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2026年4月8日水曜日

みんな大好きエーハイムメックは生物ろ過もできる物理ろ材なのか?

エーハイムメックは生物ろ過ができる物理ろ材

エーハイムメックは、水槽の中で静かに揺れる白いリングです。見た目は普通のセラミックろ材ですが、多孔質ではない、のっぺりとした見た目をしており、「これ、生物ろ過にも使えるの?」と思わせる、不思議で奥深い魅力を持ったろ材です。

今回は、そんなエーハイムメックについて紹介したいと思います。


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(これは2000年代とフィクションが織りなす不思議な世界の物語)

薄曇りの放課後、夏の暑さを避けるように影を選びながら向かうのは、いつものアクアショップ。気になる存在があるのだ。

エーハイムプロフェッショナル2222。

衝動買いではないといえば嘘になる。しかし、購入するには理由がある。45cm水槽のろ過能力強化が喫緊の課題であることと、そして圧倒的な値引きだ。
どういうわけか1万円以上値下げされた販売価格であり、これを逃すわけにはいかないとわたしの勘が訴えかけてくるのだのだ。



エーハイムメックは汎用性の高い物理ろ材


コンテナ下段ということは?

家に着くや否や、早速2222を開封していく。しかし、最初に目についたのは特徴的な四角形のフィルター本体ではなく、付属のろ材だった。

「何と豪華にもエーハイムメックが付属しているのか!?」

思わず声が出てしまった。
それはただの白いリング状のろ材のようだが、ブランドのオーラだけで工芸品のように思えた。

マニュアルを開くと、これをろ材コンテナの下段に入れるよう書いてある。
本来なら何も考えず従うところなのだが、ここで、はたと胸の奥がざわつくような、不思議な感覚が広がっていく。

素性を知らないものを入れてしまっていいのだろうか?
であるなら、あの人に聞いてみるしかない。



エーハイムメックは物理ろ材>

その日の夕暮れ、水槽にオレンジ色の光が差し込むころ、ロゼッタはやってきた。
彼女はわたしの水槽のお師匠様で、いつでもどんな相談にも乗ってくれる頼れる存在だ。

師:「これはもしかして……エーハイムメック、だよね?」

主:「その、名前を聞いているんじゃなくて!」

師:「いや、すまんね。実は付属品のそれを見るのは初めてでね」

主:「それで、これはどういうろ材なんですか?」

師:「ふむ、そうだね。端的に言えば、寿命の長いセラミック製の物理ろ材かな」

主:「物理ろ材? メックは生物ろ材じゃなくて物理ろ材でしたか……」

師:「うん? どうしてそう思ったの」

主:「いえ、セラミックでできているから、てっきり生物ろ材かと。それに、粒も小さくて生物ろ過向きなのかなって……」

師:「なるほどね。しかしこのメックと呼ばれるものは、セラミックではあるものの、確かにリング型の物理ろ材さ」

主:「うーん、ちょっと残念です。しかし、だからこそ、ろ材コンテナの給水側にセットするように、と説明書に書いてあるんですね?」

師:「その通り。それに、ほら、表面を見てごらん? のっぺりとした質感で、多孔質ではないだろう?」

主:「たしかに」

師:「ということは、どういうことかな?」

主:「ゴミが剥がれやすく、リングの穴で通水性を維持している、ということでしょうか?」

師:「その通り。これは物理ろ材としてのセオリーどおりに作られているというわけさ」

主:「なるほど」

師:「それにほら、ここを見てごらん」

主:「え、どこですか?」

師:「断面だよ」

主:「随分ぶ厚いですね……」

師:「そうだろう? 強く揺すり洗いをしても、そう簡単に崩れない分厚さだ。つまり、高寿命のろ材なのさ」

主:「何年ぐらい持ちそうなんですか?」

師:「そうだねぇ、ボクの知っている限りでは、20年持っている人を知っているね」

主:「20年もの……すごい……」


筆者のメックは20年モノです。

・次は餅は餅屋という話


――が、生物ろ過もできる

――物理ろ材。

彼女が言ったその単語を反芻して噛みしめると、頭の中にひとつのイメージが浮かび上がってくる。プラスチックろ材だ。

ツルツルとした表面と複雑な形状。すべてが水槽内の漂流物の矢面に立ち、頻繁に洗浄されることになる。洗浄よし、耐久性よし、絡め取りよしと、物理ろ材にぴったりな特徴を備えている。そのイメージがエーハイムメックに重なったのだ。

