アクアリウム立ち上げ中の水替え
どうもこんにちは。ごん太です。
今回はアクアリウムの立ち上げの方法、
特にパイロットフィッシュを利用した立ち上について、その管理方法について話ていきたいと思います、
つまりは・・・
立ち上げ中の水換えをする?しない?
という点を解説していきたいと思います。
ちょっと小難しい話だとは思いますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
それでは目次、サイト内リンクと続きまして本文へと入っていきます。
続きをどうぞ。
なお、当記事は前置きが少々長くなっております。
お忙しい人は↓目次リンク「 パイロットフィッシュを管理する2つの考え方」 より飛んでください。
(サイト内リンク:アクアリウム立ち上げ講座リスト)
当記事以外のアクアリウム立ち上げ講座をリストにしてみました。
よろしければご参照ください。
今回の記事を読むにあたっての補足
さて、今回の記事では硝化細菌について述べていきたいと思いますが、、、
まずは、今回の話をする前に、生物ろ過についてのポイントを軽く押さえておきたいと思います。
生物ろ過はアクアリウムにとって大切な役割を担っており、水槽を営む者の主たる話題ですが、、、
そんな濃厚な話の「一から十まで」また別の機会にすると、
今回は当記事を読むにあたって押さえておきたいポイントのみ、まとめてみました。
【押さえておきたい生物ろ過のポイント】
①硝化細菌は餌(アンモニア・亜硝酸)がないと増殖できない
②アンモニアは猛毒
③亜硝酸も毒
④硝酸は比較的無害
⑤フィルターは水換え期間を延ばす道具
そもそもアクアリウムにおける水替えという作業は
毒であるアンモニアや亜硝酸、
さらには比較的無害ではあるが蓄積するれば毒となる硝酸
これらを排水で取り除き、注水で薄めるプロセスです。
そしてこの考え方は立ち上げ期間中でも水槽内に魚がいる限り当てはまります。
そんなわけなので、
今一度水替え、それもアンモニア・亜硝酸・硝酸にクローズアップした①~⑤の内容について簡単ではありますが説明してみたいと思います。
①硝化細菌は餌(アンモニア・亜硝酸)がないと増殖できない。
これは、いくらフィルターを設置し水を循環させ硝化細菌の増殖できる環境を整えても、牧草のない牧場に牛を放してもごはんが食べれず成長できないのと一緒で、
「硝化細菌が増えるためには餌となるアンモニアや亜硝酸が必要だ」
という最近流行りの考え方を端的に表現したものです。
②アンモニアは猛毒
③亜硝酸も毒
②と③については、アンモニアと亜硝酸が魚に有毒だということは、水槽について少しでも調べたことのある初心者さんならご存知なことも多いはずです。
その症状や毒性が発揮される機序には違いがあるようですが、どちらにせよ魚を死に至らしめる猛毒です。
アンモニアや亜硝酸は猛毒なので、フィルターを設置や定期的な換水を行うわけです。
④硝酸は比較的無害
④については、その最終的な産物である硝酸は比較的無害ではありますが、完全に無害ではありません。
そのまま放置しておくと蓄積し高濃度になり、やはり魚を死に至らせしめます。
ですので、淡水水槽においては、どんなに高性能なフィルターを利用していても最終的には水換えに頼ることになります。
そしてここから考えが派生するのですが、、、
⑤フィルターは水換え期間を延ばす道具
フィルターの役割を大まかにみると⑤↑のようにも考えられるわけです。
なぜなら、いくらフィルター性能を強化しても【脱窒】でも意図して行わない限りは水換えからは逃れることができないのです。
「フィルター増設!ろ過能力強化!!」
なんて言ってみても、それは「水質を安定させる」ためであって、結局は「いつもの」水換えから逃れることができないわけです。
ただ、、、
フィルターのある水槽と無濾過水槽を比較すると、フィルターを利用すること毎日の水替えは行わなくて済み、
おおよそ1週間に1回の水替えで済むようになるわけです。
つまり、フィルターを利用することで水換えからは逃れられませんが、
水換えをするタイミングは伸ばすことができるわけです。
ちょっと脱線したところもありますが、
↑これらの事柄を基本にして話を進めていきたいと思います。
パイロットフィッシュの管理はアクアリスト次第?
