より安全に木酢液で水草についたコケを駆除する手順
どうも、こんにちは。ごん太です。
さて前回は・・・
【ソイルを思う存分掃除できる?】「取り外し可能」な水草水槽の掃除風景
と題しまして、ちょっと変わった水替えの様子と、栽培している水草たちの紹介をしました。
今回は少し話が変わりまして……
木酢液を利用した苔駆除方法について述べていきたいと思います。
木酢液は、その使い方さえ間違わなければ、すごく頼れるアイテムなんです!
この記事では、木酢液を水草に利用する上での注意点、道具、方法。
さらには、安全に利用する方法(=パッチテスト的な物・・・正確には、パッチを利用していないので、パッチテストではありません。)について述べていきたいと思います。
目次に続きまして本文に入っていきます。
それでは続きをどうぞ!
(本文は少々長めになっています。お忙しい人は、↓目次リンクよりお目当てのパートへジャンプしてください。)
当記事の対象となる水草=水槽から取り出せればOK
木酢液は丁寧に使えば陽性植物にも使える
まず、利用対象の範囲ついてですが……
「水槽から取り出せる」水草というくくりとしました。
水槽から取り出せる水草と言いますと、アヌビアスやミクロソリウムなど活着する陰性植物が有名です。それらが今回の説明の対象となっています。
また、鉢植えで栽培している有茎草を含む陽性植物も、今回紹介する方法で、木酢液が一応利用できます。
一般的に、木酢液は陽性植物に利用できません。
陽性植物は葉が薄く、木酢液が強く作用してダメージとなるからです。にもかかわらず、陽性植物が、木酢液を利用できると言い切れるのは、わけがあります。
葉の薄い陽性植物でも、後述の〝安全な濃度と作用時間〟を導き出すテストで、ダメージの有無を確認さえすれば、問題なく木酢液を利用できるからです。
ですので、陰性植物+陽性植物=ほとんどの水草 かつ 水槽から取り出せるというくくりにしました。
水槽から取り出せない水草はどうする?
今回、水槽から取り出せない水草については、詳しい紹介の対象としていませんが、木酢液でコケ処理できないというわけではありません。
ソイル直植えな水草でも、生体を避難させ、フィルターを止めたうえで、水草があらわになるまで水位を低くすれば木酢液は利用できます。
その際、水槽内での作業となります。水草にダメージのある液体が広範囲に飛び散ることになりますので、なにかと不都合です。
スプレーではなく刷毛を利用すれば、目的の水草のみに木酢液を塗れますが、すすぎで難儀することになります。カルキ抜きした水や飼育水で、水草に付いた木酢液をすすぎをすることになるのですが、すすいだ水がそのまま水槽に溜まります。
使用量が少なければ、そのまま注水すれば木酢液は十分に薄まり、問題なく飼育できるかもしれません。ですが、熱心にコケを駆除した時や、水槽が小さい場合、木酢液が水質に及ぼす影響を考えれば、すすいだ水を抜きらないわけにはいきません。
そんなわけで、今回紹介する方法の駆除原理こそほぼ同じですが、その手順は全く違いますので、当記事ではソイル直植えな水草は対象としていません。
実際に今まで、〝安全〟に木酢液が利用できた水草たち
そんな木酢液ですが、作用時間と濃度さえ間違えなければ安全です。
このパートでは、実際に安全に利用できた水草たちを、一覧にして紹介していきたいと思います。
まずは陽性植物。
・ヘアーグラス
・ウォーターウィステリア
・ハイグロフィラ・セイロン
・ロタラ・ロトンディフォリア
ついで陰性植物。
・ウィローモス
・ミクロソリウム・プテロプス
・ミクロソリウム・ウェンディロブ
上記7種が日常的に、木酢液の処理をしています。
また、過去以下アヌビアスの仲間4種にも利用して安全を確認しています。
・アヌビアス・ナナ
・アヌビアス・ナナプチ
・アヌビアス・バルテリー
・アヌビアス・コーヒーフォリア
以上、計11種が木酢液を安全に施せたのを、ごん太は確認できています。
ただし、安全に利用するには条件があります。
作用時間や木酢液の濃度次第では、容易く枯死する水草もあります。
必ず安全に利用できる濃度と時間を、後述のパートで紹介する方法などを利用して確認してから、利用してください。
また、セキショウモのように、弱酸性でも溶けてしまう水草も世の中にはあります。安全性を確認するためのテストだけでもダメージとなる水草もありますから、細心の注意で利用してください!
