ウォーターウィステリアの雑学と育て方
どーもこんにちは。ごん太です。
前回までは・・・
ニッソーより販売されている水足しくんの組み立て方やレビューを紹介してきました。
ごん太としては利用できる水槽サイズならば利用したほうが、シビアな夏の水槽管理にゆとりができて大変よろしい!的なレビューだったかと思います。
しかし、よくよく思い返せば、それ以前のネタはいぶきエアストーンの話だったので、器具ネタが複数回続いたことになりますね。
なので、久々に水槽本体に話を戻したいと思います。
今回は、、、
ウォーターウィステリアをピンチカットでトリミングしたのでその時の話を紹介したいと思います。
が・・・
例のごとく分割の記事になっています。
そして今回はせっかくウォーターウィステリアの話をするのですから・・・
ウォーターウィステリアの栽培方法や水質、そして雑学的な部分について簡単に触れていきたいと思います。
というわけで、昔似たような記事を書いた気もするのですが、それを焼き直ししながら、新しい話も加えて話を進めていきたいと思います。
次回ウォーターウィステリアのピンチカットについて紹介していきたいと思います。
目次に続きまして、本文へと入っていきます。
それでは続きをどうぞ!
(サイト内リンク:ウォーターウィステリア関連)
当ブログのウォーターウィステリア関連記事です。
よろしければ、こちらもあせてご覧ください。
- ウォーターウィステリアはどんな水草?どんな道具で栽培する?~ピンチカットでトリミングしてみた(前編)~→今ここ
- 【トリミングどうする!?】ピンチカットと利点・欠点~ピンチカットでトリミングしてみた(中編)~
- ウォーターウィステリアをピンチカットすると、どんな感じに生長する?~ピンチカットでトリミングしてみた!(後編)~
ウォーターウィステリアとはどんな水草か?
このパートではウォーターウィステリアの「ちょっと」した情報について、紹介していきたいと思います。
まぁほとんど雑学みたいなものです。
ウォーターウィステリアの名前について
まずは簡単にウォーターウィステリアの分類から紹介します。
流通名 ウォーターウィステリア
学名 Hygrophila difformis(ハイグロフィラ・ディフォルミス)
分類 キツネノマゴ科オギノツメ属(=Hygrophila:ハイグロフィラ )
というわけですので、ウォーターウィステリアという名前は付いていますが・・・
昨今の水草水槽で初心者向け水草としてもてはやされている「ハイグロフィラ」の仲間ということになります。
ですから、詳しくは後述しますが、その栽培難易度は・・・
水草栽培用器具さえ揃っていればすごく簡単な部類に含まれると思います。
そんなウォーターウィステリアですが、名前に含まれる「ウォーター」はわかるとして、そもそもウィステリアってなんのこっちゃ?そんなわけで調べてみました。
すると、そもそもウィステリアとは・・・
フジ(藤)
のことの用です。
フジという植物名を聞いてパッと思い浮かぶことと言えば・・・
マメ科の植物!
つる性の植物!!
しだれて美しい紫色の花!!!
そういったイメージが浮かぶのですが、どれもウォーターウィステリアにはない特徴です。
では、何がウォーターな「ウィステリア」なのか?
残念ながらこれについては、はっきりとわかりませんでした。
ごん太の勝手な考えなのですが、しいて言えば・・・
葉の付き方が似ているということでしょうか?。
さて、フジという植物についての話になるのですが、実は私たちがフジの葉に見える部位は小葉という葉の一部分となっています。
では葉はどこにあるかというと、↓の図のように小葉が数枚集まって葉を構成しているわけです。
![]() |
(羽状複葉:葉と小葉の関係) |
↑このような葉を羽状複葉と言います。
このフジの羽状複葉という葉の形がウォーターウィステリアの水上葉の葉の並び方とよく似ているというわけです。
さらにまた、フジの葉の小葉は卵形葉、対してウォーターウィステリアの水上葉も卵形葉ですから、小葉の形もよく似ています
おまけに、フジの小葉の付き方は対生、ウォーターウィステリアの水上葉の葉の付き方も同じく対生。
(「対性」については次の章で補足します。)
というわけで、
ぱっと見フジの葉に似ているところもあるので、ウォーターウィステリアという名前が付いたのかな?
