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2025年5月1日木曜日

実は簡単だった?オイカワ・カワムツでテンカラ釣りにチャレンジ!

とっても簡単な和式フライフィッシング

今回は、和式フライフィッシングとも言われているテンカラ釣りについて綴っていきたいと思います。



テンカラはどんな釣り?


テンカラは「探す」釣り

「てんで釣れないからテンカラ」、子供のころ読んだアウトドア雑誌の記事では、竿を振れども前に飛ばずそのように揶揄されていたと記憶しています。
そして昨夏、川の小物釣りで紆余曲折があり思い悩んだ末、テンカラデビューを果たしました。15回ほど釣行を重ね、多少なりとも経験を積んだので、気が付いたことを記していきたいと思います。

なお、この記事は途中まで「読み物」となっております。悪しからず。また、テンカラ釣りの時期は、気候によりますがオイカワ・カワムツの食いが立っている6月以降がおすすめです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

夏の早朝にも河原に降り、ライズの音に耳をすませ、あたりを見渡し野鳥を探す。餌釣りと違って毛バリでは魚を寄せられない。だから魚がいる場所を見つけなくてはならないのだ。ライズは食い気のある魚がいることを示し、サギやカワウは魚の往来があることを教えてくれている。簡単な見取り図に×印を付けると、気配を察したカルガモ親子が列になって逃げて行った。

昇ったばかりの朝日射し込む川の中、竿を真上に振り上げてから前方斜め45°までゆるりと振り下ろす。道糸がU字にターンオーバーし毛バリがふわりポトリと水面に落ちると、水の流れに任せてナチュラルドリフトをし始める。自ずと鼓動が高まり、体は自然と臨戦態勢となる。ここが勝負どころなのだ。魚は水面に落ちる前から毛バリが見えている。もし気がある魚がいれば、少なくとも3秒以内に飛び出て波紋を生み出すはずだ。だが、どうやら空振りに終わったようだ。空合わせ込みのバックキャストを行い、再度フォワードキャストでポイントへと振り込んだ。


テンカラで使う毛バリ。所説ありますが、短時間で振り込み直すのは、偽物だと見切られるのを防ぐためだと言われている。


テンカラは「狙う」釣り

テンカラはピンポイントを狙う釣りだ。大きくても1m四方の魚がいると思われるポイントを狙い、キャストを3~6回繰り返しては、次のポイントに移る。これがテンカラという釣り方のお約束なのだ。こうしなくてはいけないと決まったルールではないのだが、最も効率的で釣果の上がる手法であるために、大昔から脈々と受け継がれてきたスタイルなのである。
最後の振り込みを終え、「さて、毛バリを回収し次のポイントへ移動するか」と後ろに振りかぶった瞬間、ブルブルと振動が伝わってきた。どうやら良いサイズのカワムツがかかっていたようだ。「さもありなん」と逃げる魚を竿で寄せ、左手で暴れるラインを掴み、それを竿を持っている右手に渡してまとめて握る。そして今度は左手でネットを取って、やっとこさのランディングとなる。ラインが竿の長さより1m長くなっているため、このようなややこしい手順を踏まなくてはならないのだが、慣れてしまうとスラスラと体が動いてしまうのだから不思議なものだ。

毛バリをグリフィスナットに交換するさなか、カワセミが猛スピードで駆け抜けていく。彼らも小魚を探しているらしい。ライズや野鳥が居座るポイント以外にも、魚が潜むポイントがある。水面に張り出したススキやアシなどの枝下だ。身を隠しつつ、落下してくる昆虫にありつける、一石二鳥な住居というわけだ。とりわけ鳥類が多い川ではこの傾向が強いようだ。もちろん、根がかりならぬ枝かかりすることもある。しかし、テンカラにもフライフィッシングと同じくフォルスキャストがあるので、着水地点を狙いやすい。そうして、ドンピシャに落ちた毛バリはすっと水面へと吸い込まれていく。ワンテンポ遅れて着水点付近の水中で魚影がギラリと鈍く光った、当たりのようだ。さっと合わせると飛び出してきたのはオイカワのメス。手早く取り込んで、ウェーディングをしながら釣り下っていった。