というわけで、次の項ではお約束な注意事項について。
注意事項
ここからは、木酢液を利用するうえでの注意事項となります。
上のパートでもすでに述べた内容ではありますが、一歩間違えれば水草水槽の壊滅につながります。
そのため当記事では、同じような注意をこのパートのみならず記事最後まで繰り返し述べていきたいと思います。
【木酢液を水草に利用する際は、必ず自己責任で!】
今回の記事で紹介する方法を参考に、木酢液で利用する場合は必ず自己責任のもと実施してください。
どんな木酢液の利用方法であろうと、苔や水草にダメージになるものを利用するわけですから、枯死の危険性は常に付きまといます。
【はじめて木酢液を利用する際には、必ずテストをすること】
はじめて木酢液を利用する際は、必ず後述しますテストをするようにしてください。
そして、水草に害のない安全な濃度と作用時間を見定めてから実施してください。
また、安全な濃度と作用時間を確認するテストは、あくまでも実際に木酢液を目立たない場所に塗布して安全性を確認する方法ですので、水草に害がないというわけではありません。
テストでもピンポイント溶けてしまったり、穴が開いてしまったり、最悪株全体が枯死する可能性もあります。
木酢液の利用には枯死のリスクが付きまといます。
ですので、この記事では何度でも、口酸っぱく、注意喚起していきたいと思います。
あしからず。
安全な濃度と作用時間を探る
なぜ濃度と作用時間を調査する必要があるのか?
ネット上には(もちろん当ブログ当記事にも!!)、
――木酢液を利用する場合、~という水草には~倍希釈で~秒すれば……――
というように、濃度と時間を断言している記述が、非常にあふれています。
しかし、そもそも水草ごとに木酢液への耐性は違いますし、木酢液の強さも1商品1商品違います。
ですから、前提条件が違う以上、ネットの情報を鵜呑みにしないほうが良さそうです。
なるべくならば、ご自身でこれから利用しようとしている木酢液の安全性つまり……
「?倍希釈で?秒作用させるなら、我が家の水草でも問題なくコケが駆除できそうだ」
↑このことについて、あらかじめ調べておくべきでしょう。
木酢液を利用するにあたっては後述のようなテストをして、安全な濃度と時間を確認してから、黒ひげ苔除去に利用するようにしてください。
これを怠ったり、テストの操作誤ったりすると、記事最後で述べる失敗談のように、水草を溶かすこともあります。
安全確認のテストで利用する道具
【道具一覧】
・水草
・木酢液
・水
・筆(なるべく細いもの)×3本
・カップ×3
・スポイト
・園芸ラベルまたはビニタイ
・ストップウォッチ
・バケツ
【木酢液】
木酢液は園芸用であれば、どんなメーカーのどんな商品でも構いません。
これからこの木酢液のテストをするわけですから、黒ひげ苔除去に利用する予定の木酢液を利用してください。
(今回利用した木酢液) |
【水】
水は木酢液を薄めるのに利用します。
水道水で問題ありませんが、カルキに弱い水草に利用する場合はカルキを抜いておいたほうが無難です。
【筆】
筆はテスト時に、木酢液を水草に塗るのに利用します。
100均の筆で十分です。
今回はあくまでテストですから、太い筆で広範囲に塗ってしまうと、ダメージを受ける部分も広くなります。
ですので、なるべく細い筆が良いと思います。
また、各濃度が混ざると正確に判定できないので、3本用意し各倍率専用としてください。
【カップ(コップ)】
カップに希釈した木酢液を入れます。何でもよいです。
木酢液の臭いが残るので、なるべく使い終わったプリンのカップや紙コップなど、捨てられるものが良いでしょう。
【スポイト】
スポイトは、木酢液や水を計量するのに利用します。
スポイトがなければ100均で販売されている、注射器や計量スプーンでも大丈夫です。
【園芸用ラベル】
園芸ラベルやビニタイを塗布した場所の目印として利用します。
目印になり水槽や水草に害を及ぼさなければ、それらでなくても良いです。
【ストップウォッチ&バケツ】
ストップウォッチは作用時間を測るために、バケツはすすぎで利用します。
バケツの中身はなるべくカルキ抜きした水や飼育水がよいでしょう。
安全な濃度作用時間を探る、テストの方法
以下に示す方法は、希釈した木酢液を水草の一部分に塗布、任意の時間作用させ、その安全性を確認する方法です。
このテストを目立たない場所や狭い範囲で行い、安全な濃度と時間を前もって調査しておきます。範囲が狭いですので、万一木酢液が水草に害を及ぼしても、大惨事にならなくて済むというわけです。
