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2023年12月17日日曜日

初心者さんには60cm水槽はおすすめなのか? 改めて考えてみた!

考えれば考えるほどに60cm規格水槽だが……

どうもこんにちは、ごん太です。
今回も削除した過去記事から、普遍的なテーマを加筆修正した上で投稿してみたいと思います。今回のテーマはズバリ……、 60cm規格水槽は誰にでもお勧めできるのか? 
これについて述べていきたいと思います。

水量も程よく、器具のラインナップも充実、値段も安いといいことづくめの60cm水槽。初心者さんならコレと言われていたこともあり、それを反映するようホームセンターには縁あり水槽に投げ込み式フィルターを組み合わせた金魚セットがずらずらと並べられていた時代がありました。しかし、それはわたしが水槽を知った遠いある日の話。
近年ますます現代人のライフスタイルは多様化しており、アクアリウムは今や男性だけの物では無くなりつつあります。生き方はもちろん、趣味にも多様性をもたらしているのはネットやSNSをはじめとした幾千万の情報源。人に教わらなくても本を見なくても、スマホを使えば、ほぼ正解に近い答えを知れる時代を迎えつつあるのです。

そのような背景があるため、古来(?)より信仰されている60cm規格水槽激推しについて、改めて考え直してみる頃合いではないかと思い、このような記事を書くことにしました。



初心者さんには60cm規格水槽だと言われている最大の理由

まずは、今回の話の大前提、60cm規格水槽が勧められている理由について、述べていきたいと思います。


千の知識より一つの失敗が骨身にしみる

いまでこそ、このような水辺系ブログに文を晒しているわたしですが、初めてからアクアリウムについて詳しかったわけではありません。文字として見てきた数多の知識よりも、失敗や挫折の実体験を紐解いて身につけてきたと自負しています。思い返せば、わたしが初心者のころは実体験が少なれければ、それを補う知識や技術もありませんでした。あれよあれよという間に間違った方向に水槽は進み続け、悲しい結末を迎えさせてしまったこともあります。だからこそ、主のいなくなったタンクを見て悲観に暮れることはあれど、次こそは絶対にという強い気持ちで知識の吸収・技術の習得にいそしむことになったのです。
あぁもし、あの時の自分に今話しかけられるのなら、何をアドバイスをすればよかったのでしょう。きっと、こう伝えるに違いありません。

いますぐ、その10Lの超小型水槽をやめて、せめて60cm規格水槽にするべきだ!

と。



誰もが最初は初心者

わたしを含め、初めて水槽を立ち上げることになった多くのアクアリストさんは、何が失敗の原因なのかを知らないまま、調子を崩した病魚の看病に奔走することになります。
アンモニア、亜硝酸という毒が出ているのは知っている。だらからもちろん水換えもしている。フィルターができるまでは耐え忍ぶのだ……。たしかに、これは正解です。
しかし、本当の戦いはそのサイズを選ぶ時から始まっているのです。そして、これを真に理解できるようになる頃には、おそらくもう初心者さんと呼ばれることはないでしょう。それだけ、水槽の立ち上げには知識・技術・経験を必要とするのです。
もちろん、初心者と言われる期間は誰にでもあります。決して貴方が悪いわけではありません。それでも命を扱う趣味です。どの子でも元気であり続けるのが良いにきまっています。

しいて言えば、スタートさせた最初期に、無理難題を突きつけてくる、このアクアリウムという趣味が悪いのです。

生き物を飼っているのに、そんなの無責任だ! と非難する人もいるでしょう。しかし、わたしが知っているころからこの状況は変わっていませんし、変われるほどの技術的進歩もありません。種水をもらってこい! 怒鳴る人もいますが、それをもらっても万事解決とはならないのがアクアリウムの難しいところ。
なんにせよ、アクアリウムの再序盤で初心者さんを挫折させ退場させてしまうことこそ、この業界の損失ではないだろうか……とわたしは常々考えています。
初心者さんが精いっぱい頑張っているわけです。ちょっとやそっとの失敗は、あって当然なのではないでしょうか? わたしも様々な趣味を嗜んでいますが、趣味人口が増えれば、その利益はやがてベテランさんへと還元されます。ならば殺した死なせたと非難し退場させるより、どうして? なぜ? と問い続け生粋のアクアリストに育てた方が望ましいのではないでしょうか?



