ヘアーグラスとトリミングと黒ヒゲ
どうも、こんにちは。ごん太です。
前回は・・・
プロジェクトソイルのファーストインプレッション
を紹介しました。
今回は上記の通り少々煽り気味なタイトルですが・・・
ヘアーグラスのトリミングを巡るメンテナンスについて話していきたいと思います。
ヘアーグラスのトリミングというのは黒ヒゲ苔と切っても切れない関係にあるのですが、そんなことを今までの経験をもとに紹介していきたいと思います。
それでは目次に続きまして本文へと入っていきます。
続きをどうぞ!
ヘアーグラスを栽培して8か月目の経緯
順調なヘアーグラス栽培とブログのネタ
2018年2月後半にヘアーグラスの鉢植え栽培を始め、なんだかんだで8か月経とうとしています。
たびたび別テーマの記事の写真に写ることはありましたが、ヘアーグラスをテーマにすることはありませんでした。
その理由はというと・・・
大きな変化もなく順調に育っているのでネタにならないから
というありがちな理由です。
ただ、ブログのネタにならないことは一人のアクアリストとして嬉しい限りです。
ふと8か月もヘアーグラスのトリミングにしていないことに気が付き・・・
そんなヘアーグラスを今回改めてネタにしたのは・・・
あれ?このヘアーグラス・・・
水中葉になってから一回もトリミングしてないんじゃない!?
ということに気が付いからなのです。
そんなわけなので・・・
そもそもヘアーグラスってどんなタイミングでトリミングするの?
という話になります。
ヘアーグラスのトリミングすべき2つのタイミング
ヘアーグラスは差し戻しできない
さて、ヘアーグラスのトリミングを話すあたり、その特徴の1つを知っておかなければなりません。
それは・・・
ヘアーグラスは差し戻しできない水草であること。
この差し戻しというトリミング方法ですが、株を増やす以外にコケ対策で威力を発揮する手法です。
というのは、、、
調子が悪くなりやすい下葉を切り捨て、栄養が集まりやすく生長が良好でコケづらい茎頂部のみを植え付けるという方法だからです。
なので、差し戻しができないということは・・・
コケ対策を行いづらいということ。
これがヘアーグラス栽培が難しい理由の1つとなっています。
トリミングの後のヘアーグラスの生長は状態によりけり 。
とはいえ、ヘアーグラスはまったくトリミングできないわけではなく、根元を残してカットするピンチカットならできます。
しかし、、、
トリミング後も含めヘアーグラスは生長速度が遅いという問題点があります。。。
要するにカットした後、にょきにょきと生長し元気に元のサイズに戻るには時間がかかる わけなんです。
ただまぁ、、、
状態よく栽培されているヘアーグラスはものの2~3日で新芽が出始め、2週間程度で元通りになります。
そういった良好な状態で栽培されていれば、ほどよい頻度のトリミングは新陳代謝を促し、より美しいヘアーグラスの草原となります。
もちろん「状態良く栽培されていれば」の話なんですがね。
現実的にヘアーグラスのトリミングで悩む場合というのは、、、
ヘアーグラスを初めて栽培するのでタイミングがわからなかったり、ヘアーグラスが黒ヒゲ苔などに侵食されてしまっている場合が多く、
↑なかなか調子が上がっていない、もしくすでに調子を崩していることが多いのです。。
結果、カット後の生長に時間がかかりすぎてしまうことが往々にしてあります。
これが、ヘアーグラスの栽培を難しくしている理由のもう1つでもあります。
こんな2つの特徴を踏まえつつ、そのタイミングについての話をしていきたいと思います。
トリミングするタイミングその1:コケに侵されてきた
さて、ヘアーグラスはその葉の形状が1本の針のようであり、その付近は局所的に水流が急になるようで、葉の先端は黒ヒゲ苔の温床となりやすいです。
気が付いたら、ヘアーグラスのふさふさした毛に黒ヒゲ苔がたくさん!?
なんてことはよくありますし、水草初心者さんがヘアーグラスを導入したらまず発生するトラブルなのではないでしょうか?