毛バリの魔力


毛バリは4つあれば問題なし

さて次はどれにしよう。1時間ほど釣り下ったのち、毛バリを交換することにした。これで悩まないのもテンカラ釣りの良い点だ。テンカラ用の毛バリは、どれもウェットフライのソフトハックルとほぼ同じ型をしている。その中でも#16~#20の中から大きなものと小さなもの、黒いものと白いものの4パターンさえあれば、オイカワ・カワムツのテンカラは成立してしまうのだ。

が、今回は趣向を変えて、#18アントに変更。ドライでもウェットでもニンフでも、もちろんテンカラ用毛バリでも、何を使っても「これはテンカラだ」と胸を張れるのがこの釣りの良いところだ。交換したついでにハリスが傷んでいないかチェック。0.8号のハリスには傷が1つ。号数的な強度と残りの釣行時間を考えて、あえて交換しないことにした。ここでいったん、ラインを川に振り込んでツールをしまい込むことに専念する。ウェーディング中に何か物を落とせば、たちまち川に流されて取り返しがつかないことが多いからだ。



魔力に抗えない魚たち

無事に道具をしまい込み、「さて」と竿を後ろに振ろうとすると、ぬっとした重い感触がした。直後にラインが引っ張られ始めた。流したまま放置していた毛バリに食いついていたのだ。軽くフッキングしてから寄せてみると今度はカワムツ。不思議なことに、放っておいても毛バリは釣れる。魚にとって逃れられないほどの魅力なのだろう。

もちろん、良いことばかりではない。テンカラはフライフィッシングと同じようにラインをややたるませて、フライをナチュラルドリフトさせる釣法のため、アタリがわかりづらいのだ。20cm~30cmの渓流魚ならともかくとして、相手は5cm~15cmまで。ラインや竿に当たりが出ることはほぼない。もちろん、飛び出た時の波紋や反転時のギラリとした反射で判断できることもあるが、そうでなければ、バックキャストの時にいつの間にかかかっていたことが判明することもしばしばある。そうなれば、魚は真後ろへすっ飛んでいく。もしバーブレスフックだと空中で外れ、熱々の河原へ投げ込まれることになる。万が一のことを考え、すべてバーブドで揃えるようにしている。

……そうこうしているうちにライズが終わり、土手沿いの道が通勤の車であわただしくなってきた。日差しも強く、気温が上がり始めて、白い石で敷き詰められた河原は熱気を帯び始めている。そろそろ納竿の時刻のようだ。朝5時から2時間で20匹。朝活にしては大満足の結果となった。

左から順にテンカラ毛バリ、ソフトハックル、ミッジとして購入したもの。どれも同じ形をしている。


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釣り人のわがまま


チャビングへの不満

そんな風にテンカラに手を出したのは、オイカワ、ウグイ、カワムツのルアーに飽きてしまったからです。もちろん、しっかりと魚もかかるし、釣れた時の達成感もひとしおな釣り方なのですが、正直に言えば、短時間でもわんさかと釣果の出る餌釣りと比べると、どうしても見劣りしてしまいます。

また、道具という点でも胸に引っかかることがあります。釣り味が足りないのです。確かに当時わたしは釣り初心者であり、管釣り、渓流、アジング、メバリングから流用できること自体、発展性を感じられました。ですが、何年も釣りをして道具がそろった今、もはや魅力を感じなくなってしまいました。流用がゆえに、魚が釣れ暴れまわる引きごたえやブルブルとした躍動感を感じられないと不満を抱くことが多くなったからです。



テンカラとの出会い

なんだかんだでやっぱり、ハエ竿で餌釣り、これが一番です。しかし、手返しが悪いし、餌の準備や片付けも面倒、さらに針を結ぶにしろ仕掛けを作るにしろ結構な時間がとられます。そこで始めたのがルアーフィッシングだったのですが……。もちろん、ルアーなんだから小さな魚は釣れなくていい! 大物が釣れればいいんだ! この人工物で魚を騙すから面白いんだ! 釣れるまでのストーリーがあるんだ! そのロマンはよくわかりますし共感しています。が、どうしても同じものを釣っている以上、比較してしまうのが人間という生き物。そして小物釣りは数の釣り。どうにもこうにもルアーフィッシングの考え方や精神が対象魚とマッチしていないようなのです。