なお、繰り返しますが……
このテスト自体が安全というわけではありません。
また、後述の木酢液スプレーの安全を保証するものでもありません。
濃度と時間次第では水草のダメージになる可能性があります。
また、セキショウモのように、そもそも酸性は苦手という水草には、テストですら枯死の危険性があります。
このテスト自体、水草を枯らすリスクがあるので、必ず自己責任で行ってください。
それでは、下より安全な作用時間と濃度を、テストする方法となります。
①水草を水槽から取り出す
まずは、木酢液を塗る対象となる水草を、水槽から取り出してください。
なお前述の通り、水槽から取り出せない水草については、今回の記事のターゲットとしていません。
②よく観察し木酢液を塗布する場所を決める
木酢液を塗るわけですから、部分的に溶けたり枯れたり穴が開いたりと、ダメージを受ける可能性があります。
なるべく目立たない箇所を3つ見つけ、そこをテストする箇所とします。
また、塗布後水槽に戻すと、どこに塗布したかわからなくなります。
丸めたビニタイを茎に引っ掛けたり、園芸用のラベルを差し込んだりして目印をつけておきます。
③木酢液を5mlカップに取り出す
3つのカップに、それそれ5mlの木酢液を取り出します。
ピペットでも、スポイトでも、注射器でも、計量スプーン(小さじ)でも、とにかく何でもいいので「計量」してください。
目分量はトラブルの原因ですので控えてください。
④水でそれぞれ2倍、3倍、4倍に希釈した木酢液を作る
3つのカップにそれぞれ水を入れて、2倍、3倍、4倍に〝希釈〟します。
各希釈倍率にする木酢液と水の量は以下の通りです。
2倍希釈→木酢液5mlに水5ml
3倍希釈→木酢液5mlに水10ml
4倍希釈→木酢液5mlに水15ml
カップの中で分量通りの木酢液と水を、よく撹拌してください。
⑤筆で希釈した木酢液を塗布する
②で探した目立たない3部位のうち1部位に、希釈したそれぞれの木酢液を、塗布します。
なお何度も述べていますが、木酢液の安全な濃度と作用時間の確認ですから、部分的もしくは全体的に枯死する可能性がこの作業にはあります。
ですのでなるべく目立たない場所に、枯死しても株全体のダメージとならないよう筆で、「チョン!」と小さく木酢液をつけていきます。
これを〝各倍率〟で専用の筆を用意して、手早く塗ってください。
なお、2倍で使用した筆を4倍で使用すると、筆の中で濃度が狂い正確な結果が出ませんので横着はやめましょう。
以上を、各倍率の木酢液で、なるべく手早く塗布します。
下の図のように各倍率に希釈した木酢液を左、中、右のように並べて塗布すると、比較しやすくなります。
(②で探した1か所につき3種の濃度を塗布します。) |
最初と最後の倍率の塗布が10秒以上開いてしまいますと、比較検討になりませんからご注意ください。
後述しますが、木酢液を塗るのに手間取るようでしたら、1つの倍率に絞って塗布し、そのままストップウォッチで作用時間を計測(次の項)してください。
⑥ストップウォッチで10秒経過後直ちにバケツですすぐ
塗布し終わったらストップウォッチをスタートさせます。
そしてまずは10秒経過後にただちにバケツで水草をすすぎます。
筆で木酢液を塗るのに時間がかかるような入り組んでいる部位でしたら、1つ1つ塗布とすすぎを繰り返した方が、より正確な結果が出ると思います。
⑦繰り返す
以上③~⑥(2倍、3倍、4倍)を⑥の10秒を、20秒と30秒に変更して繰り返します。
また、塗布する部位は下の図のように、それぞれ②で見つけた部位残り2箇所に、別々に塗布してください。
(3つの濃度×3つの作用時間=9か所でテストすることになります。) |
⑧判定
必ず一週間以上経過してから判定してください。
安全性が気になるようでしたら、2週間あけて判定してもいいくらいです。
(葉に異変があった!)
塗布した部分が溶けたり、白くなっていたり、黄色くなってたら、濃度が濃すぎるもしくは作用時間が長すぎることを示しています。その濃度と時間は利用しないでください。
(異変なし!)
木酢液を塗っても、葉に変化が無かった濃度と時間を、安全に利用できる時間と濃度として、後述の黒ヒゲ苔の除去で利用していきます。
なお、テストで安全に利用できる時間と濃度が複数あった際には、水草に害をなさない一番高い濃度かつ長い作用時間を、実際の黒ひげ苔処理で利用します。
ただし、一番高い濃度かつ長い作用時間ですと多少リスクもありますから、マージンをとって、それより1段階低い濃度と短い作用時間でもいいかもしれません。
(全ての塗布箇所に異変があった!)
