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2018年12月4日火曜日

増えすぎて困る浮草を無理やり増やさないようにする自作

浮草は可愛らしい。でも、それなりに手がかかるのです。

(2022/9/17 更新)

――浮草が増えて影ができ、光が当たらず水草達が調子を崩す。

そのようなことで悩んでいませんか?

今回は……

簡単で誰でもできる、道具で浮草が必要以上に増やさないようにする方法。
コレについて紹介したいと思います。

どうも、こんにちは。ごん太です。
さて前回は……

溶岩石にウィローモスを活着させるため、瞬間接着剤で接着してみた

そんな様子を写真とともに投稿しました。
今回は久々に睡蓮鉢ではなく水槽に話を戻しまして、タイトルの自作物を紹介していきたいと思います。

それでは、目次に続きまして本文に入っていきます。
続きをどうぞ。



勝手に増えると困る理由


水槽で栽培するメリット

初めに宣言しておきます。
わたしは、浮草が大好きです。

上から水面を眺めれば、ばっちりとした存在感。
さらに、稚魚や稚エビの隠れ家にもなってくれます。

おまけに、グングンと生長してくれるので、硝酸塩もがっつり吸収します。
水質悪化も起きづらくなります。

そんな多くのメリットが、浮草にはあります。



育ちすぎる! それが困るのです。

そんな素敵な植物ですが、困ったこともあります。
それは……

短期間に大増殖。
あっという間に水面を覆いつくしてしまうことです。

わたしが栽培している浮草は、ドワーフ・フロッグピットとルドウィジア・フローティングプラントの2種だけです。たったの2種だけでも、成長力がとても旺盛で、水草アクアリウムを営む上での不都合が起きるのです。

例えば、水換え時には水面の1/3程度残し浮草を撤去するとしましょう。
しかし、その1週間後には、水面全てを埋め尽くしています。
おそるべき成長力!

感心してばかりではいられません。
その影響を受けるモノ達もいるのです。

それは……

水の中にいる植物たち。
彼ら水草は、光が届かず調子を崩しやすくなるのです。



いつも浮草の手入れができるとは限らない。

もちろん、水替えのたびにトリミングや撤去をしています。

それでも次の水替えまでには、もれなく水面を浮草たちが占領しています。まさに賽の河原です。

3~7日に1回ペースで撤去〝さえ〟すれば問題は、一時解決します。
しかし、いつも水槽に手をかけられるとは限りません。

そこで、浮草たちが勝手に増えすぎないよう、ちょっとしたモノを利用して、とある道具の自作をしてみることにしました。

次のパートでは、事の発端を述べつつ、記事後半から浮草が勝手に水面を埋め尽くさない自作物のつくり方についてのお話となります。



覆いつくす浮草、水草の不調の怪


水温が不安定だから不調なのか?

わたしの水槽の水草たちは、毎年9月~11月に不調となることがよくあります。
具体的には、黒ヒゲ苔が目立ち始め、茎も細く生長が遅れがちになるのです。

おそらくは秋という不安定な気候のため、水温も安定せず水草達も調子を崩しやすいのでしょう。

実際、わたしの水槽で毎年水草が最盛期を迎えるのは、真冬=気候が安定する2月です。それが証拠として、さも当然のように、水温不安定時に起きる「いつものこと」だと思っていました。

が……、

それにしても、今年の不調ぶりはあまりにも酷いものがありました。
そこで、原因を探ることにしたのです。



水草不調の原因

一度でも栽培がうまくいっている水草。
それが不調になるのは、基本的な「何か」を見落としているからです。
原因に目星を付けると――


  • CO2不足
  • 肥料不足
  • 光量不足
  • 硬度が適正範囲から逸脱
  • 水温の不安定

以上が挙げられます。

水温の不安定は先に述べました。それ以外をさっとチェックしてみたところ、問題となっていたのはやはり……

光量不足!
それも、浮草が作り出す日陰!!

以上の経緯から、浮草が勝手に増えないような対策をすることにしました。



浮草が勝手に増えないようにエアチューブで堤防を作る!(道具編)


浮草堤防の原理

さて、ずいぶん前置きが長くなりました。

では、浮草が好き勝手に増え、望まない場所で勝手に日陰を作らないようにするには、どうすればいいのか?↓

エアチューブで作った堤防と浮草

上のようにエアチューブを利用して、浮草が勝手に広がらないように連なる壁を作ればいいのです。

構造はすごく単純です。

しかし、この自作品をキスゴムで水面に浮かせるだけで、効果テキメン。

水面が生活圏の浮草には、たったこれだけで大きな壁となり、「封じ込め」ができるのです。
それではお待ちかね、自作についての紹介となります。



道具

すべての道具は、アクアリストなら〝だれでも〟持っているようなものばかりです。


  • エアチューブ
  • エアチューブ用吸盤
  • ハサミ(作成時のみ)

以上3点です。

ここからは道具を簡単に説明していきましょう。

・エアチューブ

まずはエアチューブ。
これで壁を成し堤防とします。

用意する長さは、水槽のサイズにもよりますが、1m程度あれば十分です。

今回の自作品では、取り付け予定水槽の奥行の長さ程あれば十分事足ります。


・吸盤(キスゴム)