失敗を補うのは水量

わたしが思うに、水槽の新規立ち上げこそ、最も難しい時期です。

それをひよっこアクアリストさんが、お世話をすることになるわけです。ドキドキで輝いていた眼は、やがて愛魚の死に怯え、心配と疲れで濁りきることになります。こんな趣味始めなければよかったと思うこともあるでしょう。さながら、ヒーローを夢見る新米二等兵がナイフ一本で敵陣にもぐりこむようなものなのです。理想と現実は大きく違います。

しかしたとえ、知識があったとしても、例えば排泄物であるアンモニアや、微生物による代謝産物の亜硝酸が魚を苦しめているんだと知っていても、無傷で潜り抜けられる可能性は低いでしょう。悲しいかな、それが現実です。
もし、貴方が水槽立ち上げを一度でも済ませていれば、そこからの経験から手を変え品を変え考えられる全ての方法で対処でき、多少の悲観的な成行きも万事を尽くしたと達観できるようになるかもしれません。
しかし、初心者さんが直面する現実は厳しく、愛魚が苦しむ地獄なような日々が最低でも1か月は続きます。客観的に見ても、水槽を投げ出しても何ら不思議ではありません。

こうならないための最大のポイントを書くならば、もちろん毎日水換えをすることも大切ですが、なるべく水質の変化が遅くなるようにすることです。これこそ、立ち上げ時の飼育難易度を下げる方策。
餌を控えめにする? 飼育数を少なくする? その通りです。しかし、それ以外にもありますよね?

そう、なるべく大きい水槽を使いましょう。

60cm規格水槽なら、サイズはそれほど大きくなく水量も多い。そのため初心者さん向けだと言われているのです。



60cm規格水槽で立ち上げ楽になる理由

立ち上げの難易度を下げるには、繰り返しますが、水質の変化が遅くなるように管理するのがポイントです。水槽の立ち上げが始まると、フィルターにろ過細菌が定着するまでは、絶えず魚は猛毒にさらされます。水の中に溶けるので濃度という形で蓄積されていきます。
仮に30Lの水槽に魚を2匹飼育しており、3日でアンモニア濃度が魚が住める限界の濃度になってしまうなら、もし60Lの水量では、単純に安全な期間を2倍にまで伸ばせる計算になります。水量が多ければそれだけ魚は危険にさらされる機会が減るというわけです。

しかし、メリットはそればかりではありません。 とりわけ初心者さんが知識・技術を吸収し蓄積していく様はまさに日進月歩。
目覚ましい物があります。昨日理解できかったことが今日わかる、そんなことが当たり前のように起きるのは、生き物を世話をする責任感からなのかもしれません。
とにかく、爆発的に成長する可能性を全ての人間が秘めています。例えば、3日間もあれば、立ち上げや生物ろ過について調べ、換水の重要性を理解し、試験紙をゲットできるかもしれません。そうなれば、立ち上げの飼育難易度を大幅に下がると予想されます。また、水面に泡が立ち始める、悪臭がする、魚の泳ぎが変など、水質悪化の予兆が分かるようになるかもしれません。数値に頼らずとも対処できるようになり、さらにハードルは下がるでしょう。

昨今の情報化社会ではたった数時間だけでも重要なノウハウを得ることができますから、わずか3日間でも命をつなぐためには大切な時間ということになります。

種類や器具が豊富・安いという利点もありますが、
飼育難易度を下げる、生存性をあげる、時間を稼ぐ!
こういった点が60cm規格水槽をすすめる理由にもなります。

次いで、それ以外の優れている点を述べていきたいと思います。

1日1回のライト点灯の瞬間。小型魚は水草の陰に身をひそめる。


60cm規格水槽をおすすめできるさらなる理由


いろいろな道具があり自由自在でさらに安い

そんな、初心者さんにお勧めな60cm規格水槽ですが、多彩な器具が取り揃えられている水槽です。 ほどよいサイズであるため、アクアリストに支持されている売れ筋アイテムだからです。そのため、器具のバリエーションが豊富があり、どれもお値打ち価格で販売されています。結果として、中型肉食魚水槽にもでき、水草水槽にもできる、夢が広がるサイズとなっています。このような使い勝手のいい水槽の大きさはそうはありません!