また、ヘアーグラス1株1株ははそれほど根張りが強くありませんし、その葉は無数にありますから、、、
1つ1つの黒ヒゲ苔をピンセットで引っ張って除去なんてことは、ほぼ不可能な話です。
そんな理由から一般的な黒ヒゲ苔のメインな対処方法がトリミングということになるわけなんですが・・・
ただ、前述のようにヘアーグラスのというのは成長速度が遅い水草に入ります。
ですから、その調子や生長具合を見誤れば・・・
黒ヒゲ苔の成長速度>ヘアーグラスの成長速度
となりやすく、コケに手を焼く原因となります。
また、そのような状態でコケ除去のためにトリミングを続ければ、ヘアーグラスのが再起不能なほどいじけてしまう危険性もあるわけです。
じゃあどうするの?という話は後述で紹介していきたいと思います。
話は、トリミングするタイミングその2に続いてきます。
トリミングするタイミングその2:古い葉が枯れてきた・増えてきた
成長速度が旺盛なハイグロフィラのような水草はあっという間に水面に達することが多いですから、
茎頂に優先的に栄養を届けることで、もしくは根本側の葉が上の葉の日陰になることで、
下葉はだんだんと元気がなくなりコケが付いてくる・・・そんな傾向がよく見受けられます。
対してヘアーグラスは成長速度が緩慢なゆえに、じわじわゆっくりとと古い葉(茶色く枯死した葉)が増えていきます。
調子よく育っていればそれほど気にならないのですが、何らかの原因があり大きく調子を崩すと一気に古い葉が目立ち始めます。
そうなった場合、古い葉をトリミングということになるわけなんですが、ヘアーグラスの葉はその名の通り髪の毛のように無数にありますから・・・
無数の古い葉を一本一本トリミングなんてのはほぼ不可能です。
気力・体力・そして無限の時間があれば可能かもしれませんが、爪楊枝よりも細い葉ですから水槽内でカットするのは困難を極めます。
ヘアーグラスのトリミングは基本的に丸坊主。なので、、、
結局、手っ取り早く古い葉やコケを除去するにはヘアーグラス全体をトリミングということになります。
つまり丸坊主です。
古い葉やコケで調子を落とした葉が増え続ければ、新しい葉の陰になったり、新しい子株が出づらくなりますから、
新陳代謝を促すためにあるタイミングでリセットが必要というわけなんです。
しかし、、、
やはり前述した通り、ヘアーグラスの成長速度はじわじわとしたものですから、バッサリとカットした後はその調子や生長具合などかなり気を使います。
そもそも、
根は残っているとはいえ、光合成を成す葉をすべてカットしてしまうわけですからね。
影響が全くないわけではないです。
そんなわけなので、、、
古い葉やコケをなくすためにトリミングしたら、黒ヒゲ苔まみれになってしまった!なんて笑えない事態が起きるわけです。
ヘアーグラス栽培。攻めるか守るか?
そんなわけで、
結局のところヘアーグラスのトリミングというのは、コケ対策もしくは景観(水景)をよくするために行うということになりますね。
そしてヘアーグラスのトリミングというのは多少なりともリスクのある攻めの1手なわけです。
しかし、ヘアーグラス栽培間もない人が攻め過ぎればあっという間に調子を崩し、株そのものがいじけてしまい再起不能なります。(経験談)
なので、ヘアーグラス初心者さんはまずは守りの1手。
これこそが一番大切なことです。
そんな守りとは、、、
コケ対策をばっちりして、ヘアーグラスも調子よくグングン生長!な状態にすれば自ずとコケに関連したトリミングの機会が減るわけです。
そうなってから攻めに転じても遅くはありません。
そんなこんなで、ごん太のヘアーグラスは導入時から8か月間一度もトリミングしていないわけなんです。
というわけで、次の項からはヘアーグラスのメンテナンス方法について紹介していきたいと思います。
