ミクロソリウムの子株~活着まで
どーもこんにちは。ごん太です。今回はタイトル通り・・・
ミクロソリウムの子株を増やし方とそのメリット・デメリットを紹介してみたいと思います。
また、追記補足ですがその株分けについても簡単に紹介してみたいと思います。
さてごん太、本当はアヌビアスが好きなのですが、どうしても現在の水槽ではプレコがかじるため、どうしても育たない。
なので、我が家の活着系の水草のメインはミクロソリウムです。
そんなミクロソリウムですが、その増やし方はアヌビアスよりもノーリスクで簡単。
アヌビアスは茎を半分に切ることで株分けで増えていくのですが・・・
アヌビアスの「本体」たる茎に切断面ができるということは、どうしてもそこから病気にかかるリスクがあります。
しかし、その点ミクロソリウムは葉から子株が出てきますので、ノーリスクで新しい株が手に入ります。
なので、活着系水草をどんどん増やしたい方はアヌビアスより断然ミクロソリウムの方がお勧めです!。
しかし・・・もちろん欠点もあります。
今回はそんなミクロソリウムの増やし方について詳しく紹介したいと思います。
なお、今回の記述において「ミクロソリウム」は、主にミクロソリウム・プテロプスとミクロソリウム・ウェンディロフ(ウェンディローフ)のことです。
ミクロソリウムの世界は実は奥が深く、思った以上に様々な種類があります。
それら全てに当てはまるとは限りませんのでご了承ください。
それでは目次・サイト内リンクに続きまして本文へと入っていきます。
それでは続きをどうぞ!↓
(サイト内リンク:ミクロソリウム関連)
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ミクロソリウムはシダ植物
種子植物とシダ植物
ちょっと中学・高校の復習になるかもしれませんが、簡単にミクロソリウムが属するシダ植物について説明したいと思います。
そもそもですよ・・・?
↑の冒頭の文章でなんか変なところがありませんでしたか?。
そう・・・
「ミクロソリウムの子株は葉から出てくる」って変じゃありませんか?
私たちが常日頃思い描いている植物というのは種から芽が出ますよね?。
この種から芽が出る植物は「種子植物」といいます。
しかし、ミクロソリウムは葉から芽と根が出てくるわけです。
ミクロソリウムをよく観察するとわかると思いますが、裏にぽつぽつとした黒い点々がありますよね?。
これって実は全部胞子嚢なんです。
つまり種子ではなく胞子(と卵細胞と精子)を利用するわけですから、種子植物ではないのです。
では何植物なのか?といいますと、
実は・・・
ミクロソリウムはシダ植物
に分類されています。
あんな単子葉類のロゼット型植物のなりをしていて実はシダ植物なんですね。
シダ植物って?胞子って?
シダ植物って何ぞやと思う方もおられるかと思いますので、簡単に説明しますと・・・
胞子で増える植物のうち根、茎、葉・・・つまり維管束がある植物のことです。
(ちなみに胞子で増えて維管束がない植物はコケ植物ですね。)
そして胞子が作られる場所を胞子嚢といいます。
ミクロソリウムの葉の裏側の黒い点々がこれにあたります。
この胞子から卵細胞や精子を作り最終的に受精するための場所が作られます。
その場所のことを
前葉体
といいます。
前葉体で受精しさらに生長していくと晴れて子株となるわけです。
上記のように子株が大きく生長して胞子を作り、胞子が前葉体を作り、受精して孫株が生まれ、さらに孫株が生長し・・・
このようにグルグルとその時その時の形態の変化を繰り返しながら代を重ねていくので、このことを・・・
生活環
なんて言ったりします。
親から直接親と同じ形の子が生まれてくる動物や植物などに慣れ親しんだ私たちには、ちょっとイメージしづらいですが、この生活環をもった生き物は実に多くいたりします。
ではミクロソリウムの前葉体はどこ?
シダ植物の生活環ではまず、胞子から前葉体が発芽し生長します。
その前葉体で卵細胞と精子が受精して胞子体(私たちが普段目にするシダ植物といっているもの)になるわけですね。
なので・・・
前葉体(配偶体)と胞子体は別に存在するわけです。
しかし・・・どういうわけかミクロソリウムの場合は葉から子株が出てくるのです。
おそらく前葉体が葉にできるので葉で受精が起きるので、親株の葉からそのまま子株の芽が出てくるわけですね。
ですから、葉が出てくる場所に前葉体があると思われるのですが・・・
ごん太は見たことがありません。
もしくは、ごん太が気が付いてないだけかもしれません。
さて、次の項から、ミクロソリウムの増やし方について記していきます。
ほっとけば子株ができる?
どのような葉に子株ができるのか?
ミクロソリウムは葉から子株ができると↑の章で書きました。
では、実際にどんな葉から子株ができるのでしょうか・・・?
それは古い葉や痛んだ葉です。
ごん太が思うにおそらく、ミクロソリウムの有性生殖(=子株ができる)というのは葉1枚1枚で判断されているのだと思います。
そして、古くなったり痛んできたら葉の危機と判断され有性生殖が行われるようです。
なので・・・人間が手を下すことはほとんどありません。
葉が古くなったら勝手に子株を作ってくれます。
つまり、放っておけば勝手に子株を作ってくれることになります。
どうです?ミクロソリウムって素敵でしょ?
子株を得るためにはどうすればいいの?