より具体的に言えば、中型魚向きのドライ濾過槽付き上部フィルターは当然として、金魚向けのエアレーションも兼ねたお手軽な投げ込み式フィルター、さらには水草水槽向きの外部フィルターまで。ライトについても、設置がお手軽で取り回しのいいフレキシブルアーム付きのクリップライトや、コケが発生しづらい観賞用ライト、水草栽培用LEDライトやライトスタンドで取り付ける吊り下げ式まで。60cm水槽には数多くの選択肢が用意されてあるのです。
対して、ワンサイズ下の45cm規格水槽やワンサイズ上の90cm規格水槽ではこうはいきません。前者では器具の選択肢は制限され、後者では高価になりがちだからです。
60cm水槽は、アクアリストのニーズに幅広く対応できる柔軟性をもつ水槽だと言えそうです。



いろいろな魚を飼え、中型魚までOKだが……

60cm規格水槽は柔軟性のある水槽です。そのため、飼育できる魚種も多岐にわたります。
ところで、水槽内で飼える個体数については、一般的に水1Lあたり1cmと言われているようです。つまり、総水量60Lのこの水槽なら、小型魚の代表であるネオンテトラ(3cm)なら20匹までとなります。
もちろん、この理屈はあくまで目安であり、魚の性格(血気盛んか? 臆病か?)、身を隠すための水草やアクセサリーの有無や生息場所の好み、さらには遊泳力や餌の食べる量、人間に慣れやすいかなど、魚の特徴について十分考慮する必要があります。
その他、水質、ろ過能力、溶存酸素量、水流、水草を含めた養分のサイクルなど、水槽側にも制限となる要素があるため、

飼育できる魚の数は、上で述べた目安よりもより少なく見積もるべきです。

以上のような考えを踏まつつ、次は小型魚ばかりでなく中型魚について考えてみましょう。下記のような体長15cmのものを2~3匹飼育できると言われています。


・和金
・エンゼルフィッシュ
・ディスカス
・ポリプテルス セネガル ショートボディ
・小型プレコ(体長15cm以下)

(パッと思いつくだけ書いてみました)

えっ、少ない? そう! 中型魚ともなると水を汚すパワーも桁違いなのです。

しかし、中型魚を60cm規格水槽で飼育するには、さらなる問題点もあります。喧嘩です。
中型魚のいじめや喧嘩は、コイ科やカラシン科の小型魚がちょっかいを出すのとはワケが違います。体がボロボロになるまで、相手が水槽から逃げ出して転落するまで追い詰めます。喧嘩ばかりではありません。肉食魚については、唐突に起きた大喧嘩からのタンク内の共食いやまで考慮しなくてはなりません。
となれば、時に身を隠すシェルターや流木をふんだんに配置したり、セパレーターで区切る必要がでてきます。こうなってくると、もはや60cm水槽では手狭になりワンサイズ上の物が欲しくなります。きっと、90cm規格水槽や60cmワイド水槽が頭の中に浮かび始めるはず。
このように、中型魚において60cmはあくまでステップアップの通過点。
夢を実現するまでのつなぎと考えておくといいのかもしれません。となれば、60cm水槽で飼育する対象はやはり小型魚だと言えます。
もし、この水槽での中型魚の飼育を続けていきたいのなら、タンクメイトとの相性や生まれ持った性格、さらには障害物の有無など、アクアリスト側が絶妙なバランスを作り出すことが不可欠。いばらの道だと言えるでしょう。



高さがあるので背丈の高い水草も入れやすい&黄金比で映える!

水草アクアリウムの観点から言及すると、60cm規格水槽の特徴が生み出すメリットは2つあります。1つは高さを含めサイズが多きいいという点、もう1つは水槽が黄金比だという点です。

まずは前者について。この水槽には水草を栽培するには広大な広さがあります。特出すべきはその高さ。なんと36cm。これなら草高のある水草も育てやすくなっています。セキショウモなどバリスネリアの仲間もスレンダーな草姿を十分に生かせます。また、ハイグロフィラなどもガラス蓋まで届くご神木サイズにまで栽培でき、双方ともに大変見ごたえのあるものになるはずです。有茎草ばかりではありません。アヌビアスやミクロソリウムなど活着系水草においてもメリットはあります。サイズが大きければ水槽の目玉となるような大きな流木も水に沈められるので、水草と流木の双方に生まれた物語を演出できます。必ずや水槽のハイライトになるでしょう。もちろん、育ちすぎて株分けをする際も新たな流木を用意しなくてもいいので便利です。