というのがごん太の推測です。
いまだったら、
絶対に「ハイグロフィラ・ディフォルミス」という名前で販売される・・・はず!!
実際ショップでやネットで「ハイグロフィラ・ディフォルミス」で販売されていたら、最近売り出され始めた新しい種類かと思ってしまうぐらい、ウォーターウィステリアよりもハイグロフィラの名前が有名になったとも言えるわけです。
まぁ、水草ブーム以前から広く愛されている栽培されている水草ですので、学名ではなくそんな感じの流通名に落ち着いたのかと思います。
それだけハイグロフィラという水草が昔から多くの人に愛されているという事なのでしょう!。
補足:互生と対生
おまけですが、植物の葉の付き方についてここでは簡単に補足します。
植物の葉の付き方のことを葉序といいます。
葉序は大きく3パターンに分類されます。
茎の1つの節から2枚の葉が向かい合って出ている葉序を「対生」
茎の1つの節から1つの葉が互い違いにでる葉序を「互生」
茎の1つの節から3枚以上の葉がまるで輪のようにでる葉序を「輪生」
![]() |
(互生・対生・輪生の違い) |
今回のウォーターウィステリアは1つの節から2つの葉が向かい合って出ているので対生ということになります。
専門用語を知ると何ができるの?
こういった専門用語を知っておくと何が便利かと言いますと、名前の知らない植物を調べることができるわけなんです。
例えば、植物図鑑を見るときや、植物の姿かたちを表現する理解するのに役に立つというわけです。
例えば、Wikipediaのサクラの項において、その葉については以下のように説明されています。
葉の形は楕円形であり、枝に互生し、葉の縁はぎざぎざ(鋸歯)になっている。葉に薄い細毛が生えるものも少なくない。葉は秋になると紅葉する。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9 より引用)
と表現されています。
日本で一番有名な牧野富太郎先生が執筆されたものを含む専門的な植物図鑑は、このような専門用語を利用して葉の形や根の生え方、樹形や花の形などがイラストや写真と共に説明されています。
ですから、名前のわからない植物を調べたり、写真やイラストではわからない植物の詳細を理解したりする際には、、、
何かと専門用語がでてきますから、植物が好きなら知っておくとなにかと便利だったりします。
なお、このような植物の博物学というのはすごくディープな世界です。
一度はこれは何という雑草か?これはなんという木か?程度でもいいので是非調べてみることをお勧めします。
園芸と同じぐらい奥の深い趣味になると思いますが、園芸以上に身近な自然を肌で感じることができるでしょう。
さて、話がかなり脱線してしまいました。
次はウォーターウィステリアの葉についてです。
ウォーターウィステリア葉について
ウォーターウィステリアの水中葉の形は実に様々です。
基本的には鋸歯(=ギザギザ)が付いている卵形葉なのですが、ごん太の経験上の話ではありますが水中葉としての環境が良いと、このギザギザがどんどん深くなるようです。
![]() |
(茎頂側:鋸歯が深い葉、根端側:鋸歯が淡い葉) |
ですから、水質に適応前と適応後では全く違う葉が展開することになります。
また、次回のネタにもなるのですが、ピンチカットした部位に一時的に展開するのは、水中に未適応の時に見られる鋸歯が浅い卵型の葉と同様のものが展開します。
ですから・・・
水上葉から水上葉のような葉の移り変わりがいつでも楽しめる水草です。
さて、、、
実はこのパートで鋸歯についての説明と、鋸歯がある理由について。
(=実際はよく判明されていないようですが、どうやら温度と関連があるようです)
この2点について紹介しようと思ったのですが、直前のパートで脱線しすぎたのと、それらを説明しだすとまた大きく脱線することが予想されるので、またの機会に改めて紹介したいと思います。
今回の最後はウォーターウィステリアの育て方です。
ウォーターウィステリアの育て方(道具・条件)
育てるための道具・水質