吸盤は、エアチューブでできた堤防を固定するのに用います。

チューブでできた堤防は、内部の空気があり自然に浮きます。

そのため、このままではプカプカと移動してしまうので、ズレないように両端に1個ずつ、計2個で止めます。


・ハサミ

最後にハサミ。

これはチューブが切れれば、どんなものでも構いません。

100均の物でも、裁縫用の物でも、水草用の物でも、はたまた釣り用の物でも。シリコンでできたエアチューブが切れればOKです。


というわけで、今回利用した道具はたったの3つ。

ほとんどのアクアリストさんなら、なにも準備せずともすぐにできるのが、この自作品の強みです。



エアチューブで堤防を作る!(手順編)

ここからは、実際の写真を用いつつ、手順を紹介してみたいと思います。
(と言っても↑の画像を見れば、誰でもすぐに作れそうな気もします。)


長さや形を決める

どのような堤防を作るのかによって、長さは変わります。

壁を直線で良いですし、次回述べるように円形に組んでも構いません。

今回自作する堤防は、水槽前面~水槽背面まで一直線で結ぶ堤防です。
そのため、実物の奥行をメジャーで測りました。

が……、なにも定規やメジャーで正確に測定しなくても構いません。
また、水槽が目の前にあれば、チューブを直接置いてい目星をつけるだけでも構いません。

今回の自作品は、そこまで精度が求められるものではないからです。

もちろん、短すぎるのは困りものですが、ある程度は目測で長さを決めて大丈夫でしょう。



エアチューブをカットする

↑で測った長さだけ、エアチューブを切り取りますが、

その前に……

吸盤がチューブの端ですっぽ抜けることがあります。それを防ぐために、吸盤が堤防から外れないよう、結び目でコブを作ります。

そのため、

結び目の長さだけ(多く見積もって10cm程度)余分にエアチューブをカットするようにしましょう。



吸盤をエアチューブに通し、両端を結びコブを作る

ここからはチューブと吸盤を利用して、堤防を作っていきます。

まず、吸盤2個の向きを揃えてエアチューブに通します。
次いで、↑のパートで説明したように……

両端を「かた結び」でも「8の字結び」でも何でもいいので結び、コブを作りましょう。

こうすれば、引っ掛かって吸盤が外れなくなるワケです。
また、この時結び目を「きつく」結べば、チューブ内側に水が入らず空気が残り、

さながら「浮き輪」となり自然に浮きます。

結果、浮草たちの生息域を封じ込めてくれるのです。

それはさておき、チューブの壁が完成するとこんな感じになります。

浮草用のエアチューブ堤防の出来上がり!
(今回は使い古したエアチューブと吸盤で試作。)

うん、――ボロイ。キタナイ……。

※次回見た目のイイ浮草堤防を自作し直します!

次のパートでは、完成した堤防を設置していきます。



吸盤で水槽壁両端に固定する

エアチューブ堤防設置前

今回は清掃直後の水槽の水面に、吸盤で固定してみました。

エアチューブの堤防を設置後

この時、なるべく壁面と隙間ができないようにしましょう!!

その部分から浮草が逃げ出し、増え続けますのでご注意を!



浮草を堤防内に入れる

最後に、浮草を下の画像のように堤防に入れてできあがりです!

エアチューブの堤防内に浮草を入れる

一連の作業でやることは、ただ単にエアチューブ切って吸盤で張り付けるだけ!

難しいことは一切なしです。
そんな自作ですが、浮草が増えすぎてお困りの方には、かなり有用性が高いものとなっています。



注意点


浮草の脱走防止のために

前述しましたが……

堤防と壁面には、隙間ができないように設置してください。

植物と言えども生物です。
己の生息範囲を広げようとするのは、生あるモノ達がすべてが持つ本能。
隙間があれば、下の画像のように脱走します。

隙間からはみ出した浮草
(隙間からはみ出しているドワーフ・フロッグピット)

そして、逃げ延びた株は、再び自由奔放に増え続けるのです。

浮草の生命力……なんと恐ろしいことか!



より良い外観・景観のために

利用したエアチューブの色によっては、果てしなく目立ちます。
今回自作したものが、まさしくそうでしたね?

そんな時は、無色透明なもの(耐圧チューブ)や、細いもので作りましょう。

また、堤防を設置する位置にもよりますが、下のような写真のように水槽前面に吸盤が来てしまい、なんとも目立つこともあります。

堤防を固定している吸盤が目立つ

こんな時は、エアチューブで作る堤防の「形」にひと工夫を施せば、解決することも可能です。

例えば、壁を円形にすれば、吸盤で固定する箇所は1か所ですみます。

もちろん、前面でなくても良く、水槽内壁をぐるっと囲む円であるためどこにでも吸盤を取り付けても良いワケです。目立たない背面や側面にも取り付けOK。
おまけに結び目の「コブ」もなくなるわけです。

と、いろいろ改善方法を記しましたが、次回それらを実践してみたいと思います。

次回記事のリンクは

コチラ

というわけで、最後に設置後の写真を張り付けて今回はここまで!


浮草堤防を設置した水槽全景
(浮草は左側で封じ込められ、水面を覆いつくしません)


10か月利用してみて

なお、2019/9/26現在、次回紹介する浮草用の堤防を利用しています。
その効果は目を見張るものがあり……

浮草のせいで水槽が真っ暗!ということはここ半年以上起きたことがありません。

ですから、「浮草は好き! でも影がなぁ……」とお悩みな水草アクアリストさんには、是非お勧めしたい自作品となっています。