しかし、目を向けるべきはサイズばかりでありません。規格水槽であるため縦横の比が黄金比となっているのです。黄金比とは人間が最も美しく感じられる比率のことで、その比は「1:1.618」もしくは「5:8」であり、分かりやすい物ではディスプレイのアスペクト比やクレジットカードのサイズ、さらに真贋は定かではありませんが有名企業のシンボルマークや古代の美術品まで多用されている比率です。とにもかくにも、高さ36cm:横60cm、これは黄金比であるため水槽そのものの外見に安定感が生まれ、 そこに映し出される水景はひときわ美しく感じられるのです。
実はわたし、深さのある水景に憧れて30cmキューブのハイタイプを水草水槽として利用したことがあります。しかし、幅30cm高さ40cmの水槽では比率は1:1.33ですから、黄金比は発動せず、いくら水草を充実させようともなんとも締まらない水景。ただ植物が植えてあるだけ感満載な水槽になってしまいました。そしてとある日、その隣に1,980円で購入した昔ながらの縁あり45cm規格水槽を設置。ベアタンクにしてポリプテルスのブティコフェリーの幼魚を単独飼育を開始したことがあります。捕食姿はもちろん、あくびをするのですらかわいいポリプテルスですが……なんと、ベアタン+ニョロニョロの方が水草水槽より見栄えがあるではありませんか!? もう、何が何だかわからなくなり果てしなく困惑した苦い思い出があります。このように、水槽の中身は、外側のちょっとしたサイズだけでも影響を受けるものなのです。
(あぁ、ポリプテルスかわいかったなぁ……)

今まで話した通り、60cm水槽は道具の種類が豊富で廉価、中型魚魚も飼えて、大きな水草も栽培しやすく見ていて美しい。さらには、水槽立ち上げも乗り越えやすい。

と、ここまで力説した上で、そうは言っても、

60cm規格水槽にはいい事ばかりではないよね?

という話をするのがこの記事の趣旨になります



60cm規格水槽をお勧めできない理由

ここからは、その重さについて。
実は冒頭にアクアリウムは男性だけのものでは無くなりつつあると記したのは、これの伏線とするためです。はっきり言いまして、この水槽は女性やシニアには重すぎるのです。それを無視して60cm水槽がお勧めだなんて、このブログでは決して書きたくありません。



入る水だけでも驚くほど重い

読んで字のごとくです。

60cm規格水槽に入る水 = 60L = 60kg 
= おっさん1人

しかもこれ、道具抜き。
中に入る水だけで60kgもするんですよ?

きらめく水面や透明感ある水景に反し、その質量はどの室内向けホビーよりも重量級です。実際には、さら水槽そのものの重さや水槽台、フィルターやライト、エアポンプやCO2機器などでさらに増します。当然水槽台は、重みや湿気に耐えられる者が必須で、食卓では耐荷重が心もとなく、スチールラックでは棚板がたわみ、カラーボックスはちょっとの衝撃で倒壊してしまうでしょう。必ず水槽は水槽台に設置するようにしてください。
代用している台が倒壊して、水槽が落下、水浸しガラスまみれの床から愛魚を救い出す光景など、……想像したくもありません。

なお、占有するスペースは意外や意外、奥行き30cm幅60cmですから、中ぐらいの本だな1つ分で十分です。重い重いと言いつつも、省スペースとなっています。だからこそ、過小評価してしまいがちですが、モンスター級の重量であることを決して忘れてはいけません。



各器具あわせると100kg すなわち設置が大変!

水槽が重量物であることを、改めて分かってもらった上で、ここでは各器具について、おおよその重量をそれぞれ記しておきたいと思います。


水槽本体 → 10kg
上部フィルター → 1.5kg
ライト → 0.5g
大磯砂 5cm厚:9L → 15kg
水槽台(木製) → 15kg
水 → 60kg


水槽の設置がいかに重労働であることが、未体験の人にも理解できると思います。大磯砂の袋などはまだコンパクトな方で、水槽本体はつるっとした表面により持ちどころのなさと、少しの衝撃でも破損するであろうという緊張感から手強い相手となります。それ以上に最悪なのは水槽台。物品の大きさ、1つ1つの板の重さ、どれをとっても絶望的であり、おそらく大工仕事が苦手であろう女性なら1人で組み立てるのは不可能でしょう。しかし、その重さは60Lの水量を支えるためのもの。苦戦が予想されるなら早々に木製は諦め、インテリア性は落ちるもののより軽量な金属製を購入することをおすすめします。

もし、これから水槽をセットしようとしており、 体力・筋力に自身がない人は、なるべく家族の手を借りるようにしましょう。 手を借りられる人がいないのなら、水槽のセットアップは数日に分けて行うようにしましょう。
どちらにしても、上記各値をすべてまとめると、
水を入れた60cm規格水槽は約100kgの重さがあることになります。
言い換えれば、設置時にトータル100kgを動かすことになります。若者や筋力自慢の人でない限り、そもそも無理があるのです。



もちろん水換えも大変!