テストした作用時間と濃度が、大きすぎることを示しています。
より短い作用時間、より薄い濃度(より高い希釈倍率)で再度テストしてください。
(注意点)
今回見定めた安全な濃度と作用時間は水草の種類によって異なります。ですので、違う水草に木酢液を使用する場合は再度同様に安全を確認することをお勧めします。
また、セキショウモのように、そもそも弱酸が苦手という水草には、木酢液は利用できません。
高倍率で希釈すれば利用できなくもありませんが、その場合黒ひげ苔に対する駆除作用はほとんど期待できないものと思われます。
(ごん太のテスト結果)
なお、ごん太の場合ですが、我が家の水草でテストした結果……
文中、写真で紹介した木酢液の場合、3倍希釈20秒
という結果になりました。
この希釈倍率と作用時間を利用して、次のパートより木酢液を利用した黒ひげ苔の除去方法について、述べていきたいと思います。まずは道具となります。
木酢液で黒ひげ苔駆除(道具編)
ずいぶんと前置きが長くなりましたが、それだけ木酢液は危険だということです。
ここからは、木酢液で黒ひげ苔を駆除するための方法について、述べていきたいと思います。
まずは、道具について記していきます。
【道具一覧】
・水草(黒ひげ苔を駆除するもの)
・木酢液
・水
・計量カップ
・スプレーボトル
・バケツ
・カルキ抜きした水
・ストップウォッチ
・ディスポの手袋
※
前述の安全性テストのパートと
ほぼ同じ内容となっています。
【木酢液】
上のテストで安全な濃度と作用時間が定まった、木酢液を利用します。
安全性さえ確認できていれば、園芸用のどんなものでも大丈夫です。
【水】
木酢液を希釈するのに利用します。
おそらく水道水で問題ないはずですが、極端にカルキに弱いような水草もありますので、なるべくカルキ抜きしたものを利用するといいでしょう。
【計量カップ】
希釈する際、木酢液や水を計量するのに利用します。
木酢液は臭いがきつく残るので、調理などで使っているものを流用するのはやめましょう。100均で売っているので新たに購入することをお勧めします。
【スプレーボトル】
希釈した木酢液を噴霧するのに利用します。
最近の100円ショップでは、どの店舗でも販売されていると思います。
ホームセンターで探す場合は、農薬売り場の近くに散布用として置いてあると思います。
【バケツとカルキ抜きした水】
噴霧した木酢液をすすぐのに利用します。
水草が直接浸かるので、なるべくカルキ抜きした水を利用します。
水槽に戻さないのであれば、飼育水でもいいです。
【ストップウォッチ】
木酢液と植物の作用時間を測定するのに利用します。どんなものでも良いです。
スマホについているので十分です。
【ディスポの手袋】
木酢液は手に付着すると、少なからず臭いが残ります。
よく洗ってもなかなか取れませんし、人によっては煙草の臭いと勘違いされることもあります。
普段からハンドクリームを塗ったり、手のお手入れをしているような人は、100均で売っているディスポの手袋の利用をお勧めします。ごん太は全然気にしないので素手でやってます。
というわけで、次はその方法について紹介します。
木酢液で黒ひげ苔駆除(方法編)
このパートでは、実際の方法について紹介していきます。
今回読みやすさの観点から、作用させる濃度と時間は、ごん太が普段利用している3倍希釈と20秒と記載しますが、
前述したテストで安全性が確認された、ご自身の作用濃度と作用時間に読み替えて、読み進めてください。
なお、繰り返しますが必ず自己責任で実施してください。
木酢液の希釈~スプレーまで
①木酢液を希釈する
今回利用するスプレーボトルは300ml入るタイプですので、3倍希釈の木酢液を300ml作ります。
~倍希釈という表現は、「希釈するもとの体積の~倍になるように薄める」ということです。
ですから、今回は3倍希釈といよりは1/3の濃度に薄めた木酢液を300ml作ると言ったほうが分かりやすいかもしれません。
詳しい分量を下に記した通りです。
3倍希釈木酢液(300ml) → 木酢液(100ml):水(200ml)
なお、濃すぎると思わぬトラブルの原因になりますから、必ず計量カップを利用してください。
②スプレーボトルに入れる
3倍に希釈したとはいえ、臭いがきつく残ります。
ですから、こぼしたり手につかないように気を付けてスプレーボトルに入れてください。
漏斗などを利用すると、こぼさず安全に薄めた木酢液を移せます。
(3倍希釈木酢液入りスプレーボトルの出来上がり) |