猛毒にさらされる期間はどれぐらい?
さて、パイロットフィシュを用いた立ち上げ法についてこれから述べていきますが、
一般的には硝化サイクルが完成するまでの期間は、
猛毒に晒される死の期間
ともいうことができ、
その期間をパイロットフィッシュは耐えしのぐことになります。
その具体的にな日数で言うと、
亜硝酸菌が増殖してアンモニア濃度が下がるまで約1週間。
硝酸菌が増殖して亜硝酸濃度が下がるまで約2週間。
合計で概ね3〜4週間、パイロットフィッシュは耐えることになります。
生命倫理というデリケートを含むのでどのような意見も尊重したい・・・
では・・・
耐えしのぐ間のパイロットフィッシュの管理はどうするか?
これは結構重大な問題です。
いまでもアクアリストの間で議論されている敏感な話題です。
そして結局のところ、この議論はパイロットフィッシュの生死に関わるので、個人(魚の飼い主)の生命倫理感次第ということになります。
ですから・・・
はっきり言ってしまえば、人により差が大きく、かなりデリケートな問題です。
よって、
あれがダメ!これがダメ!
そんなのありえない!!
ではなく・・・
こういう考え方もある!
ああいう考え方もある!
今回【よくある極端な例】を2つの紹介するのですが、
そんな風に1つ1つの方法を尊重しながら、記してみました。
読んでいただく人も、そんな風に尊重して読んでいただければ幸いです。。
パイロットフィッシュの管理をめぐる2つの考え方
さて、パイロットフィッシュの処遇について大きく以下のように分類できると思います。
①とにかく亜硝酸菌、硝酸菌の増殖優先で、水槽の水換えは極力しない
②魚の生存優先で、アンモニア濃度や亜硝酸濃度が致死濃度にならないように水換えをする
概ねこの2つのどちらかの方針に沿って水替えすることになると思われます。
両者とも突き詰めれば「極端な管理方針」とも言えるのですが、
今回はあえて極端な話を事例として挙げたいと思います。
(なお極端な例の紹介後、より一般的でお勧めな立ち上げ中の換水についての考え方を示しておきたいと思います。)
そんな方法もあるんだよ!と頭の中で考えるだけならばリスクはなく、知識も増えるわけですからあえて記した次第です。
なお、実際に管理する場合は極端な方法はなるべく避けることをごん太は重ねてお勧めしたいと思います。
「水替えを極力せず、バクテリアの増殖を優先する」という方法
では、まず1番の硝化細菌の増殖優先で極力水換えしない方法についてです。
この方法の根拠となる部分は・・・
硝化細菌は餌がないと増殖しないということです。
逆に言えば餌をいっぱい用意すれば硝化細菌も早く増えるということを根拠にしています。
なので、換水をせずに硝化細菌の餌(アンモニアや亜硝酸)が豊富にある状態にして、増殖しやすくさせ、なるべく早く硝化サイクルを完成させようという方法です。
よって、水換えによってそれらの餌が除去するということは極力行わない方向になります。
ですが魚にとって見ると・・・
猛毒が常にある状態になりますので、常に死の危険と隣り合わせの水槽となります。
ただし、魚が死んでしまった後は餌と魚に頼らない方法でアンモニアを供給しないと生物ろ過が完成せず、魚抜きで完成した生物ろ過システムですぐさま魚の飼育ができるか否かはは少々疑問なところもあります。
これについてはまた別の機会に述べるとして、兎にも角にも、、、
そんな、危険な水槽を生き抜く必要があるわけですから、水質が多少悪化してもびくともしない強靭な種、例えばアカヒレなどが選ばれることが多いです。
また、副次的な効果ですが、極力水換えを行わないのでメンテンナンスの機会が減ることになりますから、管理に労力を割く必要はありません。
しかしながら、この方針をとりつつも極力個体を死なせないとなると結構大変です。
毎日個体の状態を観察し、仮にアンモニア中毒や亜硝酸中毒の気配があるものならすぐさま水換えをしなくてはいけません。
そんなわけですので、かなり好みがわかれる方法でもあります。
積極的に水替えをしパイロットフィッシュ生存を優先する方法
次はアンモニア濃度や亜硝酸濃度が極力パイロットフィッシュの致死濃度にならないように水換えしていく方法についてです。
おそらく、生命倫理的な観点からこの方法を選択する方が多いのではないでしょうか?