水量60L。1/2換水で30L。行きは汚れた飼育水、帰りは汲み取った水道水。多くの人は2回に分けるでしょうから、15kgを持って滑りやすい水回りを2往復。もはやある種の筋トレ……、いえ修行と言ってしまっても間違いではないでしょう。

え? オレは1回で30L持てるから1往復でダイジョウブだって?

実は若かりし頃、横着して30Lのバケツで水換えをしていたことがあります。が、ある日終焉を迎えます。廊下で滑って転倒し、水浸しとなったのです。1往復5分、計10分の作業のはずが、後始末に1時間以上かかる大仕事となってしまいました。その当時、仕事で石こうや大理石でできた美術品を持ち上げることがあり、筋力や体力などに自信はあったのですが……。
改めて当時のことを思い返してみると、バケツに汲んだ水は移動するとグワングワンと揺れます。それが華奢な取っ手に波及するものですから、バランスを保つのですら大変。そして水回りの水分を吸収した履物。
そもそも30kgともなれば労働基準法でも引っかかるサイズ。
若くても一度に30Lの水を移動させるのはやめておいた方がよさそうです。
しかし、じゃあ、水換えは大変だからやめましょう! とはなりません。怠慢は愛魚の病気に直結するからです。ですから、なるべく知識や文明の利器の力を借りて、毎週必ず換水をしてほしいところ。 一番のお勧めは塩素を除去できるアクアリウム用浄水器と園芸用・洗車用のホースリールを組み合わせて水槽に直接注ぎ込む方法。しかしこれでは、労力は1/2に減っただけです。忘れがちなのは30Lを注ぎ込むには30L分の飼育水を抜かなくてはいけないこと。サイフォンの原理で庭にそのまま捨てるというウルトラCもありますが、それができる人の数は相当少ないはずです。
ならば、ダウンサイジングして45cm規格水槽にしてみてはどうでしょう。
縦横比は黄金比なので違和感を感じさせず、その水量は30Lで約半分です。水換えの労力は1/2、浄水器を用いれば1/4まで低下します。たしかに、60cm規格水槽には多種多様のメリットがありますが、簡単に水換えができるというのはそれらに勝るとも劣らない利点です。

女性の社会進出や高齢化、さらには性別や年齢の垣根を超えた趣味人の多様化を背景にして、アクアリストは体力自慢の男性ばかりという前提が崩れ始めています。わたしとしてはたしかに60cm規格水槽はお勧めなサイズではありますが、……

どうやら一本調子でお勧めする時代は終わりを迎えつつあるようです。



「とりあえず」すすめするけど「自分は使わない」ものは山ほどある

世の中にとりあえずお勧めはされるども、誰も利用していないものは山ほどあります。例えばMT車。最近はATでも十分だという認識が圧倒的かもしれませんが、わたしの時代はMT免許でなければ人にあらずという時代でした。で、免許を取得して初めて買う車はもちろんAT。都市部の教習所では、路上教習ですら大渋滞にはまることがよくあります。重いクラッチペダルに四苦八苦した結果、軟弱者と呼ばれようが人馬一体とはかけ離れている罵られようが、便利さには抗えずATを選ぶことになります。
それを反映するかのように、現在国内のAT率は98%。わたしは駆け抜ける喜びや燃費走行を否定するつもりはありません。

しかし、趣味を発信する立場として、やはり現実から目を背けた情報ばかりを載せるワケにもいきません。

60cm規格水槽もそれと全く同じです。
わたしたちアクアリストが冷静に考えれば考えるほどに、理屈っぽくなればなるほどに、この水槽の魅力に改めて気づかされます。
しかし、女性進出・高齢化が続く現代社会、体力や筋力がない人に、総重量100㎏に届く60cm水槽をすすめる理由はまったくもってないのです。

というわけで、今回の話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。