そのように悩んでいた時に出会ったのが、このテンカラという毛バリ釣りです。先に付けるのは毛バリですが、ルアーフィッシングと同じく餌の準備が不要で手返しもよく、ロッド、ライン、毛バリ全部合わせて7000円前後と極めて安価で、そしてなにより、ラインシステム(仕掛け)が非常に簡単で、「これなら自分もできそうだ」とテンカラに傾いていくことになりました。

手前から順に、ヘアーズイヤーニンフ、エルクヘアカディス、パラシュート。最盛期なら#16でも面白いように釣れる。


テンカラは釣れる釣り


職業漁師の釣り、つまり……

実際問題、竿はガイドのない延べ竿のため大変リーズナブルで4000円前後の物があり、また道糸は1000円前後で経済性に優れたものばかり。毛バリは粗悪なものに当たると3~4回の釣行で崩れてしまうこともありますが、品質の高いものであれば1シーズンは十分に使え、1つ200~300円とロストしても気にならない値段。唯一の消耗品はハリスぐらいなものですが、最盛期のオイカワやカワムツに限って言えば200m1000円のもので十分です。職業漁師から生まれた手法なだけあって、なるべくお金をかけずに釣るものとなっています。

しかし、決して安かろう悪かろうというわけではありません。確実に期待した通りの釣果をもたらしてくれるので、夢中になるのにそう時間はかからないはずです。そもそも、昔から毛バリ5本・7本とついた流し毛仕掛けがあるように、オイカワ・カワムツと毛バリの愛称は抜群です。先にも述べた通り、夏の最盛期ともなればテンカラですら毛バリを流しっぱなしにしておくだけで釣れてしまうこともあるぐらいです。正直言って、こんなに安くて釣れるのに人気が出ないどころか、知名度が上がらないのが不思議でなりません。



キャストは本当に難しいのか?

たしかに、始める前は「テンカラはキャストが難しい」という話をよく聞き、深く懸念していました。しかし実際のところ、道具が極めてシンプルなため想像以上に簡単で、キャスト回数も多い釣法のためずぶの初心者のわたしでも、あっという間に習得できてしまいました。スピニングのフリップキャストやバックハンドキャスト、フライフィッシングのダブルホウルの方がよほど難しいでしょう。夏の早朝、何度も河原に降りて魚を釣っているうちに、極めて簡単で確実な釣り方だと思うようになるほどです。やはり、百聞は一見に如かずで、冒頭の雑誌のように竿を振っても毛バリが飛ばず釣りが成立しないことはありません。おそらくそれは、誰かの失敗から生れ出て負のイメージが肥大化した怪物であるように思えます。

三千円代で購入した「葵てんから360」。先径が細くやわらかいものを探して行きついたが、それでもハエ竿よりは少し固く感じる。


次なる釣りへ

さて冒頭の雑誌の顛末ですが、記者は自身の腕を顧みずレベルラインで入渓し、それを見たガイド兼同行者が慌ててテーパーラインを勧め、無事一匹仕留めたと記憶しています。テンカラはピンポイントの釣りですので、どこに毛バリを落とし込むかが非常に重要です。なるべく飛ばしやすいテーパーラインやストレートライン、さらにはテンカラ用フライラインがお勧めです。渓流や清流の餌釣りと違って、ただただ道糸やハリスを細くすれば良いというものではないのでご注意ください。多少太く思えても、魚の真上に落とせば毛バリの誘因力で問題なく釣れるはずです。

最後に、そんなテンカラでも1つ大きな弱点があります。延べ竿のため、竿と仕掛けを合わせた長さが決まっているということです。長すぎることもあったり、はたまた届かなかったりと、延べ竿ならではのウィークポイントがそのまま出ます。もちろん、その都度ラインや竿を交換して対応するという方法もありますが、わたしは次第に別の釣り方へと興味が移っていくのでした……。



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