ほっといても段々と葉が古くなり痛み始めてきます。
そして有性生殖を行い子株を出すわけです。
人間がすることと言えば、一般的な管理のみで特に増やすために手を出すことはしません。
というよりは、胞子や前葉体で増えるわけですから、子株がある程大きくなってから人間が気が付くパターンがほとんどです。
ですので、子株を作るためには、ミクロソリウムがコケないように、新芽がでてすくすく生長するように管理していればいい、ただそれだけのことです。
当然ですが、子株を得ることが目的の時は・・・
見た目が悪いからといって子株ができる前の古い葉をトリミングしてはいけません。
なんども繰り返しますが、子株は古い葉にできるのです。
そんな葉をトリミングするということは、、、、
せっかくの子株ができるチャンスを逃していることになります。
では、次の 項より子株の育成方法を記していきます。
子株の育成法
子株を見つけたら?
ここからは、子株を見つけて流木や溶岩石に活着させるまでミクロソリウムの育成方法について記していきます。
まず、ミクロソリウムの子株(草丈3mmぐらい)を見つけたら草の長さが3~5cmになるまで・・・
無理に古い葉から引き剥がさず、そっとしておきます。
というのは、おそらく発見時の子株はあまりにも小さいのでそのまま流木などに活着させるのは至難の業です。
なので、大きくなるまで古い葉にくっつけてそっとしておきます。
どうしても子株がついた古い葉が邪魔な場合は・・・
古い葉ごと子株を切り離し、水面に漂わせて下りたり、おもりを巻いて水中に置いておきましょう。
気が付くと流木や石に取り付けられるサイズにまでなっているはずです。
子株が大きくなり始めたら
子株が段々大きくなり草丈も3~5cmになったらいよいよ流木や溶岩石に活着させる段階に入ります。
まず、子株をやさしく傷つかないように古い葉から剥がします。
そして子株をやさしく木綿糸やビニタイで固定します。
無理に剥がして子株を傷つけてしまいそうな場合には、古い葉ごと流木に固定してしまっても良いと思います。
古い葉が朽ち果てる頃には、活着するための根が出ていることが十分に期待できます。
この時期を辛抱すれば立派な親株になってくれますから、大切に育ててあげてください。
売っているサイズになるまでには時間がかかる~子株繁殖のデメリット~
子株を利用した繁殖の欠点
活着のために流木や石に固定したら後は普段通りに管理します。
つまり・・・
コケが付着しないように・・・
ほかの水草で極端な日陰にならないように・・・
(ミクロソリウムは陰性植物なので多少の日陰は大丈夫)
水草が育つ波長のあるライトを設置し・・・
時に適度にカリウム肥料をやり・・・
時にCO2を添加し・・・
(CO2添加は無理に行はなくても大丈夫)
そんな、基本的に水草が生長できる環境を用意できれば、すくすくと生長していきます。
いきなり葉が大きくなることはなく、、
まずは小さいサイズの葉を増やしてから、、、
徐々に葉のサイズが大きくなり、、、、
最終的にお店で売っているよく見るサイズになります。
ここまで環境にもよりますが、
1年~2年程度かかると思います。。。
なので・・・
子株はたくさんとれますが、利用できるまで時間がかかるのです。
有茎草の差し戻しのように、2週間後には元のサイズに戻ることもありません。
浮草のように1週間で水槽を征服することもありません。
その生長は極めて穏やかですが、これが子株を用いたミクロソリウムの増やし方の欠点でもあるのです。
特段に高い種類でない場合で、急いでるときは自分では増やさず、ショップで買ってきた方が早いかもしれません。
ゆっくりとした生長ゆえに・・・
ミクロソリウムは成長スピードこそ遅いですが、大変強靭な種類ですし、弱い光でも生長します。
黒ひげ苔をはじめとしたコケ類の駆除処理も木酢液が利用できますから簡単です。
なので、なかなか枯れるということがありません。
しかしながら、大きな株が気泡をつけた時の美しさは目を見張るものがあります。
有茎草のように6か月、1年という短いスパンではなく、腰を据えて3年、5年と長いスパンでお付き合いができる水草です。
なのでミクロソリウムは強靭で美しく、そして大変愛着のわく水草でもあるのです。
みなさんも、そんなゆっくりと付き合える可憐な水草を栽培してみませんか?
![]() |
古い葉の先端から子株が出ている(赤〇部分) |
![]() |
赤〇部分の拡画像 |
【補足】ミクロソリウムの株分けについて
さて、いままで紹介してきたミクロソリウムの増やし方ですが、子株を利用せずとも株分けで増やすことができます。
株分けの方法は、アヌビアス・ナナなどと同じように茎(茶色の根が出ている部分。葉のついている葉柄ではない)の部分でカッターなどで切断・分割し、そのまま活着させる流木や石に糸や針金などで巻きつけるだけです。
が・・・この方法ってどうしても切断面ができるわけで・・・
(ごん太は今まで意図的に株分けしたことはが・・・)
切断面から病原菌が侵入したり、切断面から腐敗が進行したりすることも稀にあるわけなので、全くリスクが無いわけではないです。
その点子株から生長させれば、切断面は生まれないので時間はかかりますが安全です。
というわけで、時間とリスクを天秤にかけ、子株から育てるか株分けするかを選択したほうがよさそうです。
あとがき
いかがだったでしょうか?。
実はミクロソリウムのトリミングの仕方を書いているときに思いついたネタだったりします。
上の写真もミクロソリウムのトリミングの方法について記したときに撮った写真です。。。
ごん太の家にはこのようにして増やしたウェンディロフとプテロプスが1株ずつあります。
水草も生体と同じで、長く栽培すればするほど深い愛着がわくものです。1つの株とじっくり腰を据えて付き合ってみてはいかがでしょうか?
(更新:2020/2/2)