③木酢液で処理した水草をすすぐバケツを用意
予めすすぎのためのバケツと水を用意しておきます。
用意しておかないと、手間取って10秒20秒と作用時間が増え、トラブルの原因となります。
速やかにすすげるようあらかじめ準備しておきましょう。
バケツに用意する水の量は、水草がすっぽり浸かる分となります
④黒ひげ苔を駆除する水草たちを取り出す
ここでやっと、水槽より水草を取り出します。
淡水エビや稚魚がいる水槽では、よく水草を水槽内でゆすって取り除いてください。
木酢液のスプレー~下準備まで
以下⑤と⑥は同時に行います。
スプレーの開始とストップウォッチのスタートを同時に行います。
⑤木酢液をスプレーする(⑤と⑥は同時に行う)
スプレーボトルで希釈した木酢液を、水草に向かってスプレーします。
水草の葉全体にかかるようにスプレーしましょう。
まんべんなくかかりましたら、スプレーをやめ作用時間が経過するのを待ちます。
根にかかると調子を落とす水草もありますから、根にはなるべくかけないようにしましょう。
また、木酢液はにおいますし、きつい残り香ありますから、スプレーする場所には注意しましょう。
ごん太は換気扇を回しながら、すすぎ用のバケツの内側の水上でスプレーしています。
こうすればすぐにすすぎができて、臭いも広がらず便利です。
⑥ストップウォッチをスタートさせる(⑤と⑥は同時に行う)
今回の作用時間は20秒ですから、木酢液をスプレーし始めてから20秒間の経過したら、すぐにすすぎを開始します。
時間経過後にただちに木酢液がかかった水草を、すすげるような状態でスプレーしましょう!
10秒、20秒の遅延は水草にもよりますが命取りです。
⑦カルキ抜きした水ですすぐ
バケツにためておいたカルキ抜きした水で、十分に水草をすすぎます。
30秒程度は水中でゆすったり留めておいたりして、水草についた木酢液を取り除きます。
水草を水槽に戻す~効果確認まで
⑧水草を水槽に戻す
十分にすすいだら水草を水槽に戻し、元の位置にレイアウトします。
鉢植え栽培の場合はソイルなど底床が舞わないように注意しましょう。
⑨効果確認
以下の2点について確認します。
・黒ひげ苔が枯死したか?
・水草が枯死していないか?
まず黒ひげ苔の枯死について。
木酢液に暴露した黒ひげ苔はその直後~3・4日かけて赤く枯死します。
黒ヒゲが赤くなったら駆除成功ということになります。
ミナミヌマエビやヤマトヌマエビは、黒ひげ苔を普段食べませんが赤くなった黒ひげ苔に限り、エビでも食べられるようになります。木酢液で黒ひげ苔駆除をする場合には、淡水エビを入れておくと駆除がとてもはかどります。お勧めです。
エビを利用しない場合は、赤くなった黒ひげ苔がしばらく水槽内にあり続けるので、少々景観的に気になるかもしれません。
それでも、じわりじわり赤くなったコケが消えていきます。
次に水草の枯死について。
万が一ダメージを負った場合、弱い水草は数日で、強い水草は徐々に枯死し始めます。
特に陰性植物は葉が厚く刺激に強いですから、1週間後~2週間後に突如として溶け始める、なんてこともあります。
木酢液で黒ひげ苔駆除を駆除する場合は、なるべく安全な濃度と作用時間を見定めてから実施し、実施後も最低1週間以上は経過観察をしてください。
木酢液が濃すぎたり、作用時間が長すぎたりすると・・・
木酢液の濃度が高すぎたり、作用時間が長すぎたりすると溶けるようにして水草が枯死します。
ごん太は2種の水草に木酢液でダメージを与えてしまい失敗したことがあります。
まず、ウィローモス。
ウィローモスは深い緑色をしていますが、スプレー直後から色が抜けて、段々と黄色になり、最後には溶けてしまいました。
木酢液で枯死した状態というのは、ミナミヌマエビの絶好のおやつになるようで、溶けた部分も含め最終的には何も無くなってしまいました。
お次はミクロソリウム
こちらはスプレー1週間後から徐々に状態を崩し始めました。
部分的ではありますが、葉が最初に溶け始め、次に茎も溶け始めてしまいました。
ウィローモスと違い木酢液への耐性が強かったため部分的で済んだと思いますが、株の大きさが全盛期の半分ほどになってしまいました。
結局元のサイズに戻るまで2か月ほどかかりました。
このように、実施者のさじ加減1つで水草を枯らしてしまうこともありますので、実施の際は細心の注意を払い、そして必ず自己責任で実施してください。
というわけで、木酢液の利用方法についてはここまでとなります。
長文読んでいただきありがとうございました。
(更新:2021/11/18)