリウムで利用するというのはなかなか難しそうです。。。
かと言えってカリウムを入れればリンも一緒に入ってしまうのも考え物です。
結論:液肥はアクアリウム用がやっぱりベスト
そんなわけなので、ごん太としては、園芸用液肥を無計画に添加するのはお勧めできません。
やはり、多少高くても、成分が表示されていなくても、
安全なアクアリウム用を利用することをお勧めします。
最近はDo!aquaから500円ぐらいの液肥も出ていますしね!
ハイポネックスさんから安く水草用の肥料なんて出たら流行ると思うんですがねぇ。。。
というわけで、園芸用肥料の話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。さて次回は・・・
安い家庭用LED電球でマツモが育たなかった話
というちょっと悲しい話を紹介したいと思います。
それでは次回もお楽しみに!
(更新:2020/7/03)