さて、この方法については
魚を殺さないという生命倫理観や道徳観が根底にあると思います。
それ以外にも・・・
安定した硝化サイクルのためにもアンモニアの供給源である魚が常に生存している必要がある!
と理論的に考える人もこちら選択するかと思います。
この管理方法では、テトラ6in1などの試験紙や試薬で毎日水質を検査し、致死濃度に近かった場合は水換えということになります。
アンモニア地獄・亜硝酸地獄の期間は、水替えをしても翌日には魚に害のある濃度になることが多いですから、必然的に毎日水換えにということになるでしょう。
結果、体力やお金を浪費する方法でもあります。
もちろん・・・
結局のところ毎日水換えすることになるので試験紙や試薬は使わない人もいます。
兎にも角にも魚の生存優先!ってことです。
しかし、硝化細菌にとってはどうでしょうか?。
せっかくの餌が水換えでなくなってしまうので増殖しづらくなると考えられているようです。
ですから、当然こちらの方法では立ち上げ期間が長くなる・・・
と言われていました。
詳しくは、次の項で説明します。
どうすれば水槽の立ち上げ期間が短くなるのか?
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早く硝化サイクルを成立させたい人は水換えを極力しない方法、魚を生存させたい人は水換えを毎日する方法が良いと言われてました。
はい・・・過去形です。
最近はどちらもアンモニア濃度と亜硝酸濃度が0mg/Lになるそれほど日数は変わらないって考え方が広まりつつあるようです。
これは
魚の数の分だけ硝化細菌の餌ができ、餌の数だけ硝化細菌が増殖する
という考え方がもととなって・・・
魚の数に見合った数の硝化細菌が増殖する
と考えられるようになったからです。
なので、水換えしないで餌(アンモニアや亜硝酸)を大量に溜め込んでも、最終的には無駄になるというのが、最近の考え方のようです。
それを根拠とするならば、
①、アンモニアや亜硝酸、さらには硝酸が害のある濃度で換水する
②、何もなくても立ち上げ中は毎日換水する
という方法がいいのかもしれません。
①は試験紙や試薬を利用しますから金銭的に負担があり、
②は毎日重いバケツを持つわけですから体力的に負担があります。
しかし、アクアリウムを立ち上げる時間がさほど変わらないということならば、
無理して水替えを我慢する必要もないわけですから、
↑①もしくは②のどちらか適した方を
より安心・安全に魚を飼育できる立ち上げ時の換水方法(指針)として、ごん太としてはお勧めしたいと思います。
余談:魚の数に見合った硝化細菌しか増殖できないという話。
もし一時的にアンモニア濃度が急上昇し、亜硝酸菌が増加したとしましょう。
常に同じ濃度のアンモニウムが供給され続ければ増殖した亜硝酸菌は生存し続けることができます。
しかし、アンモニアが急上昇前の濃度に戻った途端、つまり増えた分だけの餌を食べきってしまうと、殖えた分の亜硝酸菌はエサ不足になり死滅してしまいます。
いくら水槽内にアンモニアや亜硝酸と言った硝化細菌の餌をため込んだとしても、増えるのはほんのひと時で、
最終的には餌を永続的に作り出す魚の数に見合った数の硝化細菌しか生存できません。
これを基準で考えれば、毎日水替えをして魚(=硝化細菌の餌の供給源)の生存率を高めたほうが良さそうだと考えられるようになったわけです。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
さて、だいぶ長くなってしまいましたが、まだまだ話は続きます。
それでは次回もお楽しみに!
(更新:2021/2/6)
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