主:「しかし、残念です。だって、セラミックろ材で、重なりが作り出す目もほどほどに細かくて。でも、生物ろ過性能はからっきしなんですよね?」

師:「いやいや、物理ろ材とは言ったけど、生物ろ過ができないとは言っていないよ? ちょっとメックを触ってみてほしい」

師:「さて、どんな感触かな?」

主:「あ……意外とザラザラしている……かも?」

師:「そうでしょう?」

主:「ぬるりと白く光ってツルツルしているようですが、触るとほのかに素焼きの鉢のような感触があります」

師:「以前話した通り、ツルツルの代表たるプラスチックろ材は硝化細菌の食いつきが悪く、ろ材を清掃すると剥がれ落ちる。だから生物ろ材には向かないんだ」

主:「だからこそ、汚れやすく頻繁に清掃される物理ろ材に向いているってことですね?」

師:「そうそう♪ だけど、これはザラザラしているよね。ということは?」

主:「もしかして、生物ろ材としても期待できるってことですか?」

師:「……もちろん!! しかし、断言はできない。ろ材全部をメックにするという極端なことはおすすめできない。だけど、表面の質感や目の細かさから言って、多少なら期待してもいいと思うよ」

主:「うーん、思ったより控えめな表現で少しがっかりです。でも、使えなくはないということですよね?」

師:「その通り。実際、他の物理ろ材と比べると、明らかに表面のゴミやコロニーが剥がれにくい。だから、使いようによっては生物ろ過も期待できるはずさ」

主:「となれば、生物・物理ろ材と言えるものですかね?」

師:「……それはどうだろう。物理ろ過を任せることも、生物物理ろ材として目の細かいろ材との中間に置くこともできるから、そう考えてもいいのかもしれない。でも……」

主:「でも?」

師:「エーハイムからバイオメックという生物物理ろ材も出ているのだから、そちらの方がおすすめだろうね」

主:「餅は餅屋ということですね?」

師:「その通り。ともかくだ、ボクが言いたいのは……」

主:「とても使いやすいろ材、ということですね?」

師:「そういうこと。少なくともボクはそう思う。とは言え、過信は禁物だよ。もともと物理ろ材なんだからね? ろ材すべてをメックにするなんて、あまりおすすめしないよ」

ロゼッタはそう言い切ると、眼鏡の弦を持ち上げ、くいっと押し上げてから苦笑いして見せた。



双方とも20年選手

翌朝、2222が静かに稼働を始めた。水流の音が低く響き、緑色透明のフィルターケースの先では、メックがその中でしっかりと役目を果たそうとしているのがわかった。

――頼むぞ、期待の新人!

そう願ったのも束の間、ある一報がわたしを落胆させた。終売の知らせを耳にしたのだ。パーツもウールもすべて手に入らなくなるかもしれない。そう早とちりしたときは、本当に「ああ、やってしまった」と思った。

が、幸いなことにそのような憂き目に遭うこともなく、Oリング(パッキン)を一度交換し、さらにインペラも交換した現在まで、20年間絶え間なく稼働し続けてくれている。だからこそ、あのとき手に入れておいてよかったと心から思える。

その2222の付属品で、この文章の主題となったメックも今も現役だ。エーハイム2222と同じく、恐ろしいほどに長寿命で、ボロボロになって崩れるような気配はない。

双方ともあと何年使えるかは、わたしには到底量り知ることができないが、このブログが続いていたら、節目節目で記事にしたいと思う。



まとめ

エーハイムメックは、「とにかく扱いやすい物理ろ材」として、多くのアクアリストから静かに支持されている存在です。

見た目は白いリング状で、一見するとどこにでもありそうなセラミックろ材ですが、触ってみると意外にもザラつきがあり、素焼きの鉢のような質感があります。
この表面が少々面白く、セラミックでありながら多孔質ではなく、物理ろ材でありながらザラつきと目の細かさのおかげで、生物ろ過にもある程度の働きが期待できます。

ただし、基本的には“物理ろ材”という立ち位置です。表面がのっぺりしたプラスチックろ材よりは細菌の付着がよいものの、多孔質の生物ろ材ほど強力ではなく、ちょうど中間のような存在と言えます。
リング型で通水性がよく、ゴミが詰まりにくい構造なので、メンテナンス性も良好。洗っても崩れにくいため、長期間の使用に耐えるタフさもポイントです。

実際、長年使い続けている例も珍しくありません。ろ材がボロボロに砕けたり形が崩れたりする心配が少ないため、一度セットすれば長期運用できる安心感があります。
とはいえ、すべてのろ材をメックに置き換えるのはおすすめできません。あくまで「物理ろ過が得意、でも多少の生物ろ過も期待できる」くらいの立ち位置なので、サブ的な利用が向いています。純粋に生物物理ろ過を求めるならバイオメックを、生物ろ過を重視するならサブストラットなどの併用が安心です。

扱いやすくて丈夫、そして長寿命。エーハイムメックは、物理ろ材としてはもちろん、外部フィルターに“ひと味プラスしたい”と考えるアクアリストにとって、非常に頼れる存在と言えるでしょう。



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