ヘアーグラスをコケさせない・調子を崩させないために
黒ヒゲ苔はヘアーグラスの大敵
ヘアーグラスはそのとんがった形と成長速度が緩慢なことから、黒ヒゲ苔に侵されやすい水草です。
そして、その栽培においてコケ対策というのは、栽培環境を整えるため器具を揃えるのと同じぐらい大切なことです。
コケ対策をしなかったり、コケ対策で安易にトリミングをしていると・・・
- ヘアーグラスがコケてきた ↓
- トリミングをする ↓
- ヘアーグラスが調子を落とす ↓
- ますますコケる
という負のスパイラルに陥りやすいです。
ごん太もこれで1度失敗しています。
ではそうならないためにはどうすればいいのでしょうか?。
ヘアーグラスを元気よく育てる
1つは水草、今回の場合ではヘアーグラスを元気よく育てること。
ヘアーグラスの調子が上がればおのずとコケに侵されにくくなります。
またそのような状態では古い葉よりも新しい葉のほうが圧倒的に多いですから、古い葉が目立ってきた・・・ということは余程月日が経たないとなりにくいはずです。
では、コケ対策と調子を崩さないためにはどうすればいいのでしょうか?。
元気よく育てるためには、肥料やCO2添加も大切ですが、ヘアーグラスの場合はやはり・・・
光量が大切です。
ライトを増設したり、ごん太のようにヘアーグラスそのものをライトに近づけると、かなり調子が上がるようです。
このヘアーグラスをライトに近づけて光量アップ!という現象を簡単に言えば・・・
「明るさは距離の2乗に反比例する」
という法則が背景にあります。
逆を言えば、水草とライトの距離を近づければ近づけるほどに2乗に比例して明るくなるというわけです。
して、、、
実際にこの水草とライトの距離を近づけるという作戦を利用すると、ごん太の所感ではありますが・・・
ライト増設よりも効果があります!
具体的にはごん太はここ最近光量を1500lm→2750lmまで増量してみたわけなんですが、距離を近づけたほうがヘアーグラスの調子は良かったです。
ですから、ちょっと光量が不安だ!という場合や環境はばっちりなのに不調が見当たらない場合など、1つ原因の検討を付ける方法として実施してみてはいかがでしょうか?
プラスチック製のケースや台さえ合えれば簡単にできる方法ですから、迷ったらやらない手はないと思います。
とはいえ・・・・
すでにヘアーグラスがコケて困っているのにコケらないように元気よく育てろ! という回答は少々いただけないので、補足を挟んで次の項にその対処方法を記しておきました。
ヘアーグラスが調子を落とす見落としやすい原因
逆に光、CO2、ソイル、肥料など様々な環境を整えてある水槽でも、それらを見落せば当然調子を崩すことになります。
特に見落としやすいのが、、、
それはソイルの中に埋めた固形肥料の切れ。
ヘアーグラスはどちらかといえば根から肥料を吸収する水草なので、液肥より固形肥料を好むようです。
しかし固形肥料というのは基本的にソイルに埋め長期間効果のあるものですから、肥料切れを把握しづらいわけです。
それ以外にも、ソイルの効果が切れて硬度が高くなり始めていたり、CO2ボンベ切れなどが、見落としで起きる不調の原因としてあげられるでしょう。
ですから、十分な器具を利用し、生長するための条件を「整えて続ける」ことがヘアーグラスを元気よく育てるうえで大切なことです。
こういったちょっとデリケートな点が、、、
一過的なの環境の悪さは何のその、環境が整った瞬間いものすごい勢いで生長し、あっという間に地面を占有してしまうハイグロフィラなどの仲間とは違うところです。
ハイグロフィラもヘアーグラスも簡単な水草とは言われていますが、ごん太はヘアーグラスのほうが若干難しく感じるのです。
ヘアーグラスは古いソイルが好き?