最後はウォーターウィステリアの育て方について簡単に紹介します。
一般的に以下のような条件であれば60cm規格水槽で簡単に育成できるようです。
・光20W×2(大体3000lm程度)
・CO2 あり
・pHは弱酸性~中性
・硬度は中程度
一般的には↑のような感じで紹介されていることが多いです。
ただ、水草が生き物である以上、本に書いてある世界と現実の世界は必ずしも一致しないわけで
「で、実際はどうなの?」
ということになるのですが、
実際にごん太が育てている環境はと言いますと・・・
(器具 )
・水槽サイズ→45cm規格水槽
・ライト→1500lm
・底床 → ソイル
(水質)
・NO3- → おおよそ10(mg/L)
・pH→6.4~6.8
・GH→4~8°d
・KH→3~6°d
(肥料)
・CO2→1dorp/3sec
・カリウム液肥、鉄分液肥添加(規定量1/3程度)
・適宜イニシャルスティックを少量(周辺に2・3粒)
・トリミング→1~2週間に1回(差し戻し)
以上の環境で旺盛に生長しています。具体的にはトリミング間隔は2~3週間と言ったところです。
やはりハイグロフィラという水草の仲間ですので・・・
硬度は低めの方が高いよりは調子が良よく生長しているようです。
ウォーターウィステリアの栽培が簡単な理由
で、実際に栽培してみるとわかることなのですが、ウォーターウィステリアの栽培は簡単です。
じゃあ何がどう簡単なのか?ということになるのですが、↓の3つがその理由として挙げられそうです。
①、育つ環境が比較的緩い=高価な機器を必要としないので簡単
②、環境が合えば成長速度が早く、差戻でもピンチカットでも増えるので簡単
③、新しい土を好むのでセット初期の水草水槽でも旺盛に生長
ということが言えそうです。
水草育成用ライトやソイルの底床、CO2添加器具や外部フィルターなど水草栽培のための一通り器具を用意することができれば・・・
さらにその水草水槽が立ち上げたばかり、もしくはソイルを交換したばかりであっても、、、
難しいことは考えないでも栽培できる水草となっています。
また、成長力も凄まじいものがあるので、多少いじけても簡単に復活する水草ですので、なにかとトラブルに見舞われる初心者の方でも安心して栽培できる水草でしょう。
栽培上の注意点
注意点としては3つあります。
あっという間に生長するので・・・
1つはウォーターウィステリアはかなり大きめなサイズまで生長します。さらに、栽培が簡単な水草ですから・・・
あっという間に水槽の御神木サイズ(?)にまで生長します。
ですから、なるべく後景草で利用し、よくトリミングを行い、不要な影を作らせずほかの水草の生長を阻害しないようにすることが大切です。
根を良く張るので・・・
2つ目は根張りがすごいことです。
大きな株になるとそれだけ根が良く張ります。
株の位置変更や抜き差しはなるべく行いわないように計画的に植栽しましょう。
何をやっても調子が悪いならもしかすると・・・
3つ目が新しい土を好むことです。
つまりソイルがだんだんと古くなってくると調子を落としてきます。
光やCO2、水質に肥料、さらには水流など、、、
ウォーターウィステリアが好むような条件、もしくはコケが嫌いな条件に水槽内を改善しても、どうにもこうにも調子が上がらない時があります。
そんな時は部分的にソイルを入れ替えることも検討するべきかもしれません。
それに備えて鉢で栽培するというのも一つの手かと思います。
鉢植え栽培すればソイル交換は簡単ですからね。
以上がウォーターウィステリアを栽培するうえでの注意事項です。
なんて書いていたら、ずいぶん長くなってしまいました。
次回はウォーターウィステリアのピンチカットについて紹介していきます。
あとがき
ちょっと前半部で脱線しすぎたのか?本来なら1回で終わる話だったんですが、分割ものとなってしまいました。
さて、次回はいよいよトリミングの話になります。
それでは次回もお楽しみに!
(最終更新:2019/9/12)
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