これは一般的に良くわ入れていることと、「ごん太」 の経験を合わせた話なのですが、、、
ヘアーグラスは古いソイルを好みます。
つまり、ソイルが崩れ賞味期限切れに向かいに従い、ヘアーグラスはその逆に調子が上がっていく傾向があります。
新品のソイルを好みだんだん調子を崩していくハイグロフィラとは全く逆というわけです。
これは、もともと水田のような低酸素の環境でも「根腐れ」が起きないヘアーグラスの生まれ持った特徴によるものでしょう。
現実的には、、、
ヘアーグラスのみ鉢栽培にし、その鉢を丸ごと底床のソイルに埋め込むことで、景観を保ちつつソイル交換を回避ことが可能です。
とはいえ、
そんな古いソイルを温存する方法にこだわるよりも、光量を上げることや黒ヒゲ苔が蔓延しないことに力を注ぐべきです。
黒ヒゲ苔を増やさない
ヘアーグラスの大敵である黒ヒゲ苔を増やさない!というのも、ヘアーグラスを元気よく育てるための方法になります。
とはいえ、
その原因療法となれば生体の数や餌の量、硬度やpH、CO2添加量や肥料の量、さらには光量など、水槽のバランスを見ながら調製することになるので、一朝一夕では解決できないでしょう。
なので、対処療法ということになります。
その対処法は大きく2つあり、、、
1つは水流もしくは水圧を弱めるということです。
冒頭の説明の通りではありますが、黒ヒゲ苔は水が流れている場所を好む傾向にあります。
ですので、
フィルターからの水流を排水アクセサリを利用し緩慢にさせることで、その蔓延をある程度防ぐことができます。
それでもなお、排水口付近や壁際などでは水流が強いことが多いですから、植栽時に流れが緩やかな場所に植栽するというのも、水流を弱める1つの方法でしょう。
そして
もう1つの方法は、、、
(↓パートに続きます。)
黒ヒゲ苔対策として木酢液とミナミヌマエビの力を借りる
そしてもう1つは、元気よく育てていても黒ヒゲ苔が出てしまったら、木酢液で処理し、ミナミヌマエビの力を借りましょう!ということです。
コケが増えてきてしまったら駆除してしまえば良いというわけです。
ミナミヌマエビは黒ヒゲ苔を食べてくれませんが、木酢液で死滅させた黒ヒゲ苔は好んで食べてくれます。
この方法の利点は、トリミングよりもダメージが少ないことです。
そもそもカットしない方法ですからね!。
また、カットしないので草姿も変わりません。
では、ここでごん太の木酢液利用法を軽く紹介しておきます。
(鉢植え栽培限定)
なお、実際の実施においては、ご自身の責任のもと実施してください。
(一歩間違えればトリミング以上に大惨事となります。)
ごん太はホームセンターのコーナンの売っていたLIFELEXの木酢液をよく利用しています。
して、その方法とは・・・
- 木酢液を3倍に希釈しスプレーボトルに入れる
- ヘアーグラスにスプレーし20秒放置します(スプレーし始めよりタイムをカウント)
- 20秒経過したら別途用意しておいたカルキ抜きしておいた水でよく濯ぐ
- 水槽に戻す
ここまでだいたい5分程度。
そんな風に駆除すると徐々に黒ヒゲ苔が赤く染まりながら死滅していきます。
こうなると、普段は黒ヒゲ苔に見向きもしなミナミヌマエビのおやつに様変わり。
ヘアーグラスはエビの生る木(草?)のごとくエビが集まり、あれよあれよという間に赤く染まった黒ヒゲ苔も除去されるというわけです。
ごん太はこんな感じで黒ヒゲ苔対策をしていますが、現在のところ黒ヒゲ苔に侵されてなくなくトリミングという状態になったことはありません。
木酢液について補足
なお↑のパートの方法ですが、鉢植え栽培限定です。
ソイル直上ではそもそもヘアーグラスを取り出せませんからね!。
ソイル直植えの場合は、
ヘアーグラスが露出するまで水を抜き(←これが問題)、同じ希釈倍率同じ作用時間で、スプレーやより狭い範囲で利用できるハケなどで木酢液を塗り、その後カルキ抜きした水でよくすすぎます。
最後にすすいだ水を水槽外に排水したうえで、カルキ抜きした水を入れ直せば同様の駆除方法ができるでしょう。
しかし、
魚たちを避難させたりフィルターを止めたりとそれなりに手間がかかるでしょうから、トータルでの作業時間はかなりのものになるでしょう。。。
まとめ
というわけで、ヘアーグラス栽培とそのトリミングにおいて需要なことは
環境を整え、コケを蔓延させない
これに尽きるということなのでしょう!。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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(近々浮草と有形草のレイアウトに手を入れる予定。) |
(最終更新:2020/5/26)
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